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スケルツォ倶楽部
聴けば 最初の一音で、“名盤! ”
と 確信するディスクたち。


 今晩は、“スケルツォ倶楽部 ”発起人です。
 突然ですが。 私が 小学生の頃 こんなテレビCMが 流れていました。ご記憶の方、きっといらっしゃると思います、昭和50年代も初め頃でした・・・たしか。
 ・・・ヨーロッパの王侯貴族の館でしょうか、見事な景観を誇る庭園の風景が映し出され、その背景に 朗々と鳴り響くのは チャイコフスキーピアノ協奏曲第1番 の冒頭です。ホルンの強奏、オーケストラは合いの手を打つようにフォルテッシモのトゥッティで3/4の拍動を打ち、これをピアニストへと渡します。3オクターヴに渡るピアノの重い和音は、あの有名なメロディーを 抒情的に奏でるヴァイオリンとチェロのパートを 伴奏する役割をここでは果たしているのです。
 やがて テレビからは 洋酒がグラスに注がれる音と 琥珀色の液体に氷塊が沈む映像とがオーバーラップ、最後に 落ち着いた男声のナレーションが挿入されるのでした。

 「 いい音楽は 第一楽章から引きこまれる。
   いいウイスキーは 一杯目から 魅せられる。
   名演奏の 興奮 さめやらぬまま
   今夜も ロバートブラウン。」

  
・・・当時の懐かしい新聞広告キリンシーグラム株式会社)も見つけました。

 懐かしい広告(キリンシーグラム株式会社)

 「わたしは そのCM、知らないなー。やっぱ ジェネレイション・ギャップ ってやつ(笑 ) 」
 「・・・って、お前の方が おそく生まれたというだけなのに、話題にしてるCMを知っているオレの方が負い目を感じるような空気に いつも なるのは何故? 」
 「はい、これにヒントを得て 今宵は 『 最初の一音で、“名盤だ! ”と 確信する』ほど インパクトあるディスクを 二人で思いつくまま選んでみました 」
 「くそ、なるべく新しい録音を選んでやる 」
 「念を押すけど、最初の一音だよ。 」
 「よし。きまクラ ドン!
 「おいおい、アナタ 笑瓶さんですか 」
 「では 気を取り直し。レディ・ファーストで お前から。」

Grammophon Polydor POJG-9001 ベートーヴェン 交響曲第5番 クライバー(D.G.)盤
ベートーヴェン:交響曲第5番 ハ短調 作品67
カルロス・クライバー指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
録音:1974年3、4月 ウィーン、ムジークフェラインザール
D.G. /ポリドール(POCG-90037 )

 「では。コレが わたしの最初の一枚。1962年のカラヤン/ベルリンフィルの演奏も ディスクの冒頭から凄かった記憶があったので、念のため 聴き直してみました。その結果、カラヤンも素晴らしかったけど、わたし的には やっぱり こちらのカルロスの方がお好み。最初の一音から 他では聴けない緊迫感と 溶岩が湧きだすような推進力には あらためて絶句です。 ・・・尤も“スケルツォ倶楽部 ”会員の皆さまには すでに熟知の一枚でしょうね。はい、次はアナタ 」
 「コレを おススメします 」

マーラー 交響曲第6番 ラトル/ベルリンフィル(自主制作)盤
マーラー:交響曲第6番 イ短調「悲劇的」
サイモン・ラトル指揮
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
ライヴ録音:1987年11月 ベルリン
BERLINER PHILHARMONIKER
IM TAKT DER ZEIT(GEMA LC-13781 CD8)
 

 「この当時 バーミンガム市交響楽団の常任指揮者だった 1955年生まれの 若き俊才が 初めてベルリン・フィルに客演した時の貴重なライヴ・レコーディング。低弦セクションが勢いよく一斉に弓を“挽く” その最初の一音から、指揮者‐オーケストラ 双方の気合と気迫が 切実に伝わってきます。ところどころベルリン・フィルらしくない(? ) 小さな事故こそあれど 取り返しの効かない 一回性の魅力には代えがたく、録音も意外に鮮明です 」
 「すでに この時点でラトルは 第2楽章と第3楽章を入れ替えて(!)演奏しているのね 」
 「まさに そこがポイント。ラトルが手兵バーミンガム市響EMIにレコーディングするのは、このコンサートの2年後の1989年なんだが、この時もラトルは 間違いなく確信のもと、中間楽章入れ替えで録音に臨んでいるんだよ 」
 「ふーん、オモシロイ。じゃ、次は わたしネ 」

ベートーヴェン「ハンマークラヴィーア」ポリーニ(D.G.)盤
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第29番 変ロ長調 作品106 “ハンマークラヴィーア” 」
マウリツィオ・ポリーニ(ピアノ)
録音:1977年6月
併録(後期ピアノ・ソナタ集 第28番、第30~32番)
D.G. /ポリドール(POCG-3844~45)

 「これは もう素晴らしい としか、わたしには 表現できません 」
 「ウェーベルン“変奏曲”ブーレーズ“第2ソナタ”などを この前年(1976年7月)に録音していた理知的なポリーニが、ベートーヴェンに 同じ光を照射した 明晰で堅牢な演奏と言えば 」
 「 とにかく、この“ハンマークラヴィーア”、最初の一音に籠めたポリーニの決意は 高く、重く、深いの 」
 「次は この1枚です 」

R.シュトラウス『英雄の生涯」オーマンディ(RCA)盤
リヒャルト・シュトラウス:交響詩「英雄の生涯 」
ユージン・オーマンディ指揮
フィラデルフィア管弦楽団
録音:1978年 2月15日 フィラデルフィア
RCA/BMGファンハウス(RVCC-38120 )

併録:「23の弦楽器のためのメタモルフォーゼン 」

 「最初の一音の印象深さで 記憶に残る名盤 といえば、私にとっては やはり これです。これも低音弦の鋭いアクセントが耳に残ります。この“英雄の生涯”を得意として4回以上も録音しているオーマンディのオーケストラへの統率力は素晴らしく、特に フィラデルフィア管弦楽団の 弦セクション のバランスは 全曲に渡って目を見張ります」
 「ふーん、たしかに格好イイわね。生のコンサートの音って、録音には入りきらない要素がたくさんあって、確実に 落ちてゆくものがあるのは当然。だから両者を同列に語るわけにはいかないって、それは定説だけど。でも この オーマンディ盤の この一音の見事さって・・・」
 「そうだろ。奇跡的にマイクロフォンが 音響の芯を捕らえた 稀有な事例だと思うんだな 」
 「あ、フィラデルフィアと言えば・・・ こんなのもあるんだよ 」

エルガー チェロ協奏曲 デュ・プレ(CBS)ライヴ盤 ダニエル、起こしてー」、「よいっしょ」
エルガー:チェロ協奏曲 ホ短調 作品85
ジャクリーヌ・デュ・プレ(チェロ)
ダニエル・バレンボイム指揮
フィラデルフィア管弦楽団
ライヴ録音:1970年11月 フィラデルフィア
Sonyソニー・ミュージックエンタテインメント(SRCS-2643)

併録:「エニグマ変奏曲 」 ロンドンフィルハーモニー

 「一応 バルビローリとのEMI盤とも聴き比べてみたけれど、当時25歳の若さだったジャクリーヌが 夫バレンボイムを伴なってフィラデルフィア管弦楽団に客演した時の ここで聴ける 気迫は とりわけ感銘深く、わたしには最高と思われます」
 「冒頭 出だしの一音から、確かに 凄まじい気合のボウイングだなー 」
 「ジャクリーヌが不治の難病に倒れ、演奏活動の中止を余儀なくされるのは、この録音の わずか3年後 28歳のときだよ 」
 「これほどの才能が - 惜しいなあ。夭折の才媛デュ・プレバレンボイムについては、また別の機会で 話題に挙げたいものです。では 次・・・」

ブラームス 交響曲第4番 ケンペ(BBC‐Legends)盤
ブラームス:交響曲第4番 ホ短調 作品68
ルドルフ・ケンペ指揮
BBC交響楽団
ライヴ録音:1976年2月18日 ロンドン、ロイヤル・フェテイヴァル・ホール
BBC-LEGENDS キング・インターナショナル(KKCC-7001)

併録:シューベルト 交響曲第5番 変ロ長調(1974年録音)

 「名匠ケンペが(1976年5月12日に)亡くなる 僅か3か月前の録音。彼にとっては 10ヶ月に過ぎなかったBBC交響楽団常任の地位でしたが、第1楽章の冒頭、繊細に打ち震える弦セクションの 素晴らしい表情が 演奏のすべてを物語っています」
 「これってケンペのラスト・レコーディング?」
 「たしかね。ちなみに、この前月にシュターツカペレ・ドレスデンとのドイツ・シャルプラッテン録音が、スタジオにおけるルドルフ・ケンペのラスト・セッション。その演目は 奇しくも ブリテン“鎮魂交響曲”( 併録 ストラヴィンスキー 組曲“火の鳥”)。 」
 「次は、 また わたしからね」

ショパン ピアノ協奏曲 クリスティアン・ツィマーマン(D.G.)盤
ショパン:ピアノ協奏曲第1番 ホ短調 作品11
クリスティアン・ツィマーマン(ピアノ、指揮)
ポーランド祝祭管弦楽団
(併録:第2番 ヘ短調 作品21)
録音:1999年8月 トリノ
D.G. ユニヴァーサル(POCG-10245~46)

 「 第1楽章の冒頭、この弦の たった一音だけで、ツィマーマンの決意が伝わってくる、他に類を見ない ロマン的表現の現代解釈であることが判っちゃう 特異な 濃い演奏、唯一無比」
 「この録音の出現によって、ショパンピアノ協奏曲自体への評価が 世界的に一変したのでは - と表現しても過言でないほど 大きなインパクトを与えた功績から、歴史的な名盤として残るだろうな」
 「はい、次は アナタの番ね」

ヴェルディ 歌劇「オテロ」 カラヤン=カルショー(Decca)盤
ヴェルディ:歌劇「オテロ 」
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団、ウィーン国立歌劇場合唱団
マリオ・デル・モナコ(オテロ )
レナータ・テバルディ(デズデモーナ )
アルド・プロッティ(イヤーゴ )他
録音:1961年3月 ウィーン ゾフィエンザール
Decca ユニバーサル(UCCD-3936~37 )
 
 「冒頭は、暴風雨と突風を伴なう激しい大嵐の音楽。この録音のプロデューサー、ジョン・カルショーは 回想録『レコードはまっすぐに(Putting The Record Straight 山崎浩太郎氏=訳 学習研究社 ) 』の中で カラヤンが 特殊効果音の突風を加えるよう望んだことを書いています。『それは舞台で上演する時の、風で飛ばされる旗と同じ効果を聴覚上にもたらすことになる。楽譜にはないものだが、反対する気はなかった。ただし、慎重に、慎重すぎる程度にする。それほど多量に加えるつもりは決してなかった 』 」
 「オモシロイ。大砲の音も、オルガンの音も効果的なのね 」
 「この名盤については、録音開始当初 イヤーゴ役がバスティアニーニだった(!)など、他にもイロイロ語りたいことが山積です。また 別の機会に 思いきり語らせて頂きたいものです 」

ベートーヴェン ピアノ協奏曲第5番「皇帝 」 スホーンデルヴルト(fp ) アンサンブル・クリストフォリ(Alpha )盤
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番 変ホ長調 作品73「皇帝 」
アルテュール・スホーンデルヴルト(フォルテピアノ、1807~10年頃の ウィーン製ヨハン・フリッツ )
アンサンブル・クリストフォリ
録音:2004年9月 ユトレヒト
Alpha(ALPHA-079 )

 「解説によると、アンサンブル・クリストフォリは 古楽器の名手が顔を揃えた団体(たとえば トラヴェルソはハーゼルゼット、クラリネットはヘープリチ、ティンパニ奏者はファン・デル・ファルクといった、真の意味でのオールスターズ)です。ベートーヴェンのコンチェルトを演奏しようというのに その小さな楽器編成は特異。弦は ヴァイオリン2(名)、ヴィオラ2、チェロ2、コントラバス1。管は フルート1~2、オーボエ2、クラリネット2、ファゴット2、ホルン2、トランペット2。そして ティンパニ1・・・という小編成。これは ベートーヴェンのパトロン ロブコヴィッツ侯爵 邸宅の サロンの広さや来客数記録から検証された規模の再現(!)を目指した結果なんだそうです。冒頭一発の気迫から 震えがくるほどの もの凄さですが、全曲(全集も完成)素晴らしくって、コレ 聴いた人は ホント皆さん 惚れ込んでますから。百聞は“一聴に”如かず・・・ですよ! 」
 「次は いよいよ 本日 最後に ご紹介の一枚です 」

ワーグナー 楽劇「ヴァルキューレ」第1幕 クナッパーツブッシュ ウィーンフィル(Decca)盤
ワーグナー:楽劇「ヴァルキューレ」第1幕
ハンス・クナッパーツブッシュ指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
キルステン・フラグスタード(ジークリンデ )
セット・スヴァンホルム(ジークムント )
アルノルト・ファン・ミル(フンディング )
録音:1957年10月 ウィーン ゾフィエンザール
Decca=London ポリグラム(POCL-4521 )

 「カラヤン盤『オテロ 』録音 と同様、これもデッカジョン・カルショーによるプロデュース。第1幕への前奏曲 は 激しい嵐の描写音楽。『オテロ 』の方は 海の嵐 だったけれど、『ヴァルキューレ』は 深い森の中の嵐。森の木々が一斉にざわめき、遠く山が吼える暴風雨。しまいに 『ラインの黄金 』 の大詰めで 鳴り渡っていた ドンナーの雷鳴までも 聴こえてきます。冒頭一音の凄さは、瞬間風速38メートル( = 人間を飛ばす風速)? に匹敵する大迫力。その後、ゲオルク・ショルティ が指揮することになる デッカの『ニーベルングの指環』レコーディングも、その最初の企画段階では ハンス・クナッパーツブッシュの指揮で構想されていた、という興味深い話題など、また 改めて述べたいと思っています 」
 「クナッパーツブッシュのタクトで、ウィーン・フィル 燃えてるわね 」
 「限(きり )がないから 本日は 一旦 ここまでに。あれ? でも結局 オレが選んだのは 古い録音ばかりになってしまったなー 」
 「全然 驚かないよ。あ、やっぱりね・・・って(笑)思っちゃった 」

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コメント

のり2 さま

私 「ほら見てみろ、ブログの先輩 のり2 さまだって、キリンシーグラムのCMに 覚えがあるって おっしゃってるじゃないか」
妻 「ご賛同と コメント、どうも ありがとうございました」
私 「そういえば オーマンディ盤、最近 ショップで 見かけなくなりましたね。意外に良い演奏なので、カタログから消えないでほしいものです」
妻 「のり2 さま 9月19日の “ウィーンの休日” にも おじゃましちゃいました ~!」
 ↓
http://plaza.rakuten.co.jp/noclasica/diary/201009190000/

URL | “スケルツォ倶楽部” 発起人 ID:-

Good afternoon!

こんにちは!

キリンシーグラムのCM覚えています。当時は少し高嶺の花の
ウィスキーでしたが。(笑)

本日も楽しませていただきました。大いに賛同です。
ポリーニの「ハンマークラヴィーア」が特に納得です。(爆!
彼の「ワルトシュタイン」も好きですが。

オーマンディの「英雄の生涯」一度聴いてみたいものです。
続きを楽しみに、ポチしてかえります。♪

URL | のり2 ID:-

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