本記事は、9月 5日「 人気記事ランキング クラシック音楽鑑賞 」で 第1位 となりました。
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スケルツォ倶楽部
カラヴァッジョの「聖マタイの召命」は、エロイカSQ (ベートーヴェン Op.74、95、135 )のCD表紙と どこか似てる。


 今晩は、“スケルツォ倶楽部”発起人です。
 今夜 家内は実家に帰っており、私は のんびりと「オニの居ぬ間」に(忍び笑)、よく冷やしたヱビスビールを飲みながら、さきほどから ベートーヴェン弦楽四重奏曲第10番 変ホ長調 Op.74「ハープ」を エロイカ四重奏団のCDで 聴いてます。
 1810年頃に作曲され ロブコヴィッツ侯爵に献呈された、単独で書かれた弦楽四重奏曲の隠れた名作「ハープ」・・・ 第1楽章 ポーコ・アダージョの序奏から 晴れやかなアレグロの主部へ移る瞬間や、4人の弦楽器奏者が 順番に弓を外して ピッツィカート・アンサンブルになる経過部の新鮮さが 大好きです。美しい第2楽章も 沈思黙考と 心の平安が得られますが、何より スケルツォ楽章プレスト ~ プレスティッシモハ短調の 「運命動機」に似たモティーフで作曲されてることには 要注目です。この楽章は、同じベートーヴェン第5交響曲 ハ短調 の 本来の 第3楽章と ぜひ一度 取り替えて聴いてみたくなるほど 魅力的なスケルツォなんです。 ・・・というのは 私の勝手な想像ですが、皆さまも お試しになられたら、私の抱く妄想の根拠も きっとお察し頂けるものと思います。

 エロイカ・カルテットは、ロマン派時代の演奏を 再現する古楽グループ
 エロイカ・カルテット The Eroica Quartet は、「正統的な19世紀(ロマン派時代)の弦楽四重奏演奏」の 忠実な再現 を目指した、ロンドンの4人の若い古楽器演奏家 - ピーター・ハンソン Peter Hanson(1st V n - 1756年製J.B.Guadagnini )、ルーシー・ハワード Lucy Howard(2nd Vn – 1712年製Grancino)、グスタフ・クラークソン Gustav Clarkson (Va – モダン楽器1987年製 William Luff )、デヴィッド・ワトキン David Watkin(Vc – 1690年製Rogeri ) - によって 1990年代 設立されたグループでした。
 The Eroica Quartet
 彼らの研究 - フェルディナンド・ダーヴィット Ferdinand David (1810 - 1873)、レオポルド・アウアー Leopold Auer (1845 – 1930 )といった名ヴァイオリニストらの残された文献を中心に、200年以上にも渡る 様々な弦楽器演奏史 - 研究の結果、現代に「蘇らせたロマン的なアプローチ a Revived Romantic Approach」によるベートーヴェン弦楽四重奏傑作三曲( Op.74、95、135 )の演奏を収めた この一枚は、たいへん興味深い仕上りです。

 このCDのジャケットの雰囲気は、カラヴァッジョの絵に似ている(?)
 けれど、私が 最初に このディスクに強く惹かれたのは、実は 演奏の中身ではなく この独創的なジャケットでした。
 The Eroica Quartet_Beethoven_harmonia mundi_HMU 907254 ← ( ハルモニア・ムンディ HMU-907254 )
  演奏のスタイル以上に、四人のメンバーが パッケージ写真に収まっている、まるで古典的な絵画の登場人物になりきったように凝ったポーズや全体の構図を眺めていたら、もっと古い時代の ・・・ イタリア・バロック絵画の先駆的存在 ミラノの天才画家 カラヴァッジョMichelangelo Merisi da Caravaggio、1571 ‐ 1610 )の傑作「聖マタイの召命(1592-1602頃)」を連想させられたのです。
 カラヴァジォ「聖マタイの召命」235×235
 カラヴァッジョ「聖マタイの召命」は、推定20代だった天才画家が初めて公的な依頼を受けて描いた、いわばデビュー作。その構図の卓抜さには 誰をも惹きつけるサムシングがあり、公開当初から大評判の成功作だったと言われています。
 優れた絵画芸術に 共通した効果が「光と影」の巧みな対比ですが、この作品もまた例外ではありません。
 絵の右端に すっくと立つキリストが、左端の暗い影の中にいる、テーブルへ座して 下を向き お金を数えている若い取税人マタイのことを ピッ!と指さし、「あの男をわたしの弟子にする」と宣言する瞬間を描いたものです。戸外から差し込む陽の光は、あたかも神の意志を明示するかのように キリストの指さす先へとまっすぐに伸びています。

 「え、コイツを弟子に・・・ですか?」と 一緒のテーブルに座っている髭の老人は意外そうな表情で驚いてみせます。
 その老人の右隣に座っている おしゃれな帽子を被った富裕階層らしい少年もマタイのことを 「この人は、無学な取税人ですよ」などと 見くだしながら つぶやいています( きっと少年は 老人の息子か孫なのでしょうね、ほら、互いに 顔が よく似てます ) 。
 聖マタイの召命(部分)老人 聖マタイの召命(部分)少年
 ・・・そうなんです。当時 ユダヤの国を軍事制圧していたローマ人の手先となって 同朋のユダヤ人から税金を取り立てる仕事をさせられていた取税人は、ユダヤ国内では軽侮の対象でした。キリストがそんな立場のマタイを 弟子に選ぼうとすることが、周囲には意外に思われたに違いありません。
 しかし、絵の続きは 皆さんも新約聖書でご存知のとおり。この直後 マタイは すべてを捨ててイエスに従います。そして十二弟子のひとり 聖マタイとして イエス磔刑後 は、キリストの伝記聖句をまとめた福音書を残しますが、激しい迫害の中 最期は殉教しました。言うまでもなく、J.S.バッハの 偉大な「マタイ受難曲テキストの大部分となる原典が、彼の書き遺した「マタイによる福音書」ですよね。
 
 参考 ☆ 発起人のオリジナル・ノヴェル「サンタクロース物語 」を読む

 ・・・もとい。エロイカ・カルテットのCDジャケットで、戸外から差し込んでくる光と共にあるのは、(イエス・キリストの指の代わりに)ベートーヴェンの楽譜ですね。チェロのデヴィッド・ワトキンが無造作に手にしているようにも見える その楽譜こそが、「音楽の神さま」の意志を表すもの、と暗示されているかのように、まっすぐに光を浴びているカルテット・メンバーの表情の中には 楽聖に「召命」されたという ひそかなプライドさえ感じ取れます。
 彼らエロイカ・カルテットの演奏が聴ける既発売の音盤CDの数は少ないですが、このベートーヴェン以外にも シューマン、メンデルスゾーン、それに ドビュッシーまであるそうです(発起人未聴)。近年は 新しいレコーディングのニュースこそ 耳にしませんが、イギリス国内だけでなく、アメリカやフランスでも 幅広い 支持を受けているそうです。

 さて、以下 余計な つぶやきなれど・・・
 カラヴァッジョの「聖マタイの召命」右端で キリストの手前に立って こちら側に背中を向けている人物って、いりませんよね。コイツは、構図的にも キリストの姿に かぶっていますし、はっきり言って 邪魔ですカラヴァッジョ、何でこの人 描いたんでしょうか。それとも 何か 隠された意味でも あるのでしょうか・・・。
 どなたか この理由にお詳しいかた いらっしゃいましたら、どうぞ 教えてくださいね。

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