本記事は、7月19日「 人気記事ランキング クラシック音楽鑑賞 」で 第1位 となりました。
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スケルツォ倶楽部
「 水のピアノ Aqua-Piano 」

 
By Charles M. Schulz 世界的に有名な探検家がダイバーチームを率いて水中探索に向かうところ
 こんにちは、“スケルツォ倶楽部”発起人(妻のほう)です。
 梅雨が明けたと思ったら、猛烈に激しい陽射しと蒸し暑い湿度攻撃を受ける日々が続いていますよね。皆さんも 夏バテ 来てませんか? 良い音楽との出会いをエネルギーに代えて、元気に この猛暑も乗り切りましょうね。
 さて、実は 夫がこの土・日と仕事でしたので、わたしは家で のんきに お留守番でした。午前中のうちは お風呂のお掃除に2時間もかかったり、草むしりをしていたら蚊に刺されまくったり、自治会の会議で書記を務めているのに居眠りしてしまって顰蹙(ひんしゅく)を買ったりと、もー てんてこ舞いの連続です。
 午後は、あまりに暑いので とうとう行きつけの喫茶店ソッ・ピーナに足を運ぶ元気もなく、その代わりに 夫が通勤の車の中で聴けるように、なにか「涼しい音楽のコンピレーション盤」をCD-Rで焼いてあげようと、発作的に 思いついたのが コレ!

 ・・・題して、 「水のピアノ Aqua-Piano」 です。

 涼しい「に関係のある音楽たちをセレクトしましたよ。
 ただし クラシック音楽の器楽曲、それも 基本的には ピアノ曲に 一応 限定させて頂きました。
 下記の順番でディスクに入れてゆくと、74分の音楽用CD-R に ぴったり収まるようになってます! よろしければ 「 個人的に楽しむ範囲で 」お試しくださいね。

1 ショパン:「バルカロール(舟歌)」(07:55)
水のピアノ ショパン「バルカロール」ヤヌシュ オレイニチャク Opus111 ショパン Frédéric François Chopin
  ショパン:「バルカロール(舟歌)」
  演奏:ヤヌシュ・オレイニチャク(ピアノ)
  録音:1999年5月26日、ワルシャワ・ヴィトルド・リトスワフスキ・ホール
  音盤:Opus111(OPS-2012)
 
 1848年 2月16日 パリ、サル・プレイエルでショパン自身が開いた最後のコンサート・プログラムを全曲再現したという興味深い1枚。室内楽曲には アンジェイ・バウエル(チェロ )、マレク・モス(ヴァイオリン )らも参加。このコンサートは パリを離れる ショパンの告別演奏会となり、1ヶ月後 彼はロンドンへ旅立つものの、しかし 体調を崩し 翌年にはパリに戻って亡くなります。
 このディスクで聴けるピアノは、1848年のエラール製、ショパン自身が使用していた時代楽器の音色を偲ぶことができます。ぱきんぱきんと柔らかく鳴る、心地よい音色に 木の素材を感じるような気がします。

2 ショパン:「雨だれ」(04:59)
水のピアノ ショパン「雨だれ」マウリツィオ・ポリーニ D.G. ショパン Frédéric François Chopin
  ショパン:前奏曲集から第15番 変ニ長調「雨だれ」
  演奏:マウリツィオ・ポリーニ(ピアノ)
  録音:1974年6、7月、ミュンヘン
  音盤:ポリドールD.G.(F00G-27084)
 
 32歳のポリーニによる 磨き抜かれた硬質なショパンです。静かな雨の水滴の音が繰り返し打鍵され続けるうち、徐々に偏執狂的な影を帯びてゆき、短調に転調してからの不吉な黒雲から落ちてくる大粒の雨は、当たると きっと痛そう。

3 リスト編(原曲:シューベルト):「鱒(ます)」(02:48)
水のピアノ シューベルト/リスト「ます」エフゲニー・キーシン(SONY) シューベルトの肖像画
  リスト(原曲:シューベルト )「鱒(ます )」
  演奏:エフゲニー・キーシン(ピアノ )
  録音:1992年10月26~28日、ウィーン、ゾフィエンザール
  音盤:Sony Classical SK-52 567

 シューベルトの あの有名な旋律、リストによって技巧的にアレンジされ、非の打ちどころのないキーシンのテクニックは、清流に鱗を光らせながら涼しげに泳ぎまわる鱒のイメージを自然に連想させてくれます。

4 リスト:「エステ荘の噴水 」(06:14)
水のピアノ リスト「エステ荘の噴水 」ジョルジュ・シフラ(EMI ) リスト
  リスト:「巡礼の年 」第3年 第4曲「エステ荘の噴水 」
  演奏:ジョルジュ・シフラ(ピアノ )
  録音:1976年1月7~8日、パリ、サル・ワグラム
  音盤:EMI 50999 2113251 2 0 40CD
 ( Georges Cziffra,Ses Enregistrements Studio 1956-1986)

 「エステ荘の噴水 」は、ドビュッシーラヴェル の いわゆる印象派(その命名が適切かどうかは さて置き・・・)の先駆けとも評価されている逸品。大好きな作品なので、個人的には やはり最初に聴いた思い入れのある シフラの演奏で聴きたいのです。貴族の館に建造された壮麗な噴水のヴィジュアルなイメージにもぴったり、ほとばしる水の粒立ちも華麗な名演です。

5 グリーク:「小川」(01:26)
水のピアノ グリーク 抒情小曲集から「小川」レイ・オヴェ・アンスネス(EMI) グリーグ Edvard Hagerup Grieg
  グリーク:抒情小曲集 第7集-第4番「小川 」
  演奏:レイフ・オヴェ・アンスネス(ピアノ )
  録音:2001年12月、ノルウェイ
  音盤:東芝EMI(TOCE-55420)
 
 ベルゲン近郊トロールハウゲンに建つ エドゥアルド・グリーク資料館(グリークの居間 )に陳列されている、作曲家が生前使用していた楽器1892年製モデルBのスタインウェイをアンスネスが演奏した録音です。このディスクの話題については また別の機会に詳しくお話ししたいものです。「小川」は、まるで流れる水が ちょろちょろ、ちょろちょろ、と音を立てて迸(はし )ってゆくような、そんな愛らしい小品です。

6 ドビュッシー:「水の反映 」(02:16)
水のピアノ ドビュッシー「映像」第1集から「水の反映」(D.G.) Claude Achille Debussy
  ドビュッシー:「映像」第1集から「水の反映」
  演奏:アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリ(ピアノ )
  録音:1971年7月、ミュンヘン
  音盤:ポリドールD.G.(POCG-1938~9)
 
 水面に映る景色が波に揺れ、その形を千変万化させてゆくような不思議なアラベスク模様。感覚的な印象を喚起する、本当の意味で新しい表現技法による素晴らしい作品、演奏です。

7 ドビュッシー:「雨の庭 」(03:43)
水のピアノ ドビュッシー「版画」から「雨の庭 」ジャン・イヴ・ティボーデ(Decca) Claude Achille Debussy
  ドビュッシー:組曲「版画 」から「雨の庭 」
  演奏:ジャン・イヴ・ティボーデ(ピアノ )
  録音:1995年8月、ブリストル
  音盤:ポリドールDecca (POCL-1657)
 

 ピアノの ひとつひとつの音の粒が、実は急に降りだした にわか雨の滴なのです。先刻まで 遊んでいた大勢の子供たちも帰ってしまって、今 誰もいなくなった公園の庭を、あなたは 窓の内側から眺めているところです。耳に残っているのは もはや幻のように消え去った子どもたちの歓声と歌声だけ・・・。
 粒立ちの優れたティボーデの力強い打鍵、あらためて聴き直して頂きたいものです。

8 セヴラック:「ショパンの泉 」(06:30
水のピアノ セヴラック「休暇の日々」から「ショパンの泉 」舘野泉(Finlandia) セヴラック Déodat de Séverac (1973-1921)
  セヴラック:「休暇の日々 」第2集から「ショパンの泉 」
  演奏:舘野 泉(ピアノ )
  録音:2001年 6月、コッコラ
  音盤:FINLANDIA 8573-87181-2
 
 南フランス出身 印象派期の作曲家セヴラック(1872-1921)は、アルベニスの死後 未完だった「ナバーラ」を完成させたことで知られており、歌劇や管弦楽曲も残っていますが、今日 親しまれているのは 間違いなく 多くの美しいピアノ曲によってでしょう。
 「ショパンの泉 」は、その表題どおり ピアノの詩人 の楽想を連想させるフレーズが次々と あたかも清冽な泉から流れ出すような、セヴラックによるウィットに富んだオマージュ作品で、調性もショパンが好んだ変イ長調が おそらく意識的に選ばれています。

9 ラヴェル:「水の戯れ 」(05:27)
マルタ・アルゲリッチ・コレクションⅠソロ・レコーディング篇(D.G.)8CD 水のピアノ ラヴェル「水の戯れ」マルタ・アルゲリッチ(D.G.) ラヴェル Maurice Ravel _
  ラヴェル:「水の戯れ 」
  演奏:マルタ・アルゲリッチ(ピアノ )
  録音:1960年7月、ハノーヴァー ベートーヴェン・ザール
  音盤:D.G.(00289 477 5870 )
  アルゲリッチ・コレクション1 ザ・ソロ・レコーディングス
より

 発表当初からリストの「エステ荘の噴水 」との関連を指摘されてきた名曲で、たしかに 水、その飛沫、そして これに当たる陽の光によって 眩しく反射する有様までをも聴き手に感じさせるラヴェル特有の、繊細で美しい構造物です。
 これはD.G.におけるアルゲリッチの名盤を集成した良心的な廉価ボックスで、その素材こそ薄い紙製で写真の質もいまひとつでしたが、1961年にオリジナルLPでリリースされた時の、今となってはちょっとめずらしいジャケット写真( くるくるパーマのアルゲリッチ ! )で復刻されていたことを発見した ウチの夫(ヤツ )ったら、歓声をあげてましたっけ(笑 )。

10 ラヴェル:「海原の小舟 」(06:46 )
水のピアノ ラヴェル「鏡」から「海原の小舟」ロベール・カサドシュ(CBS) ラヴェル Maurice Ravel _
  ラヴェル:組曲「鏡 」から 第3曲「海原の小舟 」
  演奏:ロベール・カザドシュ(ピアノ )
  録音:1951年12月、ニューヨーク
  音盤:SONY CLASSICAL MH2K 63316
 

 傑作「水の戯れ」を技巧的に発展させたような音楽です。楽曲自体の魅力という点では 少し劣るのか 一般の人気こそ いまひとつながら、その高音から低音まで鍵盤を行ったり来たりするアルペジオに聴者がゆったりと身を委ねれば、やがて音楽の大波に呑まれたような錯覚に陥ることでしょう。
 名手カザドシュは、「ラ・ルヴェー・ミュージカル」誌が主催した現代音楽演奏会で、ラヴェルの作品を弾いて作曲者と深い親交を結んだことで知られています。古いモノラル録音ですが、ソニー・クラシカルによるCBSマスターワークス・ヘリテイジ・シリーズの良心的な復刻の素晴らしさに魅せられています。

11 ヨハン・シュトラウス二世~シュルツ=エヴラー編:ワルツ「美しく青きドナウ 」の主題によるアラベスク(12:01 )
水のピアノ J.シュトラウスⅡ~シュルツ=エヴラー「美しく青きドナウ 」ルドルフ・ブッフビンダー(Teldec ) ヨハン・シュトラウス二世(Wiki )
  ヨハン・シュトラウス二世~シュルツ=エヴラー編
  :ワルツ「美しく青きドナウ 」の主題によるアラベスク
  演奏:ルドルフ・ブッフビンダー(ピアノ )
  録音:1999年3月、ベルリン
  音盤:ワーナーミュージックジャパンTeldec(WPCS-10343 )
 

 アドルフ・シュルツ=エヴラーによる「ドナウ・アラベスク」として有名な編曲バージョンは、原曲の「美しく青きドナウ 」冒頭の弦によるトレモロを ピアニッシシモによる超絶技巧的なアルペジオに置き換えたことで知られています。「走行距離換算でギャラを請求したい 」 (笑 ) と訴える ブッフビンダーが奏でる 繊細なアルペジオの 均質で驚異的なテクニックに耳を傾ければ、早暁のドナウ川の川面に昇る朝日がキラキラ反射してドナウ全体を黄金色に輝かせるような 素晴らしい効果を上げていることがわかります。凄いですよ。

12 チャイコフスキー:「バルカロール(舟歌 ) 」(04:39 )
水のピアノ チャイコフスキー「四季 」から6月「バルカロール 」(Virgin) Tchaikovsky(1840~1893)
  チャイコフスキー:「四季 」から 第6曲(6月 )「バルカロール(舟歌 )」
  演奏:ミハイル・プレトニョフ(ピアノ )
  録音:1994年1月、ロンドン
  音盤:東芝EMI (TOCE-55318~19 ) Virgin

 鬼才プレトニョフの 個性的な節回しによって、独自の世界を築くチャイコフスキーの「四季」の中でも 特に自由に揺れ動かされるテンポによって主情的な演奏が注目の「舟歌」です。
 これはA.プレシチェイエフによる詩のイメージに沿って作曲されたと伝えられるものですが、星の輝きのみを頼りに 恋人たちが沖に舟を漕ぎだして語り合うという秀逸な設定、中間部のアレグロは やっと二人っきりになれたという歓喜の爆発でしょうか、左手は静かな波の動きを表現しているようです。

最後に ボーナストラック(!)を
13 アッセルマン:「泉 」(04:44)

ボーナス・トラック アッセルマンン「泉 」竹松舞(ハープ )DENON アッセルマン Alphonse Hasselmans
 アッセルマン「泉 」Op.44(04:44 )
  演奏:竹松 舞(ハープ )
  録音:1997年3月、秩父ミューズパーク音楽堂
  音盤:日本コロムビア(COCO-80592)
  
 この 「水のピアノ Aqua-Piano」 は、タイトルどおり 基本的には ピアノ曲だけを 収めるつもりで 選曲を始めましたが、ボーナス・トラック(笑 )として、最後に ハープのエチュードを、1曲だけ加えさせて頂きました。これは まさしく「 」を 感じることのできる演奏です。
 作曲者であるアルフォンス・アッセルマン(1845-1912 )は、現代ハープ奏法の父と称えられるハープ奏者です。出身はベルギーでしたが、パリ音楽院のハープ科教授として有名だったそうです。
 ハープのための練習曲「泉 La Source 」は、澄んだ清水がこんこんと湧き出でる有様さえ連想される佳曲ですが、わたしはそれまで名手リリー・ラスキーヌをはじめとする過去の名演と呼ばれる録音に接してきても 正直 これほど大きな感銘を覚えたことがなかったんです。録音のせいなのかもしれませんが、驚くほど均質な音の粒立ちの美しさと 自由なテンポを選びながらも その豊かな呼吸の自然さに耳を奪われました。最後の一音まで素晴らしいです。
 本ディスクの締めくくりに おひとつ、ぜひ。

 ・・・ 今回は 暑い夏に、涼しい「に 関係ある ピアノ曲を中心にセレクトしました。
 でも 実は これには 元ネタが。それは、6月19日のジャズ喫茶「カフェ・ソッピーナ 」の中でご紹介した バーブラ・ストライザンドのコンセプト・アルバム「ウェット 」です。
バーバラ・ストライザンド「ウエット」(1979年 )CBS 
バーブラ・ストライザンドウェット 」(1979年 )CBS
アルバム収録曲 : ウエット Wet、降っても晴れても Come Rain Or Come Shine、スプリッシュ・スプラッシュ Splish,Splash、雨の午後には On Rainy Afternoons、アフター・ザ・レイン After The Rain、ノー・モア・ティアーズ No More Tears(Enough Is Enough )、ナイアガラ Niagara、アイ・エィント・ゴナ・クライ・トゥナイト I Ain't Gonna Cry Tonight、キス・ミー・イン・ザ・レイン Kiss Me In The Rain
 この「ウェット 」は、アルバム全曲が すべて水に関係のあるタイトルの曲ばかりで構成された 秀逸な作品集だったのです。今回は これにヒントを得て、クラシックの名水から 選曲しちゃいました。よろしければ、ついでに こちらも聴いてみてはいかがでしょう?

Snoopy on Sail

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