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スケルツォ倶楽部
NHK-FM 放送 「キマクラ (気ままにクラシック ) 」、
ジョン・ケージ作曲 「4分33秒 」全三楽章を、ノー・カットで オン・エア!

 4分33秒 by チャールズ・M.シュルツ  ジョン・ケージ作曲 「4分33秒」...

 こんばんは、“スケルツォ倶楽部発起人(夫のほう)です。いつもご来場 誠にありがとうございます。
 私の正体は40代の普通のサラリーマンですが、本職の仕事の次に愛しているものは、言うまでもなく 音楽です。毎日 会社まで車で通勤していますが、毎朝 約1時間30分ほどの距離、やはり音楽を手放すことは出来ず、FM放送やCD再生装置は必須です。けれど音質は さほど気にしない大らかな気質なので、たとえ高速道路で渋滞していても 好きな音楽さえ一緒だったら 耐える自信があります。
 そんな私が、月曜日の朝は毎週楽しみにしているFM放送のプログラムがあります。
 NHK-FM「気ままにクラシック 」(月曜日 午前7時20分~9時15分、再放送は金曜日 午後2時~3時55分、パーソナリティ:幸田浩子さん、笑福亭笑瓶 さん )、通称 「気まクラ」です。
 NHK-FM「気ままにクラシック」 ⇒ ホームページは、こちら
 ☆ 「キマクラ 」は、平成24(2012 )年 3月をもって 放送を 終了しました。
 
 パーソナリティお二人の、ボケ役突っ込み役を分担されているとしか思えぬ、絶妙なテンポの会話運びが 諧謔たっぷりで、毎回 実に楽しいです。選曲も、決して通りいっぺんのものではないし、次々と繰り出される企画も興味深く、まったく退屈しません。新コーナーの曲当てクイズ「気まクラ・ドン!」だけは、もっと難しくてもいいのになー、などと思いながら聴いているうち、会社には朝8時30分頃には到着してしまうので、実は 番組を最後まで聴き通せたことはなく、いつも途中でスイッチを切らざるを得ないのが 毎週心残りです。

 で、今日は なぜ 私たちの“ スケルツォ倶楽部 ”で 突然「気まクラ」の話題を持ち出したか、と申しますと、今朝(7月5日)の放送で 何と ジョン・ケージJohn Cage、1912 - 1992)の無音の音楽として有名な「4分33秒」が、全三楽章すべて放送された、というニュースを ご報告させて頂きたかったためです。コレは、事件でしょう!
 「4分33秒」と言えば、デュシャンMarcel Duchamp、1887‐1968 )の「」などと同様、既成概念を破壊した斬新なアイデア一発勝負とも言える 前衛的発想の作品ですよね。すなわち、

 第1楽章 TACET (休止せよ) 00:33
 第2楽章 TACET (休止せよ) 02:40
 第3楽章 TACET (休止せよ) 01:20

 ・・・ そうです。ご存知のとおり、この曲は、演奏家が一切 音を発しない作品なのです。そのため聴衆は、結果的に「演奏」中、音楽以外の周囲の環境音に深く耳を澄ませることになり、自己の内面の音にも集中することになります。それが、正しく作曲者の狙いであるのかどうかまでは不明ですが、私は 勝手にそう思っています。
 初演(?)がピアニストによるパフォーマンスだったため、「ピアノ曲」として取り上げられることが多いようですが、正確な楽器指定はないそうで、大規模な管弦楽曲や声楽曲として演奏(?)することも出来る、とされています。

 私は、この曲を音盤に収録したCDが存在することは知っていましたが、まさか これをNHKがラジオでオン・エアするとは、放送事故と誤解されることへの懸念から、決してあり得ないだろうと考えていました( 特にクラシック音楽の場合、最弱音が長時間続くような演奏の放送が、過去 放送事故扱いされたという記録が残っている、という記事を読んだことがありましたし )。

 本日の「気まクラ」で、放送された音源(?)のディスクは、アマディンダ・パーカッション・グループ(Amadinda Percussion Group)という団体によるリサイタル盤(Hungaroton、HCD-12991)でした。
 Hungaroton、HCD-12991 John Cage ジョン・ケージ(1912 - 1992)
 
 美しい声のパーソナリティ幸田浩子さんが、無音であるにもかかわらず、きちんと「演奏は アマディンダ・パーカッション・グループです」と、紹介されていたことに、なんだか とても感動しました

第1楽章 ・・・ 鳥のさえずりや、遠くから教会の鐘の音が響いてきます。
第2楽章 ・・・ (見事に音場も切り替わります)、虫の羽音や屋外の自然音。
第3楽章 ・・・ (再び音場は切り替わり、今度は街中に近づきました)、
         遠く かすかに 子どもたちの声や 唱和するような断片音声も耳に届きます。
         (最後はフェードアウトしてゆきました)

 ・・・ たいへん おもしろく聴かせて頂きました。全曲放送中、私の車は ちょうど高速道路の渋滞にはまり、かなり真剣に耳を澄ませて聴くことができ、エンジン音、車内外の騒音なども最小限だったことはラッキーでした。鑑賞者の音環境もチャンス・オペレーションの要素と成りうる音楽であるとも言えましょうか。
 しかし、この「音楽」が録音され、繰り返し鑑賞可能なプラスティックのパッケージに入ってしまう、という可能性を 作曲者のケージは 想定していたでしょうか。
 鑑賞者は、その初回こそ新鮮な感動を得られるかもしれませんが、繰り返しディスク・トレイへ載せるその都度、明らかにケージが意図した「偶然性」という概念から どんどん離れていってしまうのです。
 さらに、もしも この録音が、CD製作者たちによって 予め周到に用意された音素材を 意図的な設計の上にコラージュして作られたものだったとしたら、果たして その時 ケージのアイデアの秀逸さは 一体どこへ飛んでしまっていることでしょう・・・
 今朝はハンドルを握りつつ 放送を楽しく聴きながらも、ふと そんなことを考えたのでした。

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コメント

かときち さま

「4分33秒」が FMの電波に乗って放送されてしまった、ということも、
実は ひとつの パフォーマンスだった(!) と言えるのでは・・・
なーんて、深読みすれば するほど、作曲者ケージの 仕掛けた罠に
ドンドン絡まってしまってる発起人です。

コメント ありがとうございました( レス、遅くなって すみませんでした)。
かときち さん の徒然日記も 時々拝見させてください。
また お便り お待ちしてます!

URL | “スケルツォ倶楽部” 発起人 ID:-

初めて聞きました

はじめまして、こんばんは!
私もこの番組ではじめてこの曲を聴いて驚いてたところです。
無音の曲ってあるんですね。
草原で寝っころがって目をつむっていたら聞こえてきそうな音だなぁ…
と思いながら聴いてました。
今回はたまたま聴いた番組でしたが、
いつもはNHK-FM「バロックの森」を楽しんでます。

URL | かときち ID:-

まったく同感ですっ!

木曽のあばら屋さま
見識のコメント、ありがとうございます。
偶然、私と 似た環境で 放送をお聴きになられたわけですね。

NHK「音の風景」への連想は興味深いです。
以下、余計な情報ながら・・・
「音の風景」は 現在は ラジオ深夜便で放送されているそうですよ。
今年は 放送開始25年記念として、特別企画を( 通常バージョンと併せて)放送中とのこと。
2010年4月-7月「昔懐かしい 音の風景アーカイブス」(過去に放送された音の風景の録音を再構成)、
2010年8月-11月「この街の音自慢 日本一の音」(日本各地それぞれの地域独特の音の風景を収録) 、
2010年12月-2011年3月「視聴者から応募する “私の『音の風景』” 」(リスナーの心に残る音の風景を募集し、それを基にした作品を展開)。

・・・失礼しました、今後とも 何卒よろしくお願い申し上げます。

URL | “スケルツォ倶楽部” 発起人 ID:-

私も聴いてました

こんにちは。はじめまして。
私もこの放送、月曜日に通勤中の車の中で聴いてました。
「4分33秒」がラジオで放送されるとは・・・びっくりです。
でも、完全な無音ではなく、鳥の声とか鐘の音とか入ってましたね。
(でないとさすがに放送できないでしょうな)
NHKラジオの「音の風景」という番組を連想しました。

URL | 木曽のあばら屋 ID:GHYvW2h6[ 編集 ]

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