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ワンダリング・ローズ WANDERING“RHODES” 記事一覧



ビリー・ジョエルの「素顔のままで
Just The Way You Are
フェンダー・ローズを 弾いているミュージシャンは、
リチャード・ティー ではありません


 今晩は、“スケルツォ倶楽部発起人です。

 日曜の午後、何気なく YouTube を眺めていたら、ビリー・ジョエルの名曲「素顔のままでJust The Way You Are(オリジナル・スタジオ録音) で、バッキングのエレクトリック・ピアノフェンダー・ローズを プレイしているミュージシャンは、リチャード・ティー である - という、私にとっては 耳を疑うような発言が流れてきました。
 その動画を発信されていた主さんも 正しいパーソネル情報を ご存知なかったようで、私のおせっかいなコメントに対し 「内心 もしかしたらリチャードティーではない? とも思っておりました 」と、ご返信くださりつつも その情報源は「ネットや雑誌、著名人(の発言 )の多くが “リチャード・ティーの演奏だ” と言っていたので・・・ 」と、ネット情報の呪縛から解けぬご様子で 口ごもります。

 私も 何だか気になりだし、夕方 ネット検索してみて・・・ 正直 驚きました。これは 大変なことになっていますね!
 ビリー・ジョエル「素顔のままで」スタジオ録音におけるフェンダー・ローズのプレイは「リチャード・ティーによるものだ」との 間違った記述 が わんさか並ぶではありませんか。
 これは ヒドイ、あり得ない。亡きティーさんにも 失礼な話でしょ。「知らない」ということは、コワイことですね。

 ビリー・ジョエルの「素顔のままでJust The Way You Areフェンダー・ローズを 弾いているミュージシャンは、リチャード・ティー では ありません。
 たとえば もし ビートルズの 「イン・マイ・ライフ 」のバロック風キーボード・ソロを弾いているのは ジョン・レノンである - とか、「ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス 」のソロは ジョージ・ハリソンではなく、ジミー・ペイジである - なんて記載をみつけたら、誰だって否定しようとするでしょ? 違いますって。そんな 当たり前なことを 何で声高に叫ばなきゃいけない時代になったんだろ?
 

 レハールのワルツ「金と銀」の作曲年問題ワルター/ウィーン・フィルによる モーツァルト 40番の録音年問題 など、ネット情報と事実が異なること、まあ一般に 気にする人など 殆どいないかもしれないけどさ・・・。
 
 もとい。この 明らかに誤った情報の発信元を辿っていくと、犯人は またしても Wikipedia らしい。


Wikipedia 素顔のままで(ビリー・ジョエルの曲 )


⇒ Wikipedia:「素顔のままで」(ビリー・ジョエルの曲 )


 CBS「ストレンジャー」のアルバム・パーソネルの見方ですが、全曲に参加しているメイン・リズムセクションとなる レコーディング・メンバーのクレジットは 冒頭に記載されたきり -
(ちなみに それが こちら )
ビリー・ジョエルストレンジャー CBS

 上記の記載から パーソネル部分を抜粋すると、

ビリー・ジョエル : アコースティックピアノ、ヴォーカル、エレクトリック・キーボード、シンセサイザー
ダグ・ステッグマイヤー : ベース
リバティ・デヴィート : ドラムス
リッチー・カナータ : テナー & ソプラノ・サックス、クラリネット、フルート、オルガン
スティーヴ・カーン(さん) : 6弦 & 12弦エレクトリック・ギター、アコースティック・ギター
ハイラム・ブロック : エレクトリック・ギター
パトリック・ウイリアムズ : オーケストレーション


 ・・・以後は省略され、各曲毎に招かれたゲストミュージシャンの名前しか明記されていません(たしかに判りにくいかも )。

 その読み方でいけば 「素顔のままで」Just The Way You Are に加わったミュージシャンは、この “共通”リズム・セクションメンバーの他は、アコースティック・ギター奏者の Hugh McCrackenSteve Burghパーカッション奏者 Ralph MacDonald、そして アルト・サックスに 偉大な Phil Woodsさん が加わる、と そういうことなんです。

 Richard Teeさん の名前は、アルバム「ストレンジャー」のラストに置かれたナンバー Everybody Has A Dream 一曲だけ、それもゴスペル調なハモンド・オルガンを奏でるプレイヤーとして参加しただけです。

 日本のウィキペディア に 最初に書きこんだ人は、おそらく ポール・サイモン Paul Simon の「時の流れにStill Crazy After All These Years 辺りのレコーディングにおける Teeさん のフェンダー・ローズのプレイと 混同したものではないでしょうか。違っているのは 日本のウィキだけです。
 悪意などなかったでしょうが、結果 及ぼすこととなる その影響たるや、重大です。

 試みに 「素顔のままで」、「ビリー・ジョエル」、「リチャード・ティー」で 検索してみてくださいよ、アナタ。
 ほら、ぞろぞろ出てくるでしょ、ああ もう恥ずかしくて 目を覆いたくなります。
 もはや手遅れかも・・・ すでに 2015年頃から この間違った情報が 既成事実化されつつあります。

 ジョエルは、少なくとも この当時のスタジオ・レコーディングでも 常に楽器を弾きながら ライヴでヴォーカルも同時に録っていました(バンドの音だけを先に録るようなことは決してせず )。
 「素顔のままで」も 自分自身で エレクトリック・ローズを奏でつつ(そもそも耳を傾ければ、誰が弾いているかなど 明らかでしょう、フレージングも タッチも 手癖も ファンキーなティーさんのプレイとはまったく異なるでしょうが )同時に ヴォーカル・トラックも録音しています。
 その上で ゲストミュージシャンに託された仕事とは、サウンドに色をつけること - すなわち オーヴァーダビングを用いて 後から重ねるように ソロ・パート(フィル・ウッズ )や リズム・セクションを補強するプレイ(ラルフ・マクドナルド )など - に限られたのです。

 Wikipedia の誤記載は 一日も早く 訂正されるべきと思います。

 拡散を希望します。



♪ “スケルツォ倶楽部” 過去の関連記事

⇒ リチャード・ティー「ストローキン 」1978年

⇒ リチャード・ティー「リアル・タイム・ライヴ・イン・コンサート 」1992年

⇒ ビリー・ジョエル Billy Joel ニューヨークの想い New York State of Mind

⇒ なぜ ビリー・ジョエルの「ニューヨークの想い 」には異なるサックス ソロ・ヴァージョンが存在するのか。

⇒ フェンダーローズを弾く ビリー・ジョエル 「ライヴ・アット・グレート・アメリカン・ミュージックホール、1975」を聴く。 


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