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ヒトラー プーチン合成写真(ロイター)
ウクライナ侵攻の波及
‐ 政治が芸術に結びつくと 碌なことにならない


 政治的な話題は いつも避けてきましたが、ことは深刻です。
 ロシアと世界は、プーチンを甘やかしすぎたのです。
 2008年のグルジア(ジョージア)への軍事侵攻、2014年のクリミア半島併合、そして今回のウクライナ侵攻・・・。

 かつて革命によって絶対王政を倒し共和政治に向かうはずだったフランスが 砲兵司官出身のナポレオンに独裁的な統治を任せた帝政を選んでしまったように、1991年のソ連崩壊後から民主化へ向かうように思われたロシア国民が選んだ道も また個人独裁に近いプーチン大統領による強権政治を支持する路線でした。

 戦争は、常に一般市民を巻き添えにします。
 UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)によれば、2月26日、ウクライナから隣国ポーランド、ハンガリー、ルーマニアなどへの避難する人々の数はすでに15万人を超えたそうです。この人数を わかりやすく比較するなら、千葉県の浦安市(162千人)、埼玉県狭山市(155千人)、宮城県石巻市(151千人)、東京都多摩市(146千人)あたりの それぞれ総人口を想像して頂ければよいと思います。しかも難民の数は 戦禍が拡大すれば さらに増えます。
 ウクライナでは、国の防衛体制を守るため18歳から60歳の男性市民の出国を制限しているそうです。ゆえに避難民は、女性、子ども、高齢者が中心・・・ 何と痛ましいこと。


 政治が芸術に結びつくと碌なことになりません。
 かつて戦火や政治体制に翻弄され 海外に亡命した音楽家といえば、
Igor Stravinsky( 1882-1971) ラフマニノフ シェーンベルク_ Arnold Schönberg 若きコルンゴルト_Korngold
ストラヴィンスキー、ラフマニノフ、シェーンベルク、コルンゴルト・・・

指揮者ワルター Otto Klemperer(Wiki ) エーリヒ・クライバー パブロ・カザルス
ブルーノ・ワルター、オットー・クレンペラー、エーリヒ・クライバー、パブロ・カザルス・・・ 

カレル・アンチェル クーベリック Rafael Kubelik キリル・コンドラシン ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ (2)
カレル・アンチェル、ラファエル・クーベリック、キリル・コンドラシン、ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ
・・・ など、思いつくまま挙げても 際限がないほど。

フルトヴェングラー メンゲルベルク Herbert von Karajan (1952) http www.bayreuther-festspiele.defsdb_enpersonen167index.htm
 さらに、戦時中に政権接近した(とされる)音楽家もまた 指揮者フルトヴェングラー、メンゲルベルク、カラヤンらに代表されるように、戦後は その活動を制限されました。とても不幸なことでした。

 そんな歴史は 繰り返されます。

 2月23日、ミラノ・スカラ座のドミニク・マイヤー総裁と劇場側は ミラノ市長ジュゼッペ・サーラ氏と連名で 初日を迎える予定だった チャイコフスキーの歌劇「スペードの女王」新演出の指揮者だったヴァレリー・ゲルギエフを、以前からプーチン大統領と親しい関係にあったことを喧伝されていたためでしょう、「政治的な理由で」解任したそうです。

ヴァレリー・ゲルギエフ

 翌 2月24日から27日まで、ゲルギエフは ウィーン・フィルのニューヨーク(カーネギーホール)公演でも指揮台に立つ予定でしたが、やはり降板させられ その代わりヤニック・ネゼ=セガンが起用されました。
 当初、ウィーン・フィルの楽団長ダニエル・フロシャウアーは「ゲルギエフ氏は政治家ではなく、一演奏家として指揮台に立つ」のだとして、ゲルギエフ支持を表明していましたが、ロシア軍のウクライナ侵攻が現実のものとなった以上 やはり政治的な圧力がかかったのでしょう、守りきれなくなり 土壇場で降板決定を余儀なくされました。ソリストに起用されていたピアニスト、デニス・マツーエフの降板も発表されました。
 カーネギーホールの運営部は、今年5月に予定されていたゲルギエフマリインスキー管弦楽団による 公演もすべてキャンセルすることを表明しています。

 さらに 2月25日にも ゲルギエフは、今度はミュンヘン・フィルとオーケストラ執行部から「プーチンを非難し、大統領から距離を取ることを要求」されたことを、ドイツのメディアが報じています。
 ミュンヘン市長ディーター・ライター氏は「(ゲルギエフが)自分の立場を明確にし、ウクライナに対する侵略戦争から距離を置くこと」を要求、その期限も設けていて ゲルギエフが態度を表明しない限り、解任も辞さないことを伝えているそうです。
 
 同様に、スイスのルツェルン音楽祭ゲルギエフ/マリインスキーO. の夏の音楽祭出演をキャンセルするようです。
 またロッテルダム・フィルからも ゲルギエフに対し声明が出されており、期限付きで態度表明を求め(その返答如何によっては )解職や公演のキャンセルに言及しています。

 知りませんでしたが、かつてゲルギエフは 2014年のクリミア併合時、これを是認する文化人/芸術家らの署名に加わっていたばかりか、自分から積極的に キャンペーン・ビデオにも出演してしまったのだそうです。
 不用意に政治に関わるから 利用されるのです。当然プーチン大統領の政策を公式に承認/支持しているものと見なされ、今回の武力侵攻をめぐっては 非難を浴びる立場にあります。

 逆に、ベルリン・フィルでは 現在首席を務めるロシアの指揮者キリル・ペトレンコが、ウクライナ侵攻を聞いて いち早くオーケストラとの連名で声明を出しました。態度を表明しておかないと 活動できません。
キリル・ペテレンコ
国際法に違反するプーチンのウクライナへの陰湿な攻撃は 平和な世界全体の背後にあるナイフです。それは芸術への攻撃でもあり、すべての国境を越えてつながることが知られています。私は、すべてのウクライナ人の同僚と深く連帯しており、すべての芸術家が自由、主権、そして侵略に反対するために一緒に立つことを願っています


 日本は何もできないのでしょう。プーチンと「同じ未来を見て」厚遇していた安倍晋三元首相は、たとえ なしのつぶてでも一矢報いては どうでしょうか。

 数ヶ月にわたって外交対話してきたというバイデンも 一体何をやっていたんでしょう、結局プーチンに騙され 2月20日に「原則」合意した会談が無意味だったことをさらけ出していました。予測までしていながら「米軍はウクライナでの紛争に関与しない。ウクライナでは戦わない」などと伝えた上、とうとう侵攻を防げなかった、かつて日本との中立(不可侵)条約さえ卑怯にも破って参戦した狡猾な国ですよ、二枚舌など想定内でしょう。
 プーチンのロシア軍が、その目的を達するまで動きを休めることはないです、先攻された形の欧米が すでに転がり始めた大岩を いかなる方法で止められるでしょうか、今は 収着点も行先もまったく見えません。

 ただでさえ コロナ禍で全世界が大変な時だというのに、避難民の辛苦を想うと 胸が苦しくなります。
 そして常に無力な芸術、芸術家のことを想うと・・・ ナポレオンベートーヴェンの音楽を聴くことは決してなかったでしょうし、ヒトラーが「ゲルニカ」を観ることもなかったでしょう、そんな無力な芸術が 政治に振りまわされるような事態とは、平和が最も遠のいている瞬間に違いありません。
これは誰 プーチン ヒトラー
(パロディ写真は ロイターから拝借しました)

参考記事 : 月刊音楽祭 https://m-festival.biz/


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