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 あけましておめでとうございます。
 “スケルツォ倶楽部発起人です。
 いつも 長々とした文章におつきあいくださり、本当にありがとうございます。

 私は 本年 本厄です。
 そう思っていたら、昨年末 久しぶりに体調を崩してしまい それを理由に 新しい記事の投稿を しばらくさぼっています。
 が、拙ブログを訪れてくださる人数が少なからずいらっしゃるので 申し訳なく感じ、一言 見苦しくも 言いわけをもって更新し 繋がせて頂きます。
 
 年末のNHK紅白歌合戦を 観るともなく 聴くともなしに聞き流しながら、大晦日の年越しそばを頂いていました。

 かつて国内/国外の新しい流行歌を常にチェックしていた習慣も とうに何処かへ消え失せ、新しい音楽の響きを求め様々な機会に耳を傾けていた熱意もすっかり冷めてしまった今(私 発起人59歳)、自分より若い世代が好んでいるらしいサウンドに接する機会と言ったら、こんなふうに 何となく年末にTVで紅白を「眺める」時ぐらいなものです。

 私の目には ほぼ五割方 知らないアーティストばかりが次々と登場し、ミュージシャンの名前はもちろん 楽曲の背景など全然知りません。

 みかねて、かたわらに座る妻が「これはジャニーズ」、「これはドラマ何々に使われた主題曲」、「これは誰それが提供した楽曲で、ホラ 作曲者がステージでピアノ弾いてるでしょ」などと、私に教えてはくれましたが 今から追いつこうなどとは考えていません、全く。

 でも どの曲にも一応 音楽に対する礼儀から 初めは真剣に耳を傾けてはみるのですが、そのクォリティの薄さ、と言ったら失礼ですが、私の耳には そのほとんどが退屈でした。すみません。

 若い男女のグループは 派手なダンスが主体のステージワークが多く、決して悪いとは言いませんが、そこにはオリジナリティがどれも感じられず 学芸会の延長のよう。そういうグループに限って 歌唱(音楽)がないがしろにされている感が強かったです。
 複数のシンガーが大勢で並んで歌う楽曲が多かったですが、ほとんど斉唱で、コーラスとは呼べないレヴェルの残念な代物・・・。
 しかも 多くの歌詞内容は皮相で、心に届くものは 少なかったです。

 とりわけ英語の歌詞に至っては、英語を使わねばならぬ必然性が感じられず、流れてくる字幕を読まされると その浅さに、視聴しているこちら側が赤面してしまうほど。
 もし外国人が「NHK紅白歌合戦」なる番組を観て、聴いて、ははあ、これが 今の「日本の音楽」かと「正しく理解 されてしまったら、果たして どういう感想をもつことでしょう。
 ああ、日本人として 私は 恥ずかしい。

過去記事 ⇒ 戦後 日本の洋楽受容史にみる “日本語ロック” ~ J.Pop の発音問題
 
 氷川きよしは 予想に反し シックな大人しい装いで、美空ひばりの持ち歌だったという 私の知らない楽曲をカヴァーしていましたが、率直に 良い曲だなと思いました。ただ あのメロディの呼吸であれば、テンポはもっと思いきり落としてあげると 後半の「あなた」、「アナタ」・・・ と、ステージから聴衆へ視線を移す演出がさらに生き、大きく山場を築ける可能性もあったのではないかと思いました。さらに歌唱には もっと気迫が加わると良かったでしょう。

 往年の名歌手 石川さゆりが、初めラッパーとエレクトリック・ギターを従え、実に今風な趣向でイントロダクションを披露していましたが、「津軽海峡・冬景色」が始まるやいなや 彼らはステージからさっさと降ろされてしまいました。でも あそこまで演(や)るというなら 逆に エレクトリック・ギタリストは敢えてステージに残し、過激なオブリガートをプレイすることを許してもよかったのではないでしょうか、惜しい・・・。

 薬師丸ひろ子の 今も変わらぬ透きとおるように美しい個性的な声と歌唱、楽曲ともに、突出して素晴らしかったのですが、バックの何だか素人くさいオーケストラ編曲(不均衡な大編成スコア )はこなれておらず 違和感が残りました。編曲者の名前も調べず無責任に言い放ちますが、あれは 弦セクションだけでよかったのではないでしょうか、実に惜しい・・・。

 どうにも中途半端な感じが否めません。
 昨年 映画がヒットしたことは知っていますが ここで あまりに唐突なアニメソング・コーナーと司会者の小芝居、要りますか? ゲーム音楽をフル・オーケストラで聴かせる意図? 演歌歌手の歌唱の背後で けん玉プレイヤーを並べて演技させる趣向の意味は?

 どうして年末に 長い時間を浪費して こんな番組を観てしまったんだろう。
 ああ、他に聴くべき音楽が あったのではないか。 
 果ては 音楽文化の未来は どうなってしまうのか、一抹の(いや、もっと?)不安さえ覚えました。
 このやり切れぬ感情を 身体が元気になったら いずれ 文章にまとめようと思います。 ・・・いや、たぶん やらないでしょう。

 全然まとまらぬ、こんなつぶやき - どうぞお許しください。

 今年もよろしくお願い申し上げます。



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コメント

本年もよろしくお願いします。

明けましておめでとうございます。
こちらこそごぶさたしておりました。grunerwaldさまの記事は楽しみに読ませて頂いてます。
「ボヤキ」仲間に入ってくださり、ありがとうございました。
MISIAクラスの実力歌手が競ってステージに上るほどのレベルだったら良いのでしょうが、考えてみたら ある程度のアーティストは放送局側がオファーしても大晦日の生放送には出演したがらないのでしょう。
NHKも そんな要請に応えてくれるアーティストへの出演料はもっと上げるとか、一定以上の出演者が揃わないような年は 放送時間枠を 2時間枠にするとか、いや いっそ今年はやりません!っていうのも ありではないか - などとどうでもいいことを勝手に思いめぐらしますw

おめでとうございます&おひさしぶりです。
お正月早々なかなか強烈なボヤキですね(笑)
私は基本、紅白は見ませんが、チャンネルを切り替えるちょっとしたタイミングにちらと一瞥一聴するだけで、まさに素人学芸会並みというほぼ一致した印象を受けます。そこに芸術や芸能への敬意や愛や哲学など微塵も感じられませんし、ある意味、破壊的ですらありますね。こうした風潮の張本人の作詞家A某は国賊ものじゃないでしょうか。要するに万人受けするお祭り騒ぎということだけであって、美学や哲学など無用の世界。海外の要人相手の晩餐会でよさこい踊りを披露してご満悦のお偉い方の恥ずかしさと妙にダブります。代わりにマスゲームでもやらしていても大して違わないだろうと(笑)
おっと、つられて私までぼやいてしまいました。良い一年でありますように。

URL | grunerwald ID:-

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