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スケルツォ倶楽部 
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スケルツォ倶楽部 原曲と異なる楽器編成で モーツァルトの名曲を聴く。
原曲と異なる楽器編成で、
モーツァルトの名曲を聴く。



わたし 「あ、お帰りなさい アナタ。早かったのね 」

   「感染予防のおかげで クリニックも薬局も 相変わらずガラガラだよ。窓が全開オープンの待合室はちょっと寒いけど、問診も調剤もすぐ終わるから“コロナ前”の待たされ時間がウソみたいだなあ 」

わたし 「ええと、コレステロール(プラバスタチンNa錠 5㎎ )と 高脂血症(イコサペント酸エチル粒状カプセル600㎎ )と 血圧を下げる薬(トランドラプリル錠 1㎎ )を 処方してもらってるんだったよね 」

   「そう、あと尿酸ができるのを抑える薬(フェブリク錠 20㎎ )もだな 」

わたし 「毎隔月の第3土曜日に お散歩がてらクリニック通いを始めてから、もう三年くらい経ったかしら? 」

   「われながらよく続いてると思うよ。いつの間にか慢性だった頭痛が解消したし、体重も少しは減ったかな 」

わたし 「健康な間だけは 長生きしてよね、アナタ 」

   「・・・そう言えば、今日 クリニックの待合室に流れていた - 有線なのかな? 明らかにモーツァルトのピアノ曲が 聞こえてきてさ 」

わたし 「ふんふん 」

   「絶対に知ってる超名曲なんだけど、一瞬 タイトルが思い出せなかったわけ 」

わたし 「やっぱり年齢のせいね、わたしもスーパーのレジで - 」

   「そういう話じゃないんだってば 」

わたし 「(憮然として )何が違うのよ 」

   「それが アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク第2楽章 ロマンツェ だったんだよ 」

わたし 「そんな大名曲のタイトルが 即ポンと出ないようじゃ・・・ やっぱり脳神経が危ないんじゃないの? 」

   「だ、だから(慌てて )それ、ピアノの演奏だったんだよ。オリジナルの弦楽合奏版じゃなくてだよ。楽器が違えば 一瞬 何だったかなーって考えてしまうこともある・・・って、そういう話を したかったわけ 」

わたし 「ははーん、たしかに原曲と異なる楽器編成に移されると、オリジナルの印象が変ってしまうことって、あるわよね 」

   「J.ポップでも 歌詞を英語訳で、あるいはオリジナルとは異なる性の歌手で歌われていたりするだけで、アレンジを変えていなくても聴いたイメージが すっかり変ってしまうことって、あるだろう。それにも似てると思うんだな 」

わたし 「ふふん、わかりやすいわね。では 今日の話題は ? 」

   「オリジナルの指定とは異なる楽器編成で演奏されたモーツァルトを聴く - 」

わたし 「たとえば? 」

モーツァルト トランスクリプションズ(カツァリス)
モーツァルト
セレナード第13番 ト長調K.525「アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク 」 (ピアノ編曲版 )
シプリアン・カツァリス(ピアノ)Cyprien Katsaris

併録曲:歌劇「後宮からの逃走」から 2曲、交響曲第40番K.550、歌劇「魔笛」から11曲 (いずれもピアノによる演奏 )
録 音:2004年 ベルギー、ドゥラン城
音 盤:Piano21 OP-21018(海外盤)

   「ええと、これがクリニックの待合室で流れていた演奏と 同じものかどうかは 不明だが - 」
わたし 「技巧派カツァリスらしい正確無比な打鍵、原曲の弦楽器が奏でる微妙なニュアンスまでをも ピアノで再現しようとする意図が伝わってくる、注目すべきトランスクリプションね 」
   「マシュー・キャメロン編曲『アイネ・クライネ~ 』の他、モーツァルト自身がクラヴィーア編曲版を遺した歌劇『後宮からの逃走』序曲、フンメル編曲によるト短調シンフォニージョルジュ・ビゼーが編曲したパミーナとパパゲーノの二重唱『恋を知るほどの殿方なら 』など 傾聴必至な楽曲が盛り沢山、トランスクリプション集の傑作であろう 」
わたし 「カツァリスと言えば もう一枚、モーツァルトの旋律を題材にベートーヴェンツェルニーなど後世の人々が作曲した変奏曲パラフレーズを集めたディスク『モーツァルティアーナ 』が ソニー・クラシカルにあったわよね 」
カツァリス モーツァルティアーナ_0001
⇒ 過去記事 モーツァルト1787年、架空のプラハ・リサイタルを聴く - シプリアン・カツァリス 「フィガロの結婚 」による華麗なる幻想曲 (ツェルニー )
   「あれも記憶に残る一枚で、企画物としては芸術品の域だった。このトランスクリプション集と併せて 今一度 聴き直してみたい名盤だ 」


Ransom Wilson Manuel Barrueco - Mozart Duet For Flute Guitar ランソム・ウィルソン EMI マニュエル・バルエコ EMI
モーツァルト
ピアノ・ソナタ第15番 ハ長調K.545、同第4番 変ホ長調K.282、同第17番 ニ長調K.576、ディヴェルティメント 変ロ長調K.439b
ランサム・ウィルソン(フルート)
マヌエル・バルエコ(ギター)

録 音:1988年 
音 盤:東芝EMI(TOCE-7344)

わたし 「とても良いサウンドね。お部屋の空気が一瞬で変わった気がする 」
   「モーツァルトピアノ・ソナタ他を 何とフルートとギターのデュオで楽しめるという新鮮な一枚だ。アレンジは、二人のプレイヤー自身(だが ディヴェルティメントのほうだけは フレデリック・ハンドというギタリストに拠るもの )。 」
わたし 「バルエコのギター・プレイが 抜群の安定感 」
   「ランサム・ウィルソンのフルートも堅実で好ましい。だいぶ昔に入手したディスクなんだけど、実は かなりのお気に入り 」
わたし 「アナタが本職の仕事を自宅で まとめたりしてる時の作業用のBGMとして部屋で よく流してるやつでしょ、コレ 」
   「音数の少ないのが良いんだな。詰めこまれてないから オーディオ空間が空(す)いて ひとつひとつの音が余裕で通り抜けてゆく感覚とでもいうか。それにピアノだと 正直フォルテで連打される和音が続いたりすると 耳にイタイこともあるんだけど、不思議なことに撥弦楽器のギターだと 常に心地良いんだよ 」
わたし 「そう言えば、シューベルトの歌曲集『美しい水車小屋の娘』を 本来のピアノではなく、ギター伴奏で演(や)った録音もあったよね 」
   「ペーター・シュライヤー(1982年/独シャルプラッテン)盤、ハンス・イェルク・マムメル(1999年/ARS MUSICI)盤 とかだろう。シューベルトについては また別の機会に聴き直してみよう、今日はモーツァルトだ 」


バベット・ドルン “Le nozze di Figaro”Romance on the Piano(GENUIN) バベット・ドルン(ピアノ)Babette Dorn
モーツァルト「フィガロの結婚 」に基づくピアノ曲集
“Le nozze di Figaro”Romance on the Piano
バベット・ドルン(ピアノ)Babette Dorn

収録曲:序曲(フンメル/編 )、フィガロとスザンナの小二重唱による序奏とロンド(カルクブレンナー )、「もし踊りをご所望なら」による12の変奏曲(ベートーヴェン )、「もう飛ぶまいぞ」による幻想曲(フンメル )、伯爵夫人のカヴァティーナ「愛の神よ、ご照覧あれ」(ライデスドルフ/編 )、ケルビーノのアリエッタ「恋とはどんなもの」(タールベルク/編 )、領民の合唱「恋する乙女たち」による七つの変奏曲(リース )、バルバリーナのカヴァティーナ「失くしてしまった、困ったわ」(ライデスドルフ/編 )、華麗なる幻想曲 Fantaisie brillante(ツェルニー )
録 音:2005年 8月 ビーレフェルト、ドイツ
音 盤:GENUIN(GEN-86067)海外盤

   「ドイツのピアニスト、バベット・ドルンによる モーツァルトの歌劇『フィガロの結婚 』中の楽曲を 素材に作られた作品の数々 」
わたし 「フンメル、タールベルクライデスドルフによるトランスクリプションや、ベートーヴェン、リースらによる変奏曲/幻想曲を集めて 一枚のアルバムを企画する着眼点は カツァリスと同じ発想からと言えるわね 」
   「ドルンの演奏は カツァリスのような派手さとは無縁だけど、堅実なプレイに徹していて 好ましい」
わたし 「ツェルニーの「華麗な幻想曲」がここにも収録されているので、カツァリスの演奏と聴き比べるできる楽しみがあるよね 」
   「ドルンには、他に『ドン・ジョヴァンニ』と『魔笛』をそれぞれ素材にして『フィガロ~ 』と同じ時期に録音されたディスクもあるんだよ 」


歌劇「フィガロの結婚」弦楽四重奏編曲版 マルコリーニSQ CAvi-music メルク修道院 オーストリア
モーツァルト
歌劇「フィガロの結婚」弦楽四重奏/編曲版(編者不詳)
マルコリーニ弦楽四重奏団(ピリオド楽器使用 )

イェルク・ブッシュハウス Jörg Buschhaus(ヴァイオリン)
マルクス・ホフマン Markus Hoffman(ヴァイオリン)
シュテファン・シュミット Stefan Schmidt(ヴィオラ)
マルティン・フリッツ Martin Fritz(チェロ)

収録曲:序曲、第一幕~5曲、第二幕~4曲、第三幕~4曲、第四幕~4曲
録 音:2006年 5月 メルク修道院、オーストリア
音 盤:CAvi-music 85530465(海外盤)

   「このモーツァルトのディスクは、知る人ぞ知る 素晴らしい一枚だ 」
わたし 「(圧倒され、絶句する ) 」
   「まだラジオやレコードが存在しなかった時代、人気のオペラが広く一般に親しまれるには ピアノや小編成アンサンブルへの編曲が欠かせなかった。そんな時代 - 1799年 - にボンのジムロック社から出版されたとされる(編者不明の )『フィガロ~ 』の弦楽四重奏版 - 」
わたし 「・・・猛烈に覇気の漲(みなぎ)る 迫力ある演奏が素晴らしいわね 」
   「マルコリーニ四重奏団のメンバーは 当時コンチェルト・ケルン所属だった名手揃いだ。ヴィブラートを抑えた速いテンポで、古楽演奏に手慣れた名人のテクニックと呼吸を 最後まで堪能できる 」
わたし 「マイクロフォンも弦楽器奏者らにとても近接した場所に置かれていたようね。それにホールの豊かな残響も独特・・・ 」
   「ヴァッハウ渓谷にも隣接するメルク修道院はドナウ川を見下ろす岩肌に建つ、世界的にも有名なベネディクト会派の修道院 」
わたし 「なるほど、由緒ある教会の中でレコーディングされたのね 」


モーツァルト マイ・ラヴ 篠崎史子(ソニー SRCS-8579) 篠崎史子
モーツァルト
ハープによるトランスクリプション集( “モーツァルト、マイ・ラヴ” )
篠崎史子(ハープ)

収録曲:ピアノ・ソナタ第15番K.545、歌劇「フィガロの結婚」から三曲、歌劇「魔笛」から四曲、ピアノ・ソナタ第11番 第3楽章「トルコ行進曲」、歌曲「春への憧れ」、「すみれ」、キラキラ星変奏曲、「アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク」第2楽章ロマンツェ、グラスハーモニカのためのアダージョ、伝モーツァルトの子守歌(フリース)、モーツァルトの主題による変奏曲(グリンカ)
録 音:1990年 4月 9~10日 ハーモニーホール、松本
音 盤:ソニー(SRCR-8579 )

   「ジャケットのおしゃれなデザイン、そして『モーツァルト、マイ・ラヴ 』などという背中が痒くなるようなタイトルの印象から、実際に聴いてみるまでは 不覚にも モーツァルトのメロディだけを 安易に使ったイージー・リスニング盤の類だと思い込んでいた・・・ 」
わたし 「で、聴いてみたら - 」
   「たいへん失礼しました、ほぼ全曲オリジナル原曲からの忠実なトランスクリプト。演奏/表現力とも 実に本格的。フリースの「子守歌」の途中で『ドン・ジョヴァンニ』のメヌエットが突然挿入されたり、歌曲『春への憧れ』に聴きなれないヴァリエーションが数コーラス入っていたり、おそらく 単調な繰りかえしを避けようとしたと思える ごく一部の個所を除けば、概ね丁寧に編曲されたアレンジ(青島広志氏 )には 文句無し。本来ハープのために書かれた唯一のオリジナル作品であるグリンカの「変奏曲」などは 特に素晴らしい演奏で、実に 美しいアルバムでした 」
わたし 「メーカーの おしゃれに売らんかな という営業姿勢が、逆に 一人のモーツァルト愛好家を遠ざけていたかもね 」
   「何しろ CDジャーナル/データベースには “さわやかな” “朝のモーツァルト” だとか “200年の騒ぎに飽き飽きした向きにどうぞ” だよ。これ 一体どう思う? そんな売り方されてることを知らされたら、真摯にモーツァルトと取り組まれた篠崎さんご自身は 果たして どう思われたことか・・・(怒 ) 」
わたし 「血圧を上げると 血管にもよくないよー。さ、気をとり直して もう一度 “ロマンツェ ハ長調” を 聴きましょ 」


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