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スケルツォ倶楽部 知る人ぞ知る、モーツァルトの名旋律
知る人ぞ知る、モーツァルト名旋律


わたし 「あら アナタ、今日は 何を聴いているのかしら 」

   「今月 9日 惜しくも逝去したチック・コリア が、1980年代に フリードリヒ・グルダとヨーロッパで共演したモーツァルトの 『 2台のピアノのための協奏曲 変ホ長調 K.365 』だよ 」

わたし 「また 珍しいディスクを CD棚の奥から取り出してきたものね 」

チック・コリア グルダ共演 モーツァルト『 2台のピアノのための協奏曲 変ホ長調K.365 』Teldec チックコリアとフリードリヒ・グルダ(1984年)

   「今はなき Teldec盤、1984年 6月 アムステルダム録音。左から聴こえてくるピアノの音がチック・コリア。右に位置する名手グルダと並んでも遜色ないテクニックだ 」

わたし 「プレイヤーが若々しくて、活きの良い演奏よね。当時は、ニコラウス・アーノンクールが指揮したアムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団との共演 - という情報のほうが、その顔合わせの意外性に驚かされたのが懐かしい・・・ 」

   「この録音から約半年後、来日したチック・コリアは東京で、同じコンチェルトをキース・ジャレットと新日本フィルをバックに共演することになるんだな 」

わたし 「あらためて聴いてみると、この第3楽章のロンドのメロディって、八分休符から始まっていたのね 」

   「アレグロ、2/4拍子、小走りをはじめる出端(でばな)で一瞬、軽くつまづくような、とてもチャーミングな旋律 」

わたし 「やっぱり良いわよね、モーツァルトの音楽って 」

   「モーツァルトと言えば、並外れて多面的な楽才の中でも メロディ・メイカーとしてのセンスたるや天性のもの 」

わたし 「一般的にも 『アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク』とか『トルコ行進曲』あたりが すぐ出てくるよね 」

   「交響曲第40番 出だしの名旋律も不朽のメロディだ 」

モーツァルト ワルター CBS モーツァルト 内田光子 PHILIPS アーノンクール モーツァルト鋼機三大交響曲(Sony )

わたし 「ねーねー、今日のティータイムは お互いに好みの モーツァルトの名旋律 を紹介し合うっていうのは、どうかしら 」

   「音楽を おやつ代わりに(笑 )。ダイエット効果も期待できる、一石二鳥というわけか 」

わたし 「よし、かかってきやがれ 」

   「平和的に行こうぜ(笑 )。モーツァルトらしい“特徴的なメロディ”を選ぶとしたら・・・ やはり旋律の音程に着目すべきだろうな。大きく跳躍してるとか、細かい半音階的な動きで歩んでるとか 」

わたし 「ふふん、なかなか目のつけどころが・・・ いや、耳のつけどころが良いじゃない? 」

   「って、相変わらず 上から目線な物言いに、腹立つw 」


モーツァルト コンチェルト・ケルン 交響曲第29番、ハフナー、Capriccio 67014 スケルツォ倶楽部 コンチェルト・ケルン
モーツァルト
交響曲第35番 ニ長調K.385「ハフナー」
コンチェルト・ケルン

録 音:2002年 2月 ケルン
併録曲:
宗教劇「救われたベットゥーリア」序曲K.118、交響曲第29番 K.201、ファゴット協奏曲K.191、フルートと管弦楽のためのアンダンテK.315
推薦盤:Capriccio 67014(海外盤)


   「跳躍する動きが特徴のメロディと言えば、池辺晋一郎をはじめ 沼尻竜典、広瀬大介らも注目していた 交響曲第35番『ハフナー 』第一楽章、これは外せないだろ。冒頭、前奏も無しで いきなり登場する有名な主旋律は 2オクターヴもの跳躍と落下を何度も繰り返す、比類なきテーマなんだから 」

わたし 「この演奏の勢いは凄いわね。一斉に立ち上がる弦セクションのボウイングは まるで剃刀のようにキレっキレね。さすがコンチェルト・ケルン

   「このCD、最近 購入したような気がしていたけれど、数えてみたら もう20年以上も前にリリースされたディスクだったよ。以来ホグウッド(オワゾリール)盤などと並んで、ずっと愛聴してきた一枚なんだ 」

シュローダーとルーシー (1)

わたし 「では、わたしは アナタとは 逆の発想で 一つ選曲するね。モーツァルトのメロディには『アイネ・クライネ~ 』に代表されるように、シンプルな長三和音(ド-ミ-ソ)を展開させた自然な音列から始まる曲が多いことは ご存知でしょ 」

   「ええと、ドイツ舞曲 K.605 第3番『そりすべりの冒頭とか 」

わたし 「あ、さすが。あとピアノ・ソナタの開始にも多いんだよ。ヘ長調K.332とか 変ロ長調K.570ニ長調K.576 とかね 」

   「おお・・・ たしかに、いずれも出だしは ド-ミ-ソ展開型だ 」

モーツァルト ディヴェルティメント ヘ長調K.138(鈴木秀美 オーケストラ・リベラ・クラシカ)TDK. 鈴木秀美 オーケストラ・リベラ・クラシカ
モーツァルト
ディヴェルティメント ヘ長調 K.138
鈴木秀美(指揮)オーケストラ・リベラ・クラシカ

録 音:2003年 5月 東京
併録曲:
ディヴェルティメント ニ長調K.136、同変ロ長調K.137、セレナード第13番「アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク 」K.525、アダージョとフーガ ハ短調K.546
推薦盤:TDK(アルテ・デラ'ルコ)AD-006


わたし 「若きモーツァルトのザルツブルク時代の傑作として知られるディヴェルティメントと言えば、とりわけ ニ長調K.136 が有名だけど、同じ時期に作られた ディヴェルティメント ヘ長調 K.138を、鈴木秀美 / オーケストラ・リベラ・クラシカの演奏で聴いてみて 」

   「どれどれ 」

わたし 「冒頭から、シンプルにド-ミ-ソがフォルテで始まるけれど ‐ 」

   「これに続けて 付点リズムのフレーズ(ソラ・ファソ・ミー )がピアノで舞い降りてくる・・・ 」

わたし 「で、すぐまたファ-ラ-ドとメロディがフォルテで上昇すれば ‐ 」

   「再び付点リズムで ミファ・レミ・ドー と、一旦きれいに納まったかに聞こえるが ‐ 」

わたし 「次の瞬間、まるで助走を終えたランナーが 本気で走りだすように 躍動的なリズムに乗って 伸びやかなメロディで ぐーんと跳躍するの 」

   「おお・・・」

わたし 「わたし、ココ 大っ好きなんだよね 」

   「いかにもモーツァルトらしい、この豊かな流れは 実に魅力的だね。リベラ・クラシカのオーセンティックな鳴りも力強く、心地良い 」


モーツァルト ピアノ四重奏曲 ト短調K.478 レ’ザデュー DHM モーツァルト Les Adieux (DHM)
モーツァルト
ピアノ四重奏曲 ト短調 K.478
アンサンブル・レザ'デュー Les Adieux

アンドレアス・シュタイアー(ハンマーフリューゲル )Andreas Staier
マリー・ウティガー(ヴァイオリン )Mary Utiger
ハヨー・ベース(ヴィオラ )Hajo Bäß
ニコラス・セーロ(チェロ )Nicholas Selo
併録曲:
ピアノ四重奏曲 変ホ長調K.493、バレエ「オルフェ」より(カンナビヒ/モーツァルト編 )
録 音:1990年 ベルリン
推薦盤:ドイツ・ハルモニア・ムンディ(BMGビクター/BVCD-49)


   「ト短調変ホ長調、二曲のピアノ四重奏曲ウィーン時代のモーツァルトが、『フィガロの結婚』成立をはさんだ前後に それぞれ作曲したとされる、室内楽の傑作 」

わたし 「厳粛で情熱的なト短調、重厚で力強い変ホ長調、どちらも素晴らしいけれど- 」

   「今夜 聴くのは ト短調のほう。それも明るく高雅な第3楽章(ト長調 )にスポットを当てよう。これは本当に素晴らしい、知る人ぞ知る 隠れた名曲だと思うよ、半音階的な動きが特徴の主旋律の魅力的なことといったらもう・・・ 」

わたし 「主メロディ以外にも いろいろな旋律がドンドン溢れ出てくる、楽想豊かな楽章ね。うわっ、曲の途中で 何と自作の『ロンド ニ長調 K.485』の一節が 原調でそのまんま登場 ! 」

   「そう、あそこは思わず微笑んでしまうよね。この他にもピアノ協奏曲の第何番だったか、たしかに聴き覚えのある経過句の断片も 次々とひょっこり顔を出して、とにかく楽しい 」

わたし 「ハンマーフリューゲルが長いトリルでさえずる中、半音階的なフレーズを繰り返す低音弦が 上声部を歌うヴァイオリン+ヴィオラ の動きと対立を深めてゆくところも最高に格好イイしね 」

   「さあ、注意して聴くところだぞ。コーダ直前、ほら、突然 変ホ長調の和音を鳴らして - 言っておくけど ト長調の途中でだよ -  ここまで快速だった動きを一瞬で封じてしまう、この呼吸 ― 」

わたし 「うわー、意外。何て斬新なんだろ、普通にマーラーみたい 」

   「モーツァルト没後200年で盛り上がっていた1991年前後、この優れたプレイによって初めて出会った印象から アンドレアス・シュタイアーという古楽ピアニストの名前を記憶に刻んだのが、まさにこの一枚だったんだ 」

わたし 「そろそろティータイムもおしまい? 今日は 最後にもう一皿ほど紹介できるかな 」


モーツァルト スケルツォ倶楽部 (小)モーツァルト ピアノとヴァイオリンのための協奏曲 SONY
モーツァルト
ピアノとヴァイオリンのための協奏曲 ニ長調 K.Anh.56

五嶋みどり(ヴァイオリン)
クリストフ・エッシェンバッハ(指揮 ピアノ)
北ドイツ放送交響楽団
併録曲:
ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲 変ホ長調K.364(今井信子Va. )
録 音:2000年10月 2日 ハンブルク
推薦盤:ソニー(SRCR-2595)


わたし 「たいへん珍しい作品。ピアニストとヴァイオリニスト、二人のソリストがステージに並ぶ、モーツァルトの 知られざる二重協奏曲 ! 」

   「ピアノとヴァイオリンのための協奏曲なんて、モーツァルトの作品目録にあったっけ? 」

わたし 「22歳の若きモーツァルトが、滞在先のマンハイムで、当地の名ヴァイオリニストだったイグナツ・フレンツェルをソリストに、自身がクラヴィーアを演奏する目的で作曲を始めたものの、何らかの理由によって 第一楽章の途中(120小節まで )で放棄されたミステリアスなコンチェルト。現在聴けるのは、フィリップ・ウィルビー Philip Wilby が未完のトルソーだった第一楽章を補筆/完成させ、第2、第3楽章を 同時期につくられた他作品から 編曲して加えた復元版 - というわけです 」

   「で、おススメの“名旋律”は? 」

わたし 「終楽章アレグレットの主旋律、それはもう魅力的なのよ。エッシェンバッハミドリのソニー盤で 聴きましょう 」

第3楽章が冒頭から流れてくる )

   「 ! あ、この可愛らしいメロディは、モーツァルトヴァイオリン・ソナタ『マンハイム・ソナタ 』K.306 と同じじゃん? 」

わたし 「さすがアナタ、よく判ったわね。補筆者ウィルビーは考えた - モーツァルトフレンツェルとの二重協奏曲を作っていたのと同じ時期に、同じニ長調で書かれたK.306ヴァイオリン・ソナタこそ、実は “コンチェルトのモデル”だった という説を( ! ) 」

   「なるほど・・・ それが全部で 6曲あるマンハイム・ソナタの中でも K.306 一曲だけが 他の 5曲と比べ スケールも大きくクォリティも高かった疑問の答えでもあったと? 」

わたし 「補筆者ウィルビーは(存在しない)協奏曲の第2、第3楽章 を この“マンハイム・ソナタ”中の一曲K.306から その第2、第3楽章として転用、ソロ・ピアノとソロ・ヴァイオリンが活躍する協奏曲への編曲を施したというわけ 」

   「未完が惜しまれていた、若きモーツァルト 謎のコンチェルトを コンサート会場で聴けるように完成させたフィリップ・ウィルビーの手腕は とても納得できる 立派な仕事だなー。でも第3楽章の原曲 - ヴァイオリン・ソナタ K.306 - のほうを ここで 聴いてみたくなっちゃったなー 」

わたし 「では、名手イツァーク・パールマンダニエル・バレンボイムのピアノ伴奏で 80年代D.G.にレコーディングした名演、マンハイム・ソナタ ニ長調 K.306第3楽章と聴き比べてみることにしましょう 」

   「アールグレイ、お代わり いる? 」

わたし 「ここ、カフェ・ソッピーナ じゃないよね(笑 ) 」

モーツァルト マンハイム・ソナタ パールマン DG 伝「モーツァルト 」とされる肖像画
モーツァルト
ヴァイオリン・ソナタ第30番 ニ長調K.306
イツァーク・パールマン(ヴァイオリン)
ダニエル・バレンボイム(ピアノ)

併録曲:
同27番 ハ長調K.303、第29番 イ長調K.305、第33番 ヘ長調K.377
録 音:1984年 4月 パリ
推薦盤:D.G.(ポリドールPOCG-7084 )



はい、お代わり
ティータイムにはアール・グレイを グルダ モーツァルト ピアノ協奏曲 DG
♪ 「ピアノ協奏曲第25番 ハ長調 K.503 の中に、私が最も感動した旋律が出てきます。それは 同曲フィナーレの ただ一度だけしか登場しない経過句 - ここに、私は モーツァルトの音楽の中で 最も美しいメロディを 見いだすのです 」
ジャン=ヴィクトル・オカール / 「比類なきモーツァルト 」(白水社)より

⇒ お手元に グルダ(P.) アバド / ウィーン・フィル(D.G.)盤をお持ちなら、第3楽章 04:08 辺りから始まる経過部を 指すものと思われます。


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