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訃報・追悼
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世紀をまたぐ ジャズ・ピアニスト、
チック・コリアの訃報に 衝撃を受ける(2021年 2月 9日)。

チック・コリア逝去にショック

 先週12日(金)夕方のこと、オフィスに戻って 溜まったデスク・ワークを片づけようと カイシャのPCを点けたところ、新着ニュースの一隅に「チック・コリア」と「死去」などという文字が目に飛び込んできて・・・ 驚きのあまり 思わず大声で叫んでしまいました。近年こそ再結成コンサートなど どちらかといえば回顧的なプロジェクトが多かったものの、ついこの前も - 2019年(疫禍前 )に - 来日して 元気なステージ姿をみせてくれたばかりだったのに・・・。
 みつけた訃報は、私にとっては意外なことに、音楽専門サイトのものではなく 一般向けネット・ニュースでした。偉大なチック・コリアの知名度の高さが窺えます -。

チック・コリア氏、がんで死去 ジャズ界の巨匠
(2021年02月12日(金) 06:55配信)
チック・コリア Chick Corea チック・コリア 1975年 チック・コリア Chick Corea (3) チック・コリア 最近の画像(小)
【AFP=時事】
 米国ジャズ作曲家でピアニスト、エレクトリック・キーボード奏者の草分けだったチック・コリア氏が 2月 9日 ガンで死去していたことがフェイスブックFacebookの公式ページで発表された。79歳だった。
 公式ページの発表によると、コリア氏は 稀少な種類のがんを患っていたことがごく最近になって判明していた。発表文では、コリア氏が生前に残したメッセージも掲載された。
 同氏は「私と旅を共にし、音楽の火を明るくともし続けることに協力してくれたすべての人に感謝したい。私の願いは、演奏や制作、パフォーマンスなどをしたいという気持ちがある人には、それをしてほしいということ。自分のためでなくとも、ほかの人々のために。世界にはもっとアーティストが必要だというだけでなく、単に本当に楽しいものなのだから」とつづっている。
 名曲「スペイン」Spain や「500マイルズ・ハイ」500 Miles High、「ラ・フィエスタ」 La Fiesta を世に送り出してきたコリア氏は、ハービー・ハンコック氏やキース・ジャレット氏と並んで 20世紀を代表するジャズ・ピアニストの一人だった。米グラミー賞Grammy Awards の受賞歴は 計23回に上る。

以上 引用(青字AFPBB News


チック・コリアの若き日、マイルス・バンド在籍時
 やはりミュージシャンの出身と血統は、その演奏スタイルなどを理解するためにも 知っておく必要があります。
 マイルスロドリーゴの「アランフェス協奏曲 」を演奏する必然性は 実はさほど高くない気がしていますが(個人的感想・・・ )、チック・コリアが自作「スペイン」のイントロダクションで同曲のテーマを奏でるのは、とても納得できます。
 そんなチック・コリアは1941年 6月12日、米マサチューセッツ州都ボストンの隣りにあるチェルシー生まれですが、父はイタリア出身のスウィング・ジャズを演奏するトランペット兼ベース奏者、母はシチリア島の出身、さらに祖父は若い頃 地中海沿岸を放浪(?)していた人物であるとされ、濃厚にラテン系な血筋でした。

チャーリー・パーカー ディジー・ガレスピー バド・パウエル Thelonious Monk_帽子コレクション (2)
 6歳頃から本格的にピアノを学びはじめ、父親のSPレコードを通して チャーリー・パーカーディジー・ガレスピー、バド・パウエル、セロニアス・モンク といった当時の新しい音楽を聴いて自然にモダン・ジャズを吸収していったとされますが、その個性的な演奏スタイル(独特のタイム感覚 )やスパニッシュな題材を好む個性は、祖先の血が呼ぶものだったのでしょう。

Return To Forever(Chick Corea )ECM チック・コリア Chick Corea Light As A Feather チック・コリア Gary Burton Chick Corea Crystal Silence ECM
 私”スケルツォ倶楽部発起人の“チック・コリア初体験”は高校時代、後追いでしたが、多くのファンの方々と同様、最初が“カモメ”の「リターン・トゥ・フォーエヴァー 」(ECM)、続いて「スペイン」が収録されたアルバム「ライト・アズ・ア・フェザー 」(Polydor)、ゲイリー・バートンとのデュエット「クリスタル・サイレンス」(ECM) ‐ もちろんL.P.レコードでした。

In A Silent Way_イン・ナ・サイレント・ウェイ マイルス ビッチズ・ブルー CBS マイルスと共演時代のチック・コリア
 ここまで聴いてから マイルスの「イン・ナ・サイレント・ウェイ 」と「ビッチ’ズ・ブルー 」、「アット・フィルモア」に初めて触れ、とりわけチック・コリアのエレクトリック・フェンダー・ローズのプレイに注目して聴くことになりました。

チック・コリア 妖精 レプリコーン(Polydor) チック・コリア マイ・スパニッシュ・ハート チック・コリア_マッド・ハッター
 ちょうど その頃、国内(ポリドール )盤で「レプリコーン」、「マイ・スパニッシュ・ハート」、「マッド・ハッター 」、そして「フレンズ」といったソロ名盤群と、

RTF チック・コリア RTF アル・ディ=メオラ RTF スタンリー・クラーク RTF レニー・ホワイト
 ・・・ アル・ディ=メオラが参加後の第二期リターン・トゥ・フォーエヴァーの諸作などが一斉に、比較的廉価(それでも 1,800円だったか )で、タイムリーに再発されたため、例によって 昼食を抜いてw 次々と買い求め、学校から帰宅してからは 日夜遅くまで熱心に傾聴を続けた、そんな思い出も・・・。

スタンリー・クラーク エディ・ゴメス アンソニー・ジャクソン ゲイリー・バートン
 これらによってチック・コリア本人のみならず、選ばれし個性的な共演者たち スタンリー・クラーク、エディ・ゴメス、アンソニー・ジャクソン、ゲイリー・バートン、とりわけソロ作に聴けるスティーヴ・ガッドの技巧の素晴らしさを教えてもらえたのもこの時期でした。おかげで、どんどん関心が広がります。 

1980_Steve Gadd チック・コリア フレンズ Polydor チック・コリア:フレンズ(POLYDOR )
 初心者に判りやすく、かつマニアをも唸らせる至高の名盤「フレンズ」における チック、ガッド、エディ・ゴメス、ジョー・ファレルのクァルテット演奏の素晴らしさ - 素朴で楽しいタイトル・ナンバーはもちろん、史上最高にガッドが強烈な Samba Songと、錐揉み状のコーラスが聴き手を追いつめるCappucino・・・ ん もう麻薬的にハマりました。

チック・コリア:スリー・カルテッツ(WARNER BROS. ) Michael Brecker(Steps 1979) Steve Gadd(Steps 1979) Eddie Gomez(Steps 1979)
 が、急逝したファレルに代わって マイケル・ブレッカーがフロントを務めることとなった次作「スリー・クァルテッツ」は、高校生だった当時の私にとっては 正直 些か難解で、一度聴いただけでは理解することが出来ず、判るまで何度も何度も繰り返し聴き直す必要がありました。

Sony ケン・バーンズ・ジャズ ~ 20世紀ジャズの宝物 ー デューク・エリントン ジョン・コルトレーン 「ブルー・トレイン」の頃
 ああ、やはりデューク・エリントンジョン・コルトレーンの音楽について 熟知していなければ、これを正しく理解することも出来ないのではないか - との考えに至り、聴くべきジャズの領域がさらに広がっていったのもこの頃でした。

♪ 関連記事 ⇒ ジョン・コルトレーンの「ロスト・アルバム」が未発表だった理由(憶測 )

チック・コリア Chick Corea Now He Sings, Now He Sobs チック・コリア サークリング・イン
 1982年頃、名手ロイ・ヘインズミロスラフ・ヴィトゥスとのオリジナル・トリオ再結成 & 新作レコーディング + ワールドツアー というニュースを聞いて、世評も高い名盤「ナウ・ヒー・シングス、ナウ・ヒー・ソブス」Now He Sings, Now He Sobs(Solid State )を初めて入手、若きチック・コリアの目も眩むような知性と技巧のバランス感覚に目覚めました。さらに ヴィトゥスのかき鳴らすベースのアコースティックな響きの心地良さ、ロイ・ヘインズの凄味のあるドラムスが迸るように奔る迫力は筆舌に尽くせませんでした。
 ちなみに、上掲 右は 同セッションの未発表曲が収録されたブルーノート=リバティ Circling In(海外 )盤です。トリオ演奏の「ウィンドウズ」や「マイ・ワン・アンド・オンリー・ラヴ」などは 今でこそ CDのボーナス・トラックで普通に聴けるようになってしまって ありがたみも減りましたが、 ネット注文など存在しない LP時代には この 2枚組を 中古盤店か輸入盤店を探し回って みつけなければ 聴くことが出来ず・・・ かつて「ナウ・ヒー・シングス~ 」セッションに 8曲もの未発表曲が存在していたという“秘密”は 今となっては懐かしい、もはや過去のマニア情報(笑 )でした。

Chick Corea Trio Music_ECM_0001 Chick Corea Trio Music_ECM Chick Corea Trio Music_ECM_Miroslav Vitous Chick Corea Trio Music_ECM_Roy Haynes
 彼ら三人は、ちょうど同じ時期に急死したモダンジャズ・ジャイアント、セロニアス・モンクのオリジナル曲を 果敢に採り上げ、一枚分の素晴らしいL.P.を ECMで作ってしまったのです。

♪ 関連記事 マンハッタン・トランスファー “モンクに捧ぐ夜”

 最近あらためて これを聴き直すと、私はチック・コリアの独特なタイム感覚が、実はセロニアス・モンクのプレイによる影響からも少なからずあったことを実感しました。たどたどしくさえ聴こえる打鍵のモンクと決定的に違うのは、あまりにも器用なチック・コリアの演奏のほうが 技巧も遥かに上であったためか、一般リスナーの多くの耳には殆ど それと気づかれることがなかったのではないかと思えます。モンク奏法からの影響は、チャカ・カーンらとの珍しい顔合わせ Echoes of an Era(Elektra) での演奏に耳を傾けると、かなり はっきりと聴きとれると思います。


チック・コリア Chick Corea (4) チック・コリア Chick Corea (5) チック・コリア (2) チック・コリア Chick Corea (2) 
 チック・コリア師の業績、思い出については、実は まだ全然 語り足りません。
 スケルツォ倶楽部では 今後も引き続き、ワンダリング・ローズ WANDERING“RHODES” とか カフェ・ソッピーナのコーナー など、別に機会を設けて 偉大だったチック・コリア師の音楽について 語らせて頂きたいと思っています。
 ああ、大好きだったなあ・・・ “スケルツォ倶楽部発起人、故人の生前の功績に深く感謝の意を表し、今、心よりご冥福をお祈りいたします。

♪ 関連記事
⇒ リターン・トゥ・フォーエヴァー “第七銀河への帰還”

⇒ チック・コリア=スティーヴ・ガッド・バンド “チャイニーズ・バタフライ”

⇒ スペインのギタリスト、パコ・デ=ルシア追悼


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