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ロシュフォールの恋人たち タイトル1(ミシェル・ルグラン)ロシュフォールの恋人たち タイトル2(ジョージ・チャキリス )ロシュフォールの恋人たち3 タイトルロシュフォールの恋人たち タイトル4(ジーン・ケリー)ロシュフォールの恋人たち タイトル5(ジャック・デミ監督)
ミシェル・ルグラン ロシュフォールの恋人たち 」の
アルペジオが止まらない。    ⇒ もくじは こちら


デルフィーヌの歌 」 Chanson de Delphine
(デルフィーヌ )

ロシュフォールの恋人たち 「デルフィーヌの歌 」 Chanson de Delphine

 「ふたご姉妹の歌 」のメロディを リコーダーでプレイするソランジュ(フランソワーズ・ドルレアック )
 お昼に戻ると約束したとおり、デルフィーヌカトリーヌ・ドヌーヴ )は帰宅して(いつのまにか夏の薄いガウンに着替えています )、シガレットに火を点けると 窓辺で物思いに耽ります。どうしたのかと心配する姉ソランジュに、ギョーム・ランシアンと別れてきたことを告げます。ソランジュもまた 上から目線な画商には好印象を抱けなかったらしく「あんな男、捨てるべきよ 」と辛辣です。仲の良い ふたご姉妹らしくお互いの気持ちは通じ合い、が - ギョームと別れたからではなく - 「理想の男性 」を想って沈んでいることを、その表情に読みとっていたのです。

 デルフィーヌが物憂げに歌うソロ・ナンバーは、美しいストリングスに伴われ、まだ見ぬ「その面影が夢の中でよぎる」彼の「まなざしは 愛の焦点を結」んでいます。「ラファエロの高貴な絵画のよう」な彼は、「よどみなく韻を踏む詩人 」なのです。
 「近くか 遠くか この町にいるのか 」さえわからない、でも「きっと どこかにいるはず 」と歌う歌詞の一部は、水兵マクサンスが先刻イヴォンヌのカフェで歌っていた「マクサンスの歌 」と重なることに 誰しも気づくでしょう。 はい、もはや言うまでもなく、この二つの曲同じメロディ、すなわち 両方どちらも「ユー・マスト・ビリーヴ・イン・スプリング 」You Must Believe In Spring でもあるのです。
Les Demoiselles de Rochefort(5DC-海外盤)DECCA-UNIVERSAL-sacem-le coupie privèe
 例の 5枚組CDセットに所収のVersion anglaise(英語版 )では「デルフィーヌの歌 」には“The Man I've Never Met”という英題が付けられています。「マクサンスの歌 」のほうもあらためて確認してみると、“The Girl I've Never Met”という英題が・・・。ああ、やはり そういうことなのでした。
ロシュフォールの恋人たち マクサンスの歌
 このミュージカルを、事前に予備知識なしに初めて鑑賞した時、私は まさかそんな凝った仕掛けが施されているとは夢にも思わず、ルグランが用意した膨大な量のナンバーで溢れかえるスクリーンに只々圧倒され、映画を観ながら頭の中で楽曲を整理することなど出来ませんでした。
 しかも - 恥ずかしながら 正直に告白しますが - ドラマの狂言回し的な役割を演じるイヴェント・キャラヴァン二人組の「町から町へ 」のテーマと、主人公の「ふたご姉妹の歌 」以外、「何だか似たようなメロディ・ラインのメランコリックな歌ばかりが続く散漫なミュージカルだなー 」というのが、第一印象だったのです( ! )。はー、大馬鹿野郎でしたね。
ロシュフォールの恋人たち デルフィーヌの歌
 その後サウンド・トラック(PHILIPS )盤を入手し、あらためて聴き直して 初めて「これは同じ曲だ ! 」と気づき、さらにデルフィーヌマクサンスのみならず(次回以降でも詳述しますが )ドラマの中でペアとなる恋人同士は 劇中まるでカードが揃うように同じテーマの旋律によって区別される - という用意周到な工夫に気づいた瞬間、私は ルグラン=デミの秀逸なアイディアに背筋が冷たくなるほどの感銘と同時に 作者らを猛烈に賞賛する気持ちが胸のうちに湧いたのでした。

Claude Parent「デルフィーヌの歌 」 Chanson de Delphine Mathe Altery「デルフィーヌの歌 」 Chanson de Delphine
▲ ( ) スクリーンでは 姉ソランジュの吹替歌手を務めたクロード・パレン Claude Parent が 映画中で聴けなかった「デルフィーヌの歌 」を披露してくれる、うれしいカヴァー・ヴァージョン(仏DECCA )があります。落ち着いた声質が個性的で好ましいです。
( ) 仏EMIにも 当時 Mathe Altery という歌手のカヴァー・レコーディング(1967年)がありました。

ナタリー デセイ ミシェル ルグランをうたう ERATO ナタリー デセイ ミシェル ルグランをうたう ERATO (2)
▲ こちらは再度おススメです。すでに以前も紹介しましたが、作曲者ミシェル・ルグランが「理想の歌手 」と呼んで共演を重ねたナタリー・デセイとのレコーディング(ERATO、2013年 )では アルバム冒頭に置かれた「デルフィーヌの歌 」が至高の名演です。ルグラン自身が巧みに奏でるソロも 日常的な巨匠のピアノ・プレイを偲ぶには最適と言えるでしょう。

次回 ⇒ 「シモン・ダムの歌 」 に続く。


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