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ロシュフォールの恋人たち タイトル1(ミシェル・ルグラン)ロシュフォールの恋人たち タイトル2(ジョージ・チャキリス )ロシュフォールの恋人たち3 タイトルロシュフォールの恋人たち タイトル4(ジーン・ケリー)ロシュフォールの恋人たち タイトル5(ジャック・デミ監督)
ミシェル・ルグラン ロシュフォールの恋人たち 」の
アルペジオが止まらない。    ⇒ もくじは こちら


町から町へ 」 Nous voyageons de ville en ville
(エティエンヌ、ビル )

ロシュフォールの恋人たち ぬ?

 イヴェント・キャラヴァンのエティエンヌジョージ・チャキリス )とビルグローヴァー・デイル )の二人組が、彼らのメイン・テーマを歌って踊るシーン。ここまで彼らが常に二人一組で登場することから、映画の中ではソランジュデルフィーヌのテーマ「ふたご姉妹の歌 」と対になるナンバーと言えます。
 ちなみに Version anglaise では “I Travel' Round” という英題です。“We - ” じゃないんだな・・・。

 広場でカフェを営むイヴォンヌダニエル・ダリュー )が、自分の代わりに小学校までブブパトリック・ジャンテ )君のお迎えを頼んだ二人組に お礼のワインを振る舞いながら、ふと思い出したように尋ねます - 「ところで、アナタたちは 誰なの 」って・・・ 今さらですか (笑 )。
ロシュフォールの恋人たち ぬ?
 これに真顔で答える若者二人、顔を見合わせ 同時に ぬ ?(nous:「俺たち 」 )と発するや否や くるんくるん カフェ内を所狭しと 踊らんかな、踊りまくる、踊る時、踊れ、踊ろうというラ行五段活用。
 いつの間にか店内のテーブルも全部引かれ、すでにダンス・スペースができています(笑 )。その音楽は 彼らの躍動的なテーマ曲( 2曲目に紹介した「キャラヴァンの到着」のメロディにそのまま歌詞が付いたもの )=“自己紹介ソングであるという点で、これもまた「ふたご姉妹の歌 」と同じです。 
ロシュフォールの恋人たち 踊るエティエンヌとビル
 「自由な僕らは 町から町へと旅する 」、「バイクやボートのスタントを披露して回る 」、「明日のことはわからないけど 」、「幸福から幸福へ 」、「女の子から女の子へ 」、「僕らの人生はロマンスのよう、チャンスの風に軽やかに乗って 」、「流れ者でも僕らは詩人 」、「きみの友にもなろう、夢の王子にも、一文無しの騎士にも、でも心は純金 」、「ロワール渓谷からラインの川岸へ 」、「僕らは流れ者、旅こそ生きがいなんだ 」 - 演じている二人が 心から楽しそうに踊っているように見えてきて、何だか 私たちも わけもなく幸福感で心のグラスが満たされてきますよ、素晴らしい現状肯定の讃歌。

ジョージ・チャキリス George Chakiris ロミュアル・フィギュエ Romuald
 このナンバーで ジョージ・チャキリスの声を吹き替えているのは、シンガー・ソングライターのロミュアル・フィギュエ Romuald Figuier - 彼は「ロシュフォール~ 」と同時期(1967年 )に セルジオ・ゴッビ監督の L'etrangere (邦題「幸福(しあわせ)の行方 」という映画でも音楽を担当していた才人です。
ビル(グローヴァー・デイル ) ジョゼ・バルテルJose Bartel
 相棒のビル役を演じる英国人グローヴァー・デイルの仏語歌唱の吹き替えを務めたのは、ジョゼ・バルテル Jose Bartel です。彼は、ドゥミ=ルグランの前作「シェルブールの雨傘 」でも ギィ(ニノ・カステルヌォーヴォ )の歌唱パートを歌っていたことで よく知られますね。 

 ついでに、このシーンに登場する端役も紹介しておきましょう。
ジュヌヴィエーヴ・テニエ(ジョゼット ) アリス・エラルド Alice Herald
 出番も台詞も少ないですが、その可憐な仕草が可愛らしいジョゼットジュヌヴィエーヴ・テニエ )は、イヴォンヌのカフェでアルバイトしているセルヴーズ(女給 )。水兵マクサンスに好意を抱いているらしい - という設定です。彼女の歌唱部分は、アリス・エラルド Alice Herald という歌手が吹き替えています。

アンリ・クレミュー Henri Crémieux
 カフェの常連客、初老のデュトル氏を演じるのは 仏の名優アンリ・クレミュー Henri Crémieux - わざわざ初対面の二人組に「デュトル 」の綴りは Dutrouz だが「語尾のzは発音しない」とユーモラスに挨拶してみせるデュトル氏はかつて空軍に所属、共にナチス・ドイツと戦ったイヴォンヌの父と戦友、今は軍人恩給で悠々自適に暮らしてます。歌うシーンはありません。

ミシェル・ルグラン・アンド・ベスト・フレンズ SES AMIS(Sony ) チコザ・ジプシーズ Chico The Gypsies
 ところで、仏デッカ=ユニバーサル五枚組セット所収のカヴァー集に収められた「町から町へNous voyageons de ville en ville は、意表を突いて ジプシー・キングスの黄金時代に貢献したチコ・ブーチキー率いる チコ&ザ・ジプシーズの演奏が選ばれています。これには 何とミシェル・ルグラン自身もアコースティック・ピアノで加わっている、貴重なヴァージョンです(2015年、『ミシェル・ルグラン・アンド・ベスト・フレンズ & SES AMIS 』にオリジナル収録 / Sony Music Labels )。
 各節の最後でリズムがブレイクする都度、絶妙なタイミングでダンサーらがハンド・クラッピングを三発ずつ 実に格好良くキメてくれます。かつて「ロシュフォール~ 」では あれほど軟派だった二人組(笑 )の歌と同じ歌詞が「バンボレイオ 」風に情熱をこめて歌われると、もう一瞬で砂塵舞う荒野に黙して佇む古武士のごとき存在へ変容を遂げる姿を見せつけられるようで、これには心底驚かされました。

次回 ⇒ デルフィーヌの歌 に続く。

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