FC2ブログ
   
スケルツォ倶楽部 
Club Scherzo
 ⇒ 全記事タイトル All Titlelist

ロシュフォールの恋人たち タイトル1(ミシェル・ルグラン)ロシュフォールの恋人たち タイトル2(ジョージ・チャキリス )ロシュフォールの恋人たち3 タイトルロシュフォールの恋人たち タイトル4(ジーン・ケリー)ロシュフォールの恋人たち タイトル5(ジャック・デミ監督)
ミシェル・ルグラン ロシュフォールの恋人たち 」の
アルペジオが止まらない。    ⇒ もくじは こちら



マクサンスの歌 」 Chanson de Maxence
(マクサンス )

ロシュフォールの恋人たち イヴォンヌのカフェ
 ソランジュデルフィーヌガルニエ姉妹を、女手ひとつで育て上げた 美しい母親イヴォンヌ(ダニエル・ダリュー Danielle Darrieux )は ロシュフォールの広場でカフェを営み、ガラスばりの明るい店内は大繁盛です。

マクサンス(ジャック・ペラン Jacques Perrin )
 カフェの常連客のひとりである 若い画家マクサンスジャック・ペラン Jacques Perrin )は、ロシュフォール港に駐留する海軍に籍を置く水兵ですが、それは遠洋航海で世界中の国々を巡りながら 心ひそかに自分が理想とする女性を探すことが目的でした。
 彼のメイン主題にして、映画では「愛のテーマ 」として再三聴かれる「マクサンスの歌 」 - その美しいメロディは、「シェルブールの雨傘 」を書いた、いかにもミシェル・ルグランのペンで書かれたとわかる傑作です。
 映画中で歌っているのは、名曲「マイ・ウェイ 」の原曲である“Comme d'habitude”を、この映画の上映とちょうど同じ時期にクロード・フランソワと共作することになる フランスのシンガー・ソングライター、ジャック・ルヴォー Jacques Revaux 、すでに述べたとおり、これも吹替え歌唱でした。しかしジャック・ペランのもつ繊細な印象と見事に合致しており、そこに違和感など まったくありません。
ドゥミとルグラン ジャック・ルヴォー Jacques Revaux
▲ (左 )ドゥミ監督とルグラン、(右 )ジャック・ルヴォー Jacques Revaux(ジャック・ペランの歌唱を吹替え )

 純心でロマンティストな青年マクサンスの脳裏には 彼が理想とする恋人のイメージが明確にあり、それは実際に画に描けるほど具体的であったにもかかわらず、遂にその女性には会えぬまま もう次の日曜日には兵役を終え、除隊する日も目前です。
 そういえば、戦後間もないパリを舞台とした米ミュージカル映画の傑作「巴里のアメリカ人(ヴィンセント・ミネリ監督 / 1951年 ) 」で、ジーン・ケリーが演じていた主人公も(こちらは米軍の元兵士でしたが )除隊後パリで画家として生計を立てている、という設定でしたよね。
「巴里のアメリカ人(ヴィンセント・ミネリ監督 1951年 ) 」のジーン・ケリー By Strauss (2)

 さらに同じMGMミュージカル映画の古典「踊る大紐育(1949年 ) 」にもジーン・ケリーは白いセーラー服の水兵姿で登場、20世紀の偉大なレナード・バーンスタインが作曲した「ニューヨーク・ニューヨーク 」を、若きフランク・シナトラらと歌っていたことは、ご存知のとおり。
映画「踊る大紐育」 ジーン・ケリー(オン・ザ・タウン1949 )
 軍港ロシュフォールに 仏海軍の水兵が大挙して登場するのは、明らかにアメリカの古典的ミュージカル映画への意図的な接近でしょう。ジャック・ペランと並んで 自分もかつては水兵だった(笑 )ジーン・ケリーの二人が、ツー・ショットで二重唱を歌うシーンまで 映画「ロシュフォール~ 」の後半には用意されていますよ、楽しみですね。

 さて、屈指の名曲「マクサンスの歌 」は、理想を追い求める芸術家肌の若者のテーマにふさわしく 実に美しい旋律を有し、殊にアメリカでは You Must Believe In Spring と改題され、いわゆる“ルグラン・スタンダード”の一曲として「風のささやき 」や「おもいでの夏 」、「アイ・ウィル・ウェイト・フォー・ユー(シェルブールの雨傘 ) 」などと並んで広く愛唱の対象となっています。以来世界中でカヴァーされ、ジャズ・ミュージシャンにも親しまれていることは ご承知のとおり。

ビル・エヴァンスのピアノによる、
名盤「ユー・マスト・ビリーヴ・イン・スプリング 」(1977年 )

Bill Evans You Must Believe In Spring (3) BILL EVANS YOU MUST BELIEVE IN SPRING (2)
 米題「ユー・マスト・ビリーヴ・イン・スプリング 」をとり上げたジャズ・ミュージシャンのレコードの中でも 特に忘れ難い演奏といえば、ピアニスト、ビル・エヴァンスによるこの一枚を - トリオの三人(エヴァンス、エディ・ゴメス + エリオット・ジグムンド )の繊細な感性も極まる名演 - やはり これを挙げぬわけにはいかないでしょう。
 録音は エヴァンスが亡くなる3年前のものでしたが、なぜか生前にはリリースされることなく、世に発表されたのはその死後「追悼盤 」(1977年、Warner Bros. )として・・・ でした。
 全曲 内省的な魅力を秘めたピアニズムが素晴らしく、人によっては これをビル・エヴァンスの最高傑作と考える人もいるくらいマニア層にも評価の高い一枚です。その中でも やはりミシェル・ルグラン作曲のタイトル・ナンバーは白眉・・・ もう別次元の名演と言えるでしょう。
 テーマの呈示に続けて エディ・ゴメスのベースに委ねられるソロは 実に良く歌う無類の美しさ、これに続いてビル・エヴァンスが紡ぐピアノのフレーズは、尽きず溢れる清涼な湧泉のよう。その背後でジグムンドのドラムスが光の飛沫(しぶき )を上げています。中山康樹氏などは「孤高の境地 」、「究極の音楽的表現 」、「これを聴いたが最後、あとは聴くものがないと実感させる類の達成感 」とまで 手放しの絶賛でしたが、これには 私 発起人も殆ど同意します。

 ・・・あ、当然ですが もし今までビル・エヴァンスにもジャズにも縁のなかった人が いきなりこの一枚を買ってきて俄かに聴いてみても、中山氏が述べようとされた心は きっと解らないと思います。

kind of Blue (CBS) ビル・エヴァンスとマイルス
▲ それには、やはりエヴァンスマイルスのアルバム「カインド・オブ・ブルー 」セッション参加時のプレイや、
ビル・エヴァンス ポートレイト・イン・ジャズ RIVERSIDE ビル・エヴァンス ワルツ・フォー・デビイ(Riverside) ビル・エヴァンス、コンプリート・リヴァーサイド・レコーディングス
リヴァーサイドのオリジナル・アルバムは全部、
ビルエヴァンス_クラウス・オガーマン_Verve Bill Evans At The MONTREUX Jazz Festival ビル・エヴァンス トリオ65’(Verve )
▲ そしてヴァーヴの代表的なアルバムは一通り、少なくとも 聴いてからにされるのがよいでしょう。

次回 ⇒ 「デルフィーヌとギョーム・ランシアン 」に続く。

↓ 清き一票を
にほんブログ村 クラシックブログ クラシック音楽鑑賞へ
にほんブログ村
にほんブログ村 音楽ブログ ジャズへ
にほんブログ村

クラシックランキング

ジャズランキング
Club Scherzo, since 2010.1.30.

関連記事
スポンサーサイト



コメント

コメントの投稿

トラックバック

トラックバック URL
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)