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ロシュフォールの恋人たち タイトル1(ミシェル・ルグラン)ロシュフォールの恋人たち タイトル2(ジョージ・チャキリス )ロシュフォールの恋人たち3 タイトルロシュフォールの恋人たち タイトル4(ジーン・ケリー)ロシュフォールの恋人たち タイトル5(ジャック・デミ監督)
ミシェル・ルグラン ロシュフォールの恋人たち 」の
アルペジオが止まらない。    ⇒ もくじは こちら



ふたご姉妹の歌 」 Chanson des jumelles
(ソランジュ、デルフィーヌ )

ロシュフォールの恋人たち ふたご姉妹の歌

 映画を先入情報なしに初めて観る人は、ここまでの流れで、当時スターだったジョージ・チャキリス演じるエティンヌが率いるイヴェント・キャラヴァンの若者たちがドラマの主人公だろうと考えてしまいそうですが、実は、子どもたちのバレエ教室を指導していた若い女先生の姉妹こそ この映画のヒロインです。
 姉のソランジュフランソワーズ・ドルレアック Françoise Dorléac )の髪は赤毛、ピアニストの彼女は 作曲家として成功するのが夢、目下ピアノ・コンチェルトを作曲中です。妹のデルフィーヌカトリーヌ・ドヌーヴ Catherine Deneuve )はブロンド、子どもたちにバレエを教える彼女も 自分がバレリーナとしてパリ・オペラ座の舞台に立つことが夢です。ふたごを演じた彼女ら二人が 一歳違いの「実の姉妹 」だったことは、どなたもご存知のとおり。
Catherine Deneuve&Francoise Dorleac (2) パリス・マッチの表紙

 「土曜までに衣装を用意してね 」と言いながら 彼女らは かわいい生徒たちを帰すと、イヴェント・キャラヴァンの一行が広場でお祭りの準備を始めている様子を 窓から見下ろします。お披露目の本番は 二日後、「子どもたちは上手く踊れるかしら 」、「大丈夫でしょ 」という会話から ふたごガルニエ姉妹が 突然 歌い踊りだす、明るいテーマ・ソングです。

モーツァルト ロッシーニ Georges Bizet (1838‐1875) プッチーニ
 この種の歌は、たとえば「魔笛 」のパパゲーノモーツァルト )や「セヴィリアの理髪師 」のフィガロロッシーニ )、「カルメン 」のエスカミーリョビゼー )といった 古(いにしえ)のオペラの登場人物が最初に舞台に現われるなり自分自身のことを独りで歌い出すのと同じ、伝統的な“自己紹介ソング”でもあります。プッチーニの「ラ・ボエーム 」で、ミミロドルフォの主人公カップルが出会って 互いに自己紹介し合う二つのアリアも このヴァリエーションでしょう。
 二人の姉妹は 自分たちのキャラクターについて歌い、母イヴォンヌが女手ひとつで彼女らを育ててくれたことに感謝し、さらに理想の恋人にめぐり会えることを互いに夢見ながら 文字どおり青春を謳歌するのです。
ロシュフォールの恋人たち Catherine Deneuve&Francoise Dorleac

 そういえば、朝ドラ「あまちゃん 」や ジーン・ケリーが主演を務めた名画「雨に唄えば 」の中で 重要なサブ・テーマだった、主役の吹替えを務める「影武者」歌手の存在について 当スケルツォ倶楽部でも 以前話題にしましたが ⇒ こちらも このミュージカル「ロシュフォールの恋人たち 」でも、ふたご姉妹の母親イヴォンヌ役を務めるダニエル・ダリュー Danielle Darrieux 以外、主要な出演者たちの歌唱はすべて吹き替え です。
 姉ソランジュ(フランソワーズ・ドルレアック )の歌唱は クロード・パラン Claude Parent という 中低音域が美しい女声歌手、妹デルフィーヌ(カトリーヌ・ドヌーヴ )のほうは 可憐な声質のアンヌ・ジェルマン Anne Germain という名前がクレジットされています。後者は フランス産ダバダバ・コーラスで一世を風靡したスウィングル・シンガーズのメンバーでしたが、このグループでリードヴォーカルを務めていたのが ミシェル・ルグランの実姉クリスティアーヌで、ルグランつながり。彼女もまた映画中では 旅するイヴェント・キャラヴァンを率いるエティエンヌの元カノ(笑 )ジュディト吹き替え歌唱を務めています。

Les Demoiselles de Rochefort(5DC-海外盤)DECCA-UNIVERSAL-sacem-le coupie privèe ロシュフォールの恋人たち 仏DECCA=UNIVERSAL 5枚組CD
 映画公開50周年を記念して仏DECCA=UNIVERSALからリリースされたCD 5枚組ボックスオリジナル仏語ヴァージョン英語ヴァージョンインストゥルメンタル・ヴァージョンオーケストラ・プレイバック未発表テイクデモ、さらに厳選カヴァー演奏まで収録したセット )を聴くと、「ソランジュの歌」、「シモン・ダムの歌」、「水兵の歌」、「いつも振られる歌」、「バラバラ事件の歌 」などミュージカル中の主要な楽曲の殆どに、異なる候補メロディが複数パターン作られていたことが ルグラン自身の語りと歌によって明かされています。
 とりわけ「ふたご姉妹の歌 」作曲のプロセスにおいては 何と10曲以上も別の旋律を用意しながらボツにせざるを得なかったメロディたちを、愛(いと)惜しげにルグラン自身が 片っ端からピアノを弾きながら歌ってくれる音源は、必聴。

ロシュフォールの恋人たち(2CD-リマスター完全盤)ユニバーサル
▲ そんなルグラン自身の弾き語りによる貴重なデモ音源の中から「ふたご姉妹の歌」の別候補メロディだけは 国内(CD二枚組リマスター完全盤/ユニバーサル )にも収録され、彼のインタヴューと共に聴くことができます。
 5枚組ボックスの中でも音質が鮮明な「英語ヴァージョン 」ディスクに収められた「ふたご姉妹の歌 」 - 英語タイトルは “A Pair Of Twins”と、直訳そのまんま(笑 )。


▲ ジューリ・ブエナヴェントゥーラ 「ふたご姉妹の歌 」
アルバム“Yo Soy”(Mercury-France/1999年 )収録。

 注目すべき「カヴァー集 」の中に選ばれた演奏は、数ある「ふたご姉妹の歌 」カヴァーの中から ルグラン翁自身も大のお気に入りだったという、ジューリ・ブエナヴェントゥーラ Yuri Buenaventura のバンドによる、熱いサルサのリズムが炸裂するキューバン・スタイルのインストゥルメンタル・アレンジが、意外にも曲調にドンピシャなのです、凄いですよ。

 こちらも おススメします。
野宮真貴 en duo avec クレモンティーヌ「ふたご姉妹の歌 」 クレモンティーヌと野宮真貴 2016(タワー渋谷)
野宮真貴 en duo avec クレモンティーヌふたご姉妹の歌
男と女 ~野宮真貴、フレンチ渋谷系を歌う。」収録
Universal Music LLC(2016年 )

 何と ピチカート・ファイヴのヴォーカルだった野宮真貴が、おそらく アルバム「エル・デテ~夏時間 」(Sony 1998年 )のラストを飾る「ウィークエンド 」を提供した小西康陽つながりで クレモンティーヌと、「ふたご姉妹の歌 」を デュエットって( ! )。バッキングは控えめなアコースティック・バンド編成。二人の声質は個性的ですが、一聴で、その相性の素晴らしさに気づきます。

▼ さらに おまけ
「ふたご姉妹の歌」Chanson des jumelles(ソランジュ、デルフィーヌ )

次回 ⇒ 「マクサンスの歌(米題“ユー・マスト・ビリーヴ・イン・スプリング” 」に続く


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