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ロシュフォールの恋人たち タイトル1(ミシェル・ルグラン)ロシュフォールの恋人たち タイトル2(ジョージ・チャキリス )ロシュフォールの恋人たち3 タイトルロシュフォールの恋人たち タイトル4(ジーン・ケリー)ロシュフォールの恋人たち タイトル5(ジャック・デミ監督)
ミシェル・ルグラン ロシュフォールの恋人たち 」の
アルペジオが止まらない。    ⇒ もくじは こちら



ロシュフォールの恋人たち」の アルペジオが止まらない。

 今晩は、“スケルツォ倶楽部発起人です。
 しばらく本業のほうが忙しかったため 更新ご無沙汰でした、すみません。この 2か月近く ずっと朝晩の通勤時間はミシェル・ルグランの音楽ばかり聴き続け、一日もはやく“倶楽部”活動に復帰できる日のことばかり考えていました(笑 )。
 久しぶりに執筆を再開する今宵は 1月に逝去した 偉大なミシェル・ルグラン追悼・・・。1967年に公開された ジャック・ドゥミ監督との“共作”映画「ロシュフォールの恋人たち 」につけられた音楽、これをあらためて聴き直し、20世紀後半 オシャレなフランスの香りと彩りを世界に向けて発信した ルグラン師の功績を 今一度 偲びたいと思います。
ミシェル・ルグラン ジャック・デミ監督 Jacques Demy (2)
▲ (左 )ミシェル・ルグラン (右 )ジャック・ドゥミ監督

 映画「ロシュフォールの恋人たち 」Les Demoiselles de Rochefort - 濱田高志氏が、これを評して「ハリウッドのミュージカル映画、殊に主題と舞台をフランスに置いて製作されたヴィンセント・ミネリ監督の作品(MGMミュージカル映画「パリのアメリカ人 」のこと )に対するフランスからの回答として製作された 」という絶妙な位置づけをされていましたね。
映画「パリのアメリカ人」のジーン・ケリー(MGM)
▲ 映画「パリのアメリカ人 」のジーン・ケリー(1951年)

 ドゥミ=ルグラン・コンビによる不朽の名作といえば、本来なら もう一つのミュージカル作品「シェルブールの雨傘 」について触れるのが まず順当というものでしょう。
映画「シェルブールの雨傘」 (2) 映画「シェルブールの雨傘」
 前作「シェルブール~ 」では、ドラマの最初から最後まで途切れることなく音楽が流れ続け、登場人物らの日常的な台詞に至るまで そのすべてにオペラレチタティーヴォ を思わせるメロディを付ける、そんな実験的な試みを成功させた 事実上の「楽劇 」だったのに対し、今回の「ロシュフォールの恋人たち 」のほうは、歌唱ダイアログはきちんと分けられ、台詞音楽との間に引かれた境界線も明確でした。

ミシェル・ルグラン「ロシュフォールの恋人たち」の音楽

 「ロシュフォール~ 」において注目された新しい技法は、私たち観客に登場人物の人間関係を判りやすくさせるために若きルグランが駆使した、ひとつの斬新な音楽的「示唆 」にありました。それは、映画の進行を支援するだけでなく ドラマ全体にリズミカルな空気感さえ醸(かも)し出していますし、さらに これに波及する劇的な効果ったらホント素晴らしく、傾聴に値します。
 さあ、それが一体どんな工夫であったかについては、この後に続く文章の中で おいおい述べることとして、ご一緒に 映画のストーリーサウンドトラック完全盤 )の曲順に沿って 音楽を聴いてまいりましょう。


ロシュフォール~ 」サウンドトラック盤を整理する。

 さて 今、私 発起人の手元には たまたま保有する 三種類の「ロシュフォール~ 」サウンドトラック盤(C.D. )があります。それぞれの特徴を、私自身の覚え書きとして、整理しておこうと思います。
「ロシュフォールの恋人たち」
①                  ②                ③

 上掲の写真、左から ①日本フォノグラム(PHILIPS PHCA-126 / 1992年リリース)盤、②USMジャパン/ユニバーサル ミュージック 2枚組(リマスター完全盤:PHILIPS UICY-6822~23 / 2007年リリース)盤、 ③ フランス盤 映画公開50年記念 5枚組(France DECCA=UNIVERSAL / sacem / la copie privèe 537 873 2 / 2017年リリース)盤。
 中でも最も注目すべきは 2017年にリリースされた ③仏盤 5枚組セットでしょう。
Les Demoiselles de Rochefort(5DC-海外盤)DECCA-UNIVERSAL-sacem-le coupie privèe  
 これにはオリジナル仏語ヴァージョン・コンプリート全23曲、米・英・オランダ・カナダなどで発売された英語ヴァージョン “The Young Girls Of Rochefort(英PHILIPS SBL-7792 は驚くほど音が良い )17曲、オーケストラによるインストゥルメンタル・ヴァージョンLa Version Orchestrale du tous les thèmes du film Les Demoiselles de Rochefort” (仏PHILIPS 842 147PY )12曲、オーケストラル・プレイバック集(実質カラオケ )12曲、ルグランによる語りとピアノの弾き語りによる 別メロディをつけた6曲の試作(貴重 ! )、ジーン・ケリーにデモ・テープとして渡されたルグラン歌唱による未発表デモ 2曲(「アンディの歌 」、「恋するアンディ 」)、さらに ビル・エヴァンスバド・シャンクフィル・ウッズジョゼ・バルテルナタリー・デセイなどなど、古今の代表的カヴァー演奏16曲が選ばれており、資料音源としても最強でしょう。ルグランと「ロシュフォール~ 」の世界を愛する皆さまには、揃えおかれて 絶対に損はないものとおススメします。

 最初に映画が公開された1967年に アナログL.P.でリリースされたオリジナル・サントラには、当初15曲のナンバーを収録したダイジェスト盤(仏PHILIPS 842 146PY )と、楽曲前後の台詞までをも含む 長めのトラックが21曲収録された二枚組(仏PHILIPS 840595/596 )という、二種類のレコードが存在していたそうです(濱田高志氏の解説に拠ります )。
 ということは、上記CD①の収録内容はL.P.(ダイジェスト )盤に準ずるもの。
 同じく CD②2枚組「リマスター完全盤 」の収録内容は、L.P.二枚組の収録曲にプラス(後にCD③に収録されることとなる )ルグラン自身の貴重な弾き語り「ふたご姉妹の歌」試作演奏、「ふたご姉妹の歌」の英語版インストゥルメンタル・ヴァージョンから 5曲、さらにルグラン1973年12月に単身渡米し現地ニューヨークジャズ・ミュージシャンと共演したライヴの名盤「ライヴ・アット・ジミー'ズ 」(RCA )から名手フィル・ウッズのアルト・ソロを 大フィーチャーした「マクサンスの歌(米題:ユー・マスト・ビリーヴ・イン・スプリング )」、但し ここまでは 5枚組③のセットを入手しさえすれば、全部入ってますので、これから初めて「ロシュフォール~ 」の世界に触れようという人でなければ、わざわざダブって購入する必要は ないかもしれません。
 
 けれど 5枚組③セットの中にも 唯一 未収録の一曲は、ルグランピアノ・トリオClaude Egèa トランペットDenis Leloupによるトロンボーンを加えたクインテット編成で、「ロシュフォール・メドレー 」を演奏した1997年 2月のライヴ・レコーディングです(08:25 )。
ロシュフォールの恋人たち(2CD-リマスター完全盤)ユニバーサル
 これだけは、②国内盤 2枚組リリースのためだけに録音された貴重なトラック。演奏曲は、「ふたご姉妹の歌 」→「キャラヴァンの到着(町から町へ ) 」→「シモン・ダムの歌 」→「コンチェルト 」→「マクサンスの歌 」→「バラバラ事件の歌 」→「水兵は夫に向かない歌 」→「ふたご姉妹の歌 」の順。深読みすると、「マクサンスの歌 」の演奏をベース・ソロに委ねるのは、かつてエディ・ゴメスが素晴らしいソロをとっていた 歴史的なビル・エヴァンス盤に ルグラン翁が敬意を表してのことかもしれません。
 当初Alfaレーベルの名盤「ウォーム・シェイド・オブ・メモリー 」(1995年録音 )に収められていた ピアノ・トリオによる、今も語り草となっている名演「ロシュフォール・メドレー(12:00 ) 」を 所有者からライセンスを得て ここに収録する予定だったそうですが、直前まで権利関係の問題で揉めた挙句、とうとう許諾が下りなかったらしく、急きょ 新しく録音するしか方法がなかった・・・ という裏話も。
ミシェル・ルグラン The Warm Shade Of Memory(Alfa)
 蛇足ですが、そのAlfa盤のメドレー( ピアノ・トリオによる )で聴けるナンバーは、「ふたご姉妹の歌 」→「いつも振られる歌 」→「キャラヴァンの到着(町から町へ ) 」→「シモン・ダムの歌 」→「夏の日の歌 」→「コンチェルト 」→「ソランジュの歌 」→「マクサンスの歌 」→「バラバラ事件の歌 」→「ハンブルグの陰気な歌 」→「水兵は夫に向かない歌 」→「ふたご姉妹の歌 」の順でした。うーん、充実していますね。


次回 ⇒ 「トランスボドゥール橋 」に続く。

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