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ウィーンのバーンスタイン
(オン・ベートーヴェン・ア・セレブレイション )
Bernstein on Beethoven A Celebration in Vienna

Bernstein On Beethoven A Celebration In Vienna バーンスタイン
 こんにちは、“スケルツォ倶楽部発起人です。今日の話題は 久しぶりに レナード・バーンスタイン(1918-1990 ) - もうどなたもご存知のとおり 今年 2018年 レニー生誕100年の記念年です。

 私 発起人が、初めてクラシック音楽に目覚めた 小学3年生の当時は、おぼえたばかりの ベートーヴェンシューベルトといった偉大な作曲家たちと 彼らが創造した目も眩むような名曲の数々を追いかけることに(時間的にも 経済的にも )いっぱいいっぱいで、これに加えて「指揮者 」や「ピアニスト 」といった音楽の「使徒 」たる 演奏家の存在に注目する余裕など まだありませんでした。

Bernstein On Beethoven A Celebration In Vienna (4)
 そんな幼かった私が 誰よりも真っ先に意識するようになった「指揮者 」の名前こそ - レナード・バーンスタイン、その人でした。
 これには理由があり、その時の記憶は かなり鮮明です。それは、小学校の 3年生(か 4年生 )の冬休みのこと、すなわち1971年(あるいは1972年 )の暮れ、NHKテレビが放送してくれた 海外ドキュメンタリー「ウィーンのバーンスタイン 」という番組を 幸運にも視聴できたことでした。
 その印象はたいへん強烈でした。ベートーヴェン生誕200年を祝う記念祭に沸く“音楽の都”に降臨した ひとりのエネルギッシュなアメリカ人指揮者の活躍する姿は、バーンスタイン本人の番組ナレーションを伴って、子ども心に鮮明に刷りこまれたのでした - うわー この人は、凄いなあ・・・ と。

 この指揮者が、アメリカ人でありながら、もうすでに1966年にはウィーン国立歌劇場ヴェルディの「ファルスタッフでデビューを果たし、続けて客演したR.シュトラウスの「ばらの騎士 」でも大成功を収めていたこと、そのウィーン・シュターツ・オーパーでのメンバーを動員してCBS コロンビアに 全曲をレコーディング、さらにレコード・レーベルの枠を超えて ウィーン・フィルマーラーの「大地の歌 」や 弾き振りでモーツァルトピアノ・コンチェルトなどを 名門デッカ(ロンドン )でレコーディングしていた - などという、ここまでの彼のヨーロッパで築きつつあった偉業についてなど、まだ当時 小学生だった私には 知る由もありませんでしたが。

バーンスタイン・オン・ベートーヴェン [DVD]
▲ DVD「バーンスタイン・オン・ベートーヴェン
原題 Bernstein On Beethoven A Celebration In Vienna
ニホンモニター(株 )ドリームライフ事業部(DLVC-8120 )

 そのドキュメンタリーは、今でも容易にDVDで鑑賞することができます。1970年、すなわちベートーヴェン生誕200年祭に沸くウィーンを訪れた 壮年期のバーンスタインの姿を映像に収めた、それは素晴らしい番組でした(製作 CBS TV in association with Amberson Productions and ORF との表示あり )。
 ウィーン楽友協会大ホールに於ける ウィーン・フィルとのコンサートのハイライト、バーンスタイン自身がソリストも務めた ベートーヴェンピアノ協奏曲第1番 ハ長調 を スマートに弾き振りして見せます( 6月 7日公演 )。コンサート・マスターの席には ウィリー・ボスコフスキーの姿があり、時代を感じます。画像も一応カラーですが TV放送用ということもあってか 解像度など荒く、さすがに古くなりました。
Bernstein On Beethoven A Celebration In Vienna (2)
 これに併せて ベートーヴェンの生涯を 肖像画や当時の風景画などたくさんの映像に乗せながらバーンスタインが丁寧に語る映像は、音楽ビギナーだった私でなくても 興味深い内容だったに違いありません。

 中でも とりわけ貴重だったのは、アン・デア・ウィーン劇場に於ける 歌劇「フィデリオ 」のリハーサル、ゲネプロ、及びプレミエ( 5月24日 )公演のライヴ といった 複数の映像を巧みに編集して組み合わせた一大ドキュメントでしょう。
Bernstein On Beethoven A Celebration In Vienna (10)
 バーンスタインがリハーサルで 熱意のあまり感情的に当たってしまった(ようにみえる )ギネス・ジョーンズに配慮し、後で二人きりになってから彼女の心情をフォローする様子まで TVカメラが追う場面(って これも演出だったのかも )など、オペラ本番まで築き上げてゆくプロセスが素晴らしく、番組中では この「フィデリオ プレミエ公演に至るくだりが、個人的には 最も感銘深かったところでした。
 尚、このときの本番公演の映像は 全曲を収録した版が存在するようですが、いまだかつて LD、VHS、DVDなど なぜか一度も正規に商品化されたことがないそうです。

Bernstein On Beethoven A Celebration In Vienna (9)
▲ バーンスタイン(左 )と オットー・シェンク(右 )による演出、ギネス・ジョーンズレオノーレ )、ジェームス・キングフロレスタン )、テオ・アダムピツァロ )、フランツ・クラスロッコ )、ルチア・ポップマルツェリーナ )、アドルフ・ダㇽラポッツァヤキーノ )、カール・リーダーブッシュドン・フェルナンド )というたいへん豪華なキャスティング、彼らは当時の国立歌劇場に所属していた歌手で、この 8年後にD.G.バーンスタインウィーンフィルとレコーディングすることになる全曲盤では 殆ど顔を揃えることなく、両者で共通して同じ配役を務めるのは ルチア・ポップダㇽラポッツァの二人だけ。

Bernstein On Beethoven A Celebration In Vienna (11)
 感動的だったのは やはり解放のフィナーレでした。
 開幕からドラマが進行する間もずっと暗かった舞台(牢獄 )の背景パネルが、実は外の世界へと通じる巨大な跳ね橋だったことが最後に判ります。救出者たるドン・フェルナンドが現れると「背景パネル 」は、外の世界(奥側 )へゆっくりと倒れてゆき、その瞬間 自由な外界から差し込んでくる明るい大陽光が舞台いっぱいに溢れるのです。外側の世界へと架かった跳ね橋を渡って 市民や支援者、家族らが一斉に牢内へと殺到、解放された囚人たちを出迎える喜びのフィナーレに拍手をおくる聴衆の歓声を聞くと、この因縁の歌劇場アン・デア・ウィーンでの「歴史的失敗 」に終わった初演(1805年)で 苦杯をなめたベートーヴェンの仇討ちを あたかもバーンスタインが果たしてくれたかのような錯覚に心が雪(すす)がれます。


Bernstein On Beethoven A Celebration In Vienna (8) Bernstein On Beethoven A Celebration In Vienna (5)
 番組の締め括りは、ウィーン・フィル国立歌劇場合唱団を指揮する、コンツェルトハウス大ホールにおける 感動的な第九交響曲(の終楽章 )です( 4月 4日 )。 
 そのソリストは、歌劇「フィデリオ 」レオノーレ役を務めていたギネス・ジョーンズ(ソプラノ )、ニュー・オーリンズ出身のシャーリー・ヴァーレット(メゾ・ソプラノ )、マドリード出身のプラシド・ドミンゴ(テノール )、フィンランドのマルッティ・タルヴェラ(バス ) - 国際色豊かな顔ぶれは バーンスタインによる意図的な配慮でしょう。
Bernstein On Beethoven A Celebration In Vienna (6) Bernstein On Beethoven A Celebration In Vienna (7)

 番組の最後に この第4楽章を 全部観ることができるわけですが、これに先立ってバーンスタインが カメラ目線でベートーヴェンへの賛辞を語るシーンがありました。
 それこそ番組制作の精神を表す もうひとつのハイライトとも言えるものでしたが、幸運にもここまでTVで接することのできた小学生時代の私 発起人が、その後の生涯で 音楽を聴く姿勢の、あるべき指針決定的に方向づけられた、とさえ言えるものでした。そう申し上げても 決して大袈裟だとは思いません。
 そんなレナード・バーンスタインに 深い敬意と感謝を表し、以下 番組スピーチの一部を引用 (青字 ) させて頂きます。

Bernstein On Beethoven A Celebration In Vienna (3)
― 私はこの 3か月、ウィーンでベートーヴェンに没頭しました。

ベートーヴェンの像 Beethoven Platz, Wien, Österreich バーンスタイン
― 彼の人生を思い、旧居や手紙を調べ、音楽と暮らしました。
   改めて学び直し、繰り返し演奏したのです。
   そして一瞬も飽きることは ありませんでした。
   ベートーヴェンの音楽は 尽きることのない感動を
   この二世紀に渡って、世界にもたらしてきました。

Ode to Freedom Bernstein Beethoven
― 今や彼の音楽は 時代を超えた存在であり、
   文化や国家の制約も受けません。

Ode to Freedom Bernstein Beethoven(D.G.)
― 音楽は 世界の共通語と言われますが、
   ベートーヴェンこそ まれにみる実例でしょう。

小澤征爾とバーンスタイン
― 誰にでも率直に語りかけ、老若も教養の差も まったく問題にしません。
   プロとアマチュアの境界を外し、
   人種や階級、国家の壁さえも取り払いました。

バーンスタイン ベートーヴェン 交響曲全集(D.G.)
― 彼の音楽は 常に普遍的であり、
   人類への愛と自由を語ります。

Friedrich von Schiller Ferdinand Schimon, Portrait of Beethoven 1818-1819
― 第九交響曲の場合、
   最終楽章でシラーの詩が歓喜を歌いますが
   音楽は詩を超えています。

Bernstein Beethoven 9(CBS-SONY)
― 壮大な生命力や霊感を音楽がもたらし、
   古典的な詩文を躍動させます。

Bernstein Beethoven 9(D.G.)
― 詩に付けられた その音楽は、実に巧みです。
   宗教家さえも裏切っています。
   神の精神を伝えながら、教条に縛られていません。

Beethoven Bernstein conducts four great Symphonies(CBS)
― それが、彼の典型的な手法なのです。
   新鮮で単刀直入なコミュニケーション
   他に類を見ぬ親近感があります。
   もはやマジックとしか言えません。

Bernstein Young Peoples Concerts (本文)
― ベートーヴェンの中には「子ども 」がいたのでしょう。
   大人にならない「子ども 」です。
   そのために彼は 最期まで汚れずにすみました。
   たとえ絶望のどん底にいても、
   汚れを知らぬ精神が、希望と不滅を語りかけます。

ベートーヴェン「フィデリオ」バーンスタイン(D.G.)
― だからこそ我々は、彼の音楽を愛するのです。
   現代社会は苦しみに満ち、救いもありません。
   悩みが深いほど 彼の音楽は 必要とされるでしょう。

Bernstein、Beethoven 9(D.G.)
― 第九を聴く私たちは、再生と勇気、精神の豊かさを与えられます。
   ベートーヴェンが果たした 人類への貢献には
   どんな感謝を捧げても 及びもつきません。


Beethoven at the age of 49( Josef Karl Stieler) Leonard Bernstein

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