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ブラームス第4交響曲 冒頭「削除された4小節」が聴ける シャイー/ライプツィヒ・ゲヴァントハウスO.(デッカ )に収録された貴重トラックは、なぜ第1楽章のエンディングから中途半端に始まっているのか
ブラームス第4番の冒頭「削除された四小節」が聴ける シャイーライプツィヒ・ゲヴァントハウスO.(デッカ )盤に収録の貴重トラックは、なぜ第1楽章のエンディング部分から中途半端に始まっているのか?
 「ブラームス第4交響曲 冒頭 削除された4小節」が聴ける シャイー/ライプツィヒ・ゲヴァントハウスO.(デッカ )に収録された貴重トラックは、なぜ第1楽章のエンディングから中途半端に始まっているのか? 」 っていう、今回 そんなタイトルを掲げながら 同時に貼付した上記の画像を よくご覧になれば、実はもう すでにネタバレなんですが (^_^;  スミマセン )。

 ・・・そうなんです。
 ブラームスが、自身でも「最高傑作 」と称していた名曲「交響曲第4番 ホ短調 Op.98 」 ― あの三度下降し六度上昇を繰り返す 嘆息のごとき憂愁の色も濃い名旋律が、何の序奏も置かずに 惜しげもなくいきなり登場する第1楽章の美しい冒頭が有名ですよね。

Meininger Hoftheater
 1884年10月、マイニンゲン領主の宮廷楽団演奏会で初演された翌11月、同じ管弦楽団による再演を ハンス・フォン・ビューローの指揮で聴いた名ヴァイオリニストのヨーゼフ・ヨアヒムから 曲の冒頭部分を改訂することを勧められたブラームス、一度は親友のアドバイスに同意して4小節の序奏を総譜に書き下ろしたものの、熟考の末 すぐに抹消し、二度と考えを翻すことなく印刷に回した、というエピソードです。
 ブラームスの最終判断は、未来の聴き手たる私たちからすれば「当然 」という結果ですが、逸話を知ってから 私“スケルツォ倶楽部発起人、この“削除された4小節”序奏を 実際の音に出して鳴らしてくれた演奏の音源がどこかに存在しないものか、一度は聴いてみたいものだなー、などと ずっと気になっていたものです。

 それが、恥ずかしながら つい最近のこと、名門ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団とその第19代カペルマイスターたる 名伯楽リッカルド・シャイーが、2013年 5月にレコーディングしていた、まさにこの部分を ボーナス・トラックとして併録した、交響曲全集デッカ )盤 の存在を、遅れ馳せながら - と言っても 5年近くも経過してから やっと - 知り、大慌てで入手したものです(はー、こりゃ やっぱレコ芸買ってなきゃダメだな !
 全曲いずれもキレのある、現代的解釈の若々しいブラームス。私が連想したのは、往年の名盤 トスカニーニによる演奏、余計なタメを排した機敏な動きが 新鮮です。
 その他のボートラは・・・と。なになに、交響曲第1番第2楽章Original First Performance Versionって、これ 以前チャールズ・マッケラス/スコットランド室内管弦楽団(1997年、Telarc )による全集盤の中に入ってた演奏とは また異なる版なのかな・・・ 残された異稿・初稿を徹底的に網羅するあたり いかにもマニアックなシャイーらしい(笑 )。グレン・グールドのピアノなどで大好きな名曲「間奏曲 変ホ長調Op.117-1 」をポール・クレンゲル管弦楽版に編曲した世界初レコーディング - というトラックにも激しく萌え。

ブラームス 交響曲全集 The Symphonies リッカルド・シャイー Riccardo Chailly ライプツィヒゲヴァントハウス管弦楽団 Gewandhausorchester Leipzig ブラームス Johannes Brahms, 1833 - 1897 
ブラームス:交響曲全集 The Symphonies
リッカルド・シャイー(指揮 )Riccardo Chailly
ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団 Gewandhausorchester Leipzig

Disc1
 交響曲第1番 ハ短調 Op.68
 交響曲第3番 ヘ長調 Op.90

Disc2
 交響曲第2番 ニ長調 Op.73
 交響曲第4番 ホ短調 Op.98
 交響曲第4番 冒頭の“削除された序奏”

Disc3
 悲劇的序曲 Op.81
 間奏曲 ホ長調 Op.116-4(クレンゲル編 )
 間奏曲 変ホ長調 Op.117-1(クレンゲル編 )
 ハイドンの主題による変奏曲 Op.56a
 愛の歌 Op.52より第1,2,4,5,6,8,9,11曲 (管弦楽版 )
 新しい愛の歌 Op.65より第9曲 (管弦楽版 )
 交響曲第1番より第2楽章(初演稿 )
 大学祝典序曲 Op.80
 ハンガリー舞曲第1番ト短調、第3番ヘ長調、第10番ヘ長調
録 音:2012年5月、10月、2013年5月、ライプツィヒ、ゲヴァントハウス
音 盤:DECCA 3CDs 478 5344


 はい、早速 タワーレコードで買ってくると、とるものもとりあえず、まっ先に聴きましたよ - 第4番の冒頭“削除された4小節”を。
 長谷川勝英氏翻訳のペーター・コルマッハーによるCDライナーノーツには ルイーゼ・リッテリックが記したとされる「ブラームス、優柔不断な人:交響曲第4番の第1楽章の覚書 」から、この幻の序奏について 詳細に描いた文章の一部も引用されています(青字 )。
以下は、その「さらなる引用 」というわけです。

― 「管楽器が教会旋法風にホ短調に収斂する広く間隔を開けたイ短調の和音を奏し、弦のピッツィカートがハーモニーの交代を際立たせる。これからヴァイオリンが最後にその中からこの楽章の残りの部分を左右する下降する三度音程のモティーフを引き出す - 不思議な、はっきりとした形のない始まりで、いわばこの楽章の最初のモティーフの素材への別の前段階を冒頭に置いている(以下略 ) 」

 復元された冒頭“4小節”は、当然ながら このルイーゼさんの描写そのままです。
 思えば、同じブラームス第2交響曲ニ長調の出だしも 低音弦による三つの音(レ-ド♯-レ )に続けてホルンに現れる第1主題でしたし、同様に第3交響曲ヘ長調の出だしも 管による2小節の上昇和音に続けて弦にフォルテで現れる第1主題でした。
 もし第4交響曲にも ここに再現された序奏が付いていたとしたら、聴き慣れた第1主題の登場の仕方は、まさに同じブラームス第2、第3にも似た手法となるわけだなあ・・・というのが、私 “スケルツォ倶楽部発起人が 初めてこれを聴いたときの第一印象でした。

 当時ルイーゼさんは、果たしてオーケストラが この序奏を鳴らすのを、実際に聴くことができたということでしょうか ?  この「新作の交響曲 」をメイン・プログラムに据え演奏旅行に出かけたマイニンゲン管弦楽団を率いていたハンス・フォン・ビューローブラームスも同行していたそうです。そればかりか ブラームス自身が指揮を執った演奏会が楽旅中には何度もあったそうですから、少なくともリハーサル等で この「幻の序奏 」を 音に出して鳴らしてみたことが 必ずしもなかったとは言えないであろうとも思います(って、二重否定の肯定文です )。

 ところで(ここで、どうでもよいトリヴィア情報ですが、 )マイニンゲンに於ける初演で第3楽章トライアングルを叩いていた人は、この時期ビューローの助手を務めていた、若きリヒャルト・シュトラウスだったそうですよ( ! )。

 ええと、もとい。
 入手したシャイー盤で 繰り返し、飽きもせずボーナス・トラックの “幻の4小節” を聴いていた私 発起人、ふと立ち止まって考えこみました、演奏収録のされ方が どうにも不自然に聞こえることに気づいたためです。
 削除されたとは言え、交響曲の冒頭です。
 トラックの頭から ちゃんと収録されるのが自然ではないでしょうか。
 それが、なぜかシャイー盤のトラック9では、交響曲第1楽章最後の数小節から F.I.(フェイドイン )してくるエンディング部分からトラックが始まっているのです。ティンパニの連打とともに第1楽章が終結を迎え 0:14 頃から無音となると、0:16 から再現された“序奏4小節 - すなわち 弦のピッツィカートを合図に 木管とホルンによる和音が徐(おもむろ)に流れ、その後 一呼吸置いてから 弓(アルコ )に持ち替えた弦楽セクションが あの有名な嘆息するテーマを開始するのです。

 ・・・ 一体なぜ このトラックは、中途半端に 第1楽章の尻尾から始まっているのでしょう ?
 気になりだすと もう止まりません、ネットで調べてみても ここについて触れている人の文章は まったく見つかりません。
ここ、誰も気にならないのかなー ? 」
わかんねーな
どう聴いたって不自然だろ・・・
と、思わず口に出すと、そんな私の声を聞きつけた、衣類にアイロンをかけながら 面倒クサそうに尋ねます。
アナタ、また どうかしたの ?
これこれ しかじか
すると、慣れた手つきで下着を たたみながら 私に、
ブラームス自身が書いた総譜の写真が、シャイー盤のライナーに掲載されてるでしょ
うん
それを、よく見てご覧なさいよ
?
・・・言われたとおり ライナーノーツをめくると、たしかに自筆スコアの画像が掲載されています。

ブラームス 交響曲第4番 冒頭 修正案(自筆)

 第1楽章は、51ページ あるようです。
 スコア右上にはブラームス自身が書いたと思しき数字が「51 」と書かれ、ここが 第1楽章最終頁であることがわかります。
 その「51 」ページの真ん中辺りで 第 1楽章は終わっていますが(最終音に付されたフェルマータが目印です )、その右隣には 猛烈に バツ バツ バツ ・・・と、何重にも 汚く 抹消された4小節 」があります。
 はい、これこそ冒頭に置くべきを 親友ヨアヒムに勧められ、ブラームス自身も 一度は検討しつつも 結局は 「削除した4小節 」なのです。

ね、わかったでしょ ?
と、顔も上げずに の声。
え ? ええと・・・
わからないの ? しようがないわねー、と 嘆息してみせる 、衣類を仕舞うと 私のほうに向き直って一言、
シャイーは、ブラームス自筆の最終頁を そのまま音にしたのよ !

・・・あ、なるほど
と、深く納得。ライナーノーツの画像を 眺めながら、私も 気づいたら 深く嘆息していました。


おわり







 
 え、一体 何のこと言ってるんだ - ですって? 
 たしかに シャイー盤 聴かないと、今日の記事、意味不明でしょうね。どうもスミマセンでしたー

爆笑スヌーピー


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