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本記事は 4月 3日 「 注目記事ランキング クラシック音楽鑑賞 」で 第1位 となりました。
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スケルツォ倶楽部 
Club Scherzo
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「T.B.S.東京ブラボーサービス )」 と
エイプリルフールに聴く 「フライングブラボー 」の名盤

T.B.S.(東京ブラボーサービス )と 4月 1日に聴く 「フライング拍手 」の名盤

わたし  「ね、アナタ(ト、夫の上着のポケットから発見した名刺を見せながら )、これは何 ? “東京ブラボーサービス”って・・・ 本業の勤め先の社名と全然違うじゃない 」
     「(慌てて )あ、しまった ! 見つかっちまったか 」
わたし  「ふふん(わざとらしいわね )、さては内緒で アヤシい副業を 何かやってんのね 」
     「露見し(バレ )ちゃぁ仕方ない。すべて白状するよ 」
わたし  「それが身のためね(ト、腕組みをして )さて 一体何なの ? このカイシャは 」

    「東京ブラボーサービス - 知る人ぞ知る、略してT.B.S.
わたし  「(その手で来たか・・・ 笑 ) 」
    「コンサートで演奏が終わった時、会場でブラボーを叫ぶ仕事を請け負う、契約社員だよ 」
わたし  「・・・それって 本当に実在する会社だったの ? 昔から“都市伝説”扱いされてきたような職業じゃない ? コンサートの最後に、熱演のアーティストにオジサンが大声で『ブラボー 』って叫ぶ、アレでしょ 」
    「そのとおり。元々は戦後 わが国のおとなしい聴衆の代わりに、拍手や掛け声で 興行の成功を印象づけ、そうすることによって 来日アーティストの満足感も高め 『また日本に演奏に来てやるか 』 っていう気になって頂く、招聘元の涙ぐましい忖度(そんたく )だったんだ 」
わたし  「へえ、そんな歴史があったんだーw 」
     「近年では おばさんの契約社員も 少しずつ増えているんだよ 」
わたし  「じゃ わたしも やってみよっかなー 」
     「無理、無理。実はブラボーを叫ぶには 厳しいルールがあって、オレたちのように 選ばれた契約社員は 毎月港区赤坂の研修会場に集められて 実践的な訓練を受けてるんだぞ 」

わたし  「へェ、たかがブラボーに ? 」
    「た、“たかが”だとー (怒 )それは 聞き捨てならない言葉だな、ブラボーを軽視するんじゃないよ。ブラボーは、あくまでコンサートを盛り上げるためのものだが、それは自然に発生した真実の感動の発露でなければならず、ここぞというドンピシャなタイミングで発するには、まさに『勇気と経験と体調が求められる茂木大輔氏 )』わけだ 」
わたし  「なるほど 」
    「よくシロウトさんが 見よう見まねで『ブラボー 』叫ぶこと あるだろ、あれ ホント迷惑してるんだよ、声の大きさや間のとり方がぎこちないから、聞けば一発で 『あ、ニセモノだ 』って判るはずなのに、研鑽を積んできた われらT.B.S.の“ブラボーマン” の仕事だと思われてるんだから 」
わたし  「“ブラボーマン”って(笑 ) 」
    「考えてもみろよ。客の自己顕示欲だけで 誰もが勝手に『ブラボー 』を叫びだしてみろ、せっかくの感動のコンサートが崩壊してしまうだろが 」
わたし  「まあ、そうかも (そろそろ付き合いきれなくなってきた、笑 ) 」

    「T.B.S.の研修では 徹底的に“実践の”会場でコンサートを想定し、正しくあるべき“ブラボーマン”養成のために厳しい訓練がされている。なにしろクラシック音楽の終わり方は 千差万別だ、すべてがモーツァルトベートーヴェンのシンフォニーのようなわけにはいかないぞ。ブルックナーチャイコフスキーブラームスドヴォルザークマーラーリヒャルト・シュトラウスの作品には、エンディングの判断が微妙な楽曲が目白押しだ、ブラボーのタイミングをはかるには、まず あらゆる曲を知っていなければ 」
わたし  「ふんふん 」
    「さらに重要なことは、その日の演奏を真剣に傾聴した結果、敢えてブラボーを叫ばないほうが良い場合もある、ということだ。演奏家の調子が悪い日だってある、ブラボーを飛ばすか、黙っているか、それを瞬時に選べること、それはコンサート会場で 演奏家や聴衆の醸し出す空気を包括的に読んで 拍手のタイミングを判断できる、T.B.S.のメンバーなら そんな確かな耳も鍛えているんだ 」
わたし  「まさに音楽が終わりを迎える時、その余韻を味わう楽しみを ぶち壊すような 素人さんのブラボーがかかったりすると、たしかにシラけて違和感いっぱいな気分になっちゃうこと あるよね 」
    「そう、ヒドい時にはコンサートの感動まで 台無しにされてしまう 」
わたし  「せっかく感動しに聴きに来たのに。金返せって(笑 ) 」
    「ブラボーは、歌舞伎の大向うから舞台に飛んでくる掛け声にも匹敵するよ、所詮素人さんには背伸びするような行為なのさ 」
わたし  「それで、アナタ。そんなT.B.S.契約社員の報酬はどうなの 」
    「趣味と実益を兼ねて - とは言っても コンサートホールへの入場パスと交通費程度さ、でもオレにとっては十分なんだが(ト、語り続ける・・・ ) 」

04月01日
わたし  「・・・ って、おバカなは まだ延々と語り続けておりますが、実はこれが今年のエイプリルフールわたしをダマそうと 彼(ヤツ )が考えついた 真っ赤なUSOだってこと、もう皆さんもとっくにお気づきですよね。東京ブラボーサービスなんてカイシャが 実在するわけないでしょが。そして たやすくダマされたふりを演じながら ここまで熱心につきあってあげた、それが わたしからのエイプリルフール返し(笑 ) 」
    「 返り討ちのF.O. (フェイドアウト ) ・・・ 」

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♪ おまけ
フライング寸前の「ブラボー 」が 実際に聴ける、
歴史的ライヴの名盤を思いつくまま・・・

シャルル・ミュンシュ ブラームス:交響曲第2番(フランス国立管)
1965年11月 パリ、シャンゼリゼ劇場に於けるライヴ
シャルル・ミュンシュ(指揮 ) Charles Munch
フランス国立放送管弦楽団 Orchestre national de France
ブラームス:交響曲第2番 ニ長調
音盤:AUVIDIS
 c/w 交響曲第4番(シューマン )

 全編にわたって聴こえてくるミュンシュの唸り声や指揮台の足音も凄いのですが、白熱のオーケストラも空前の盛り上がりです。2年後に録音されることになるパリ管との 同じくブラームス第1交響曲EMI )の名演を予告するレコーディングであるとも言えるでしょう。
 足を踏み鳴らしながら コーダでオケを猛烈に追い込んだ末、最後の一音を思いきり長く伸ばして見得を切ってみせるミュンシュ、そんな演奏の終わる前から熱狂した聴衆の大部分が 一斉に拍手とブラボーを始めてしまう、そんなハイテンションなコンサートホール・・・。


Horowitz plays Chopin
1966年 4月17日 ニューヨーク、カーネギーホールに於けるライヴ
ヴラディーミル・ホロヴィッツ(ピアノ ) Vladimir Samoilovich Horowitz
ショパン:ポロネーズ第7番 変イ長調「幻想 」
音盤:CBS/SONY
 c/w マズルカ第13番 イ短調、エチュード第5番 変ト長調「黒鍵 」、序奏とロンド 変ホ長調、ワルツ第3番 イ短調、ポロネーズ第6番 変イ長調「英雄 」 (注・「幻想」ポロネーズ以外は スタジオ録音で、録音日も異なります )

 ホロヴィッツの冴え渡る個性的なプレイは、まさしく隙のない名演奏。実はこの素晴らしい長尺な一曲は、前年の歴史的カムバックに続いて1966年にも催されたカーネギーホールに於ける二枚組「66’ コンサート・ライヴ(CBS ) 」盤の中に 本来なら収められるべき演奏でした。
 それが なぜかライヴ盤のほうには収録されず、1972年になってリリースされた (一味変わった選曲の )「ショパン・アルバム 」A面冒頭に 6年前のカーネギーホール・コンサート未発表音源として収録されていたのです。当時は、単に長い収録時間のせいであろうと思っていましたが(それもあったでしょうが、 )もう一つの理由として、この「幻想ポロネーズ 」に聴く 最後の和音を ホロヴィッツが 叩いたか叩かないかというタイミングで 客席からの大きなフライング・ブラボーと それに釣られるように始まってしまった大拍手のせいで、きっと「カーネギーホール・コンサート 」盤から落とされてしまったのではないか、などとも憶測してます。


ブーニン 衝撃のショパンコンクール・ライヴ(JVC)
1985年10月19日 ワルシャワ、第11回ショパン・コンクール本選のライヴ
スタニスラフ・ブーニン(ピアノ )Stanislav Stanislavovich Bunin
タデュウシュ・ストゥルガーワ(指揮 )Tadeusz Strugala
ワルシャワ国立フィルハーモニー交響楽団 Warsaw National Philharmonic Orchestra
ショパン:ピアノ協奏曲第1番 ホ短調
音盤:(ビクター JVC VDC-1105 )

 私にとってのブーニンは、19歳でショパン・コンクールに出場した、この瞬間が最高得点です。キラキラと輝く存在感と引き締まって無駄のない筋肉質な打鍵、そのプレイは まるでオリンピック競技に出場するソ連の器械体操選手を思わせる、強烈な迫力がありましたね。多少のミスタッチなんて物ともせず、コンチェルトの終楽章、ブーニンがピアノのパートを弾き終えると同時に コンサート・ホールいっぱいにブラボーと興奮の大拍手が始まってしまいます、まだオーケストラの終止音さえ鳴っていないというのに・・・(笑 )。


Valery Gergiev wiener Philharmoniker
1998年7月 ザルツブルク、祝祭大ホールに於けるライヴ
ヴァレリー・ゲルギエフ(指揮 ) Valery Abisalovich Gergiev
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 Wiener Philharmoniker
チャイコフスキー 交響曲第5番 ホ短調 
音盤:PHILIPS 462 905-2
 
 すでによく知られたライヴの名盤。特に終楽章の音楽の流れはクライマックスに向かって次々と何段階ものギア・チェンジを繰り返し、あざといまでに劇的なゲルギエフのテンポ設定も絶妙。最後を締めくくる運命動機を叩くティンパニがオーケストラと揃ってないところも 逆に即興性むき出しの効果を感じます。そんな興奮に煽(あお )られたか 声がウラ返った(笑 ) “ブラボーマン”さんの フライングばぁぼー 」(笑 )も貴重品。 でも この人の気持ちも判らなくはありません。だって それほど素晴らしい演奏ですからね。


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コメント

人生の真昼を過ごす二人が時を置かずして昏れていくことを思うと、なおのこと胸に迫るものがあります。

URL | すーさん ID:-

Re: すーさん様! 1953年バイロイトにおけるクレメンス・クラウスの「ジークフリート」とは・・・

良コメントと名演盤のご紹介、どうもありがとうございます!
1953年バイロイトにおけるクレメンス・クラウスの「ジークフリート」第3幕とは、ヴィントガッセンのタイトルロール、アストリッド・ヴァルナイのブリュンヒルデ - ですね。すーさん様に教わって、私 “スケルツォ倶楽部”発起人も 久しぶりに第3幕を聴き直してみました! 古い録音であるにもかかわらず、とても鮮明なサウンド・クォリティ、クラウスの指揮は理想的なテンポ設定、終幕の興奮に聴衆を追い込みつつも決して格調を失っていない名演ですねー。この年は ヴォータンがハンス・ホッター、アルベリヒがナイトリンガー という往年の理想的配役でした、しかもみんな声が若い!
歌劇場の聴衆は、主たる歌手が歌い終わったところで その演技(歌唱 )が素晴らしければ、オケが後奏を終えていなくても そこで喝采を贈ってしまうことは多いものですが、ワーグナー楽劇の場合 終幕とはいえ たいへん珍しいことです。あるいは演出上 音楽が終わる前に まさにあの個所で幕が降りたのかもしれませんね。いずれにせよ素晴らしい!
・・・そう考えると、本文中で私が紹介したブーニンのショパ・コンに於けるライヴ盤なども、もしソリストを主役たる「歌手」に見立てれば、まさにピアノパートを弾き終えたところで聴衆にフライング拍手が起こることも納得できる気がしてきました。本来「ブラボー」もオペラハウスの歌手に対して贈られる喝采の言葉でしたものね。

URL | “スケルツォ倶楽部” 発起人 ID:-

私のフライングブラボーの1枚。
クレメンス クラウスのリングからジークフリートの第3幕の幕切れです。
ワーグナーの音楽の中で一番好きな音楽の一番素晴しい演奏です。

URL | すーさん ID:-

とても興味深いエピソードですね

いつもご来訪ありがとうございます ! NHK-FM「きらクラ! 」の中で、もう常連のように読まれる「木曽のあばら屋」さまのお名前を耳にするたび、思わず頬をゆるめてしまう私です。
さて ご紹介くださった素敵な逸話、たいへん興味深いですね。感動とは本来 事前に予期できぬもの。純粋に「ブラボー」をそんな「感動 」の発露であると考える常識人にとっては、開演前の「ブラボー予告」は、あり得ない予定調和にも思えたのではないでしょうか、その結果「引いて」しまったものでは・・・? とても考えさせられます。

URL | “スケルツォ倶楽部”発起人 ID:-

ブラボーのマナー?

こんにちは。
以前コンサート開演前に中年の紳士が、
「ワタシ、曲が終わったら大声でブラボーと叫ぶと思いますので、どうか驚かないでください」
と、周りの人にあらかじめ断っていました。
実際、太い良い声で気持ちよさそうに「ブラボー」を叫んでおられました。
でも周りはちょっと引いてました。
こういうのもマナーなんですかね?

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