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映画「突入せよ! あさま山荘事件
最前線指揮官 佐々淳行(役所広司)の「ヘラクレスの選択」が、
ビゼーファランドール 」を 脳内再生させたのかも。

映画「突入せよ ! あさま山荘事件」タイトル
映画「突入せよ ! あさま山荘事件
副題: The Choice of Herculesヘラクレスの選択
公開:2002年5月(東宝系劇場 )
原作:佐々淳行 / 著 「連合赤軍『あさま山荘 』事件 」
監督・脚本:原田眞人
音楽:村松崇継
配役(一部 ):
  佐々淳行:役所広司
  宇田川信一:宇崎竜童
  野間長野県警本部長:伊武雅刀
  佐々幸子:天海祐希
  丸山参事官:串田和美
  兵頭参事官:篠井英介
  石川警視正:山路和弘
  後藤田警察庁長官:藤田まこと
  内田第二機動隊長:豊原功補
  高見警部:加藤満
  大久保第九機動隊長:矢島健一
  山野第二機動隊小隊長:遠藤憲一
  後田巡査:原田遊人
  国松広報課長:田中哲司
  山根長野県警警備部長:山崎清介
  反後長野県警警備第二課長:大森博史
  萩長野県機動隊長:山田明郷
  長野県機動隊分隊長:石丸謙二郎
  木戸長野県機動隊員:荒川良々
  白竜組社長(クレーン・オペレーション ):椎名桔平
  犯人:武田真治、鈴木一真、大塚朝之、酒井長輝、井上真鳳
  里見品子:街田しおん
  小雀彰夫:松尾スズキ
  小雀真理子:篠原涼子



 46年前の ちょうど今頃の寒い時候・・・ 1972(昭和47 )年 2月、札幌冬季オリンピックが閉幕して 間もなくのこと。それが日本中を震撼させた、連合赤軍による「あさま山荘事件 」 - 長野県軽井沢町にある 河合楽器の健康保険組合が所有する保養所あさま山荘に、新左翼過激派「連合赤軍 」の兵士5人(坂口弘、坂東國男、吉野雅邦、加藤倫教、加藤元久 )が、大量の銃器・爆薬を携え、山荘の管理人だった女性を人質に立て籠もった、昭和の大事件です。

 当時「連合赤軍」は、群馬/長野二県を跨る警察の包囲網を逃走するうち いわゆる「山岳ベース・リンチ事件 」で仲間の半数近くを「粛清 」、組織としてはすでに内部崩壊していました。冬山を彷徨するうち 4名が脱走、8名が人質事件発生までに逮捕されており、この山荘籠城事件を起こした 5名とは 行き場を失って追いつめられた「連合赤軍 」最後のメンバーだったわけです。

 難攻不落の山荘を酷寒の環境で包囲した警視庁機動隊を最前線で指揮していた人物こそが、当時 警察庁長官後藤田正晴の懐刀(ふところがたな )だった警察庁警備局付監査官 佐々淳行(さっさ あつゆき ) - このノン・フィクション映画の主人公です、役所広司が演じます。

佐々淳行 連合赤軍「あさま山荘」事件(文春文庫) 役所広司(あさま山荘事件)
 映画は、佐々自身による手記「連合赤軍 あさま山荘事件 」(文藝春秋刊 )を原作に、あくまで「警察側の立場から 犯人逮捕に至るまで 」を 時系列で追ったドラマです(映画の冒頭で「これはあさま山荘事件 をもとにしたフィクション、登場人物等は 実名・仮名を問わず 史実とは異なる 」とのテロップが現れ、おそらくは関係者への配慮、そして脚色されたシーンが多いことを 予め断っています )。
「突入せよ ! あさま山荘事件 (3) 映画「突入せよ! あさま山荘事件 」 (28) 
 軽井沢へ出発するに当たって 佐々は、 後藤田長官(藤田まこと ) から 直々に「人質は必ず救出」、「犯人は全員生け捕り 」、「身代わり人質要求には応じない 」、「火器の使用は警察庁許可事項 」、「報道関係とは良好に 」、「警察官に犠牲者を出さぬよう慎重に 」との警備方針を厳命されます。しかし「現場指揮官の判断で銃火器使用を許可してほしい 」との佐々の要求は 二つ返事で長官に却下され、逆に七難八苦の“ヘラクレスの選択”を はなむけの言葉とされる始末・・・。

映画「突入せよ! あさま山荘事件 」 (36) 映画「突入せよ! あさま山荘事件 」 (34)
 警察庁の「犯人に向けて火器発砲しない 」との方針から、催涙ガス・放水・投石以外は武器の選択も許されなかった機動隊側は、ライフルや猟銃(散弾銃 )、火炎瓶から鉄パイプ爆弾まで豊富に揃えた犯人側からガンガン狙撃され、民間人、警察官、機動隊員が 一人また一人と傷を受けては搬送、あるいは命を落としてゆきます・・・。

「突入せよ ! あさま山荘事件 「突入せよ ! あさま山荘事件 (2)
 銃火器類がダメなら クレーンで「鉄球 」を落とすならどうだ ! とばかりに、今も この事件のシンボルとして語り草になる 新兵器 “鉄球” が登場。これによって建物を破壊し、決死隊による強行突入、そして人質救出と犯人全員逮捕までに至る一部始終が 延々と お茶の間に「生中継 」され(視聴率合計89.7パーセントとも )、私 “スケルツォ倶楽部発起人(当時10歳 )も 分厚いテレビのブラウン管にかじりつくように観ていましたっけ。

映画「突入せよ! あさま山荘事件 」 (16)
 事件が収拾した直後、人質救出に湧く周囲に冷水をかけるように 警視庁の兵頭参事官(篠井英介 )が、「あさま山荘の警備は大失敗だった。わずか5匹のドブネズミのために1,500人もの警察官が10日かけて 2名の殉職者と24名もの負傷者を出した。指揮幕僚団は 恥を知るべし 」と叫ぶ印象的なシーンがありました。兵頭は、官僚的な空気を代弁する役割を担う 架空の人物で、当時 庁内にはそういった辛辣な見方も存在したのでしょう。


佐々の「ヘラクレスの選択 」とは、「クラヲタ」封印か( ? )
 このノン・フィクション映画の原作者でもある主人公 佐々役を演じた役所広司によって、劇中「ファランドール 」(ビゼー作曲『アルルの女 』第2組曲から )が、あり得ないほど「印象的な形 」で登場するわけですが、すでに 映画をご覧になられた方は「あの強烈なシーン 」を 間違いなく ご記憶でしょう、実は これについて語りたいばかりに “スケルツォ倶楽部発起人、今宵は この秀逸な場面に使われた音楽について - 村松崇継によるオリジナル楽曲のほうはそこそこに(笑 ) - ギュッと絞って、お話させて頂きます。

 ・・・ええと、映画の導入部に戻りましょう。
 物語の端緒となる前哨戦「さつき山荘 」事件(犯人らと長野県機動隊分隊が最初に遭遇して銃撃戦となるエピソード )が短く描かれると、続いてカメラは 都内警察庁内に移動します。
映画「突入せよ! あさま山荘事件 」資料整理のシーン(1)
 佐々のデスク。 彼は 英国陸軍の特殊部隊S.A.S.から爆弾処理対策などの最新技術を仕入れてくる海外出張から帰国したばかり、資料や写真を整理している最中です。
 研究上の資料とは明らかに別に、渡欧の旅先で足を運んだと思われるクラシックのコンサートや歌劇場のチケットを分け、それらを PRIVATE と書かれた茶封筒の中へと放り込んでいくのですが・・・
映画「突入せよ! あさま山荘事件 」資料整理のシーン(2)
 佐々の手元を注意深く眺めると、何だか深読みしたくなるようなプログラムなんです。

映画「突入せよ! あさま山荘事件 」資料整理のシーン (3) モーツァルト
 たとえば モーツァルトの歌劇「魔笛 」のチケット - ご存知のとおり「魔笛 」は、敵の手に捕えられたとされる お姫さまを(あさま山荘へ ? )救出に赴く “日本の王子”が主人公です。

映画「突入せよ! あさま山荘事件 」資料整理のシーン (4) ロッシーニ
 たとえば ロッシーニの歌劇「タンクレーディ 」のチケット - このオペラは、攻めてくる外国の軍隊と戦闘中であるにもかかわらず、あらぬ誤解を祖国から(マスコミから ? 長野県警から ? )受けてしまう 司令官の苦悩 を描く悲劇です。

 実は、佐々は重度な「クラヲタ 」でありながら、帰国してからは仕事を優先させ、クラシック音楽を愛する心を「封印 」することに決めたのでした。これが、隠された 佐々のもうひとつの「ヘラクレスの選択 」だったのです(って、ホント ? 笑 )。

 佐々には “ 鬼手仏心後藤田長官の厳命 六項目の警備方針(前述 )が重く のしかかります、しかし肝心の山荘内に人質となっている女性が 無事に生存しているかのかどうかさえ 確証は得られないし・・・。
映画「突入せよ! あさま山荘事件 」 (37)
 長野県警の妙な縄張り意識と考え方・方法論・温度差・ずれ が次々と露見し、警視庁との間で対立が激化、いらぬ軋轢が広がってゆくし・・・。さらに報道関係・世論を代弁するマスコミから外野のヤジ的意見がぽんぽん投げつけられ、これにも対処しなければならないし・・・。
映画「突入せよ! あさま山荘事件 」 (4) 映画「突入せよ! あさま山荘事件 」 (32)
 民間人や長野県警の隊員が撃たれ 死傷者を出してしまうと、佐々のストレスは極限にまで高まります。「時々 戦っている相手が誰なのか、判らなくなるよ
 
 さらに厳寒の気候も士気を下げます、特に 夜は零下15℃だったそうです。
 毎晩 佐々らは寝るために臨時の宿舎へと戻るわけですが、寒さで凍りついた靴紐が解(ほど )けないので、やかんに入った熱湯を直に靴にかけて氷を溶かすわけです。
映画「突入せよ! あさま山荘事件 」 (5)
▲ 「もう少し かけてよ

 初日の晩 いきなり靴にお湯をかけられて驚く佐々でしたが、合理的な説明に納得すると、この非日常的な行為が あたかも一日の張りつめた緊張感を解いてくれるかのごとし、その象徴的なセレモニーが いたく気に入ってしまったらしいのです(笑 )。
 やかんの熱湯をかけて凍った靴を脱ぐシーンは、劇中三度登場しますが、最も強烈なのが 三度目のシーンです。
 それは、いよいよ明日(2月28日 ) 人質救出のため山荘に突入するという緊張感も高まる晩のこと。記者会見場では 答えに窮するような質問が次々と野間長野県警本部長(伊武雅刀 )に浴びせられ、佐々はフォローするのに一苦労・・・。そうかと思えば、東京の兵頭参事官からまたも電話が入り「天候が良くないから突入は延期すべき 」と、すべての計画をひっくり返すようなことをぐちゃぐちゃ言われたり、そうかと思えば 人質の身代わり志願者が自分で切断した小指を持って乱入してきたりと、もう めちゃくちゃ・・・

映画「突入せよ! あさま山荘事件 」 (13)
 その心理的ストレス負荷が最大にかかった佐々のメンタルは、他の誰にも見られていない真夜中の宿舎入口で、やかんのお湯を自分で自分の靴にかけて紐の氷を解いていた時、遂に音をたてて崩壊するのでした。
 ― この短い場面における役所広司の “イっちゃった” 凄まじい演技は、ぜひ 映画でご覧になってください。彼は「ヘラクレスの選択 」によって「封印 」されていた、自己の「クラヲタ 」の心を一瞬 解放し、その脳内に大音量で鳴っていたに違いないオーケストラに合わせ、やかんの熱湯をぶち撒きながら「ファランドール 」を歌い踊ります。
映画「突入せよ! あさま山荘事件 」 (24)
▲ これが 雪国舞いたけ

 さらに興味深いことに、劇中このシーンのサウンド・トラックに ビゼー音楽自体は登場しないのです。と言うことは、もし「アルルの女 」の音楽を知らない観客がこのシーンを観たとしたら、佐々が何故ここで独り暴れているのか 訳が判らないことでしょう。しかし音楽愛好家のアナタなら、ここで佐々が 舞いながら口ずさんでいる歌が ビゼーの名曲「ファランドールギロー編曲版 )」であり、これが二つの異なる旋律を同時に登場させるクライマックスでの熱狂と興奮にクラヲタが没入している場面である、と容易に理解することができるでしょう。
 しかも これは、特定の「音楽 」をサウンド・トラックで使うことなしに その「音楽 」が何であるかを伝えることに成功した、古今稀なる名場面でもあるのです。
映画「突入せよ! あさま山荘事件 」 (25)
▲ はっと我に返る佐々オレ、一体 何やってんだろ・・・ ?

Georges Bizet (1838‐1875) 「アルルの女」ミンコフスキ(Naive)盤
▲ これが 役所広司の頭の中で鳴っていた音楽だ !
聴いてみよう : ビゼーファランドール 」(「アルルの女 」第2組曲より )
マルク・ミンコフスキ(指揮 )Marc Minkowski
ルーヴル宮音楽隊 Les Musiciens Du Louvre・Grenoble
録音:2007年10月
併録曲:歌劇「カルメン 」4つの前奏曲
海外盤Naïve V-5130



映画「突入せよ! あさま山荘事件 」オリジナル・サントラ盤
村松崇継(たかつぐ ) 村松崇継 「 あさま山荘事件 」オリジナル・サントラ盤
音 楽:村松崇継
収録曲:The Choice of Hercules、30 Years Ago II、長官室、寝顔、あさま、電話交換室、山荘前、信号弾、静物写真、前夜、銃眼からの眺め、30 Years Ago III、葬送曲、The Choice of Hercules II、Amazing Grace、30 Years Ago
発 売:2002年
音 盤:MIDI(MDCL-1424 )

 この映画のオリジナル音楽担当に抜擢されたのは、新進気鋭(当時24歳 ! )村松崇継
 舞台となった軽井沢という高地(ハイランド )がもつ独特の空気感を出すため、意図的にケルト/アイルランド風の曲調で音楽を統一させるというアイディアを 原田監督から指示された村松は、その構想に沿って作曲を進めています。
 ケルトな雰囲気を感じさせるアイリッシュ聖歌の音列を用いたメインテーマが、映画の冒頭からパーカッションによるマーチング風のリズムに乗せ、「アメイジング・グレイス 」にも似たコラール風旋律を 弦の音色を模したシンセサイザーがゆったりと奏でます。
 このメインテーマ The Choice of Hercules は、劇中何度も登場しますが、特に印象深いシーンは やはり映画も大詰め - 武装した赤軍派の兵士らが人質の女性と立て籠る 最奥の密室に 最後の突入を敢行しようとする直前、決死の機動隊員らとともに佐々宇田川らと語り合う - 緊迫の場面。
映画「突入せよ! あさま山荘事件 」 (22)
 コープランドの「市民のファンファーレ 」を思わせる 金管アンサンブルを模した、これもシンセサイザーのイントロに続けて メインテーマのコラール風主題が流れますが、悲壮でヒロイックな効果を醸し出すのに成功していたと思います。
 但し、この映画の製作費用の中で「音楽 」は 節約の対象だったらしく、何故か 劇中サウンド・トラックの殆どの演奏が安っぽいシンセサイザーで (もしくは サンプリング・キーボードか ? )代用されています。惜しい・・・弦(ストリングス )も、パーカッションも、フルートっぽい音色も・・・ 特にメインテーマを吹奏するファンファーレなど もし 生のブラス・アンサンブルを起用して 高らかに鳴らしていたら さぞや臨場感も大きく(特に、決死隊の突入直前の場面など )効果的だったのではないでしょうか、実に残念です。音楽を安く仕上げた代償は、決して小さくないと思いますよ。

映画「突入せよ! あさま山荘事件 」 (23)
 映画のメインテーマケルティック聖歌「アメイジング・グレイス 」の雰囲気に酷似していることは すでに指摘した通りですが、この映画のキャスト/スタッフの名前が紹介される エンド・タイトルまで観ていると、村松作曲のメインテーマの演奏に続いて、何と「アメイジング・グレイス 」の オリジナル・メロディが そのまんま ディジタル・パーカッションのリズムに乗って 最後にちゃんと登場することに、少し驚きました。
 その意図は明白です。危険な任務を前にした、名もなく若き機動隊員一人ひとりの敬虔な心象風景であるとは言えないでしょうか。あらためて「アメイジング~ 」の歌詞の一部を 以下、ご紹介しましょう。

'Twas grace that taught my heart to fear,
And grace my fears relieved,
How precious did that grace appear,
The hour I first believed.
片山第二機動隊副隊長(長森雅人)突入せよ!あさま山荘
 神の恵みこそが 私の怯える心を諭し
 恐怖から心を解き放ち給う
 信じることを始めたその時の
 神の恵みのなんと尊いことか

Through many dangers, toils and snares
I have already come.
'Tis grace hath brought me safe thus far,
And grace will lead me home.
木戸隊員(荒川良々)突入せよ!あさま山荘
 たくさんの危険や苦しみ、逃げ出したくなる誘惑を克服して
 私を救い導き給うたものは、
 他でもない神の恵みであった

The Lord has promised good to me,
His Word my hope secures;
He will my shield and portion be
As long as life endures.
松坂隊員(上地雄輔 )突入せよ!あさま山荘
 主は私に約束された
 主の御言葉は私の望みとなり
 主は私の大盾となり、私の一部となった
 命の続く限り


 ・・・ されど、この日本映画の登場人物には、この聖歌から滲み出す宗教的背景が不自然なものだったのでしょう、ゆえに映画本編では「アメイジング・グレイス 」ではなく、オリジナルに作曲された村松楽曲を使うしかなかったのではないでしょうか。


おまけ : 「だれかが風の中で
 映画が始まってから しばらくして、定時で庁舎を退出しようとする佐々後藤田長官に呼ばれ、一度は帰宅しようとするものの 結局 長官室へと足を運ぶシーン、まさか 軽井沢へ派遣されるなどとは夢にも思わず、階段を下りながら 短い鼻唄を口ずさむのですが・・・
映画「突入せよ! あさま山荘事件 」 (2)
 ・・・そのメロディが 何の曲なのか、実は ずーっと気になっていました。すぐに解らなかったのは 私には 聞き覚えのない旋律だったからです。
 うん ? 何だっけなー、これ・・・ ワーグナーかな ? ヴェルディかな ? 佐々が「クラヲタ 」だという 勝手な先入観を抱いてしまっていたので、こんな鼻唄でも わざわざ観客に聴かせる以上 これも何かクラシックの名曲なのではないか - と憶測をたくましくしながら、少なくとも この10年近く 意識し続けながらも 正解に辿り着くことは ありませんでした。
 それが 昨年の秋頃だったでしょうか、仕事の移動中 たまたま営業車内でかけっぱなしにしていたAMラジオから 上條恒彦のヒット曲「だれかが風の中で 」(作詞:和田夏十、作曲:小室等 )が流れてくるのを 耳にした瞬間 そのメロディが 佐々鼻唄の旋律線と一致していることに気づき、「ああ、これだったのか ! 」と 思わず膝を打ちました。
 その根拠とは、同曲がフジテレビ系列で1972年1月から放映されていたTVドラマ「木枯し紋次郎 」の主題歌であること、映画の中で 佐々がこの歌を口ずさむ場面は、連合赤軍が「あさま山荘 」に立て籠もった日 - 1972年 2月19日 - のことであり、もし佐々が TVで聞き覚えた「木枯し紋次郎 」のメロディを 鼻唄で歌ったとしても決して不自然ではないからです。

 さらに、佐々を呼びに来た若い所員が、
警視正、後藤田長官がお呼びです
と声をかけても 佐々は、
いや、俺はもう帰るところだから
映画「突入せよ! あさま山荘事件 」資料整理のシーン (5)
― (俺が )いたら連れて来いっていう話だろう、俺はもういないんだよっ
などと つっけんどんな応対をしているほどですから、 その「 」とは、 まさしく 「木枯し紋次郎 」の決め台詞  「あっしには関わり合いのないことでござんす 」 という心境だったのではないか - などと、私 “発起人” 勝手に深読みしてますが、いかがでしょうか 原田眞人監督 ?

上條恒彦「だれかが風の中で 」(作詞:和田夏十、作曲:小室等 ) 上条恒彦 1972
▲ TVドラマ「木枯らし紋次郎 」主題歌 「だれかが風の中で 」(上條恒彦
(作詞:和田夏十、作曲:小室等
リリース:1972年01月05日
レーベル:キング・レコード



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