本記事は 9月28日 「 注目記事ランキング クラシック音楽鑑賞 」で 第1位 となりました。
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スケルツォ倶楽部 Club Scherzo
「空中に消えた音楽を つかまえることは、誰にもできない 」
タイトル You Can Never Capture “IT” Again … ⇒ もくじは こちら
こんなことは できないのだ
“When you hear music,after it's over,it's gone in the air.
 You can never capture it again. “  ( by Eric Dolphy

音楽は 聴きおわった後、 空中へ消えてしまうので、
再び つかまえることは 誰にも できないのだ (エリック・ドルフィー


番外編 : もはやCDなき近未来
Berliner Philharmoniker Berliner Philharmoniker_Marek-Janowski

坂本龍一
「・・・音楽って 所詮、空気の振動で。記憶しなければ 消えてってしまうものですからね。でも その良さっていうのかな、そういうのもあるかもしれない。
 たった100年くらい前ですもん、記録し始めたのは。その前にあった音楽が、何千年も何万年もあるわけで。それらはもう消えちゃってるわけですから 」
坂本龍一_美術手帖 2017

後藤正文  「メディア(媒体 )がどうなっていくのかっていうのは、音楽をやってる人間にとっては気にはなることなんで 」
坂本龍一  「うちにも膨大なCDがありまして(笑 )なんとか減らせないかなと思って、いつも苦労してるんです 」
後藤  「ものすごい量あるんじゃないですか ? 」
坂本  「ものすごい量あります。もうどこにあったかわかんなくなって、持ってるのに何度も買っちゃったりね。本もそういうこともありますけど、大変ですよね。引越しはもう、ほとんど不可能に近い状態で。どうしたらいいんでしょうかと 」
後藤  「ハードディスクを積み上げるとか。でも、あれ 消えちゃうことがあるんで、ちょっと怖いんですよね 」
坂本  「ハードディスクは危ないですね。寿命がわからないそうです。湿気とか色々言いますけど、原因は別にないんですって。いきなり壊れるそうですよ。そうすると、紙はたとえば、エジプトの紙は今でも残ってるでしょ ? 5千年前の 」
後藤  「パピルスですね 」
坂本  「そう。紙は解読可能だと。CDは、コンピューターやCDプレイヤーがなくなっちゃったら、あの盤に何が入っているか、ちゃんと未来の人は解読してくれるのかどうか わかんないですね 」
後藤  「そうですよね。僕も同じことを考えたりします。レコードも一度、土に埋まったら、いつか発掘した時にどうするんだろうみたいな 」
坂本  「どうするかねえ。音声や音が刻まれてるって、気づかれるかどうかわかんないですよね 」
後藤  「そうすると、残していくんだったら、やっぱスコアになるのかな。でも、スコアも読み方わかんなくなる時が、いつか来るかもしれない 」
THE FUTURE TIMES (2)

(中略 )
坂本龍一  「(音楽を )CDで買うという人が少なくなっている中、よく考えると、MP3の250Kが標準になってきてますよね。僕はリップする時は320Kでしていますけど。それよりもいいものは、アップルのLosslessとかのほうがいいじゃないですか。結局、今、簡単に手に入るもので、音質的に一番いいのは いまだにCDですよね。だから、この先のことを考えると、やはりCDで持っていたほうが、とりあえずは音質がいいってことになってしまって、皮肉な結果になってるんですよね。もちろんレコーディングの時には、将来のメディアのことも考えて、僕は今24ビットの96Kでやってますけど、アジカン (ASIAN KUNG-FU GENERATION ) はどうですか ? 」
後藤正文  「24ビットの、48Kです 」
坂本  「それでも、CDに比べたら、かなり情報量多いわけですけど、なるべく多い情報量のほうが原盤はいいと思うんです。将来、インターネットのスピードが遅くなるということは考えられないわけで、当然。早くなりこそすれね。僕、新しいやり方として、1ビットレコーディングなんていうのも試したりしてます 」
後藤  「やっぱり音質 違いますか 」
坂本  「面白いですね。特にギターなんかにはいいんじゃないかと思います。部屋の鳴りとか奥行き感がすごくいいですね。でね、そこから考えると、結局音っていうのは空気の振動じゃないですか。空気の分子があって、それが振動してる。だから、その空気の分子の振動状態を全部記憶しちゃえば、その音は記録できるわけです。電子とかに変換しないで 」
後藤  「それはもう、環境として残すということですか ? 」
坂本  「うん。ある部屋、屋外にしろ、部屋にしろ、どこかの空間の空気の振動が音ですから、空気の状態を記憶すれば、完全に記録できますよね 」
後藤  「全く同じ音が再生できますね 」
坂本  「それがやっぱり究極の記録の仕方かなって、今思ってて。でも、物理的にどうやればいいのか、僕にはわからないんだけど 」

THE FUTURE TIMES
新しい時代のこと、これからの社会のこと。
未来を考える新聞 「The Future Times

後藤正文氏の 坂本龍一氏との対談(2012年 4月 6日 )より抜粋
http://www.thefuturetimes.jp/archive/no02/sakamoto/index.html



“スケルツォ倶楽部”小討論会
「もはやCDなき近未来 」

NHKおはBiz 音楽の進化 ハイレゾライブ配信

 こんにちは、“スケルツォ倶楽部発起人です。
 先日の朝のこと、出勤前 あわただしく 卵かけごはんをかきこみながら TVのチャンネルをNHKに回すと、一般向けのニュース帯にはめずらしく ベルリン・フィルハーモニーの話題だと。思わず箸をもつ手が止まります。
 “世界最高峰のオーケストラの一つ”ベルリン・フィルのコンサート実況を、日本のネット通信会社が 最高音質のハイレゾ High-Resolution(高解像度の略、CDの3倍~15倍の情報量を収録できる音源 )で ストリーミング・ライヴ配信するのだそうです。
 マレク・ヤノフスキ指揮による ブルックナー交響曲第4番 変ホ長調「ロマンティック 」・・・ 絶妙なプログラム選曲、コンサート開始は、現地時間16日の午後7時(日本時間17日 午前2時から・・・ すでに深夜だ )。

 夫婦でクラシック・ファンだという若いモニター視聴者さんが登場、自宅のパソコンをインターネットでつなぐと、贅沢なオーディオルームでブルックナー第3楽章スケルツォ に聴き入る姿が。
「ああ、いいなー このティンパニの音。この臨場感は まさにホールで聴いている空気感・・・ 」、「生々しさ - 実際にホールへ足を運んで、生演奏を聴いたときの感覚を(ハイレゾは )伝え得る媒体だと思います 」
と、まるで PrimeSeat が予め用意しておいたかのような(笑 ) ナイス・コメント。

 そんな 朝のニュースを横目で眺めながら、ふと考えたのです。
 コンサート・ライヴに限らず、音楽が 「配信 」されるサービスは もはやめずらしくなくなりましたが、これほどの高音質も ごく当たり前 - というレヴェルまで普及したら、 その行き着く先には やはり CDも消えて無くなっている のであろうと。
 効率的なオンライン配信のスピードに比べたら、CD販売に要する頒布コスト(パッケージ製造ライン、在庫、流通を含む )など 太刀打ちできないことは、もう明らかです。
 そういえば、まだ生まれて間もなかったCDが 日の出の勢いでLPレコードを駆逐していた1990年頃のこと、「やがてCDは無くなって、自宅にデータ配信された音楽を 聴く時代がくるんですよ 」と、物知り顔で語っていた 輸入盤CDの若い流通事業者がいたことを 記憶しています。彼は 当時 JR駅の構内で 破壊価格の激安CDを ワゴンに並べながら 「そうなったら もうわれわれは飯の食い上げですけどね 」と笑っていたものでしたが、ふと気づいたら すでにそんな時代が到来していたんですよね・・・。その勢いは さらに加速度を増すのでしょう ⇒ ヨハンシュトラウスⅡ:加速度円舞曲 Accelerationen Walzer Op.234


En Larmes Rattle Berliner Philharmoniker Stravinsky Bartok
ベルリン・フィルにもありました、「裏青」CD-R ライヴ盤 (笑 )
サイモン・ラトル(指揮 )ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
バルトーク「弦・チェレ~ 」 + ストラヴィンスキー「春の祭典 」
2003年8月31日、ロンドン(プロムス・ライヴ ) 
躍動感漲る爆演、錦を飾る(? ) サー・サイモン・ラトルの飛び散る情熱 !
音盤:En Larmes ELS-03-440 (非正規 )


 前回 話題にした 裏青 」CD-R など、製造者は コンサート実況の音源から違法にコピーしてきては 一枚一枚ディスクに焼き、“やっつけ”デザインのパッケージ製造から配送手段まで講じなければならず、この先オンラインでいつでもライヴ音源が入手できる環境になったとすれば、高コストな「裏青 」CD-Rが淘汰される日は さらに早まることでしょう。 たとえ そんな違法CD-Rに手を出したとしても、その音楽ファン個人は 単に 自身が好きなアーティストが演奏している まだ聴いたことのない「音 」 のひとつを 欲しただけであって、その媒体が たまたま非正規音源だった ということに過ぎないからです。

シュローダー_ピアノ_0001-2
  「ねえ、もし正規大手レーベルが CDのような 手にとれる音楽媒体を販売するビジネスから全撤退して、その代わりアーティストの日常の演奏活動 - コンサート本番からリハーサルまで - すべての実況を、私たち聴者がいつでも聴きたい時にダウンロードできる配信システムに切り替わっちゃったとしたら、アナタ どう ? 」
  「え ? レコード会社が ? CD媒体の販売をやめちゃう ? 」
  「PHILIPSEMIほどの大手が消えちゃうなんて10年前には想像できなかったでしょう、でも現実だからね、すでに 米TOWER RECORDのような大型小売店だってアメリカ本国では消滅してるんだし - 」
  「(狼狽する )いやいや、まだ早いだろ、まだ日本では売れてるだろCD 」
  「ないない(笑 )アナタCD好きだからね、信じたくないんでしょ。でもアナタの周囲に 果たして、今 どれだけCDショップが残ってるかしら ? 」
  「それは・・・ええと(しどろもどろ ) 」
  「第一アナタ、自分だって 今はCDをAmazonで注文してるくせに 」
  「ムムッ・・・ 」

  「例えば の話よ、例えば ソニー・レーベルが クルレンツィス / ムジカ・エテルナの新譜リリースを今後CD媒体では一切しないことにした と。その代わり コンサート - 定期演奏会も海外公演も - それら演奏活動の音源すべて、真正ライヴ音源を全部、いつでも無修正で ネットからダウンロードして聴けるシステムを『商品 』として販売する - って、これ想像の世界だけど、そういう可能性だってアリでしょ ? 」
  「たとえ演奏中にミスがあっても アーティスト自身が納得できない演奏であっても、さらにリハーサルの音源も全部、いつでもすべてダウンロードできるシステムとか 」
  「そう、もちろんコンサート・ライヴだけじゃなく、敢えて聴衆を入れないセッション録音(従来のスタジオ・レコーディングのアルバム感覚だから編集もあり )もまたOKじゃない 」
  「“商品”として われわれが買う場合の料金は どうなるんだろ 」
  「メジャーレーベルと簡単に通信契約を交わせて 会員料金を支払う方式になるかもしれないし、または 個別に、ソリストをコパチンスカヤが務めた クルレンツィス / ムジカ・エテルナ の何年何月何日のコンチェルトを聴きたいって、希望日の音源だけを指定して 購入・ダウンロードできる方式になるかもしれない、どっちでもいいんだけどさ 」
  「主要なコンテンツは有料だろうけど、格安であることは重要だな。CDよりも製造コストが全然かかってないことは 明白なんだから 」
  「普及させることが大事だしね 」
  「≪ タメイキ ≫ でもパッケージ媒体だったLPやCDを愛してきた オレのようなアナログ文化を享受してきた世代にとっては、CDがなくなるなんて 近未来に現実となる なんとも寂しい悪夢だよ 」
  「そんなアナタは、『なに ? 未来にゃ 東洲斎写楽の役者画が ねえってんですかい、寂しいこったねえ 』と 嘆く、歌舞伎ファンだった 江戸時代の庶民の姿に 少し似てるかもよ (笑 ) 」
  「はー ? それって 一体、どれだけ理不尽な比喩なんだよ <(`^´)> ( 激おこ ぷんぷんまる )」


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