スケルツォ倶楽部 
Club Scherzo
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 “スケルツォ倶楽部発起人です。
 この文章のオリジナルは 2012年 1月15日に発表したものでした。 - 「音楽 」について「歌った 」曲発起人夫婦が思いつくまま交互に挙げてゆくという 他愛ない新年企画でした。 - が、その記事後半で おそらく EPO「音楽のような風 」のオリジナル歌詞を引用してしまったことが、「JASRAC様 」 からDMCA法による著作権侵害にあたるものとして訴えられた( ? )理由であろうと考えます。
 間髪を入れず、 8月 1日16時16分、私 スケルツォ倶楽部 発起人オリジナル文章 ( 2012年01月15日投稿) を掲載した記事 は、事前に何の通告もなく FC2によって「凍結 」されてしまいました。
 ブログを運営する以上 投稿側の順守すべきルールを軽視し、「多数のユーザーに迷惑をかける行為を行った 」 ことを 深くお詫び申し上げます。 私は 忙しいので 異議申し立てを起こす気もございません。
 その代わり、オリジナル文章から EPOの原詩を削除した改訂版 を 以下 ここに、あらためて投稿し直しさせていただくものです。


ABBA_Thank You For The Music 「ほら、サンタクロースがホーホーホーって 」 放課後ティータイム Utauyo! MIRACLE
サンキュー・フォー・ザ・ミュージック
「音楽を ありがとう 」 - 「音楽 」 を うたう
(2016改訂版 )


 オリジナル記事の掲載日:2012年 1月15日

 こんにちは、“スケルツォ倶楽部”発起人です。
 年始のご挨拶を家内に任せっきりにしてしまい、たいへん失礼いたしました。“スケルツォ倶楽部”会員の皆さま、新年を迎え いかがお過ごしでしょうか。

 さて、今宵の話題は  です。
 うた、歌、歌曲、唄、賦(ふ )、Song、Lied、Chanson、Canzone、Dal、Canción、Píseň、Laulu、Cântec、Pjesma、Piosenka、песня、宋、노래 ・・・

 その「歌詞 」の題材として、最も多く取り上げられているテーマは やっぱり古今東西 世界共通、人の心に湧き起こる「」や「」の感情でありましょう。そもそも「歌を歌う 」ということ自体、極めて情緒的な行為ですから、人の感情や想いを表現したり 伝えたりすることを目的としたら、やはり「歌うこと」って そのためには最適の、とても有効な手段のひとつとなるものではないでしょうか。
 そんな「 」の題材として、そういう恋愛感情の次に多いテーマについて考えてみると、やはり「祈り 」や「喜び 」、「悲しみ 」、そして「友情 」や「親子・兄弟への歌 」、「子守歌 」、あるいは「街や土地、特定の場所、季節 を讃える歌 」、また「仕えている主人や 教えを受けた恩師を讃える歌 」、そうそう「お酒の歌 」なんかも 意外に多いのではないかと思います。
 では、こういうテーマは いかがでしょう - 「『音楽 』について歌った 」歌、曲、作品って? 結構あるんじゃないでしょうか?

  「 ・・・というわけで、アナタ。毎回 音楽を話題としている当ブログ“スケルツォ倶楽部”を運営している わたしたちにとって、今宵の課題 決して避けては通れないのよー 」
  「 って 新年早々 大袈裟なヤツだなあ。まあ よし、挑戦を受けて立とう。オレは クラシック音楽のジャンルから - 」
  「じゃ わたしは 現代曲を中心に考えてみようかなっと 」
  「交互に挙げてゆくことにするぞー。 あ、そうそう 先にネタを途切らせたほうが 負けだからな 」。
  「・・・ムッ・・・ 何か賭けようって 言わないの 」
  「ふふん、お前の 負けずぎらいの底意地に火を点けてしまったようだなー。それでは 負けたほうが キッチンの流しに重ねっぱなしにしてある、よごれたお皿や食器を全部洗うっていうのはどうかな 」
  「ふふん、おもしろい! 受けて立とうじゃないの(鼻息 ) 」
二人  「最初はグー  」  「じゃんけん ポン! 」
    シベリウスの肖像(1915年 シベリウス博物館)   Mr.&Mrs.McCartney!

  「では スタートにふさわしく、まずは 格調高い この一曲から ・・・ 」

■ シューベルト : 歌曲「音楽に寄せて An die Musik 」
Erich Kunz_Loved German Songs(Vanguard ) 
エーリヒ・クンツ(バリトン )
アントン・パウリク指揮
ウィーン国立歌劇場管弦楽団
収録曲:二人のてき弾兵(シューマン )、眠りの精(ブラームス )、笑いと涙(シューベルト )、愛の夢(リスト )、マリアの子守歌(レーガー )、音楽に寄す(シューベルト )、くるみの木(シューマン )、自然における神の栄光(ベートーヴェン )、ローレライ(ジルヒャー )、ローレライ(リスト )、すみれ(モーツァルト )、君を愛す(ベートーヴェン )、主顕祭(ヴォルフ )、眠れる幼な児イエス(ヴォルフ )、 セレナーデ(ブラームス )、シルヴィアに(シューベルト )
録 音:1955年
音 盤:Vanguard Classic(キング KICC-8594 )
 
 シューベルトの名歌曲「音楽に寄せて」の共感に溢れる秀逸な歌詞は、以前「架空のシューベルティアーデ ⇒ こちら でも ご紹介しました。
 このディスクで聴ける シュターツ・オーパー往年の名バリトン歌手 エーリヒ・クンツ の温かい低音の歌唱を支えるのは、レーガー(1873~1916 )が編曲した めずらしい管弦楽伴奏による版です。

音楽に寄せて
詩 フランツ・フォン・ショーバー

音楽よ、
現実の つらく 耐え難い時間を、
これ以上 生き続けてゆくことに、
わたしが 絶望の気持ちさえ 感じてしまったとき、
幾度 あなたは わたしの心に 灯りをともし、
より良き別世界に 誘(いざな )ってくれたことでしょうか
あなたの 竪琴から 湧きだす 吐息によって、
あなたの 甘く清らかな楽の音によって、
わたしの頭上に 天国の景色が開けたことも しばしばです
音楽よ、
今 わたしは あなたに 心から感謝します!

(意訳 山田 誠 )


  「シューベルトの『楽に寄す 』って やっぱ 名曲よねー 」
  「管弦楽の伴奏で聴くというのも新鮮で、とても良かっただろう 」
  「うん。では、わたしは この現代版とも言える、こちらを ・・・ 」

■ アバ ABBA : サンキュー・フォー・ザ・ミュージック Thank You For The Music 」(音楽を ありがとう )
ABBA_Thank You For The Music
ABBA The Definitive Collection に収録
収録曲:People Need Love、He Is Your Brother、Ring Ring、Love Isn't Easy (But It Sure Is Hard Enough )、Waterloo、Honey, Honey、So Long、I Do, I Do, I Do, I Do, I Do、SOS、Mamma Mia、Fernando、Dancing Queen、Money, Money, Money、Knowing Me, Knowing You、The Name Of The Game、Take A Chance On Me、Eagle、Summer Night City、Chiquitita、Does Your Mother Know、Voulez-Vous、Angeleyes、Gimme! Gimme! Gimme ! (A Man After Midnight )、I Have A Dream、The Winner Takes It All、Super Trouper、On And On And On、Lay All Your Love On Me、One Of Us、When All Is Said And Done、Head Over Heels、The Visitors (Crackin' Up )、The Day Before You Came、Under Attack、Thank You For The Music
録 音:1977年
音 盤:Polar 549-974-2(海外盤 )
 
 20世紀ヨーロッパ・ポップスの最高峰 男女4人組のグループ、アバ(スウェーデン出身 )。超有名な「ダンシング・クイーン 」、「チキティータ 」、「ヴーレ・ヴー 」と並んで わたしのお気に入りの一曲が、この「サンキュー・フォー・ザ・ミュージック 」です。
 これは1983年に アバ 最後のシングル盤としてリリースされたものですが、もともとは 彼らの1977年のアルバム「アルバム The Album(紛らわしいですが、アルバムのタイトルが『アルバム 』なんです ) 」に収められていたオリジナル曲で、それは彼らのステージ用のミニ・ミュージカル「金色の髪の少女 」のために ベニービョルンが書き下ろした歌でした(歌詞の中で「金色の髪の女の子に生まれて わたしラッキー 云々 」という表現があるのは、実はそれが理由です )。

サンキュー・フォー・ザ・ミュージック
詩 ベニー・アンダーソン & ビョルン・ウルヴァース

わたしったら 特技もないし、実際 ちょっと退屈なヤツかも。
ジョーク言ってみたって、どこかで聞いたようなネタばかりでしょ
でもね わたしには 生まれつき与えられた 素晴らしいものがあるんだよ
それは、わたしが歌い始めると 誰もが皆 聴いてくれること
だから わたしには この感謝と名誉の気持ちを 歌い上げることこそがすべてなの

そう、わたしは言いたい
音楽をありがとうって。
わたしが歌う歌と、
そのおかげで もたらされたすべての喜びにも ありがとう、
音楽なしで いられる人なんているかしら、ホント訊いてみたいわ
そんな人生なんて、あり得ないでしょ?
歌もなく ダンスもなしで 過ごせると思う?
だから言いたい、
素晴らしい音楽を わたしにくれて、ありがとう

母によれば、わたしったら歩くより先に もう踊ってたって
話すより前から もう歌ってたんですって
いつもスゴイなーって思うんだけど、
人の心をとらえるには 言葉をメロディに乗せればいいやって、
最初に気づいた人は 一体 誰だろう?
いいわ、誰だったにせよ その人に乾杯!

わたしはツイてます、
だって金色の髪をした女の子として生まれたんだもん、
だから みんなに それを歌い上げることで表現したいんです。
その喜びを、この人生を、この幸運を!

そう、わたしは言いたい
音楽をありがとうって。
わたしが歌う歌と、
そのおかげで もたらされたすべての喜びにも ありがとう・・・

(対訳 山田 誠 )


  「アバは、メロディを重視する70年代のヨーロピアン・ポップスの中でも そのセンスの良さで最も大きな成功を収めたグループという評価が もはや不動のようだな 」
  「また(笑 )本当はよく知らないくせに 知ったかブリブリのまとめようね、アナタったら 」
  「な、何を言う。アバくらいオレだって高校生の頃 聴いてたもん 」
  「『聴いてたもん 』って、それ何(嘲笑 ) 」
  「う、うるさいなー、気を取り直して 次の曲はこれ 」


■ マーラー : 歌曲「この歌をこしらえたのは誰? 」
(歌曲集「子どもの不思議な角笛 」から )

バーンスタイン 子どもの不思議な角笛 (Sony )
クリスタ・ルートヴィヒ(メゾ・ソプラノ )
ワルター・ベリー(バリトン )
レナード・バーンスタイン(ピアノ伴奏、指揮 )
ニューヨーク・フィルハーモニック
収録曲:歩哨の夜の歌、この歌をこしらえたのは誰、少年鼓笛兵、ラインの伝説、塔に囚われ迫害うけるものの歌、始源の光、起床喇叭、魚に説教するパドゥヴァの聖アントーニウス、骨折り損のくたびれ儲け、美しく喇叭の鳴り響くところ、お高い良識 自慢する歌、この世の生活、運の悪いときの慰めっこ
録 音:1967年 および1969年(管弦楽版 – スタジオ、ニューヨーク )、1968年 4月24日(ピアノ版 – ライヴ、ウィーン )
音 盤:CBSコロンビア(ソニー SICC-1528~29 )

 ・・・そう言えば、マーラーの作品には「音楽 」を題材にした(自編を含む )詩による歌曲が多く目につきます。
 たとえば、歌唱の技巧と表現および客観的な評論とは何であるかを暗喩によって表現する「お高い良識を自慢する歌( 「子どもの不思議な角笛 」 ) 」、全滅した軍隊の霊が起床太鼓の連打によって戦闘中に甦り 戦場から故郷まで行軍するという勇壮な葬送行進曲「死んだ鼓手( 「子どもの不思議な角笛 」 ) 」、創作中に邪魔が入ることを嫌うマーラー自身の心情を反映させながらミツバチの巣作りに譬えた「わたしの歌を覗いたりしないで( 「リュッケルトの詩による歌曲 」 ) 」など、いずれもとても魅力的です。

この歌をこしらえたのは誰?
詩 ルートヴィヒ・アヒム・フォン・アルニム、クレメンス・ブレンターノの共編纂による原詩に マーラー自身が加筆

・・・ばら色の きみのくちびるこそが
病んだ心を癒してくれる、
若い男の頭を矯(た )めてもくれる、
死せる者をも生き返らせる、
病める男を元気にさせる。

美しくも美しいこの歌 をこしらえたの、だあれ?
運んできたのは 三羽の鵞鳥、
湖川(うみかわ )こえて 灰色二羽に、白一羽!
この歌 うたえない人いたら、
鵞鳥が鳴いて聞かせてくれるって!

(対訳 深田 甫 )


  「いかにもマーラーらしい、くるくる旋回するレントラー。スケルツォ楽章のトリオに登場しそうな 明るい楽想ね 」
  「でも よく聴くと、けっこう複雑な構成の旋律なんだぞー 」
  「このディスクは、オリジナル2枚組L.P.(コロンビアKS-7395 )リリース時の装丁に忠実に、オーケストラ伴奏版とピアノ伴奏版という2枚組で収められていて、両方を同じ歌手で聴き比べることが出来るのね 」
  「この歌に限っては ライヴのピアノ伴奏版で聴くほうが クリスタ・ルートヴィヒの声の軽やかな表現が顕著に出ているし、巧みな息遣いもわかりやすいね 」
  「曲中 二回出てくる長ーーいメリスマ、歌うの 大変そうね 」
  「でも 要所でマーラーは 巧みにブレスを与えているんだな。さ、次は お前の番だよ 」

■ ジェイムス・テイラー : 「ミュージック Music 」
James Taylor_Gorilla
ジェイムス・テイラー
アルバム「ゴリラ 」(1975年 )に収録
アルバム収録曲:あこがれのメキシコ、ミュージック、君の愛に包まれて、放浪、ゴリラ、ユー・メイク・イット・イージー、愚かだった僕、ひとりぼっちの灯台、アングリー・ブルース、愛の歌、ぼくのサラ・マリア
録 音:1975年
音 盤:Warner Bros. (ワーナーミュージック WPCR-12512 )
 
 豊かに湧き上がる温かさで いつも聴く者の胸をいっぱいにしてくれる、ボストン出身のシンガー・ソングライター ジェイムス・テイラーの個性的な歌唱、アコースティック・ギターに キラキラした輝きも眩しいハープやグロッケンシュピールを隠し味的に重ねるという不思議な楽器編成、アルバムは ビルボード最高位6位を記録した名盤からの一曲です。

ミュージック
詩 ジェイムス・テイラー

・・・音楽をかけよう
音楽を始めよう
音楽がぼくのココロを変えるんだ

・・・音楽にエンジンをかけよう
音楽をおくれ
あたりを音楽でいっぱいにしよう

・・・わが良き友よ
まるで石のように きみのアタマは重く沈んでいるね
ときには雲のように 軽く考えてみるようにしなくちゃ駄目だよ
ときには楽しいことばっかり考え続けるんだ
きみの中をシンフォニーが流れる
きみがやんなきゃならないことはいっぱいあるんだよ
だから さあ

映画館の人混みの上に静けさを舞い落とそう
男の子は女の子の方を向いて
こんなにもぼくはきみが好きだよって言ってしまう
ここでいまぼくに聞こえるのは バイオリンの響き
音楽を始めよう
ミスター・ミュージック そこいらじゅうに音楽

何をしたらいいか ぼくにはきっと判らないだろう、
もし きみが音楽にココロを開かなかったら

(対訳 中川・M・五郎 )


  「わたし大好き、ジェイムス・テイラー 。これはワーナー時代のアルバムの中に隠れた名曲 」
  「たしかに アコースティック・ギターを爪弾く音色はもとより、意外な転調も とても気持ちイイな 」
  「次は アナタの番ね 」
  「はいネ 」
  「・・・ 」

■ メンデルスゾーン : 歌曲「歌の翼に 」
メンデルスゾーン_「歌の翼に 」(ボニー )Teldec
メンデルスゾーン歌曲集
バーバラ・ボニー(ソプラノ )
ジェフリー・パーソンズ(ピアノ )
収録曲:歌の翼に、恋する女の手紙、遠いところ、誰も知らない、小姓の歌、ズライカ 作品34-4、同57-3、問い、月、春の歌 作品71-2、同34-3、同47-3、花束、 秋に、新しい恋、日曜日の歌、ふたつの心が離れる時、ロマンス、春の想い、冬の歌、最初の喪失、ゆりかごのそばで、夜の歌、もうひとつの5月の歌(魔女の歌 ) 、(以下3曲は メンデルスゾーンの姉ファニィの作曲 )喪失、尼僧、あこがれ
録 音:1991年 ベルリン
音 盤:Teldec(ワーナー・ミュージック WPCS-21242 )


歌の翼に
詩 ハインリヒ・ハイネ

歌の翼にのせて、恋びとよ
君を遠く連れていってあげよう、
はるかなガンジス河のほとりに -
ぼくは あそこにすてきな場所を知ってるんだ。

あそこには、静かな月の光を浴びて
くれないに燃える花園があるんだ、
はすの花が君を待っている、
なつかしい姉妹である君を

・・・近くへ跳んで来て、聞き耳を立てるのは
無邪気な、かしこそうなかもしかだ。
そして遠くでは、あの神聖な流れの
川波がせせらぎの音を立てている ・・・

(訳:西野茂雄 )


  「恋人の歌に乗せれば、果てしなく広い空間を飛んで移動することだって出来る - というハイネの詩に、説得力さえ与える メンデルスゾーンの秀逸な名旋律 ・・・ 」
  「リリックだけれど 透明で芯も強いバーバラ・ボニーの明晰な歌唱で聴ける、メンデルスゾーン歌曲のベスト選曲の一枚だけれど、ここでは めずらしいことに メンデルスゾーンの姉ファニィの作品も3曲 収録されてるのね 」
  「うん、特に 歌曲『尼僧 』などは シューベルトを思わせる ピアノ伴奏と和声進行が魅力的なんだよ 」
  「わたしも 女性のシンガー・ソングライターの曲を 次に紹介します 」


■ キャロル・キング : 「ミュージック Music 」
Carol King_Music
アルバム「ミュージック 」(1971年 )に収録
アルバム収録曲:ブラザー・ブラザー、イッツ・ゴーイング・トゥ・テイク・サム・タイム、スウィート・シーズンズ、サム・カインド・オブ・ワンダフル、シュアリー、キャリー・ユア・ロード、ミュージック、ソング・オブ・ロング・アゴー、ブライター、グロウィング・アウェイ・フロム・ミー、トゥ・マッチ・レイン、バック・トゥ・カリフォルニア
録 音:1971年
音 盤:CBSコロンビア(Sony MHCP-258 )

 ファースト・アルバム「ライター Writer 」、歴史的な傑作「つづれおり Tapestry 」に続いてリリースされた、これも粒ぞろいの名曲満載の3rdアルバムのタイトル曲でもある「ミュージック 」は、ジャズ・ワルツのリズムを刻むシンバルのライディングの心地良さも印象深い傑作ですが、わたしの唯一の不満は テナー・サックスのカーティス・エイミーの貧しい想像力とパワー不足( に聞こえてしまうこと )です。ああ、このソロ・パートが マイケル・ブレッカーか、せめてトム・スコットが吹いていたらよかったのになー などと、聴く度に惜しむものです、どうもスミマセン。

ミュージック
詩 キャロル・キング

わたしの頭の中では いつも 音楽が鳴り続けている
ずっと繰り返し 繰り返し・・・
音楽はわが友、決して鳴り止むことはない

夏も終わり
でも 今も音楽は鳴り続けている
これから寒くなっても わたしは負けない

・・・ いつも易しいことばかりじゃない
でも 音楽が鳴り続ける限り、
どんなことがあっても わたし負けるもんか

(意訳 山田 誠 )


  「キャロル・キング自身が 歌いながら叩くピアノの スイングするワルツのリズム、けっこう気持ち良いな 」
妻  「この曲では 聴こえないけど、アルバムのバックアップ・メンバーとして ジェイムス・テイラーも参加してるんだよー。名曲『ソング・オブ・ロング・アゴー 』では はっきり彼のコーラスだってわかるの。で、ジェイムス・テイラーキャロル・キングの前アルバム『タペストリー 』でも ギターで参加していたけれど、逆に 同時期の彼のアルバム『スイート・ベイビー・ジェイムス(1970年 ) 』や『マッド・スライド・スリム(1971年 ) 』には 彼女がピアノで - 」
  「それくらいにしておけよ 」

■ ブラームス 歌曲「メロディのように Wie Melodien zieht es mir 」
EMI ドイツ歌曲大全集 第7巻「ブラームス歌曲集 」表紙(L.P. )
ドイツ歌曲大全集 第7巻「ブラームス歌曲集 」より
ハンス・ホッター(バス・バリトン )
ジェラルド・ムーア(ピアノ )
録 音:推定1956年前後
収録曲:「四つの厳粛な歌 」、「八つのジプシーの歌 」、「49のドイツ民謡集 」、「愛と春とⅠ、Ⅱ 」、「異郷にて 」、「柔らかな葉づれの音よ 」「鶯はからだを揺り 」、「合言葉 」、「序唱 」、「帰郷 」、「ソネット 」、「くちづけ」、「遠い国で 」、「雨の歌 」、「喜びに満ちたぼくの女王よ 」、「永遠の愛 」、「五月の夜 」、「ことづて 」、「日曜日 」、「恋しいひとのもとへ 」、「僕は夢にみた 」、「おやすみなさい 」、「傷ついたぼくの心 」、「きみの青き瞳 」、「青春の歌 」、「セレナーデ 」、「恋歌 」、「ぼくらはそぞろ歩いた 」ほか
エリザベート・シュヴァルツコップフ(ソプラノ )、エリザベート・グリュンマー(ソプラノ )、アグネス・ギーベル(ソプラノ )、アンネリーゼ・ローテンベルガー(ソプラノ )、クリスタ・ルートヴィヒ(メゾ・ソプラノ )、ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン )、ヘルマン・プライ(バリトン )他、
音 盤:EMI (東芝EMI AA-9524~27 L.P. )


メロディのように
詩 クラウス・グロート

それはメロディのように
ひっそりと私の感覚に滲みとおり、
春の花のように咲きこぼれ、
芳香のように ほのかにただよう

だけど 言葉でそれをとらえ
この眼でたしかめようとすると、
それは灰色の霧のように色あせ、
吐息のように消えてしまう

それでもなお、詩句の中に
ある かぐわしさが ひっそりと とどまる、
潤んだ瞳は それをやさしく
静かな胚芽から 呼びおこす

(訳 西野茂雄 )


  「この ブラームスの歌曲『メロディのように 』作品105の1 って、とても美しい曲ね 」
  「この旋律のように美しかった ひとりの若いアルト歌手を想ってブラームスは作曲した、と伝えられているよ。事実 作曲者自身も この穏やかに流れる魅力的な旋律は捨てがたかったらしく、同じ時期に書いたヴァイオリン・ソナタ第2番イ長調 第1楽章の第二主題として 再び転用しているんだな 」
  「歌曲の旋律を 器楽作品などへ転用する作曲家の心理については、また別の機会で詳しく触れたいです 」
  「次は お前の番だな 」
  「この歌は オモシロいよー 」

■ バリー・マニロウ:「歌の贈り物 I Write The Songs 」
Barry Manilow_I Write The Songs (Tryin’ to Get the Feeling )
バリー・マニロウ
アルバム「Tryin’ To Get the Feeling(歌の贈り物 ) 」(1976年 )に収録
収録曲:New York City Rhythm、Tryin' To Get The Feeling Again、Why Don't We Live Together、Bandstand Boogie、You're Leavin' Too Soon、She's A Star、I Write The Songs、As Sure As I'm Standin' Here、A Nice Boy Like Me、Lay Me Down、Beautiful Music、I'll Make You Music、Marry Me A Little
録 音:1976年
原 盤:ARISTA
 
作詞 / 作曲はブルース・ジョンストン、彼はこの詩の中で「音楽 」に なんと一個の「人格 」を与えており、その「音楽さん 」が 自分の生み出してきた数々の「」について、人間に対し 物語るという着想、出色です。
 この素晴らしい傑作は、まるでブラームスの曲のように渋く美しい旋律を持っていますが、当初(バリー・マニロウ録音の前年 )作者であるブルース・ジョンストン自身、あるいはキャプテン & テニールデヴィッド・キャシディらによって歌われても なかなか注目されませんでした。それが バリー・マニロウの歌唱によって発表されるや 全米No.1のヒットを放ち、グラミー最優秀楽曲賞の栄冠も手にすることになるのでした。
 ブルース・ジョンストン
 極めて劇的な そのバリー・マニロウ盤のアレンジに比べると、淡々と曲を進めるブルース・ジョンストン(Going Public / CBS )盤の 主にピアノ弾き語りを基本とするヴァージョンの録音のほうが、個人的には好ましく思っています。

歌の贈り物 I Write The Songs 」
詩 ブルース・ジョンストン

「わたし 」は 永遠を生き続ける存在、
言葉とメロディを上手に織り込んで
いちばん最初の歌を 作ったのも「わたし 」だから

そう、「わたし 」こそ音楽です。
「わたし 」が あらゆる歌を作っています。

「わたし 」の歌は、世界中で 歌われています。
「わたし 」の歌は、愛や特別なことにあふれています。
「わたし 」の歌を聴いて、涙を流してくれる少女がいます。
そんな歌を作っているのが、「わたし 」です。
「わたし 」が、歌を作っているのです。

知っていましたか、
あなたがたの心の奥深いところに 実は「わたし 」は住んでいて、
あなたがたの魂の中こそ、「わたし 」が憩う場所なのです。
たとえ「わたし 」が どれほど年老いようと、
あなたがたの瞳を通して 一目でも 相見(まみ )えれば、
常に「わたし 」は 若返ることができるのです。

「わたし 」の力のおかげで、
あなたがたは楽しく踊ったり、元気を出したりしてきたでしょう、
ロック’ン・ロールをつくったのだって 「わたし 」なんですよ。
「わたし 」は あなたがたの心を一杯に満たします、
心 - そう、そここそ 「わたし 」の出発点として相応(ふさわ )しい
本当に素晴らしい場所なんですから。
心より出(い )でて - 願わくば 再び - 心へと向かいますように
それは、 世界をひとつにするシンフォニーとなるでしょう

「わたし 」は 音楽です。
あらゆる歌は、「わたし 」が生み出したのですよ

(意訳 山田 誠 )



  「うーむ、このブルース・ジョンストンっていう人の詩(「歌の贈り物 」 )は なかなか素晴らしい出来だな。ハイネマーラーの時代とは もはや別次元にあることが判る。第一、その発想が とてもオモシロいよ・・・ 」
  「ね、もう一曲 続けて わたしに紹介させて。この曲に関係があるかもしれないから 」
  「え? いいよ ・・・というわけで、次の曲も 妻からの紹介です 」

■ カーメン・マクレエ:アイ・アム・ミュージック I Am Music
カーメン・マクレエ_アイ・アム・ミュージック
アルバム「アイ・アム・ミュージック I Am Music 」
収録曲:A Letter For Anna-Lee、Trouble With Hello Is Goodbye、Faraway Forever、I Ain't Here、You Know Who You Are、I Have The Feeling I've Been Before、Who Gave You Permission、Like A Lover、I Never Lied To You、I Am Music
録 音:1975年4月
音 盤:BN-LA-462G(東芝EMI TOCP-6690 )

 エラ・フィッツジェラルド、サラ・ヴォーンらと並び称される20世紀後半の女声ジャズ・ヴォーカリストの中でも 大御所的存在だったカーメン・マクレエ
 このアルバムは、1950~60年代が その最盛期だったマクレエの盤歴の中では忘れられたブルーノート時代の第1作(当時は 大手リバティ・レーベルに吸収されていたため、そこからリリースされました )です。幻のピアニスト ロジャー・ケラウェイのプロデュース作であるということや、若き日のデイヴ・グルーシンが エレクトリック・フェンダーローズを弾きながら いくつかの曲でアレンジも手掛けていることなどが、聴き逃せないポイントでもあります。と言っても 彼女のヴォーカルを聴こうと思ったら、もっと優れた内容のレコードが、デッカキャップアトランティックコロンビアの音源には多く残っていますが。
 それはともかく このアルバム・タイトル曲の歌詞対訳を読めば、どなたもお気づきになると思います、この歌(詩 )の基本的なコンセプトが バリー・マニロウの大ヒットで有名な ブルース・ジョンストンによる名曲「歌の贈り物 I Write The Songs 」と酷似しているということに。尤も メロディの良し悪しや楽曲の持つ魅力、詩の説得力という点などにおいて、「歌の贈り物 I Write The Songs 」に比べると かなり地味な「アイ・アム・ミュージック 」のほうが数段劣っていることは 否定できません。
 しかし わたしたちの手元にあるこの国内盤(東芝EMI )CDの解説書(裏 )に明記されている文字を注意深く読んでいくと、問題の「アイ・アム・ミュージック 」に関しては、 Lyrics ©1973 Eternity Music Co.I Gelsa Music Co. - つまり、このゲルサ・パラオ Gelsa Palaoという作詞家(兼 作曲家 )のコンセプトが、ブルース・ジョンストンの「歌の贈り物 」(1975年発表 )よりすでに2年前のものだったことが明らかになります。
 果たしてジョンストンG.パラオの原詩「アイ・アム・ミュージック 」を知っていたのでしょうか、それとも単なる偶然だったのでしょうか? 真相までは判りません・・・

アイ・アム・ミュージック
詩 ゲルサ・パラオ

わたしは、生命が呼吸を始める前から
すでに この世に存在していました
風に乗り、海原の波に乗り、
花の上に横たわり、
木々の間を抜け 踊りながら・・・

わたしは音楽、
わたしは年老いることのない
愛そのものです

最初の人類が現れた時から
わたしは 彼の頭の中にいたのです
彼に わたしは貴重な宝を与え、
彼が辛いときには その重荷を一緒に背負いました

わたしは音楽、
わたしは時を超えた存在、
愛なのです

音楽は人の心
それは 言葉が取り繕う以上の感情を与え、
風や雨という自然の恵みと同様に貴重で、
笑いと涙の中に生き続けています

わたしは何年にも渡って若者たちを戦場へ導きました
彼らの耳には 炸裂する勝利の発破の音とともに
母の涙があったことでしょう

わたしは音楽
わたしは慰めであり
愛なのです

(意訳 山田 誠 )


  「ご苦労さん、次はやっとオレの番だな 」

■ ドヴォルザーク 歌曲「わが母の教え給(たま )いし歌 」
わが母の教えたまいし歌~世界のフォークソング集 オッター(Ms)
アンネ・ソフィー・フォン・オッター(メゾ・ソプラノ )
ベングト・フォシュベリ(ピアノ )
アルバム「わが母の教え給いし歌 ~ 世界のフォーク・ソング集 」に収録
収録曲:ドヴォルザーク「ジプシーの歌 作品55(全7曲 ) 」、グレインジャー「イギリス民謡集 」から(タイムの小枝/恋焦がれて/イギリスの水辺/乳しぼりをする可愛い少女 )、L.E.ラーション「12の詩 」から(水彩画/絵職人/教会生まれの娘 )、G.ハーン「ラップランドの詩 」、R.アーン「ヴェネツィア方言による6つの歌 」、コダーイ「ハンガリー民謡集 」から(第5曲:木からリンゴが落ちた/第10曲:日曜日は座って呑むべし、第27曲:悲しい小唄/第57曲:若妻/第30曲:キティとジョニー、第48曲:おい!モヒの葡萄畑のワインだ/第55曲:遠く離れた山から )、ブリテン「民謡集第2集《フランスの歌 》 」
録 音:1999年6月 パリ
音 盤:D.G. (ユニバーサル・ミュージック POCG-10289 )

 交響曲「新世界第2楽章「家路 」に並ぶ、ドヴォルザークの名旋律。その素晴らしさを音楽評論家の門馬直美氏は、「ドヴォルザークの感情にこの歌詞が強く訴えたもの 」ではないか、と推察しておられます。私もまったく同感、けだし慧眼と思います。

わが母の 教え給いし歌
詩 アドルフ・ヘイドゥーク

母が私に教えてくれた歌、
それは 遠く過ぎ去りし日々
母のまぶたには いつも涙が光っていた

今や私も わが子に歌を教える齢になったが、
しばしば 自分の日焼けした頬を涙で濡らすようになった
その涙は 母と同じ、
大切な自分の記憶から溢れ出たものだったということに
今、初めて気づいた

(意訳 山田 誠 )



  「ドヴォルザークって 本当に天性のメロディストよね 」
  「有名な逸話で、先輩格のブラームスがこれを羨ましがって『アイツの捨てたメロディひとつあれば、わしはもうひとつシンフォニーを書いてみせる 』って言ったとか 言わなかったとか・・・ 」
  「それ、わかる気がする! きっと本当の話よ。 ・・・あ、次は わたしね 」


■ カーペンターズ : 「ウィザウト・ア・ソング Without A Song 」
Without A Song(Carpenters )AM
収録曲:ウィザウト・ア・ソング(1980年放映TVスペシャル「ミュージック・ミュージック・ミュージック 」より )、メドレー:スーパースター/雨の日と月曜日は(1976年放映、初のTVスペシャルより )、ひとりぼっちのあいつ(1967年、レコーディングされたデモに1999年にリチャードが手を加えて完成 )、アイ・ガット・リズム(1980年放映TVスペシャル「ミュージック・ミュージック・ミュージック 」より )、ダンシング・イン・ザ・ストリート(1978年放映TVスペシャル「スペース・エンカウンターズ(未知との遭遇 )」より )、ディジー・フィンガーズ(1980年放映TVスペシャル「ミュージック・ミュージック・ミュージック 」より )、ユーアー・ジャスト・イン・ラヴ(同上 )、メドレー:マスカレード/マイ・ファニー・ヴァレンタイン/アイル・ビー・シーイング・ユー/サムワン・トゥ・ウォッチ・ミー(やさしき伴侶を )/アズ・タイム・ゴーズ・バイ/ドント・ゲット・アラウンド・マッチ・エニィモア/アイ・レット・ア・ソング・ゴー・アウト・オブ・マイ・ハート(カレンとエラ・フィッツジェラルドとのデュエット )(同上 )、メドレー:未知との遭遇/スター・ウォーズ(1978年放映TVスペシャル「スペース・エンカウンターズ(未知との遭遇 )」より )、リーヴ・イエスタデイ・ビハインド(1978年にレコーディングされたアウトテイクに1999年 リチャードが手を加え完成 )、メドレー:イエスタデイ・ワンス・モア/マジック・モーメンツ/シング/キャッチ・ア・フォーリング・スター/遥かなる影/イッツ・インポッシブル/愛のプレリュード/アンド・アイ・ラヴ・ユー・ソー/ドント・レット・ザ・スターズ・ゲット・イン・ユア・アイズ/イエスタデイ・ワンス・モア(1974年放映TVスペシャル「ペリー・コモのクリスマス・ショウ 」より )、夢のカリフォルニア(1967年のデモに1999年リチャードが手を加え完成 )、レインボウ・コネクション(「メイド・イン・アメリカ 」録音時のアウトテイク、1999年リチャードが手を加え完成 )メドレー:シング/遥かなる影/ふたりの誓い/涙の乗車券/オンリー・イエスタデイ/愛は夢の中に/愛にさよならを(1976年放映、初のTVスペシャルより )、
録 音:1967~1980年
音 盤:A&M(ユニバーサルインターナショナル UICY-1060 )
 
 1983年に僅か32歳で亡くなったカレン・カーペンターが 生前に遺した録音は 必ずしも多くありません。
 このアルバム「as time goes by( 邦題 レインボウ・コネクション ) 」は、カレンの兄リチャードによって 未発表だったライヴ・デモ・アウトテイクなどの音源に手を加え、良心的な編集を施した上 集められたもので、2000年になって発表されました。
 その冒頭を飾る一曲「ウィザウト・ア・ソング Without A Song 」は ABC-TVスペシャルからの貴重な音源で、リチャードとカレンの兄妹二人のヴォーカルのみを多重録音で重ねて、シンガーズ・アンリミテッドのような厚いコーラスへと仕立て上げた、素晴らしい労作です。

ウィズアウト・ア・ソング
詩 ビリー・ローズ & エドワード・エリスク

歌がなければ 一日が終わることはなく
歌がなければ 道が曲がることはなく
理不尽な世の中で 人は友だちもいやしない
歌がなければ

あのトウモロコシ畑に 人の手が入ることはなく
あのトウモロコシ畑は 今や 見放されていただろう
人が生を受けても 何になるという
歌がなければ

私には 心配も悩みもあるけれど
ヨルダン川は とうとうと流れ続けることでしょう
心の中に力強く歌が響く限り
きっとうまくやっていける

私は 雨の降る仕組みは 知らないし
草があれほど伸びるわけも知らない
でも これだけは知っている
歌がなければ 愛のかけらもないことを

(対訳:小倉ゆう子 )


  「ふふん、アナタ、まだ大丈夫? 」
  「そろそろ ネタが尽きてきたなー・・・とりあえず 大好きな この一曲を紹介しておこうかな 」


■ ガスタルドン 歌曲「禁じられた音楽 」
ガスタルドン_禁じられた音楽(カレーラス)Erato
ホセ・カレーラス(テノール )
ローレンツォ・バヴァーイ(ピアノ )
録 音:1994年12月 5~ 7日 ウィーン
音 盤:Erato(ワーナー・ミュージック WPCS-4480 )
 スタニスラオ・ガスタルドン(1861 – 1939 )の傑作。
 この歌の主人公はまだ若い少女、歌は彼女の語りによって進行するというオモシロい設定なのですが、曲の中心部分は 彼女の母が禁じた音楽 - それは 彼女を慕う若者がバルコニーの下で毎晩歌っているという 情熱的であまりにも大人なセレナータ - なのですが、母親の留守をよいことに その歌を少女は思い切り歌ってしまう・・・ そして聴衆は これによって その音楽を母親が禁止した理由を初めて知るという、なかなか興味深い骨格を持った作品だと思います。

禁じられた音楽
詩 フリック・フロック

毎晩 バルコニーの下から
愛の歌が聞こえてくる
何度となく その歌を歌うすてきな若者
わたしは胸の高鳴る思いが・・・
ああ、そのメロディーの何と甘く
何と美しく、何と快いこと
でもママは、その歌を歌ってはいけないという。
なぜ禁じるのか知りたいけれど・・・
でも、今は ママはいない。だから歌おう、
胸をときめかす あの一節を・・・

「ぼくは口づけしたいのです、貴女の黒髪に
貴女の唇に、そして 貴女の賢そうな瞳に。
ぼくは、天使のような貴女と共に死にたい
美しい恋人よ、ぼくの宝よ 」 ・・・

(訳 小瀬村幸子 )


  「ホセ・カレーラス、48歳のときの大熱唱 」
  「ウィーン・ムジークフェライン大ホールにおけるリサイタルの録音だけど、ライヴゆえの即興性、情熱的な昂ぶりと 迸(ほとばし )るような表現には、聴いている方も熱くなる 」
  「感動した客席の 物凄いほどの熱狂的な反応にも驚いちゃうね 」
  「お前、まだ 紹介のストック あるのか 」
  「余裕、余裕(笑顔 ) 」
  「えー? 」


■ ブロッサム・ディアリー : 「アイ・ヒア・ミュージック I Hear Music 」
I Hear Music (Blossom Dearie )
ブロッサム・ディアリー Blossom Dearie
コンピレーション盤「フォー・カフェ・アプレ-ミディ for Cafè Aprés-midi 」より
(Compiled by Toru Hashimoto for Suburbia Factory )
収録曲:ロング・ダディ・グリーン、ダスティ・スプリングフィールド、アイ・ノウ・ザ・ムーン、イエスタデイ・ホエン・アイ・ウォズ・ヤング、ウィル・ゼア・リアリー・ビー・ア・モーニング、インサイド・ア・サイレント・ティアー、ヘイ・ジョン、 スウィート・ジョージィ・フェイム、スウィート・サプライズ、アイ・ライク・ロンドン・イン・ザ・レイン、メディテイション、ジンジ、スウィート・ラヴァー・ノー・モア、ワン・ノート・サンバ、アイム・ヒップ、シェイプ・オブ・シングス、ティー・フォー・トゥー、ドゥープ・ドゥー・ディ・ドゥープ、ムーンライト・セイヴィング・タイム、バング・ゴーズ・ザ・ドラム、ミドル・オブ・ラヴ、プリュ・ジュ・タンブラス、ギヴ・ヒム・ジ・ウー・ラ・ラ、ガイズ・アンド・ドールズ、ロード・アイランド・イズ・フェイマス・フォー・ユー、ブン、エヴリシング・アイヴ・ガット、アイ・ヒア・ミュージック、トゥ・ドゥスマン
音 盤:ユニバーサル UCCU-1022


アイ・ヒア・ミュージック
詩 フランク・レッサー

音楽が聞こえてくるよ
最高に素晴らしい音楽
朝の音が遠くから そよ風に乗って運んでくるのは
階段上では 牛乳配達のガラガラいう音
そうだよ それだって音楽
最高に素晴らしい音楽
空では 雀が歌をさえずり、
すぐ近くでは コーヒーが沸いているし、
これはみんな わたしのお気に入りのメロディ

わたしの天使である あなたが電話をくれる、
それもまた わたしにとっては音楽
最高に素晴らしい音楽
だから 物事がうまくいかないような時には、
いつもわたし ベッドから飛び起きて、
この素敵な歌 うたっちゃいます

(訳 山田 誠 )


  「コケティッシュっていう言葉が、この女性(ひと )の声ほど ピッタリくるのって そうないんじゃないか、実に可愛い声質だ 」
  「ホント そのとおりよね。これに限っては ヴァーヴ Verve の音源だから 容易に聴けるんだけど、この趣味の良いコンピレーション盤の中には 貴重なフォンタナ Fontana盤の音源から、あのボブ・ドローデイヴ・フリッシュバーグの有名な共作『アイ’ム・ヒップ I’m Hip 』や、ビートルズジョン・レノンのことを歌ったと言われる 彼女のオリジナル『ヘイ・ジョン Hey John 』、同じくオリジナル名曲 『スウィート・ジョージィ・フェイム Sweet Georgie Fame 』 なんかが ギッシリと収められていて、もう最高! ちょっと手離せないんだな、これが(笑顔 ) 」
  「 ≪タメイキ ≫ 」もうオレは 次の一曲でネタ切れだー
  「アナタ、クラシック系の作品で、音楽について歌った曲、もう思いつかないの 」
  「思いつかない! これで打ち止めか 」

■ バーンスタイン:歌曲「あたし、音楽 大嫌い! 」
バーンスタイン:歌曲「あたし、音楽 大嫌い! 」
バーンスタイン:歌曲集
ロバータ・アレクザンダー(ソプラノ )
タン・クローネ(ピアノ )
収録曲:「私、音楽大嫌い!(全5曲 ) 」、おいしい料理法(フランス語歌唱版 )、同(英語歌唱版 )、二つの愛の歌、とってもきれい、ピッコラ・セレナータ、シルエット、「ミサ曲」から2曲、ペンシルヴァニア大通り1600番から「このハウスを大切に 」、「キャンディード」から2曲、「ピーター・パン 」より4曲
録 音:1985年 オランダ
音 盤:Etcetera(日本フォノグラム 35CD-3043 KTC-1037 )


あたし、音楽 大嫌い!
詩 レナード・バーンスタイン

あたし、音楽 大嫌い! でも 歌うのは好きよ
ラ・ディ・ダ・ダ・デー、ラ・ディ・ダ・デー
でも それは音楽じゃない
あたしが音楽と呼ぶものじゃないわ、そうですとも
音楽っていうのは エンビ服を着た大勢の男の人が
大勢の女のように 沢山の騒音をたてるものなのよ
音楽っていうのは 大きな暗いホールの中に大勢の人がいるものなのよ、
ホントはそこに居たくない人たちばかりでネ。
椅子がたくさんあって、みんな気取ってて、
毛皮のコートやダイヤモンドもいっぱい!
音楽なんてくだらないわ! あたし、音楽 大嫌い!
でも 歌うのは好きよ、
ラ・ディ・ダ・ダ・デー、ラ・ディ・ダ・デー、
ラ・ディ・ダ・ディー

(訳 三浦淳史 )


  「一般には やっぱりミュージカル『ウエスト・サイド・ストーリー 』の作曲者としての認識が高いのではないでしょうか、世紀の存在 レナード・バーンスタインが1942年に作詞・作曲した 子どものための歌曲集『あたし、音楽 大きらい! 』って(笑 ) 」
  「このジャケット、ロバータ・アレクザンダーと一緒に バーンスタインが表紙に写っていたので、てっきりバーンスタイン自身がピアノ伴奏も務めているんだと勘違いして買ってしまった痛恨の一枚 」
  「アナタったら、その手の失敗 多いよね 」
  「バーンスタインの歌曲集のCDなんて ただでさえめずらしいから、まあ買って損した気はしないんだけど・・・ 」
  「 どうせ まともに聴いてないくせに、ぷぷっ(笑 ) 」
  「次、お前の番だぞ 」

■ エポ EPO : 音楽のような風
EPO_音楽のような風(MIDI ) EPO_音楽のような風(MIDI ) 
アルバム「PUMP ! PUMP ! 」から
収録曲:太陽にPUMP! PUMP! 音楽のような風、ナーヴァス、スウィート・エモーション、イッツ・ア・シェイム、アレイ・キャッツ、渚のモニュメント、理想のスタイル - 悲しき個性、切りすぎた前髪、12月のエイプリル・フール、すてきなジェニー
録 音:1985年
音 盤:MIDI INC. 35MD-1016 

 トム・ジョーンズの名曲「よくあることさ It’s A Not Unusual 」でブラス・セクションが炸裂させていた あの特徴的なリズムを、文字どおり風のごとく柔らかくソフトに変質させたような清水信之による見事なアレンジが 耳に心地よい一曲です。楽曲の良さは言うまでもなく、まとまりの良い短編小説のようなEPOのオリジナル詩も 簡潔で素晴らしいです。この時代のEPOの作品 - たとえば「う・ふ・ふ・ふ 」とか「私について 」など、どこかカリスマ性さえある勢いが伴い、向うところ 敵なし といった感じでした。
 詩の設定に「音楽 」を使ったEPOの曲、そう言えば 他にも「ハーモニー 」という忘れがたい名作もありましたね。

音楽のような風
詩 EPO
- オリジナル歌詞 掲載自粛 -


  「・・・お前、ま、まだ いけるのか? 」
  「まだまだよ。ええと、 Y.M.O.坂本龍一 )の 『オンガク ONGAKU 』、ポール・マッカートニーの 『ザ・ソング・ウィ’アー・シンギング(The Song We're Singing ) 』、ジョージ・ハリスンの 『ディス・ソング( This Song ) 』、サイモン & ガーファンクルの『ソング・フォー・ジ・アスキング ( Song For The Asking )』、レオン・ラッセルの『ア・ソング・フォー・ユー (A Song For You ) 』、 エルトン・ジョンの 『僕の歌は君の歌(Your Song )』、ドゥービー・ブラザーズの 『リッスン・トゥ・ザ・ミュージック (Listen To The Music ) 』、シルヴィ・ヴァルタンしあわせの 2分35秒(2’35 De Bonheur ) 』ペトゥラ・クラークの 『 ジス・イズ・マイ・ソング( This Is My Song ) 』 - あ、これって 映画『伯爵夫人 』の挿入歌で 監督チャーリー・チャップリン自身の作詞/作曲なんだよ。 んー、それから マドンナの『ミュージック(Music ) 』、 の 『ポップ・ミューヂック(Pop Muzik ) 』、スティーヴィ・ワンダー の 『 歌を唄えば( I Am Singing ) 』、アース・ウインド & ファイア の『 シング・ア・ソング (Sing A Song ) 』、マントヴァーニ・オーケストラの 『 歌は終わりぬ (Das Lied ist aus ) 』 - これは ロベルト・シュトルツ 原曲。 えーと、それから 放課後ティータイムの 『Utauyo! MIRACLE 』・・・ 」
  「ひえー、降参、降参。もうやめた、約束どおり 今夜は オレがお皿 洗います 」
  「(満足の笑みを浮かべつつ )あ、アナタ、それから中華鍋フライパンも よろしく 」
  ( ! )
  「・・・あ、それ ピチカート・ファイヴの『悲しい歌 』ね (微笑 ) 」
  「そんな歌、知らん! 」
Pizzicato Five
PIZZICATO FIVE『悲しい歌 Triste 』
アルバム「ROMANTIQUE ’96 」
から

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