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ハルサイとか聴いてるヤバい奴はクラスで俺だけ。<配信限定>
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シューベルト 「魔王 」 - はい ココ、試験に出ます !

 こんにちは、“スケルツォ倶楽部発起人 (妻のほう )です。
 重症なクラヲタである「 」 “スケルツォ倶楽部発起人の口から、かつてクラヲタになりたて(笑 )だった若き日の、どうでもよい思い出ばなしを 引き出しています。

 最初の 第一回は ⇒ こちらから

わたし  「そういうわけで、アナタ よろしくね 」
     「って、オマエが何を聞きたがっているのか よくわからないんだが 」
わたし  「でも大変だったわねー、1970年代のクラヲタさんって。自宅で音楽を聴ける機会ったら L.P.レコードかT.V.かラジオだけ -  」
     「それでも生演奏しか音楽伝達の手段が無かった18世紀以前に比べりゃ、ずいぶん便利ではあるのだが。 」
わたし  「・・・って、比較が極端ね、アナタ 」
     「まあ たしかに1970年代には 今日(こんにち )ではあたりまえの インターネット無料動画サイト なんていう媒体は欠片(かけら )もなかったし、iPodに代表される携帯音楽プレーヤーの存在だって未(ま )だ。 大体 最初のソニー・ウォークマン(カセットテープ )の登場さえ やっと1979年になってからだったし・・・ 」
わたし  「アナタが中学校に入学した年が、ええと、1975年だっけ 」
     「そう、ベーム / ウィーン・フィル初来日の年 ( でもこの話題は、またそのうち - ) 」
わたし  「ハルサイとか聴いてるヤバい奴 が クラスではアナタ独りだった、そんな中学生時代、クラヲタだったことで 何か得したことはある ? 」
     「はあ ? そんなの ねーよ、あるわけ・・・ って、あ- ひとつ思い出した。それは、たしか 中二の一学期 期末テストだったかな、『音楽 』の試験で こんな問題が出題されたことがあったよ 」
わたし  「どんな問題だったの 」
     「 - シューベルトが1815年、ゲーテの詩に作曲した歌曲『魔王 』には 登場人物が四人いる。それが誰か 全員 書き出しなさい -  」
わたし  「あー、良い問題じゃない。テストが実施された学期中の音楽鑑賞の時間に、きっと先生は音楽室のレコードシューベルト を 聴かせたんじゃないかしら 」
シューベルト ゲーテ「魔王 」
▲ (左から )メガネを外したシューベルト、「魔王 」 を描いた挿絵

     「そう。今 思えば、ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウジェラルド・ムーア による EMI旧盤。そして授業中もココは しっかり説明があったことまで 俺だけは鮮明に記憶している。 だが意外なことに、この出題に対しては 学年ほとんど全滅で、正解者は 僅か一人しかいなかったんだって 」
わたし  「それが 自分だったっていう自慢(笑 )をしたいんでしょ。普通の中学生なら みんな 『音楽 』の授業なんて どうせ息抜き半分だと思ってる (偏見 ? ) から、もともと真剣に聴いてないのよ 」
     「 『普通の 』 生徒たちにとっては不幸なことに、この問題の配点が意外に高かったんだよ。たかが 『音楽 』 なんかに 期末の総合得点の足を引っ張られたんじゃ 癪(しゃく )にさわると言って、 ある生徒のお母さんが騒ぎだし、他のママ友たちにも声かけて 4 ~ 5人くらいだったかなー、放課後 音楽室まで押し掛けてきちゃった という事件 」
わたし  「ふふん、彼女たち きっと今で言う モンスター・ペアレンツ ってヤツね 」
     「そうだったのかな。 んで、歌曲 『魔王 』 の登場人物 - 言うまでもなく 正解は 父、子、魔王、そして語り手 - なんだけど、この 『語り手 』 を 誰も書けなかったんだ。解答用紙に 魔王の娘 って書いた生徒もいたし、苦し紛れに (笑 ) なんて書いた生徒もいたらしい 」
わたし  「 うま ! (爆笑 )あー、たしかに出てくるわ、うま(お腹を抱える )、うーまー ( 苦しそうにテーブルを叩く ) 」
     「クラシック音楽に無縁のママたちは、正解を聞かされても 『語り手 』 は登場人物じゃないでしょ っていう理屈で 一斉にまくしたてるもんだから、さー たいへん… 」。
わたし  「彼女たちの言い分は ? 」
     「 『この設問は不適切だから 無条件で生徒全員に点数を与えなさいよ 』って -  」
わたし  「えー、それ 無茶だなー。」
     「詰め寄られた音楽の先生は、まだ新任の若い女性で、私立校ゆえPTAには遠慮がちなところもあって、うまく対処できない。 『たとえ一人でも正解を答えた生徒がいるわけですから、不適切な出題とは言えないと思います 』 って必死に正論を繰り返すんだけど、その声も小さいし、ママたちはヒートアップして 聞き入れてもらえないし - 」
わたし  「 ハルサイとか聴いてる クラスで唯一のヤバいクラヲタ(笑 )だったアナタは さあ、どうしたのかしら ? 」
     「この日、オレは たまたま音楽室に残っていて、翌日の朝礼の讃美歌なんかをさらっていた ( オレの中学はキリスト教のミッション・スクールだったので、毎朝礼拝があり、この当時 生徒は交替で奏楽のオルガンを弾くことになっていたのだ - でも これもまた別のはなし。 この話題も またいつか )。 だから この騒動音楽室で 偶然にも目の当たりにすることになったオレは、正直 焦ったね。だってM.P.(モンスター・ペアレンツの略 ) たちの勢いに押し切られ、万一 学校側が 生徒全員に加点しようなんていう展開にでもなったら 冗談じゃない、正解を答えているにもかかわらず オレだけが 加算の恩恵を受けられず、それどころか 逆に加算配点分だけ 成績順位を追い抜かれるわけだろー、どう考えたって不公平じゃん 」
わたし  「ん まあ、そうね 」
     「思わず立ち上がって、M.P.の母親たちと 壁際まで追い詰められていた音楽の先生との間に割り込んだね、変声期を迎えたばかりの声で。もう必死に説明してやったわけよ。曰く シューベルトの『魔王 』とは、歌手が複数の人物を歌い分けることが肝の歌曲であること、4人の登場人物とは『客観的な語り手 』、『冷静な父親 』、『錯乱する子 』、『誘惑する妖しい魔王 』 を指すことは音楽鑑賞上常識であり、授業の中でも 先生は しっかり説明なさってました、ほら 教科書にもちゃんと載ってますよ - って。 クラスメートで顔見知りのお母さんもいたので、さすがに正解した生徒本人からの感情的な説明には誰も反論できなかったのか、気勢を削がれたのか、結局 ママたちは 大人しく引き上げてくれた というわけ 」
わたし  「めでたし、めでたし。 クラスに『ハルサイとか聴いてるヤバい奴 』 が かろうじて一人いたおかげで、音楽の先生は 助かったっていう話ね ? 」
     「そういうことかも。 実話です ! 」
わたし  「クラスにひとり クラヲタは必携ね。 って、続く ?

シューベルト Franz Schubert シューベルト フィッシャー・ディースカウ Dietrich Fischer-Dieskau

▼ スケルツォ倶楽部 関連記事は こちら

⇒ シューベルト「魔王 」を聴き比べる。 (架空のシューベルティアーデ より

⇒ NHK大河「平清盛 」で 後白河法皇に ゲーテの「魔王 」が憑依したら

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