スケルツォ倶楽部 Club Scherzo 
  全記事一覧は ⇒ こちら All Title List
  ねじの回転 」 もくじは ⇒ こちら


ブリテン : 歌劇 「ねじの回転 」 The Turn of the Screw
(原作:ヘンリー・ジェイムズ )
 - 本当はもっと怖い真相 

ねじの回転_屋敷の中庭 お茶を飲む ベンジャミン・ブリテン

第一幕 第3場「手紙 」 

 十二音音階のバス進行に乗せ 弦セクションと木管群とが交互に交わし合う会話 - 軽やかささえ感じさせる 爽やかな楽句が 互いに打ち解け合おうとする家庭教師グロース夫人の関係まで連想させる 短い間奏曲
 グロース夫人が、夏季休暇中のマイルズの寄宿学校長から届いた一通の手紙を「先生 」に手渡します (ジェイムズの原作では、その手紙の差出人は ロンドン後見人からで、彼女が期待して中身を開くと 学校長からの未開封の手紙が 同封されている、ということになっています )。 手紙の中身に目を通した彼女は 愕然とします。 なぜなら、そこには 「他の生徒に害を為すので マイルズを 退校処分にする 」 などという 一方的な通達が書かれていたからでした。
 妹フローラと仲よく 「ラヴェンダーの王様と女王様ごっこ 」で遊んでいる 可愛らしいマイルズの姿を 窓の外に眺めながら、学校側からの このように不名誉な処断を 天使のようなマイルズが受けること自体が信じがたい「先生 」は、退学通知の事実をマイルズ本人には一切知らせぬことを決意、グロース夫人に宣言します ( I shall do nothingI shall say nothing )。 これに感激しながら賛同する家政婦は 「先生 」にキスし、ともに子どもたちを守り、最後まで彼女の忠実な味方であることを誓うのでした。
ねじの回転_家庭教師と家政婦 (2)

 それにしても マイルズが学校でしでかしたこととは何だったのか、退学処分になるほどの「害 」とは 一体何だったのでしょうか。
 こういう場合、普通であれば 学校側に詳細を問い合わせるべきと思いますが、「先生 」は 敢えて何もせず、またこれほどの重要なことを後見人にも一切知らせないのです、これは致命的な判断ミスではないでしょうか。 ・・・といっても その動機がわからなくもありません。 後見人には 報告も相談もしない関係を保つ というのが 採用当初の約束でしたから、彼女は きっと着任早々 そんな依頼主には頼れないと思ったに違いありません。
 そんな彼女の判断の根拠を曖昧にすることも 原作者ヘンリー・ジェイムズの巧みな手腕でもあるわけですが。

次回は・・・ 【第一幕 第4場 「塔 」 】

にほんブログ村 クラシックブログ クラシック音楽鑑賞へ
にほんブログ村
blogram投票ボタン
人気ブログランキングへ
Club Scherzo, since 2010.1.30.



関連記事
スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿

トラックバック

トラックバック URL
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)