本記事は 8月24日「 注目記事ランキング クラシック音楽鑑賞 」で 第1位 となりました。
皆さまのおかげです、これからも 何卒よろしくお願い申し上げます。


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アンラヴェル “ラヴェル” ラヴェルメント
Unravel RAVEL Ravelment 
  もくじは ⇒ こちら
ravel[1] Unravel RAVEL Ravelment (5) Unravel RAVEL Ravelment (2) unravel RAVEL ravelment
 “unravel
─  【 vt. 他動詞 】 解明する、 (もつれた糸などを ) ほどく、
    (物語の筋を )解決させる; (話し言葉 )破綻させる.
 “Ravel
─  【 n. 固有名詞 】 モーリス・ラヴェル Maurice Ravel
    (1875-1937 )フランス印象派の作曲家.
   “ravelment
─  【 n. 名詞 】  紛糾、混乱、もつれ
                        三省堂「EXCEED 英和辞典 」より


ボレロ 」 のレコード、
最も速い演奏、最も遅い演奏 - 「収録時間 」 で 比較。


 ラヴェルの「ボレロ 」は、超名曲であるがゆえに 現在までにリリースされたレコードの数も膨大で、私が 今回 調査した 名盤たち以外にも まだ相当数の録音があるものと思われる。
 もし 現存するすべての音盤の資料データを これに加えることが可能であれば、さらに速い演奏さらに遅い演奏 の存在が確かめられる可能性も 当然 高くなるわけで、そう考えれば 本来なら 公開するデータとしては この程度の内容では不完全と言われてしまいそうだが、あくまで 私“スケルツォ倶楽部”発起人が 個人的に所蔵しているコレクション、および 実際に耳で聴いて確認できた音盤の情報を これに加えた、限定的なランキング・データに過ぎないということを、最初にお断りしておきたい。
 尚、タイミング ( ○分○秒 -  )のほうも あくまで各音盤に表示されている「収録時間 」のデータであり、厳密に「演奏時間 」を測ったわけではないことも また ご容赦いただきたい。
 しかし 例えば セルジュ・チェリビダッケなどの演奏は (ご存知のとおり ライヴ・レコーディングである )、当然 聴衆の拍手を除いたタイミングで表示するなど 常識的な範囲では 考慮したつもり。


 ・・・それでは まず、栄えある「最短最速 」記録「第一位 」 演奏を収めた一枚を ご紹介。
 それは、今年(2014年 ) 7月13日に 惜しくも逝去した、異能の大指揮者 ロリン・マゼールの 第一回目の 「ボレロ 」 録音 ( この後、マゼールは 1981年に フランス国立管弦楽団との第二回、1996年に ウィーン・フィル との第三回 - と、いずれも個性的な解釈で 「 ボレロ 」を レコーディングすることになるのだが、演奏スピードは この初回の速さほどではない )。淡々と進む演奏かと思って聴いていると、エンディング近くで ホ長調へ転調するところと ハ長調に戻るところの二ヶ所ほどで さりげなく テンポ・ルバートを かけるところが 迫力のアクセントになっていて、いかにもマゼールらしい 計算された仕掛けにも事欠かない。 ちなみに、この場所は 後年のウィーンフィルとの RCAレコーディングでは、凄まじい 大見得を切るような演出になっていることは よく知られているとおり。 ご興味のある方は ぜひ一度 お聴き比べ されたし。
 さて、快速に飛ばす この 第一回 マゼール(EMI )盤、 もしラヴェル先生ご本人が お聴きになられたら、果たして どんな感想を漏らされるだろうか。

ロリン・マゼール1958 トスカニーニ Unravel RAVEL Ravelment (3)
(左から ) 最速記録保持者ロリン・マゼール、巨匠トスカニーニ に そっぽを向く (? )ラヴェル先生
 ラヴェルが生涯好まなかったという伝説も残る アルトゥール・トスカニーニの快速演奏・・・ この マゼール / ニュー・フィルハーモニアの速さに負けないスピードだったのだろうか? なぜなら 幼少時から 天才指揮者だった ロリン・マゼールは、すでに 11歳のとき トスカニーニに その才能を認められ、 巨匠が率いていた NBC交響楽団を 指揮したこともあるほど( ! ) だから、 「ボレロ 」 レコーディングにのぞんで 尊敬する トスカニーニ解釈を 参考にしたとしても、その経緯から 納得できる面がないとは言えない ( って、二重否定の肯定文である )。
 ああー、いずれにしても トスカニーニの演奏が もし 放送録音でも残っているなら、是非 聴いてみたいものだ。

最速レコーディング
Ravel_Bolero_Maazel_EMI C- 063-02 312 最速「ボレロ 」_マゼール_ニューフィルハーモニア
13分05秒
ロリン・マゼール 指揮
ニュー・フィルハーモニア管弦楽団
録音:1971年(EMI )

13分24秒
ポール・パレー指揮
デトロイト交響楽団
録音:1958年(Mercury )

13分30秒
パーヴォ・ヤルヴィ 指揮
シンシナティ交響楽団
録音:2003年(TELARC )

13分41秒
ジャン・マルティノン 指揮
シカゴ交響楽団
録音:1966年(RCA )

13分49秒
シャルル・ミュンシュ 指揮
ボストン交響楽団
録音:1956年(RCA )

13分51秒
エマニュエル・クリヴィヌ 指揮
ルクセンブルク・フィルハーモニー管弦楽団
録音:2011年(ZIG ZAG TORRITOIRES )

13分53秒
ロリン・マゼール 指揮
フランス国立管弦楽団
録音:1981年(Sony-Classical )

14分11秒
ジュゼッペ・シノーポリ 指揮
フィルハーモニア管弦楽団
録音:1988年(D.G. )

14分20秒
エルネスト・アンセルメ指揮
スイス・ロマンド管弦楽団
録音:1963年(DECCA-LONDON )

14分20秒
クラウディオ・アバド 指揮
ロンドン交響楽団
録音:1985年(D.G. )

14分21秒
エリアフ・インバル 指揮
フランス国立管弦楽団
録音:1987年(DENON )

14分23秒
リッカルド・シャイー 指揮
アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団
録音:1986年(DECCA-LONDON )

14分25秒
ローラン・プティジラール 指揮
オルケストル・シンフォニク・フランス
録音:1990年

14分30秒
セミヨン・ビシュコフ 指揮
パリ管弦楽団
録音:1992年(PHILIPS )

14分34秒
ミシェル・プラッソン 指揮
トゥールーズ・キャピトル劇場管弦楽団
録音:1986年(EMI )

14分41秒
ロリン・マゼール 指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
録音:1996年(RCA-BMG )

14分44秒
ヘルマン・シェルヘン 指揮
ウィーン国立歌劇場管弦楽団
録音:1957年(Westminster-MCA )


14分44秒
ゲオルク・ショルティ指揮
シカゴ交響楽団
録音:1976年(DECCA-LONDON )

14分45秒
アルミン・ジョルダン 指揮
スイス・ロマンド管弦楽団
録音:1985年(ERATO )

14分47秒
イーゴル・マルケヴィチ 指揮
スペイン放送交響楽団
録音:1966年(PHILIPS )

14分49秒
エドゥアルド・マータ 指揮
ダラス交響楽団
録音:1983年(RCA )

14分51秒
ジャン・マルティノン指揮
パリ管弦楽団
録音:1974年(EMI )

14分55秒
ベルナルト・ハイティンク 指揮
ボストン交響楽団
録音:1996年(PHILIPS )

14分58秒
佐渡 裕 指揮
ラムルー管弦楽団
録音:1999年 (ERATO )

14分59秒
ピエール・ブーレーズ 指揮
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
録音:1993年 (D.G. )

15分02秒
小澤征爾 指揮
ボストン交響楽団
録音:1974年(D.G. )

15分03秒
シャルル・デュトワ 指揮
モントリオール交響楽団
録音:1981年(DECCA-LONDON )

15分21秒
ヴラディーミル・アシュケナージ 指揮
NHK交響楽団
録音:2003年(Octavia-EXTON )

15分23秒
アンドレ・クリュイタンス指揮
フランス国立放送管弦楽団
録音:1953年(EMI )

15分23秒
ピエール・モントゥー 指揮
ロンドン交響楽団
録音:1964年(PHILIPS )

15分25秒
エドゥアルド・ヴァン・ベイヌム 指揮
アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団
録音:1958年(DECCA-LONDON )

15分27秒
アンドレ・クリュイタンス指揮
パリ音楽院管弦楽団
録音:1961年(EMI )

15分28秒
ケント・ナガノ 指揮
ロンドン交響楽団
録音:1997年(ERATO )

15分32秒
ピエール・ブーレーズ 指揮
ニューヨーク・フィルハーモニック
録音:1974年(CBS-SONY )

15分32秒
ジェフリー・サイモン 指揮
フィルハーモニア管弦楽団
録音:1986年(CALA )

15分35秒
ピエロ・コッポラ 指揮
グラン・オルケストル・サンフォニーク・ドゥ・グラモフォン
録音:1930年(HMV )


15分36秒
ジャン・マルティノン 指揮
NHK交響楽団
録音:1963年(KING-NHK )

15分40秒
レナード・バーンスタイン 指揮
ニューヨーク・フィルハーモニック
録音:1975年(CBS-SONY )

15分40秒
ネヴィル・マリナー 指揮
アカデミー・オブ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズ
録音:1994年(Hänssler )

15分41秒
ユージン・オーマンディ 指揮
フィラデルフィア管弦楽団
録音:1973年(RCA )

15分46秒
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
録音:1985年(D.G. )

15分46秒
ヴァレリー・ゲルギエフ 指揮
ロンドン交響楽団
録音:2009年(LSO )

15分50秒
ダニエル・バレンボイム指揮
シカゴ交響楽団
録音:1991年(ERATO )

16分06秒
サイモン・ラトル 指揮
バーミンガム市交響楽団
録音:1990年(EMI )

16分08秒
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
録音:1977年 (EMI )

16分09秒
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
録音:1966年(D.G. )

16分24秒
モーリス・ラヴェル 指揮
コンセール・ラムルー管弦楽団
録音:1930年(France Polydor )


16分44秒
ピエール・デルヴォー 指揮
コロンヌ管弦楽団
録音:1958年以降(EMI )

16分53秒
ジョス・ヴァン・インマゼール 指揮
アニマ・エテルナ
録音:2005年(ZIG ZAG TORRITOIRES )

17分04秒
シャルル・ミュンシュ 指揮
パリ管弦楽団
録音:1968年(EMI )

17分15秒
アンドレ・プレヴィン 指揮
ロンドン交響楽団
録音:1978年(EMI )

17分29秒
ダニエル・バレンボイム 指揮
パリ管弦楽団
録音:1981年(D.G. )

18分11秒
セルジュ・チェリビダッケ 指揮
ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団
録音:1983年(EMI )


最遅レコーディング
Westminster RECORDS_WL 5297 - Pedro de Freitas Branco - Ravel Bolero 最も遅い「ボレロ 」_ペドロ・デ・フレイタス・ブランコ_EMI France
18分36秒
ペドロ・デ・フレイタス・ブランコ 指揮
シャンゼリゼ劇場管弦楽団
録音:1953年(Westminster - EMI France )


 「ボレロ 」の作曲者ラヴェル自身が この曲では遅いテンポを好んでいたことは、よく知られている。そのラヴェルの信任が厚かったと伝わる リスボン出身の指揮者 ペドロ・デ・フレイタス・ブランコ Pedro António da Costa de Freitas Branco (1896 – 1963 ) が 超スローテンポを選んだ理由は、そういう経緯で納得できる面がないとは言えない ( って、ここでも また 発起人が好む 二重否定の肯定文である )。
 もとい。 この演奏は まるで大型重機械が 傾斜10度の坂道を ゆっくりと緩慢に登ってゆくかのように スケールも壮大。 後半では今にも止まりそうな テンポ・ルバートを 何度もかけ、そのたび坂道から転がり落ちるのではないかとハラハラするスリルも満点。ヴィブラート過多気味な金管の音色なども まるでマリアッチのよう (笑 )。
 ただ 曲のクライマックスで、あまりにも遅いテンポ設定にしびれを切らしたか、パーカッション奏者のひとりが 「ここぞ 」という要所大太鼓一撃のタイミングを 先走って 外してしまっているのが、本当にイタイ

 そう言えば、メロディアには エフゲニ・ムラヴィンスキーレニングラード・フィルを 振った 「ボレロ 」の録音(1952年 )も 存在するらしい。 発起人 未聴 ・・・。
 トスカニーニは別格だが、 この他にも 「存在するなら 聴いてみたい ボレロ 録音」の筆頭は、 ジョージ・セル / クリーヴランド管弦楽団による演奏である。 
ムラヴィンスキー George Szell スヴェトラーノフ ノリントン
 
 スヴェトラーノフなんかも もし晩年に録音があれば きっと相当 凄そうだけど、レコーディングの存在は 聞いたことがない。ロジャー・ノリントンも 手がけていれば かなり オモシロくなりそうな気もするが、録音はないのだろうか。 この翁はまだまだ元気なはずだから、大いに期待したいところ。
  しかし ないものねだりの 極めつけと言ったら、やっぱり カルロス・クライバーではないだろうか。 もしも録音があるなら オーケストラは もうどこでもいい ! ないことは わかってはいるが、さあ 一体 どんなテンポで やってくれたことだろうなー ・・・興味津々。
Carlos kleiber


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| ID:

トスカニーニの放送録音は やはり・・・

通りがかりの者 さま !
極めて貴重なトスカニーニの放送音源(1939年1月21日 )が聴ける M&A盤 のご紹介、誠にありがとうございます。
教えて頂いたとおり URL( https://www.youtube.com/watch?v=HiYIiPWZ6cQをクリックし、あまりにも手軽に You Tubeで 放送録音を聴いてみたら・・・ ムムッ やはり発起人の予想(本文をご参照 )を裏付けるかのように、その演奏は ロリン・マゼールが指揮するスタイルに酷似・・・ って、いえ もちろん正確に言えば、幼き日に その才能をトスカニーニに認められたマゼールが、偉大なトスカニーニ直伝の「ボレロ 」解釈を 継承したものだったに相違ありません。これが、誰にも耳で確かめられる 非常に価値の高い録音ですね。

URL | “スケルツォ倶楽部” 発起人 ID:-

トスカニーニのボレロ

CDがあります。
Music & Arts CD898 (1995) "Arturo Toscanini Conducts the Music of France"

ここに収録されたボレロ(1939年1月21日の放送録音)の演奏時間は14分16秒です。
(You Tubeでは14分13秒。
https://www.youtube.com/watch?v=HiYIiPWZ6cQ

淡々、整然とした演奏ではありますが、せかせかしているとまでは言えないテンポだと思います。

Bメロディの後半で大胆にリテヌートするのが特徴で、特にオーケストレーションが厚い部分では効果的です。

ご参考までに。

URL | 通りがかりの者 ID:-

トマト大福 さま !

初めまして。 お便り、どうもありがとうございます(喜 )。
デルヴォーの旧盤、ハンブルグ国立フィルハーモニー管弦楽団とのもの(18:40 )・・・ ですよね。 そうなんですよ、トマト大福様の ご提供くださった この情報が どうやら ブランコ盤を 数秒上回る大記録であるらしい - というウワサを 聞いてはいましたが、しかし エヴィデンスとなる 肝心な音盤を 私 発起人、所有していないどころか 見たこともなかったのです。演奏を聴いていない以上は、やはり書けませんでした (悔し泣き )
今回の ブログは、個人的な所蔵コレクションと 自分の耳で聴いて確認できた音盤のデータに限る - という、限定的なランキングではありました。でも さすがに フレイタス・ブランコを上回るらしい 最遅レコーディングの存在を、せめて参考情報として提示すべきだったかな と反省しております。
ナイスなお便り、ありがとうございました。これからも どうぞ気楽にお立ち寄りくださいね。

URL | “スケルツォ倶楽部”発起人 ID:-

NoTitle

初めまして、楽しく読んでいます、最遅のボレロですがデ.ブランコさんよりもデルボーさんの一回目(ミュンヘンかバンベルクとのモノラル録音)のボレロが18分後半で一番遅い演奏だと思いましたが御参考までに、間違いなら御免なさいですね。

木曽のあばら屋 さま!

いつも さすがの良コメント ありがとうございます。
さすが チェリビダッケは 押さえておられましたね。 うーん、なるほど、アファナシエフに振ってもらうという手がありましたか(笑 )。おそらく 確実に 20分を超える(?)演奏中、ずっと 一貫して スローテンポを維持することを求められ、腱鞘炎になりそうな両腕を必死に伸ばしながら ひたすら叩き続ける 苦行僧のごとき小太鼓奏者の 心の内側を 私も覗いてみたくなりました。

URL | “スケルツォ倶楽部”発起人 ID:-

小太鼓奏者の憂鬱

こんにちは。
最短と最長で5分以上も違うのですね。
チェリビダッケのは持ってまして、「おそ~」と思ってたんですが、
それよりも遅い演奏が存在することにびっくり。
こうなったらアファナシェフにでも指揮してもらうしかないですね。
20分超えそう・・・。

なお、「ボレロ」の小太鼓奏者はすごいなあと毎度思います。
よく途中で気が遠くならないものです。
ご本人は、どう思ってるんでしょうね。
「しんどいな~、いやだな~」と思ってるのか、
「最初から最後まで出ずっぱり、やったぜ!」と思うのか。

URL | 木曽のあばら屋 ID:GHYvW2h6[ 編集 ]

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