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名ベース奏者、チャーリー・ヘイデンの逝去を惜しむ。
Now Is The Hour_Charlie Haden-Quartet West_Gitanes(Verve ) Charlie Haden BEYOND THE MISSOURI SKY (SHORT STORIES)Verve

日経電子版(2014年 7月12日 12:21 )より
「チャーリー・ヘイデン氏が死去 」
 チャーリー・ヘイデン氏(米ジャズベース奏者 ) AP通信によると、11日、ロサンゼルスで死去、76歳。長く ポスト・ポリオ症候群 を患っていた。
 氏は ジャズミュージシャン、1959年にオーネット・コールマンのカルテットに加わり注目を集めた。米ジャズ界最高の栄誉とされる国立芸術基金(NEA )ジャズマスターズ賞やグラミー賞を受賞した。(ニューヨーク=共同 )


☆ ポスト・ポリオ症候群に関する、スケルツォ倶楽部 過去の 関連記事
⇒ こちら ( ゲルハルト・シュトルツェ の最後の映像から 症状を考察する

Wikipediaより
 チャーリー・ヘイデン Charles Edward "Charlie" Haden(1937 – 2014 )
 70年代から80年代までファースト・コール・ミュージシャンとして鳴らし、オーソドックスな4ビートからフリー・ジャズ、フュージョンまで幅広く活躍した。バックでベースラインを弾く時もソロを弾く時も 彼の特徴である暖かい音色、朴訥としてかつ叙情的なメロディーは変わることなく、どのようなジャンル、楽曲を演奏する時でも それは同じであった。そうしたプレイ・スタイルや、また彼のオリジナル曲やリーダー作では叙情的な楽曲と同様に政治的なテーマを扱うことが多かったが、それらは彼の人間に対する深い愛に根ざしていた。

― 略歴 ―
 10代よりベースを始め、1957年からロサンゼルスにて アート・ペッパー、ハンプトン・ホーズ、デクスター・ゴードン、ポール・ブレイ等とセッションを重ねる。
 1959年、オーネット・コールマンのカルテットに参加。この頃の経験が、彼のスタイルの原点となる。
 1967年より、キース・ジャレット・アメリカン・カルテットに参加。
 1967年、カーラ・ブレイらとリベレーション・ミュージック・オーケストラを結成。このバンドは、反戦や政治的なテーマをもって活動を行なった。
 1987年、アラン・ブロードベントらとCharlie Haden Quartet Westを結成。古き良き時代のアメリカ映画をテーマとした。
 2000年、パット・メセニーとの共作アルバム「ミズーリの空高く Beyond the Missouri Sky 」 で グラミー賞最優秀ジャズ・インストゥルメンタル・グループを受賞。
 これらの他にも多くのミュージシャンとセッションしており、デュオ・アルバムも多数制作されている。
 2014年7月11日、ロサンゼルスで死去。76歳。



 チャーリー・ヘイデン・・・ 意外に高齢だったんだなーというのが 訃報を聞いての 最初の印象でした。揺るぎない確かな音程と 包容力のある温かい演奏、堅実なプレイが特徴の 偉大なミュージシャンでした。 心よりご冥福をお祈り申し上げます。

 チャーリー・ヘイデンと言えば、やはりオーネット・コールマン最初期のフリー・ジャズ・グループにおける唯一の白人メンバーとして起用されたことによって、後の政治的な活動とも関連づけて まずは語るべきなのでしょうが・・・
ORNETTE COLEMAN QUARTET - This Is Our Music (1960) ORNETTE COLEMAN QUARTET - In All Languages (1987 )
ヘイデンを含む オーネット・コールマンのオリジナル・クァルテット(左 )1960年、(右 )1987年の再会セッション

 しかし 私 “スケルツォ倶楽部”発起人 が このベーシストを リアルタイムで意識した最初は、ECM時代のパット・メセニーが1979年に発表したL.P. 2枚組の大作「80 / 81 」において - パット・メセニー(ギター )の他、ジャック・ディジョネット(ドラムス )、デューイ・レッドマンマイケル・ブレッカーという二人のテナー・サックス奏者をフロントに迎えた名盤 - でした。
PAT METHENY パット・メセニー 80 81 (ECM_2LP-180G ) With Metheny,Haden (ECM)

 私は 音楽に政治的な要素が持ち込まれることが 正直 生理的にキライなので、それゆえ“ジャズにおける人道主義”などと持ち上げられた挙句 イイ気になって旗を振っている(ように見える )スペイン市民戦争をテーマにした「リベレーション・ミュージック・オーケストラ(1969年、Impulse ) 」なんかよりも・・・
リベレーション・ミュージック・オーケストラ

 ・・・ 純粋に一人のベース奏者として 音楽表現に徹するヘイデンの姿勢のほうにずっと大きな好意を感じていましたから、たとえば1982年のコンラッド・シルヴァートによる あの美しい最期のコンサート企画( Conrad Silvert Presents Jazz At The Opera House、CBS-Sony )における ウェイン・ショーターウィントン・マルサリスらとの 文字どおり一期一会の歴史的共演や・・・
Conrad Silvert Presents Jazz At The Opera House Conrad Silvert Presents Jazz At The Opera House
▲ (左から )チャーリー・ヘイデン 、その背後に ジャコ・パストリアス、トニー・ウィリアムス、ウィントン・マルサリス、コンラッド・シルヴァート、ルー・タバキン、秋吉敏子、パット・メセニー、カルロス・サンタナ、ボビー・ハッチャーソン、ウェイン・ショーター、ハービー・ハンコック

 ・・・ 1987年以降のマイケル・ブレッカーのリーダー・アルバム諸作(Impulse )などに 彼が参加した際の ひたむきなプレイを聴くほうが、ずっとずうーっと好きでした。
Charlie Haden スケルツォ倶楽部_0004 Charlie Haden スケルツォ倶楽部_0006
Charlie Haden スケルツォ倶楽部_0002 Charlie Haden スケルツォ倶楽部_0003 Charlie Haden スケルツォ倶楽部_0005

 そういう理由(わけ )で、チャーリー・ヘイデン最良のプレイを おススメするのであれば、 1987年に ニュージーランド出身のピアニスト、アラン・ブロードベントらと結成した 彼のクァルテット・ウェストQuartet Westを聴くか、あるいはやはり キース・ジャレットパット・メセニージョン・テイラー などと共演した 素晴らしい デュオ・アルバムの中から 選ぶことになるでしょう。
Keith Jarrett and Charlie Haden duo album “Last Dance”_ECM BEYOND THE MISSOURI SKY (SHORT STORIES)Verve チャーリー・ヘイデン ジョン・テイラー : ビタースイートBittersweet

 でも とりわけ “スケルツォ倶楽部発起人が 推薦するアルバムは、以前もご紹介したこと ありますが、やはりクァルテット・ウェストQuartet West名義の一枚 「ナウ・イズ・ジ・アワー Now Is The Hour 」(1995年、Gitanes )ですね。
Now Is The Hour_Charlie Haden-Quartet West_Gitanes(Verve ) Charlie Haden
▲ これは ジャケットも良いのですが、中身は さらに優れた モダンな内容です。
スケルツォ倶楽部 過去記事は こちら ⇒  LOVE ♡ KISS ジャケット 特選
 
 アルバム 冒頭1曲目「Here's Looking At You 」で刻まれるヘイデンのベースと渋いストリングス・アンサンブルの音色に乗せ、 アーニー・ワッツが奏でる 苦いテナーの素晴らしさ、続いて まるで夏の思い出のように 儚(はかな )く 美しい「The Left Hand Of God 」におけるヘイデンの温かくも深い音色のベース・ソロ、そして レニー・トリスターノの厳粛な「Requiem 」から 徐々に明るい場面転換が果たされるような視覚的効果も満点の チャーリー・パーカーの 4ビートも心地良い バップの名曲「Back Home Blues 」に移行する瞬間の素晴らしさ・・・ と、ここまで聴くだけでも その満足度の大きさから 十分 元が取れてしまうほどの名盤でしたね。 今宵、ぜひご一緒に 聴きなおしましょう。

 チャーリー・ヘイデン - 豊かな才能に満ち溢れ、その創作意欲は最後まで衰えず、高い実力ゆえに たいへん多くの優れたミュージシャンとの幅広い交流歴を持ち、コンスタントに良い仕事を続けた 個性的な存在でした。わたしたちは また ひとり かけがえのない才能ジャズ・ジャイアントを失いました。 今、心より その死を悼み、偉大な功績に敬意を表しつつ 合掌いたします。


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