Getz Children Of The World (CBSソニー 25AP-1696 ) スケルツォ倶楽部 ⇒ 全記事 一覧は こちら
午後のジャズ喫茶 「カフェ ソッ・ピーナ」から
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サド・ジョーンズ
「ザ・マグニフィセント (ブルーノート ) 」 1956年


 こんにちは、スケルツォ倶楽部“発起人”妻のコーナーです。
 おかげさまで、わたし 昼間は ヒマしております。夫の晩ごはんの支度や 翌日のお弁当のお惣菜などは、午前中のうちに仕込んでしまう習慣なので、お洗濯さえ済ませてしまえば、午後は 自由時間なのです(忍び笑)。
 さて、今年1月末から当ブログ・ライフが始まりましたが、朝、出かける前の夫から「スケルツォ倶楽部」の下書原稿を USBメモリーで渡されなければ、実は 自分からパソコンを開くことも あまりないのです。もちろん、気が向けば(おかげさまで ご好評を頂いてる)「スティーヴ・ガッドを讃える。 」の続きも書きますけど、夜、帰宅してから夫が 必ず内容に目をとおしてから 彼自身でサーヴァへ投稿することになっているので、独りで過ごしていると 今日のような 暖かく晴れた昼下がりなど わたしは 外へ出たくなってしまう(うきうき )。

 満開の桜並木を抜けて、公園のそばにある 小ぎれいな雑居ビルの2階まで上っていけば、老舗のジャズ喫茶店「ソッ・ピーナ 」・・・って変な名前。もう1970年代から、ずっとこの場所にあるのだそうです。ジャズ喫茶、名曲喫茶も ずいぶん少なくなってしまいましたね。
 わたしは、今でも毎週一度は ここに通って、マスターの選んでくれるディスクを聴きながら 美味しいコーヒーを楽しんでます。 古いジャズ(だいたい50年代以降 )モダン・ジャズ(特に60年代前後 )を中心に フュージョン(70年~80年代 )から (ジャズ系のミュージシャンが参加していれば )ロック・ポップスの音盤まで 5,000枚以上も お店の奥に揃ってます。決して安易に有線放送などを 導入してこなかったところも エライと思います。
 夫以外の男性と話をする機会の少ない わたしのような主婦にとって、ここでの時間は 結構 貴重なひととき。マスターには 常連 と呼ばれてもよいと思う。

 防音の役割も果たしている 大きな重い木製ドアを 力一杯 開ければ、ドアに取付けられたカウベルがガラガラ揺れる音もマーラー第6交響曲みたいに心地よく、「さて、今日は どんなレコードがかかってるんだろう 」と、小さな胸をわくわくさせながら 12坪ほどの店内に入ります。
 ジャズ喫茶にしては珍しく、壁一面ガラス張りの とても明るい店内がお気に入り。その窓からは 公園の池にはボートが浮かんでいるのが見えます。
いらっしゃいませ~
 独りで この喫茶店を営んでいるマイペースの二代目マスターが、カウンターの向こうから 無愛想に声をかけてくれました。何も言わないのは機嫌の良い証拠。年齢不詳 独身草食系、でも 音楽にだけは とても詳しい。実は この雑居ビルのオーナーの息子さんなのだ。好きなことやらせてもらって、売上は悪くても お店は維持していられるという、うらやましい環境。
 さて、いつものカウンター席に着いてと。決して広くはない店内をぐるっと見回すと、十二席あるテーブル席は、やっぱり 今日もからっぽですね。と、そう言ったら マスター 必死に否定、
「こういう店は 夕方から 混むことになっているんですったら。今度いちど 夜8時過ぎ頃に 来て見てくださいよ、ウソだと思ったら - 」
 ふふん、絶対ウソだよね。わたしには判るのだ。

 正直 わたしは オーディオには 全然詳しくないのですが、先代のオーナーの頃からずっと使われているという 天井まで届くかと思われるような高さと 横幅も相当ある 店内の古いスピーカーには ずっと圧倒されてきました。それは素晴らしく良い音で、しかも 思いきり大音量で聴けるのが、嬉しい。
 あ、マスターが 鳩のジャケット で有名な ブルーノート
ザ・マグニフィセント、サド・ジョーンズ The Magnificent Thad Jones1527番)」 のA面
かけてくれる。 ・・・これ 聴くの、スゴイ久し振りだなー。

The Magnificent Thad Jones (Blue Note 1527) 
The Magnificent Thad Jones(Blue Note 1527)
 サド・ジョーンズ Thad Jones(tp.)
 ビリー・ミッチェル Billy Mitchell(ts.)
 バリー・ハリス Barry Harris(p.)
 パーシー・ヒース Percy Heath(b.)
 マックス・ローチ Max Roach(ds.)
1956年 7月14日録音(Blue Note )


 リーダーのサド・ジョーンズは、名ピアニスト ハンク・ジョーンズ Hank Jonesの弟で、名ドラマー エルヴィン・ジョーンズ Elvin Jonesの兄でもある、カウント・ベイシー Count Basie オーケストラ(ジャズの名門ビッグ・バンド)の首席ソリストを務めた名トランペッター
 盛大な針音と共に流れてくる冒頭、ドラム奏者マックス・ローチの ブラシでこするリズムが静かーに忍び寄ってきて、思わず耳をそばだてます。

カフェ・オレ お待ちどーさまー 」
「わあ~ 良い香り。ところで マスター、このレコード、オリジナル盤? 」
「まさか。80年代の東芝盤ですよ 」

 このA面1曲目は、今の季節に相応しく「パリの四月 April in Paris」、サド・ジョーンズが活躍していたカウント・ベイシー楽団での名レパートリーとしても有名。大ヒットしたVerve盤のレコーディングで、トップバッターのソリストだったのが、誰あろう、このサド・ジョーンズでした。彼は ベイシー楽団盤で聞けたのと同じフレーズを引用して ソロを開始。 うーん、熱いコーヒーの湯気を吸い込み、ここの窓から公園と満開の桜並木を眺めながら、重低音のリズムが お腹に響く快感を楽しむ。リラックス・・・
 2曲目コロコロ転がるピアノのイントロに続いてフロントのサド・ジョーンズビリー・ミッチェルの二人が、お互いに寄りかかり合って歩いていくような、もっさりとした「ビリー・ドゥー Billie-Doo」、楽しい。
 3曲目イフ・アイ・ラヴ・アゲイン If I Love Again」は1930年代の古いスタンダード・ソングとのこと。跳躍する独特なメロディ・ラインも親しみやすい、ここでのマックス・ローチのシンバル・ワークを聴いていると、あれ? どうしてだか 天才トランペット奏者 クリフォード・ブラウン Clifford Brown のことを連想してしまう。何故かなー ・・・って、マスターに それを訊いてみると・・・。
 
Max Roach(Emarcy)1955    Clifford Brown(by Chuck Stewart)1955
▲ マックス・ローチ(1924~2007 )、クリフォード・ブラウン(1930~1956 )

 「ははあ・・・、それは たぶんマックス・ローチドラムスの音がキーワードでしょうね。この録音の当時ローチは 天才クリフォード・ブラウンと組んで 伝説のローチ=ブラウン双頭バンドを組んでいました(1954年春頃~)。しかし、この『マグニフィセント、サド・ジョーンズ』が録音される 僅か20日前1956年6月26日、ローチの相棒だったクリフォード・ブラウンは、自動車事故で急死しているんです。しかも、この事故では 同じ双頭バンドのピアニストだったリッチー・パウエルRichie Powellクリフォードと一緒に 死んでしまっていますから、ローチは 信頼していたバンドのメンバーを同時に二人も失くし、精神的に大きなショックを受けていた時期である筈ですよね。このレコードから聴こえてくるマックス・ローチの刻むドラムスの音からは、かつてステージでクリフォードの後ろ姿に向かって叱咤鼓舞していたローチシンバル・ワークと、まさに同じ入魂のビートが鳴っている とも言えるのです。このレコードを聴いてクリフォード・ブラウンを連想するとは、正解ですよ。奥さん、耳が良いですねー
ほめられた。 ふふん、お世辞でも気分がいいぞ。 

クリフォード・ブラウンとマックス・ローチ(右)
▲ 思わずリクエスト。 クリフォード・ブラウンマックス・ローチ(右 )

「それじゃ、このレコードの後で 何かローチ = ブラウン双頭バンドのレコードを かけて頂戴 」
「望むところです、ボクも 今 とても 聴きたくなってきました。 ローチ=ブラウン・クインテット の活動時期ったら 約 2年間と とても短かかったので 残された録音も 多くはありませんが、棚を見に行ってきましょう 」

 ・・・なーんて、こんな感じで また時々 この喫茶店に通って レポートしても よろしいでしょうか? 

 次回は、  ローチ=ブラウン・クインテットのレコードなどで、
バド・パウエル「パリの大通り Parisian Thoroughfare」を聴きます!


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