Getz Children Of The World (CBSソニー 25AP-1696 ) スケルツォ倶楽部 ⇒ 全記事 一覧は こちら
午後のジャズ喫茶 「カフェ ソッ・ピーナ」から
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変ホ長調の音楽_0002 E-flat-major 136×100
カフェ ソッ・ピーナで E♭メジャーのレコードを 聴く - 
ブレイキー 「バードランドの夜 A Night at Birdland 」、
マイルスの プレスティッジ 「マラソン・セッション 」 から etc.


 こんばんは。今宵は わたし “スケルツォ倶楽部”発起人 のほう が打ちます。
“スケルツォ倶楽部” 主筆であるは しがないサラリーマンですから、毎年この時期 - 2月から 3月にかけて - は、会社で 翌年度以降の事業計画を作成したり、年度末の煩雑な業務に追われたりして、その結果 “スケルツォ倶楽部”の投稿が、残念なことに、滞りがちになってしまうのは もう毎年のこと。そうでなくとも この半年間ほどは 仕事上でも深刻なスランプのようで、 とても苦しんでいます。
                         不在。。。

 さて、そんな理由(わけ )で、土・日も仕事に追われる夫が留守なのをよいことに、「有閑マダム 」たる(笑 )わたし - ・・・って「(ヒマ )だけがる主婦 」という程度の意味ですが - 久しぶりに カフェ・ソッピーナへ出掛けることにしたのでした。
 カフェ ソッ・ピーナ - 音楽オタクで独身の二代目マスターが選んでくれるディスクを お店の先代オーナーから伝承の巨大なオーディオ・セットを通して 思いきり大音量で聴かせてもらえる お気に入りのカフェ。
 そこは わたしの自宅から 徒歩10分ほどの公園そばに建っているオレンジ色の雑居ビル2階にあって、壁一面がガラス張りだから 冬の陽差しが射しこむ日の店内は 十分温かいのです。
 さて、久しぶりのソッ・ピーナ、今日あたりは どんな音楽がかかっているのかなー と、小さな胸をわくわくさせながら 外の寒い階段を登ってゆくと、すでに踊り場の辺りから お店に流れている音楽が外まで聴こえてきます。あ、この特徴的なドラムスは アート・ブレイキー かな・・・?

マスター   「いらっしゃいませー 」
わたし    「こんにちわ 」
( ああ、今日も相変わらず、店内には お客さんの人数・・・0名也 )

マスター   「あ、奥さん ! すっかり ご無沙汰じゃありませんか、何か月ぶりでしょう ? もうお見限りかと思ってましたよー 」
わたし    「ごめんね。こんなわたしでも 何かと忙しくってさ。 ・・・ええと、ブレンド頂戴 」
マスター   「え、そんなすぐに ご注文のオーダー頂けるなんて、めずらしいですねえ 」
わたし    「だってマスターったら、いつもすぐ音楽の話題に突入しちゃうから、この一年くらい まともにソッ・ピーナでコーヒー飲んだ記憶が わたしないんだよね 」
マスター   「ご主人のブログ“スケルツォ倶楽部”も ここ最近 更新が止まってますね、さては相当お忙しいんでしょう 」
わたし    「年度末だからね。でも さすがに2週間以上も投稿しないと 音楽ブログ・ランキングも急降下しちゃうじゃない ? だから そろそろわたしが代わりに、何か 話のネタはないかなーと思って(カウンターに座って足を組む )、マスターのところへ、こうして来てあげたってわけ(笑 ) 」
マスター   「そうですか。ご主人の “スケルツォ倶楽部” 2月16 日の記事 『変ホ長調の音楽 ⇒ こちら って、けっこう ボク 客観的に 興味深く読ませて頂きましたよ。ですから、今日は クラシック以外の音楽ジャンルで 調性が E♭メジャー の音楽を集めて聴いてみるっていう企画、いかがでしょ ? 」
わたし    「あ、それ 悪くないじゃない。ぜひ聴かせて頂戴 」

マスター   「ええと、それでは 最初の一曲・・・ ちょうど さっきまでターンテーブルに乗せていたL.P.の一曲目が、ドンピシャで E♭メジャーなんですよ 」
( 針の音・・・ )
 
アート・ブレイキー・クインテット
「スプリット・キック Split Kick 」
バードランドの夜 A Night at Birdland Vol.1 BLUE NOTE
アルバム「バードランドの夜 Vol.1 」(ブルーノート BLP-1521 )収録
クリフォード・ブラウン(tp. )
ルー・ドナルドソン(as. )
ホレス・シルバー(p. )
カーリー・ラッセル(b. )
アート・ブレイキー(ds. )
録音:1954年 2月21日、バードランド、ライヴ録音


わたし    「このレコードの出だしって、とても有名ね 」
マスター   「バードランドの名物MCだった たいへん個性的な声の ピー・ウィー・マーケットによるバンド・メンバーの紹介ですよね。そういえば 90年代のジャズ系ヒップ・ホップ グループ、US3の 『カンタループ CANTALOOP 』とか -  」
わたし    「そう、あとクインシー・ジョーンズによる、凄い顔ぶれを集めた『バードランド 』のエンディングでもサンプリングされていたアナウンスの声、このレコードからのものなんでしょ 」
マスター   「そうです。この名物司会者による紹介が終わるや否や これぞまさしくブレイキーっていう感じの圧倒的なドラミングが爆発。これに先導されるかのように 名手クリフォード・ブラウンルー・ドナルドソンの二管アンサンブルが ホレス・シルバーの作曲した 変ホ長調の明るいテーマを高らかに吹奏。ソロの一番手は 張りのあるルー・ドナルドソンの明るい音色ですが、これに続くクリフォード・ブラウンのトランペットが とにかく絶好調 」
わたし    「クリフォードの淀みない流麗なソロの途中で ブレイキー 感極まったのか リズム・キープもそこそこに、シンバルで強烈なアクセントでブレイクを入れるんだけど、これに瞬時で応えるクリフォードのトランペット・フレーズが炸裂する瞬間の凄まじさったら、何度聴いても興奮するよね 」
マスター   「ホント、L.P. “バードランドの夜” は、50年代ブルーノート・レーベルの代名詞的名盤ですよね。かつて行方均氏がこの一枚を指して、『 もしハードバップ誕生の時と場所というものが世の中にあるとしたら、本作の録音された’54年 2月21日深夜のバードランドをおいて他にない(ジャズ批評 昭和59年 3月 ) 』と書かれたことがありましたが、蓋し至言というべきでしょう 」
わたし    「ああ、やっぱ ソッ・ピーナには モダン・ジャズが似合うわ 」
マスター   「(照れる )光栄です。じゃ、次は こちら・・・ 」


マイルス・デイヴィス・クインテット
いわゆる「マラソン・セッション 」(プレスティッジ四部作 )から
  マイルス Miles Davis (tp. )
  コルトレーン John Coltrane (ts. )
  レッド・ガーランドRed Garland (p. )
  ポール・チェンバース Paul Chambers (b. )
  フィリー・ジョー・ジョーンズ Philly Joe Jones (ds. )
録音:1956年 5月11日、10月26日

マスター   「誰もがご存知、泣く子も黙る プレスティッジの超高名なマラソン・セッション - 」
わたし    「1956年、CBSコロンビアという最大手のレーベルに移籍しようと画策していたマイルス・デイヴィス 。しかし プレスティッジ・レーベルには まだ 4枚ものアルバムをレコーディングする契約が 当時 残っていて・・・ 」
マスター   「それを、わずか二日間で 契約していたアルバム全部の音源を、マイルス・クインテットは ササっと録音してしまうのですよね。しかも その殆どが ワンテイク( ! )だったという効率の良さで 」。
わたし    「にもかかわらず、決してやっつけ仕事などではない、どの曲も豊かな即興性と緊張感がみなぎった 質の高い名演ばかりだったのよね。ここではマイルスの繊細なミュート・プレイがふんだんに聴けるのも嬉しい限り・・・ 」
マスター   「これも有名な話ですが、マイルスに去られたプレスティッジ・レーベル側のほうでは これらマラソン・セッションの音源を出し惜しみ、こうして4枚のアルバム( 「クッキン 」、「リラクシン 」、「ワーキン 」、「スティーミン 」 )に しっかり分けると、マイルスCBSへ移籍した後になって - つまり 大手レーベルの宣伝力がマイルスを売り出すタイミングに合わせて - 年に一枚のペースでリリース、いずれもヒットさせながら ゆっくりと 利益回収したという・・・ 」
わたし    「でも それって、もしかしたら 飛びたつ古巣であるプレスティッジ に対する マイルスの 深い配慮だったのかもしれないよ 」

マイ・ファニー・ヴァレンタイン My Funny Valentine
レッド・ガーランド(ピアノ )による イントロが 変ホ長調
アルバム「クッキン’ Cookin' 」に収録

マイ・ファニー・ヴァレンタイン My Funny Valentine
わたし    「 プレスティッジが最初にリリースした『クッキン’ 』の冒頭に置いたことによっても太鼓判の名演『マイ・ファニー・ヴァレンタイン 』、これ、調性は 正確にはCマイナー(ハ短調 )なんだけど、レッド・ガーランドがころころと転がす ピアノによる印象的なイントロ部分は 平行調のE♭メジャー(変ホ長調 )なのね 」

「アイ・クッド・ライト・ア・ブック I Could Write A Book 」
「イット・クッド・ハプン・トゥ・ユー It Could Happen To You 」
変ホ長調
アルバム「リラクシン’ Relaxin' 」に収録

Miles-Relaxin.jpg
マスター   「ボク、四部作の中では こっちの『リラクシン 』が一番好きですね 」
わたし    「わかる、だって わたしも大好きだもん。文字どおり 聴者をリラックスさせてくれる ストレスの低い演奏の代表が E♭楽曲アイ・クッド・ライト・ア・ブック 』、そして『イット・クッド・ハプン・トゥ・ユー 』という二曲よね 」
マスター   「巧みに スタンダード名曲が散らされた 趣味のよい選曲からは アルバム全体の統一感を感じますし、名演「イフ・アイ・ワー・ベル 」のような、所々に スタジオ内でのミュージシャン同士の会話が挿入されてる臨場感が すごく 良い味を出しています 」

「フォー Four 」変ホ長調
アルバム「ワーキン’ Workin' 」に収録

Miles_Workin-prestige.jpg
わたし    「 『ワーキン 』に収録された 変ホ長調の快適なオリジナル曲『フォア 』は、かなり後年になってから CBSエイブリー・フィッシャー・ホールでのライヴ盤でも再演されてたでしょ 」
MILES DAVIS FOUR MORE
マスター   「 名盤『 “フォア” & モア 』ですね。これと対になってリリースされた、マイルスの【 】の面をとらえた もう一枚のライヴ・アルバム『マイ・ファニー・ヴァレンタイン 』とは対照的な【 】の演奏ばかりを中心に収めたもので、トニー・ウィリアムスの若さ溢れる 強烈なドラミングが忘れられない名盤でしたね 」
わたし    「シンバルをスティックの先端で繊細に刻む トニー・ウィリアムスの カツン カツンいう 快速ライディングの気持ち良さ ! 」

「ホエン・アイ・フォール・イン・ラヴ When I Fall In Love 」
「ディアンヌ Diane 」
が 変ホ長調
アルバム「スティーミン’ Steamin' 」に収録

Miles_When I Fall In Love
マスター   「・・・もとい。プレスティッジの話題に戻って、アルバム『スティーミン 』に収められた マイルスのミュートプレイを象徴する名演『ホエン・アイ・フォール・イン・ラヴ 』の素晴らしさといったら もう - 」
わたし    「そうね。『ディアンヌ 』もリラックスした名演だけど、同じE♭メジャーの曲『ホエン・アイ・フォール・イン・ラヴ 』の秀逸さには 本当に言葉を失います。一日の仕事に疲れきった身体を横たえる深夜のベッド・サイドで こんなレコードを静かに聴かされたりしたら、もう誰しもみんな 50年代の マイルス・デイヴィスの才能に惚れこんじゃうに決まってるわよね 」
マスター   「ぜひ お試しあれ 」

わたし    「プレスティッジ四部作も良いけれど、でも それより マイルスE♭メジャー曲 の代表って言えば やっぱり・・・ 」
マスター   「奥さん、それ 次回にしましょう! 」
わたし    「あら ひょっとして 出し惜しみ ? 」
マスター   「 (笑 )プレスティッジの戦略に学びました 」


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