スケルツォ倶楽部 のメニュー は こちら ⇒ All Titlelist

スケルツォ倶楽部
ベートーヴェン、最初のスケルツォは 「 ピアノ三重奏曲 作品1 」

 ドイツのボンから出てきた20代のベートーヴェンが、当時 すでに名声を確立していた 憧れのハイドン先生に ウィーンで音楽の教えを受け始めてから 約2年ほど経った ある日のこと・・・
  
Haydn_portrait_by_Thomas_Hardy_(Public Domain)  Beethoven(1801)Portrait by Riedel

ハイドン 「ベートーヴェン君、どうかな そろそろ 自作を出版してみては? 私が 適当な出版社を紹介してあげるから、君のオリジナルで 売れそうな室内楽曲を3曲作って、セットにして持ってきなさい」
ベートーヴェン 「わかりました。ありがとうございます、ハイドン先生 」

 ・・・よーし、見てろよ。 新しいオリジナルな 凄い ピアノ三重奏曲 を作って、 今まで ボクに 手を抜いて指導してきたハイドン先生を 「あっ!」と言わせてやるからな。

ハイドン 「あっ!
ベートーヴェン 「どうかしましたか、先生」
ハイドン 「これでは 出版社に渡せないよ、ベートーヴェン君。第3楽章は 穏やかな舞曲メヌエット って 相場が決まってるだろう。君の作曲した 3曲のピアノ三重奏曲は 全部 メヌエットの代わりに、諧謔たっぷりで 速いスケルツォ じゃないか。売れなかったらどうする。君は 本当に型破り で 枠から はみ出たがるねー」
ベートーヴェン 「お褒め頂き、ありがとうございます」
ハイドン 「わしは そんなつもりで言ったのではない。とにかく、書き直しなさい。時間が少ないから、仕方がない・・・ 3曲のうち せめて1曲でも良いから、メヌエットと差し替えるように。わかったね!」
ベートーヴェン 「(舌打ち )はーい、わかりました」

 ・・・ こうして、なんとか ベートーヴェンの 記念すべき 最初の「作品1」となる 三曲のピアノ三重奏曲Op.1-1(変ホ長調 )、 Op. 1-2(ト長調 )、Op.1-3(ハ短調 )は 無事 出版されました。

ベートーヴェン 「いかがですか、先生」
ハイドン 「むむ・・・、君は 私の忙しいのを良いことに 親切な忠告を聞かなかったな。このピアノ・トリオは 三曲とも 第3楽章がスケルツォのままじゃないか!」
ベートーヴェン 「いいえ、先生。ボクは 第3番ハ短調第3楽章メヌエットにしましたよ。ホラ、楽譜をよくご覧ください。ちゃんと “メヌエット、クアジ・アレグロ” って ね、印刷されてるでしょ(忍び笑)」
ハイドン 「(怒)私の目は 節穴ではないぞ、ベートーヴェンこれは スケルツォだ。お前が最初に書いた オリジナルのままじゃないか。おぬし、わしを 謀(たばか)る気か。烏帽子大紋(えぼしだいもん)と申したではないか」
ベートーヴェン アナタ 吉良上野介ですか。私が “ メヌエット”って名づけたら、それは “ メヌエット”なんです。ちゃんと 先生のおっしゃるとおりにしたんですから、もー 文句ないでしょっ」

師弟因縁のスケルツォ・・・ 
Lambert Orkis  The Castle Trio (Vergin Veritas 7243 5 61931 2 3) 
ランバート・オーキス Lambert Orkis (左)率いる キャッスル・トリオのディスク
 
ルードヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン
  ピアノ三重奏曲 第1番 変ホ長調 Op.1-1
  ピアノ三重奏曲 第2番 ト長調 Op.1-2
  ピアノ三重奏曲 第3番 ハ短調 Op.1-3

キャッスル・トリオ(The Castle Trio)
録音:1989年7月録音
Virgin Veritas 7243 5 61931 2 3  
 
 
 バレンボイム=ズーカーマン=デュプレ(EMI)の20代の若々しい演奏や、アシュケナージ=パールマン=ハレル(EMI)による切れ味鋭い名盤も忘れ難いですが、本日は アンネ=ゾフィ・ムターなどの伴奏者としても名高い 堅実な名手 ランバート・オーキス Lambert Orkis フォルテ・ピアノ(デレク・アドラム、18世紀ワルターのコピー)の ぱきんぱきんと鳴る 雅な音色も楽しい、古楽器のグループ キャッスル・トリオ(Virgin Veritas 7243 5 61931 2 3 )を おススメします。
 この独特の音色だけは、他の名盤でも ちょっと聴けません。特に、第1番変ホ長調第4楽章からは、若きベートーヴェンあふれるような個性が 弾(はじ)けて 清鮮な飛沫が飛び散っています。

・・・後日談  
 それは 4年後(1799年)のこと。すでに 二人の師弟関係は 解消されています。
ベートーヴェン 「おや 先生、お久しぶりです」
ハイドン 「やあ、ベートーヴェン君。意外な場所で会ったね。君も 今では 独り立ちして 大活躍のようだね。儲かってるかい?」
ベートーヴェン 「先生のお弟子だった頃のボク、生意気ですみませんでした。少し反省してます」
ハイドン 「いや いいんだよ、感謝してくれてるなら。あ、これ 私の新しい弦楽四重奏曲Op.77(ロプコヴィッツ四重奏曲HobIII-81、82)の楽譜だよ、君に進呈しよう」
ベートーヴェン 「ありがとうございます・・・・って、あれ? ハイドン先生も スケルツォを採用されてますね。ご宗旨替えですか」
ハイドン 「 な、何を言うか。これはメヌエットだよ。見ろ、“ メヌエット ” って 楽譜に印刷されてるだろ」
ベートーヴェン 「しかし ・・・ 速度がプレストでもですか」
ハイドン 「わしが “メヌエット”って名づけたら、それは “メヌエット ”なのだ ! 」
ベートーヴェン 「・・・」

↓ 清き一票を
にほんブログ村 クラシックブログ クラシック音楽鑑賞へ
にほんブログ村
blogram投票ボタン
人気ブログランキングへ
Club Scherzo, since 2010.1.30.

関連記事
スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿

トラックバック

トラックバック URL
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)