本記事は 1月15日「 注目記事ランキング クラシック音楽鑑賞 」で 第1位 となりました。
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by Julius Schmid_散策するベートーヴェン
ベートーヴェンのスケルツォ楽章が与える癒し効果
~ チェロ・ソナタ第5番終楽章は フーガ = スケルツォ ?


スケルツォ倶楽部 会員ブルネロ(仮 )さん
「ベートーヴェンのスケルツォについて、考えていたら 止まらなくなりました。
「初期~中期におけるスケルツォ楽章の癒し効果、とでも言うべきか。ピアノ・ソナタ第7番Op.10-3のメヌエットがとても好きなのですが、この楽章の役割は、と思うに - ソナタOp.10-3には まず輝かしい第1楽章があって、次に 死の臭いのする第2楽章が来る ( シェイクスピアの墓場の音楽 ? )。この重さから立ち直るため、次にメヌエットを置いた、と。このパターンは、かの『英雄 』と同じ。つまり第2楽章で ある意味『やり過ぎた 』場合、音楽は次に軽いダンスを必要とするのではないか、と。
「これ以降、ピアノ三重奏『幽霊 』やチェロ・ソナタ第5番などがあるのだが、そういえば これら二曲とも スケルツォ楽章が置かれていないのが 興味深いところです 」

“スケルツォ倶楽部”発起人
「ベートーヴェンのスケルツォにおける『癒し効果 』って、考えさせられます。交響曲にせよ 各種ソナタにせよ、基本中間楽章たるスケルツォを 作曲家がどの位置に配するかを考えたとき、その直前の楽章がもっている性格に左右されることは 当然ですね。
「 『英雄 』交響曲の楽章構成などは その典型。ホルンのトリオで有名な 狩のスケルツォ、たとえば これが第1楽章の次に置かれるようなことは 普通 考えられません。あれこそ痛恨の極みの表出 = 葬送行進曲の重さから立ち直るべく、しかるべき位置に配されるべくして置かれた筈です。
「また クラシック音楽史上に聳え立つ巨峰 第9交響曲においては 通常 緩徐楽章が置かれる第2楽章にスケルツォが置かれていますが、ここでは 第1楽章の厳粛な空気を祓う役割が与えられているように思います。その調性も第1楽章と同じニ短調、ベートーヴェンのヴィジョンには筋が通っています。

“スケルツォ倶楽部”発起人(妻 )
「ブルネロ(仮 )さんが 言及されてるピアノ・トリオ『幽霊 』やチェロ・ソナタ第5番にスケルツォ楽章がない理由として、月並みですけど、どちらも沈痛な短調の緩徐楽章の後に続くフィナーレ楽章自体が、長調でスケルツォ風の軽快な終曲であることによって 簡潔な癒し効果になっているのかも( ? )などと考えちゃいます 」

“スケルツォ倶楽部”発起人
「チェロ・ソナタ第5番の終楽章について考えてみました。ここで ベートーヴェンが、終楽章にフーガを導入しながら 偉大な先例であるモーツァルトの『ジュピター 』路線は狙わず、逆に 軽妙さへと転じた独自の工夫に 注目してます。それは 拍子を3/4にすることで、“スケルツォ風のフーガ”という 舞踏的要素さえ有する、まったくオリジナルな終楽章の形式を試みた結果だったのではないか、と 仮定するものです。
「果たして その結果を ベートーヴェン自身が狙ったものかどうかはわかりませんが、少なくとも ここで 第2楽章への“癒し効果”は達成したのではないか、と思ってます。同曲の終楽章が かくも重厚なつくりであるにもかかわらず、聴き終えた後、なぜこれほど軽く爽やかな印象を残すのだろうか、という疑問が、今宵のわが管見の出発点となりました 」

スケルツォ倶楽部 会員ブルネロ(仮 )さん
「チェロ・ソナタ第5番の『フーガ = スケルツォ 』論、いいですねえ ! なぜ第5番が『踊るフーガ 』なのか、やっと理解できた気がします。大木正興さんといえば、弦楽四重奏曲第13番について『カヴァティーナの憂愁から立ち直るためには、やはり大フーガが必要 』と、スメタナSQだったか どこかの演奏について評しておられた文章を読んだことがあるのですが、なるほど 例の『大フーガ 』も 本質は踊るフーガでした。
「 『カヴァティーナ 』は、英雄の葬送ほど暗く劇的な音楽ではないけれども、そこにいつまでも安住していてはいけない類の音楽であることには変わりない といえるかと思います 」 

“スケルツォ倶楽部”発起人(妻 )
「ベートーヴェンのチェロ・ソナタ第5番について、とても興味深い記述を見つけましたので、ご紹介します。それは、夫が中学生時代に愛読していた 武川寛海氏による名著『ベートーヴェンの虚像をはぐ( ON BOOKS(音楽之友社 昭和52年 ) 』の一部から、以下引用(青字部分 )です 
  ―  問題は 第3楽章に出てくる。ここはアレグロ・フガート、ニ長調3/4拍子で書かれている。主題はまずチェロで提出される。ところがである。ピアノで出るその応答は、主題の厳格なる模倣ではないのである。主題は、音階的に順次進行をして上昇していくのであるが、応答は最初の音から三度跳越して、そのあとから順次的進行をして 音階的に上昇していくのである。冒頭のところが ちょっと違うのである。見当違いをしたのか、あるいは意識的にやったのかはわからない。しかし気にしていたことは事実である。1823年のスケッチ帳の中には、応答を主題と同じに改めること、 というくだりが見られるからである。これは しかし実現されなかった。 フーガであるから、そこだけを改めるわけにはいかなかったからである。(同書P.134より )
尚、この本については 以前も紹介しました ⇒ こちら「大作曲家のインスピレーション

鈴木秀美_ベートーヴェン_BMG_DHM_BVCD-34007~8 鈴木秀美 小島芳子
ベートーヴェン:ピアノとチェロのための作品全集
チェロ・ソナタ第1番ヘ長調 Op.5-1
チェロ・ソナタ第2番ト短調 Op.5-2
チェロ・ソナタ第3番イ長調 Op.69
チェロ・ソナタ第4番ハ長調 Op.102-1
チェロ・ソナタ第5番ニ長調 Op.102-2
ヘンデル『マカベウスのユダ 』の主題による12の変奏曲ト長調 WoO.45
モーツァルト『魔笛 』の主題による12の変奏曲ヘ長調 Op.66
モーツァルト『魔笛 』の主題による7つの変奏曲変ホ長調 WoO.46
鈴木秀美 (チェロ )、小島芳子(フォルテピアノ )
録 音:1996 - 99年
音 盤:ドイツ・ハルモニア・ムンディ(BVCD-34007~8 )


“スケルツォ倶楽部”発起人
「今宵は 妻とお酒飲みながら 鈴木秀美さんのCDかけて聴いてます。そう言えば、この録音で粒立ちのよいフォルテピアノ伴奏を務めている小島芳子さん、2004年に逝去されてから 今年の5月で 早10年経つのだそうですね。
「彼らのベートーヴェン、あまりに素晴らしいので、同ディスク1枚目に収録されている お気に入りのチェロ・ソナタ第1番のほうも聴き直しています 」

“スケルツォ倶楽部”発起人(妻 )
「チェロ・ソナタ第1番 第2楽章の主題って 第7交響曲にも通じる 典型的なスケルツォ『的 』主題ですね。 また、途中出てくる印象的な“ハンガリー風”と呼ばれるメロディ( 私には、そのアクセントが 当時の“トルコ風”にも聞こえてしまうのですが )、異国調の 魅力的な旋律。ここ 何だか 耳について離れなくなってしまい、つい繰り返し聞きたくなってしまい、夫にせがんで 何度もリピートさせています(笑 ) 」


■ スケルツォ倶楽部 発起人夫婦 週末の駄話から
クラヴィーアを弾くモーツァルト(エッチング、G.A.Sasso ) ロッシーニ
今夜のワインは、エッゲンベルク・ウルボック。
 「今週は 毎晩遅くまでロッシーニもよく聴いたなあー 」
 「わたしね、ロッシーニって モーちゃんの生まれ変わりだと思うのよ 」
 「ふんふん(もう酔ってるなー ) 」
 「モーちゃんが亡くなったのが1791年12月 5日。35歳。彼自身、あまりにも不本意だったと思うのよ 」
 「確かに その才能に比してあまりにも不遇な生涯だったな。王宮では サリエリはじめイタリア人作曲家ばかり厚遇されてたし 」
 「そうよー可哀相に。だから、“もし生まれ変われたら、オイラ イタリア人になってやるうー”って 」   
 「それで “ 今度は 才能に見合うだけの報酬を得、しこたま金を儲けたら ”  」
 「“ 同じ年齢くらいで 突然引退してみせてやる。 そして悠々自適に過ごし、旨いもん食って、才能を浪費しながら余生を暮らし、今度は天寿をまっとうしてやるのさ。 それこそが この現世では不幸だったオイラが、神様にしてやれる倍返しだ ! ” ・・・ってわけ 」
 「(笑 ) おー、たしかに ロッシーニが生まれたのは1792年 2月29日。モーツァルトから飛び立ったミューズの魂が、ウィーンから飛翔し、イタリアの港町ペーザロへ到着するのに 3ヶ月近く要したってことか?」
 「そう ! ね、イタリアワインに替えましょ。辛口のアドリア・ビアンコ あったでしょー。 ねー 持ってきてー。ねーねー 」
 「ダメだよ、あれは 来客用のとっておきの一本だろうが ! 」
 「ふん、明日の昼間 栓開けてやる (鼻息 ) 」
 「やめろってば。キッチンドランカーか、オマエは 」


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