スケルツォ倶楽部 Club Scherzo
スティーヴ・ガッド Steve Gadd を讃える。
   
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Steve Gadd_スケルツォ倶楽部 Eric Clapton_2001年 日本武道館公演

NHK-BS エリック・クラプトン
2001年ワールド・ツアー 日本公演から 12月 4日/武道館

Eric Clapton_2001年 日本武道館公演 (13) Steve Gadd_2001年_NHK

 こんばんは、“スケルツォ倶楽部発起人(妻のほう )です。
 ようやく 涼しくなりましたねー。
 は 最近 仕事が忙しく、だいぶ お疲れのようなので、今回も わたしが打つことになりました。 クラヲタ会員の皆さまにはスミマセン、今宵もまた クラシック音楽の話題じゃありませんのよ。ゴメナサーセ(笑 )

 この 9月21日 (土 ) 午前 1時45分から放送されていた、NHK-BSプレミアム・アーカイブス エリック・クラプトン、ライヴ・イン・ジャパン 2001 」を録画しておいたものを、この三連休中 久しぶりにのんびりと観ることができました。
 これは、2001年に行われた クラプトン世界楽旅(ワールドツアー )の最後を締めくくった 日本での16公演ものコンサートから、武道館における12月 4日コンサートの模様をNHKハイヴィジョンの素晴らしいカメラ・ワークと良好な音質で 完全収録した、たいへん貴重なものと感じた次第(番組冒頭で「2012年10月26日の再放送である 」とのコメントが流れていましたね )。

 それにしても これって、もう12年も前の映像になっちゃったんだね。クラプトンにとっては、このツアー中、遥か遠く 極東の地で 親友ジョージ・ハリスンの訃報(11月29日 )を聞いたということに・・・ かつて - 1991年 - ジョージと一緒に訪れ、全国でコンサート巡業も行なった、まさに その日本の地で - という因縁も含め、この時 彼の脳裏を いろいろな想いが駆け巡っていたことでしょうね ( 今回のツアーで、91年の ジョージ・ハリスン公演にも同行していた 共通のメンバー は、アンディ・フェアウェザー・ロウ、グレッグ・フィリンゲインズ、ネイザン・イースト の 3名 - 彼らは いずれも クラプトンとの共演経験も最長と思われる ベテランのミュージシャンです )。


 さて、ここで このライヴの視聴感想を書いておこうと思ったのは、もちろん その演奏内容の素晴らしさに感銘を受けたからなのですが、この稀代の名ギタリストの 1998年に発表された 傑作アルバム 「ピルグリム Pilgrim 」に参加して以来、ずっと良好な関係で 仕事を共にしてきた、われらが スティーヴ・ガッド翁 の名を、クラプトン・バンド2001 来日メンバーの中に 見つけてしまったからに 他なりません。
 あ、ちなみに わたし発起人(妻 )、2001年ワールド・ツアーに先立つ 3ヵ月前、ビリー・プレストン が加わった カリフォルニアでのコンサートの模様を収録したDVD版「ワン・モア・カー、ワン・モア・ライダー One More Car One More Rider 」は まだ視聴してはおりません(音だけはCDで既聴済み )、拠って 本ブログは、こちらと比較したりする意図は ありませんので、どうかあしからず。

「それでは(岩浪洋三氏風に )ここで、パーソネルを紹介しておこう 」

エリック・クラプトン (ギター、ヴォーカル )Eric Clapton
アンディ・フェアウェザー・ロウ (ギター )Andy Fairweather Low
グレッグ・フィリンゲインズ (ハモンドオルガン、キーボード )Greg Philliganes
デイヴィッド・サンシャス (キーボード、ギター )David Sancious
ネイザン・イースト (ベース )Nathen East
スティーヴ・ガッド (ドラムス )Steve Gadd



 Eric Clapton_2001年 日本武道館公演 (3)
1. キー・トゥ・ザ・ハイウェイ Key To The Highway
 クラプトン独り ステージに登場、「コンバンワ、Good Evening ! 」 - ステージの上に敷かれたラグマットの上に 一脚のスツールが置かれ、これに腰掛けると アコースティック・ギターの弦をせわしげにかき鳴らし 両手の指先を慣らしつつチューンナップを終えると、そのまま自然に弾き語りで 一曲目の「Key To The Highway 」に入ります。
ブルースを愛する気持ちに忠実であり続けることを 一貫して追求、実践してきたクラプトンのテーマ曲のひとつ。 」との たいへん簡潔な解説が、画面のテロップに現れます。


 Eric Clapton_2001年 日本武道館公演 (22)
2.レプタイル Reptile 
 ここから、ガッドのドラムスを含む 素晴らしいサポート・メンバーが加わります。「レプタイル 」は、このツアーと ほぼ同じ頃にリリースされた、その時点で最新作だったアルバムのタイトル曲でした。
 このナンバー、当時 一聴で わたしのお気に入りとなった 魅力的なインストゥルメンタル・ナンバーでしたが、耳にして まっ先に感じたことは「クラプトンらしくない。こんな素敵なサンバのリズムを持ち込んだのは、絶対にスティーヴ・ガッドに違いない ! 」という 確信に近い直観でした。
 ここでは グレッグ・フィリンゲインズの ハモンド・オルガンのソロが、まるで ワルター・ワンダレイのような軽やかさ、もし このアンサンブルにジェイ・ベッケンシュタインのアルトでも入ろうものなら そのままスパイロ・ジャイラになってしまいそう。
 NHKのテロップ  を引用- 「“クラプトン版サンバ”とも呼ぶべきインストゥルメンタルの曲。意外なほどに幅広い音楽性を示す作品と言えるだろう。

ここで、クラプトンの 短い語りが入ります。
今夜は昔の曲から新しい曲まで いろいろ取りまぜて演奏していきます。
次も最新作(「レプタイル 」 )からですが、とても古い曲、ガット・ユー・オン・マイ・マインド -  」


 Eric Clapton_2001年 日本武道館公演 (23)
3. ガット・ユー・オン・マイ・マインド Got You On My Mind
 NHKのテロップ - 「戦前に書かれた古いブルース曲。クラプトンは ジョー・ターナーのバージョンを下敷きにしたと語っている。
 ブラッシュを用い、柔らかくも力強いビートを刻むガッドのリズムが、クラプトンのリラックスした豪快な歌い方に説得力を与えています。
 この曲の歌詞には ジョージ・ハリスンとの別離を連想させる言葉もあり、これを歌いながら クラプトンはステージ上で どんな感情をかみしめていたことでしょうか。
 でも ここで注目すべきは、途中 アンディ・フェアウェザー・ロウが演奏するギター・ソロなのです。この「ガット・ユー・オン・マイ・マインド 」の旋律自体、半音階でせりあがってくるメロディ・ラインに特徴があるわけですが、これに酷似しているセロニアス・モンク作曲の「ブルー・モンク 」を フェアウェザー・ロウは そっくりそのまま引用し、その類似性に気づかせてくれる、そんなオモシロいアイディアに 見事ヤラレてしまいました。それとも これがジョー・ターナーのバージョンで(実は わたしは聴いたことありませんが )意図されていたことだったんでしょうか。


 Eric Clapton_2001年 日本武道館公演 (18)
4. ティアーズ・イン・ヘヴン Tears In Heaven
 NHKのテロップ - 「自分の幼い息子を事故で失った悲しみから立ち直る過程で書かれた曲。生ギター中心の新たな方向性を打ち出した。
 さて、音楽芸術は、常に何らかの形で 人間の感情を表現できる要素を備えています。
 Johann Sebastian Bach (1685 - 1750) モーツァルト 最期の年
 バッハの「インヴェンション 」や「平均律クラヴィーア曲集 」ばかりでなく、モーツァルトの音楽にも 標題のない器楽曲は たくさんありますが、それら いわゆる「絶対音楽 」にしても、せわしなく感じる速い曲よりも どちらかと言えば 遅い曲のほうが、人の心を落ち着かせる効果があると思われます。同様に、長調の楽曲にはポジティヴな感情を、逆に 短調の曲には ネガティヴな感情を、多少なりとも呼び覚ます要素が 多いように思われます。
 「ほら、サンタクロースがホーホーホーって 」
 さらに 歌詞を伴なう「」は、具体的な感情を言葉で説明しながら これに付けたメロディによって 聴く人へ感情をストレートに喚起させることが出来るという意味で、画期的な発明ですよね。
 けれど 楽しい気分や嬉しい感情ならともかく、なぜ人間は わざわざ「悲しい 」、「苦しい 」と思う「負 」の気持ち まで 音楽にして残したくなる衝動を持っているのでしょうか。
 ドイツ語の アウフヘーベン aufheben という言葉には「否定する 」という意味と同時に「高める 」という二つのイメージが混在しているそうです。日本語には 類似の言葉は存在しません。
 人が、忘れてしまいたくなるほどの「悲しみ 」「苦しみ 」に遭遇した時、それを否定したくなるのは 自然なことだと思いますが、これを忘れ去り 完全に打ち消せる力というのは、実は その「悲しみ 」や「苦しみ 」の中にしか 存在しないのだそうです。 ・・・これ、どういう意味でしょう ?
 それは、「悲しみ 」や「苦しみ 」を 捨て去ってしまうだけでは、人は 決して 真実の慰め を 得ることはできない、人は「悲しみ 」「苦しみ 」の中から 芽生えた 新しい感情をとらえ、見つめ、これを育てることによって、初めて 前向きでポジティヴなサムシングを 獲得することが出来る、これによってしか 再生の途(みち )はない、それこそが 単なる「慰め 」や「癒し 」以上に より価値の高い「救い 」であり、これを得た瞬間、その人は、初めて「悲しみ 」「苦しみ 」を 乗り越えて 克服し、さらに 精神的には より高い段階に「昇格 」している - というものだそうです。
ご参照 は こちら へーゲル )。
 ・・・って、受け売り半分で 偉そうに書いてますが、わたし自身も これを「完全に理解している 」などと胸を張って言えるような立場ではありません。けれども エリック・クラプトンの この名曲「ティアーズ・イン・ヘヴン Tears In Heaven 」は、アウフヘーベンの意味を解こうとするとき、とても偉大な具体例ではないかと わたしは 確信しています。 少なくともクラプトンは、まだ幼かったわが子が こんなにも早く 天に召されてしまった後、きっと想像を絶するような「苦しみ 」を経て、この小さな一曲を生み出した筈です。けれども その時、彼は 自身の「悲しみ 」を 間違いなく 乗り越えていた・・・と、わたしは 信じています。その根拠とは、亡き子への鎮魂曲(レクイエム )であるにもかかわらず、仄(ほの )かに 明るい光の差し込むような メジャー・キー(長調 )を敢えて選んでいることで、これが 残されし父クラプトンが 生者として この世で 力強く生きてゆくことを決めた ひとつの証(あかし )であると感じるからです。
ティアーズ・イン・ヘヴン 」から派生した物語 ⇒ サンタクロース物語 第一回 


 Eric Clapton_2001年 日本武道館公演 (7)
5.レイラ Layla
 NHKのテロップ - 「アコースティックに焼き直した このバージョンは クラプトン再評価のきっかけとなった。今回のツアーでは 日本だけで演奏された
 この情報が正しければ 貴重な映像ということですね。クラプトンは、イントロのDマイナーのオスティナートにおいて アコースティック・ギターで内省的なソロを披露した後、余計な力を抜いたように淡々と歌い始め、繰り返すたびに徐々に熱を加えてゆく表現です。
 グレッグ・フィリンゲインズによる、アコースティック・ピアノの音色を効かせたキーボード・ソロが出色。
 ガッドは ここでもスティックの代わりにブラッシュを2本ずつ(あるいは二股のブラッシュかも。そんなのあるのか ? って、よく見えませんが )両手に持ち、静かな動きで 交互に打ち下ろしています。


 Eric Clapton_2001年 日本武道館公演 (9)
6.ベル・ボトム・ブルース Bell Bottom Blues
 NHKのテロップ - 「70年発表の名盤『レイラ 』を代表する作品のひとつ。ソングライターとしての才能が開花したことを示した曲
 デレク & ドミノス Derek & The Dominos 名義のアルバム「いとしのレイラ Layla & Other Assorted 」に収録、ライヴで取り上げられることは あまり多くはなかったようですが、クラプトン・ファンの人気・支持率は多分 最高位のひとつと思われる 苦みのあるメロディ展開が秀逸な大名曲。個人的には 「24ナイツ 」における オーケストラとの共演バージョンが 記憶に残っています。
 ここでは ガッドの黒いスティックが炸裂。とは言っても 小手先の小技ではなく、芯のパワーで鳴らす、名人にしか 出せない、本物の力強さ がホールに響いてます。


 Change The World_Clapton_NHK_スケルツォ倶楽部
7.チェンジ・ザ・ワールド Change The World
 NHKのテロップ - 「映画のサントラに提供した曲で、もともとはカントリー系の作品だが、クラプトン・バージョンの大ヒットによって 90年代のスタンダードになった。
 ガッドの叩くリムショットで始まります。演奏しながら クラプトンが音楽に興じ、猛烈に乗りまくっていることが その音や映像から伝わってきます。その燃え方は凄まじいほどで、互いに触発し合っているステージ上のミュージシャン同士の一体感が 言葉にならぬほどの豊かさに溢れ、思わず興奮。
 ただ、最後をベートーヴェンの「エリーゼのために 」のパロディ風フレーズで締めくくるのだけは・・・ え、こんな終わり方って、ありなの。 


 Eric Clapton_2001年 日本武道館公演 (10)
8.リヴァー・オブ・ティアーズ River Of Tears
 NHKのテロップ - 「孤独や苦悩、そして救いがテーマになった自伝的な作品。98年のコンサートツアー以来、ライヴでは必ず歌われてきた。
 これ・・・ 本当に素晴らしいんですよ。
 10分近い長尺の演奏ですが、間違いなく この日の公演のハイライト全曲中でもベスト・パフォーマンスではないでしょうか、ライヴ盤「ワン・モア・カー、ワン・モア・ライダー 」収録のバージョンも 十分に見事な演奏と思ってはいましたが、この日の武道館での演奏は、音楽に没入するクラプトンの熱狂ばかりでなく、とにかくガッドの燃え方も尋常でなく、もう凄いっ としか言えない出来です。
 特に、静かな出だしから少しずつ燃え上がり、やがて十分に音楽に熱が通った後半部分などにおいては、殆ど12小節ごとにガッド猛烈なフィル・イン が入るのですが、その個所は 音楽の進行を停滞させることのない 短いドラムス・ソロが挟み込まれる感覚にも近い、満足度の高い充実感を得られます。
 印象が強烈だったのは、おそらく これを わたし発起人のほう )が ヴィジュアル・パフォーマンスとして観たのが はじめてだったというせいもあろうかと思いますが、このエンディングで 最後の一音を全員が バシッとカットする瞬間、プレイヤー(ギタリスト )の誰か一人が おそらく意図せず 倍音を鳴らしてしまう、そんな些細なアクシデントに至る要素まで 感動という炎に注がれる燃料となる、それほどまでに 感銘の度合いが もう全然違いました。素晴らしい!


 Eric Clapton_2001年 日本武道館公演 (13)
9.ゴーイング・ダウン・スロウ Going Down Slow
 NHKのテロップ - 「敬愛するB.B.キングやリトル・ウォルターも歌っていた 古いブルース作品をモダンなアプローチでよみがえらせている。
 シンプルなエイト・ビートを刻む楽曲ほど ガッドの優れたリズム感覚が際立ちます。曲調が変わる度 これに合わせて微妙な変化を加える - たとえば トップ・シンバルでシンプルに四つ刻んでみせるような部分など - そんな ガッドのセンスは素晴らしく、ヴァラエティに富んだリズム・セクションに耳を傾けていると、決して飽きることはありません。


 Eric Clapton_2001年 日本武道館公演 (5)
10.シー’ズ・ゴーン She's Gone
 NHKのテロップ - 「ヒップホップ的な感覚やビートを本来のブルース的感性と融合させた作品。ここ数年 ライヴの定番となっている
 前曲のエンディングから途切れることなく、そのままガッドのカウントを合図に なだれ込むように始まっています。イントロのトゥッティで炸裂するアクセントが強烈で、おそらくホールでは光の演出も伴って、一際 効果的だったことでしょう。
 前半は 16ビートのクローズド・シンバルで 目立たないけれど無限のヴァリエーションを 次々と繰り出してみせる ガッドの丁寧な仕事ぶりに感嘆しているうち、後半 楽曲の進行とともに 実は これも徐々に過熱してくるナンバーであることに気づいた時には もう遅い、手がつけられないほど熱くなっています。


 Eric Clapton_2001年 日本武道館公演 (16)
11.アイ・ウォント・ア・リル・ガール I Want A Little Girl
 NHKのテロップ - 「レイ・チャールズが1950年代に録音した曲。クラプトンは 影響を受けたシンガーのひとりに 彼の名をあげている。
 クラプトンの 優れたブルース・ヴォーカリストとしての魅力を堪能できるナンバー。グレッグ・フィリンゲインズピアノ・ソロがたいへん良い味を出しているのですが、微妙なニュアンスを聴き分けようとすれば、シンセサイザーのプリセット音源のピアノなどではなく、やっぱり ここは スタンウェイベーゼンドルファーなど ちゃんとしたアコースティック・ピアノで弾いて頂きたかったなあ。ガッドは 前半ではブラッシュに持ち替え、堅実なサポートに徹していますが、後半 黒いスティックが炸裂。


 Eric Clapton_2001年 日本武道館公演 (2)
12.バッヂ Badge
 NHKのテロップ - 「クリームの代表曲のひとつ。クラプトンの来日中に他界したジョージ・ハリスンが作曲とギターで貢献していた。
 演奏を開始する前に クラプトン、ぽつりと 呟くように「ジョージハリスンに捧げて この曲を歌います 」 ・・・。 
 そうなんです。この日の わずか 5日前(11月29日 )、クラプトンは親友ジョージ・ハリスンを亡くしたばかり。たしかに この日、気のせいかもしれませんが クラプトンの表情には ステージマナーとしての愛想笑いが殆ど見られず、心なしか険しい影さえ感じるのは、おそらく そのせいもあるのではないかと思います。
 この曲「バッヂ Badge 」は クラプトンとジョージの共作として知られ、さらにクリームのオリジナル・レコーディングでは L’Angelo Misterioso という変名(笑 )で ロンドンのIBCスタジオでリズム・ギターを刻んでいたのが、ジョージ自身でした。
 楽曲の途中で 唐突に長い休止を置き、ギターのアルペジオによる繰り返し下降する有名なリフ・フレーズに乗せて ソリストが活躍するパートが 実に印象的。名曲です・・・ うーん、それにしても スティーヴ・ガッドクラプトンのバックで クリームのナンバーを叩くことになろうとは・・・ 正直 80年代には わたし 想像もできなかったなー。


 Eric Clapton_2001年 日本武道館公演 (4)
13.フーチー・クーチー・マン Hoochie Choochie Man
 NHKのテロップ - 「B.B.キングと並んでロック世代に多大な影響を与えた マディ・ウォーターズのトレードマーク的な代表曲。
14.ファイヴ・ロング・イヤーズ Five Long Years
 NHKのテロップ - 「シカゴブルースを代表する名曲のひとつ。B.B.キングやバディ・ガイなど多くのブルースマンが録音している。
 どっしりとした重量級のヘヴィーなブルース・ナンバーが続きます。「フーチー・クーチー・マン 」、「ファイヴ・ロング・イヤーズ 」の 2曲とも クラプトンの 1994年に発表された渋いブルース・アルバム「フロム・ザ・クレイドル From The Cradle 」でカヴァーされ、そこでのブルース・パフォーマンスが 他方面から絶賛されたことにより、その後のクラプトン自身の ステージ・レパートリーを方向づけることになったと言えるでしょう。ギター・ソロは言うまでもなく、絶唱ともいえるクラプトンの 拳を振り上げての 物凄いヴォーカルの迫力には 圧倒されます。
 特に後者「ファイヴ・ロング・イヤーズ 」は、北米公演のライヴ盤「ワン・モア・カー、ワン・モア・ライダー」には収められなかったレパートリーで、( 代わりに1975年のライヴ盤でも取りあげられていた ビリー・マイルズのナンバー「ハヴ・ユー・エヴァー・ラヴド・ア・ウーマン Have You Ever Loved A Woman ? 」は収録されてましたが )、クラプトンヤードバーズ時代から好んで取りあげてきた題材でした。
 デイヴィッド・サンシャスのキーボードは、プリセット音源のピアノ・ソロになると ちょっと音数が無駄に多過ぎると思うなー、個人的には わたし、この人のプレイ ちょっと苦手だな。


 Eric Clapton_2001年 日本武道館公演 (21)
15.コケイン Cocaine
 NHKのテロップ - 「クラプトンがかねてから高く評価しているJ.J.ケイルの作品。“いいことばかりじゃなくて、後にもどれなくなるぞ”と歌った曲。
 よく言われている通り、クラプトン自身が「サンシャイン・オブ・ユア・ラヴ 」のリフに酷似した装いへと仕立て直し、これが大ヒットに結びついた名曲ですよね。当然 武道館 物凄く盛りあがってます。
 曲の最後で クラプトンに代わって聴衆が一斉に「コ・ケイン ! 」って 大声で歌うところって お約束なんでしょうか、ライヴCD「ワン・モア・カー、ワン・モア・ライダー 」で聴くカリフォルニアの聴衆は、この日本武道館のお客さんほどには きれいに揃っていませんでしたよ(笑 )。


 Eric Clapton_スケルツォ倶楽部
16.ワンダフル・トゥナイト Wonderful Tonight
NHKのテロップ - 「ロマンチックなこの曲、実は 洋服選びや化粧に手間取る女性をイライラと待っている時に書いたといわれている
 クラプトンの、あたかも滴が零(こぼ )れ落ちるがごとく繊細なギター・ソロのフレーズ抒情的なヴォーカル、いずれも素晴らしいのですが、これに続く デイヴィッド・サンシャスの長いキーボード・ソロを聴いているうち、わたしは このバンドには やっぱり 往年のマイケル・ブレッカーデイヴィッド・サンボーン・クラスの - 脇目も振らず即興ソロに命をかけるぐらいの - サックス奏者がひとり メンバーの中に いたら よかったのになー などと勝手に想像していました。

 「コケイン 」「ワンダフル・トゥナイト 」の2曲は、いずれも1977年に発表されたクラプトンの名盤「スローハンド Slowhand 」A面冒頭に並べて収められていた大ヒット・ナンバーでした。わたしのお気に入りナンバー「レイ・ダウン・サリー Lay Down Sally 」も、そのまま 同アルバム3曲目に置かれていた流れのついでに 武道館でも この2曲に続けて 演奏してもらいたかったものだなー。


 NHK クラプトン_ガッド_レイラ Layla_スケルツォ倶楽部
17.レイラ Layla    
 NHKのテロップ - 「クラプトンの人生と音楽を象徴する名曲。親友の妻への苦しい愛という私的感情から生み出された曲。
 今度はエレクトリック・ギターによるバージョン。
 コンサート前半に披露されたアコースティック・バージョンと聴き比べることができるという、クラプトン・ファンには堪(たま )らない夜だったのではないでしょうか、イントロだけで それと判った聴衆の殆どの人が シートから立ち上がって 絶叫。もう大盛り上り、演奏の充実度も半端ないです。
 グレッグ・フィリンゲインズのピアノの音によるキーボードが主導する、ハ長調の あの有名なコーダ部分に入る時の シンプルながらパワフルなガッドのフィルインの潔さったら、その完璧さに もう言葉を失います。さらに ラスト一音の直前で ガッドが決めるスネアの一発( 明らかにPA操作による 見事なエコー入り ! )が あんまりにも格好良くて、ああ、もらしちゃいそうです(恥 )。

 鳴り止まぬ拍手に応え、今度は 金箔を貼ったゴールデン・ギターを抱えたクラプトンを先頭に メンバーがステージに戻ってきます。

‐ アンコール ‐

 Eric Clapton_2001年 日本武道館公演 (21)
18.サンシャイン・オブ・ユア・ラヴ Sunshine Of Your Love
 NHKのテロップ - 「60年代のロック界を変革したクリーム最大のヒット曲。その後もクラプトンは この曲を大切に演奏し続けてきた
 ガッドが「撃ち込む 」かなり 溜め気味の重いスネア・ショットのタイミングが絶妙。手慣れたフレーズを噴出させるクラプトンギター・プレイ豪放磊落なヴォーカル、ここでは アンディ・フェアウェザー・ロウのヴォーカルが 合いの手を入れているのですが、このオジさん、どうして どうして 外見の印象と異なり(失礼 ! )意外にアーシーな お声じゃないの、素敵よ。
 最後の一音の直前、ここでもガッドが 一瞬ですが ソリスティックなプレイをドカドカドカドカと聴かせてくれます。


19.オーヴァー・ザ・レインボウ Somewhere Over The Rainbow
 NHKのテロップ - 「トニー・ベネットらの歌唱で知られるスタンダード・ナンバー。この やや意外な選曲は 今後の方向性を示唆しているようだ。
 アンコールの締めくくりが 何とこれ。
 ご存知のとおり、ハロルド・アーレンの名曲で 1939年 MGMミュージカル映画「オズの魔法使い 」ジュディ・ガーランドが歌ったことによって 知られる超有名なスタンダードですよね。
 この演奏に入る前、イントロのコード進行を何度も繰り返しながら、クラプトン自身が 自己のバンドのメンバーを紹介します。
グレッグ・フィリンゲインズ(ハモンドオルガン、キーボード )Greg Philliganes アンディ・フェアウェザー・ロウ(ギター )Andy Fairweather Low スティーヴ・ガッド(ドラムス )Steve Gadd
ネイザン・イースト(ベース )Nathen East デイヴィッド・サンシャス(キーボード、ギター )David Sancious Eric Clapton_2001年 日本武道館公演 (20)
 ・・・ステージの立ち位置の順に 下手から、グレッグ・フィリンゲインズ(ハモンドオルガン、キーボード )、アンディ・フェアウェザー・ロウ(ギター )、スティーヴ・ガッド(ドラムス )、ネイザン・イースト(ベース )、デイヴィッド・サンシャス(キーボード、ギター )の名が呼ばれ、ひとりずつ 手を振ってご挨拶。
 ガッドは 相変わらず 照れくさそうな表情でドラムセットから立ち上がり、左右に手を挙げて 浅くお辞儀してくださいます、そんな・・・恐縮です。
 ・・・で、最後に クラプトン自身が ネイザン・イーストに紹介され、そのまま歌いだします。その伸びやかで リラックスした開放的なヴォーカルが始まった瞬間、聴衆は ここまでの穏やかな音楽が 「虹の彼方に 」のイントロダクションだったことを知る - という仕掛け。
 もしも事前情報を何も持たずに わたしがホールで聴いていたとしたら、その驚きのあまり きっと大声を上げてしまったに違いありません。それほど これは意外な選曲でした。
 テロップでは これが クラプトンの「今後の方向性を示唆している 」なんて出てましたが、まあ それなりに興味深い試みではあるものの、わたしにとって クラプトンには、そんな路線を走ってはもらいたくない。
どこかの誰かの真似なんかして Clapton Sings Standards なんつーアルバムを 続々と VOl.2、Vol.3、Vol.4 … などと 決して安易に出してはもらいたくないなー・・・ って、スミマセン、飽くまで個人的見解 ( でも 一枚くらいなら あってもいいかも 笑 )。

Eric Clapton_2001年 日本武道館公演 (17)
ミナサーン、オ・ツカレサマデシタッ( by ネイザン・イースト ) 」


▲ この貴重な NHK動画が、なんと( ! ) こんな 手軽に観れてしまいます、ホント 良い時代になりましたね。
  あ、でも きっとすぐに観れなくなってしまうでしょう、たぶん今だけ。 ・・・こっそり (笑 ) 紹介します。

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