本記事は 4月22日 「 注目記事ランキング クラシック音楽鑑賞 」で 第1位 となりました。
皆さまのおかげです、どうもありがとうございました。


スケルツォ倶楽部 Club Scherzo ⇒ Home
発起人の ディスク・レヴュー
 ⇒ Novel List

復活していた マキシム・ヴェンゲーロフ
( エイプリル・フールに )
「ウィグモア・ホール ライヴ 」 を 聴く。

Vengerov_Wigmore Hall Live(WHLIVE0056) Maxim Vengerov (Photo Mr.Simon Fowler )

 こんにちは、“スケルツォ倶楽部”発起人 です。
 半月ばかり前の話題になってしまいますが、今年 - 2013年 4月 1日のこと。
―  はい、そうです 「エイプリル・フール 」です。
 スケルツォ倶楽部 に好意的な会員の皆さまでしたら、たぶんご記憶ではないでしょうか、去年の4月1日、イタズラ好きなが仕掛けた 巧妙な「 USO 」 にたやすくダマされ、クラヲタのプライドを(・・・って、そりゃ何だろ )傷つけられ 恥ずかしい思いをさせられた、あの 屈辱の日のことを・・・。
二度とだまされるもんか
⇒ 昨年の エイプリル・フール の 悔しい記事は こちら

 ・・・で、私“ 発起人もう二度とダマされるものかと 今年のエイプリル・フールは、が どう攻めてきても引っかからぬよう、意識して待ち構えていたのでした。 ・・・お、案の定 何か意味ありげに がニコニコしながら近づいてくるぞ、ふふん 用心、用心。

   「ね アナタ、知ってた? ヴェンゲーロフが復活してたって! 」
   「ふふん、そうきたか 今年は。オレをなめんなよ。マキシム・アレクサンドロヴィチ・ヴェンゲーロフ(1974 ~ )は、右肩の深刻な故障で 2008年にヴァイオリニストとしては引退したんだよ。そんなの、誰でも知ってるだろ 」
   「だから、引退表明は撤回したんだってさ、しかも すでに一昨年から演奏活動を再開してたんだって 」
   「指揮活動や教育活動のことだろ。ロンドンの王立音楽アカデミーで教鞭を取ることになったのだって 去年の話だし 」
   「しようがないわねー。ほら コレが証拠、CDだって出てたんだから 」

マキシム・ヴェンゲーロフ / イタマール・ゴラン
バッハ / ベートーヴェン、ウィグモア・ホール ライヴ

Vengerov_Wigmore Hall Live(WHLIVE0056)
J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番ニ短調 BWV.1004
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第9番イ長調 Op.47『クロイツェル』
ヴィエニャフスキ:スケルツォ=タランテラ Op.16
ブラームス:ハンガリー舞曲第1番ト短調
   マキシム・ヴェンゲーロフ(ヴァイオリン)
   イタマール・ゴラン(ピアノ)
録 音:2012年 4月 5日、ロンドン、ウィグモア・ホール
音 盤:WIGMORE HALL LIVE(WHLive-056 )


   「くーっ、今年はまた 手の込んだことしやがって。そこまでして オレをだましたいのか 」
   「何 言ってんのよ、コレ 本物だってば 」
   「ヴェンゲーロフといえば、TeldecEMI と決まってるだろ。この見慣れないレーベルと あか抜けないジャケットは 何だよ。どうせ 巧妙にネットから勝手に写真を切り貼りして オマエが工作したに決まってる 」
   「詳しくは知らないけど 2008年の活動休止に伴って ヴェンゲーロフは 大手レーベルとの契約を解除したんじゃないの 」
   「オレにゴマカシが効かないからって 憶測で物言うな 」
   「じゃ、聴いてみなさいよ 」

( バッハ:パルティータ第2番ニ短調 BWV.1004 を聴く )

   「ほら見ろ。ヴェンゲーロフっぽくないじゃないか。たとえば 2002年録音の 無伴奏『トッカータとフーガ(EMI盤 ) 』で聴かれたような、バッハへの情熱も迸(ほとばし )らせていた濃い表現は影をひそめ、こんなにもニュートラルで淡泊な弾き方をするなんて 」
ヴェンゲーロフ ソロ・ヴァイオリン EMI
参考 : 無伴奏「トッカータとフーガ 」(2002年 EMI ) 
   「たしかに このウィグモア・ホールのバッハは 従来のヴェンゲーロフらしさが聴ける演奏とは言えないわね。でも技巧的には全く問題ないし、何より調和のとれた 安定感が伝わってくるじゃない。活動休止によって失ったものがあった代わりに、彼は 次なる境地に向かう何かを得たのではないかしら。 ここでの『シャコンヌ 』を聴くと、そんな感慨を覚えるわね 」
   「そうじゃないだろ、オマエ、誰か 他の演奏家の録音をコピーして レッテルだけ貼り換えてんじゃないよ、わざわざオレをだまそうとして 」
   「じゃ、次の ベートーヴェンを聴いたら 」

( ベートーヴェン:クロイツェル・ソナタ を聴く )

   「ほーら見ろ、こちらは引退前のヴェンゲーロフだろ。一体いつ演奏された 裏青盤あたりの音源から コピーしたんだ? 」
   「たしかに クロイツェル・ソナタヴェンゲーロフの活動休止前の演奏だと言われても たぶん疑いを抱かないほど 昔の弾き方に近いわね。アレクサンドル・マルコヴィッチのピアノによる1991年のテルデック盤と比較しても遜色ない熱さだわ 」
ヴェンゲーロフ_クロイツェル・ソナタ_Teldec 1991
参考 : クロイツェル・ソナタ 旧盤(1991年 Teldec )
   「ヴェンゲーロフが保有しているヴァイオリンは、1727年製のストラディヴァリウス、その名もクロイツェルだ。 Teldec盤より速い個所はより速く、遅い個所はより遅く、歌いまわしや語り口は より濃厚になっている。第1楽章の強力な弓の引き絞り方の凄さを聴いてみろ。コレ、引退前の調子の良い時のライヴ録音なんだろう? いい加減 白状しろったら、オレを担ごうとして ヴェンゲーロフの昔のライヴ・テープからコピーしましたって 」
   「もー 困ったなー。それじゃ、アンコールの2曲を聴いたらどうかしら 」

( アンコール
 ヴィエニャフスキ:スケルツォ=タランテラ Op.16
 ブラームス:ハンガリー舞曲第1番ト短調 )


   「これは もう完全に絶好調のヴェンゲーロフだろ。特にヴィエニャフスキスケルツォにおける、重音が付点でスキップする技巧的な経過句の格好よさ、トリオで歌う低音弦の豊かさやフレーズの随所にフラジオを差し挟む 目立たぬ超絶テクニックの折り目正しさ、弓に込める過剰な力こぶなんか 絶対に引退前の音だよ 」
   「だから、これこそ 完全復活したヴェンゲーロフの まさに去年の演奏なんだってばー 」
   「ふん、だまされるもんか、オマエなんかに 」
   「このロンドン録音の後、ヴェンゲーロフ10月に来日もしてたんだよ、東京と京都で公演。人見記念講堂でのライヴを聴かれた アレグロ・コン・ブリオ岡本先生がレポートされてる文章、アナタ 読んでないんでしょ 」
ヴェンゲーロフ ヴァイオリン・リサイタル 
   「岡本先生の blog を都合よく使ってんじゃねーよ 」
   「よく見もしないくせに。 今年は 日本で大規模な『ヴェンゲーロフ・フェスティヴァル2013 』っていう企画も計画されてるんだよー。 6月には ヴァグ・パピアン(ピアノ )とのリサイタル、東京フィルハーモニー交響楽団(指揮 広上淳一 )とブラームスのコンチェルト、そして 自ら『シェヘラザード 』を指揮、さらに 弾き振りでチャイコフスキーのコンチェルト まで予定されてるんだって ! 」
   「わかった、わかった。もういいから(笑 )、そんな あり得ない架空プログラムの話題は。オマエ、今年のエイプリル・フールは 完全に失敗だったな 」

以上、“スケルツォ倶楽部”会員の皆様へ、今年のエイプリル・フールの結果報告でした(笑 )。

   「もー、ヴェンゲーロフの情報は 全部 本当のことなのに。ぷんすか 」
   「(笑 ) 」
   「って、笑われてるのは アナタのほうなんだからね ! 」

↓ 清き一票を
にほんブログ村 クラシックブログ クラシック音楽鑑賞へ
にほんブログ村
blogram投票ボタン
人気ブログランキングへ
Club Scherzo, since 2010.1.30.



関連記事
スポンサーサイト

コメント

ナイス・フォロー

岡本先生! 発起人(妻 )です。
せっかく完全復活を遂げた ヴェンゲーロフ のニュースが、コノ頭の固い夫のせいで 皆さまに正しく伝わっていなかったら どうしようーって 実は 心配していた矢先でした。 だから ナイス・フォローです、岡本先生。 ありがとうございました。
ヴェンゲーロフ・フェスティヴァル2013 に行かれるんですね、しかも「東京公演すべて 」! くー、うらやましいです、6月には 先生の質の高いレポートに また期待してしまうーっ

URL | “スケルツォ倶楽部”発起人 ID:-

NoTitle

光栄にも名前まで出していただき、しかもブログの紹介をいただきありがとうございます。ヴェンゲーロフは昨年のリサイタルを聴く限りまさに「完全復活」です。
そして、今年のフェスティバル開催はウソではありません!(笑)
ちなみに、東京での公演は今のところすべて足を運ぶ予定です。
楽しみです。

コメントの投稿

トラックバック

トラックバック URL
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)