本記事は、2月18日 「人気記事ジャズ ランキング 」 で 第1位となりました。
皆さまのおかげです、これからも 何卒よろしくお願い申し上げます。


Getz Children Of The World (CBSソニー 25AP-1696 ) スケルツォ倶楽部 ⇒ 全記事 一覧は こちら
午後のジャズ喫茶 「カフェ ソッ・ピーナ」から
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バレンタイン記念
LOVE ♡ KISS ジャケット特選!

John Lennon Yoko Ono_Double Fantasy The First Kiss_Fairground Attraction_BMG Now Is The Hour_Charlie Haden-Quartet West_Gitanes(Verve )
 わたし “スケルツォ倶楽部発起人(妻 )のコーナー。
 音楽オタクで 独身の二代目マスターが選んでくれる ジャズ周辺 のディスクを、お店の先代オーナー伝承の巨大なオーディオ・セットを通して、思いきり大音量で聴かせてもらえる、わたし お気に入りのカフェ ソッ・ピーナ
 そこは わたしの自宅から徒歩10分ほどの公園そばに建っているオレンジ色の雑居ビル2階にあって、壁一面がガラス張りだから 冬の日差しが射しこんで 店内は十分温かい。
 さあ、今日は一体どんな音楽がかかっているのかしら? と、小さな胸をわくわくさせながら 外の寒い階段を登ってゆくと、すでに踊り場の辺りから お店に流れている音楽が漏れ聴こえています。 

マスター   「いらっしゃいませー 」
わたし    「あれ? マスター どうしたの、元気ないじゃん 」
マスター   「愛が足りないんですよ 」
わたし    「? 」
マスター   「今年もまた バレンタイン・デイ、終わってしまったじゃないですか 」
わたし    「あー、そう言えば 先週の木曜日 - 2月14日 - って、バレンタインだったわね。マスター、チョコレートの成果はあったのかしら? 」
マスター   「この顔を見れば おわかりでしょ 」
わたし    「(笑 )マスターったら、一日中ここに座ってコーヒー淹れてるだけじゃない、やっぱり社会と接点を持たなきゃ 待っててもダメよ 」
マスター   「よく言われます 」
わたし    「第一、若い女のお客さんって ソッ・ピーナに来店するのかしら 」
マスター   「ごく稀(まれ )にありますけど、そういう人は 100% カレシに連れられてくるとかですね 」
わたし    「ふーん、そんなときは 愛し合うカップル向けに、晩年のケニー・ドリュー・トリオの ロマンティックなスタンダード・ナンバーあたりを CDで流してあげるんでしょ 」
マスター   「いえ、オモシロくないんで このパチパチいうスクラッチも盛大な 年季の入ったL.P.レコードで、ウェイン・ショーターの『スーパー・ノヴァ 』大音量で かけてあげてますね 」
わたし    「わたしのせいで 追い出し をおぼえちゃったというわけね ⇒ 関連記事こちら
マスター   「あ~、きれいな女性の常連さまなんて、もう奥さんだけですよ 」
わたし    「人妻のわたしに期待しちゃダメだよ、マスター? でも あんまり可哀そうだから、一度だけ わたし、あげちゃおーかなー 」
マスター   「な…ナニをですか !? 」
わたし    「え? チョコをだよ。ナニ想像してんの。顔がエッチなんだから、もー 」
マスター   「すみません 」

はい、義理チョコ
わたし    「はい、コレ 」
マスター   「・・・って 奥さん、生命保険の勧誘員ですか。見るからに義理チョコじゃありませんか 」
わたし    「当り前でしょうが、ダンナ以外に 本気チョコあげる人妻がいますか? いらないんなら、わたし自分で食べちゃうからね(と、手を伸ばす ) 」
マスター   「(慌てて )い、いえ、頂戴しますよ。どもありがとございました 」
わたし    「なによ、そのふてくされたような言い方は。まるで子供みたいね、マスター ったら 」
マスター   「 (憮然とする ) 」
わたし    「(笑 )子供みたい といえば、今 かかっているレコードは、ハービー・ハンコックの名盤『スピーク・ライク・ア・チャイルド 』ね 」

はい。 以下の文章は しばらく カフェ ソッ・ピーナ マスターによるご案内です。

ハンコック スピーク・ライク・ア・チャイルド (Blue Note )H.Hancock_Speak Like A Child_Blue Note_裏ジャケ
ハービー・ハンコック / Herbie Hancock
スピーク・ライク・ア・チャイルド Speak Like A Child
 ハービー・ハンコック(ピアノ )Herbie Hancock
 ロン・カーター(ベース )Ron Carter
 ミッキー・ロッカー(ドラムス )Mickey Roker
  サド・ジョーンズ(フリューゲルホーン )Thad Jones
  ピーター・フィリップス (バス・トロンボーン )Peter Phillips
  ジェリー・ドジォン (アルト・フルート ) Jerry Dodgion
収録曲:Riot、Speak Like A Child、First Trip、Toys、Goodbye To Childhood、The Sorcerer
録 音:1968年 3月 6日 ニューヨーク
音 盤:Blue Note(BST-4279 )

 60年代にブルーノート・レーベルからリリースされた、若きハービー・ハンコックの才能が光り輝く傑作盤の数々「ウォーターメロンマン 」や「処女航海 」など 同じ管楽器奏者をメンバーに含む作品同士で比べたとき、この「スピーク・ライク・ア・チャイルド 」の興味深い点は、参加した管楽器(サド・ジョーンズを含む 名手を3人も起用しているにもかかわらず )が、一切ソロをとらず ひたすらアンサンブル要員に徹しているということ・・・。
 そうなんです。このアルバムは、実質ハンコックのピアノ・トリオであり、ソロをとるミュージシャンが リーダーのピアニスト独りという、オモシロい試みが成功した一枚なのです。この秀逸なアイディアは、プロデューサーのデューク・ピアソン - 言うまでもなく 彼もブルーノートの名ピアニスト - です。
 盟友ロン・カーターが用意した明るい「ファースト・トリップ 」を除き、多彩な収録曲は、すべてハンコック自身による作曲です。当時レギュラー・ピアニストとしてハンコックを起用していたマイルスが気に入って 先に自分のアルバムに収めた「ライオット」や「ソーサラー 」のモダンなスイング感覚、そして タイトルの「スピーク・ライク・ア・チャイルド 」の繊細なリズムは 当時流行のボサ・ノヴァです。
H.Hancock_Speak Like A Child_Blue Note_ジャケ内側
 オリジナルL.P.の装丁は こんな見開きジャケットでした。
 ブルーノートには珍しい気もしますが、1966年 5月にレーベルが 大手のリバティに吸収されてしまって以降は、 このようなデザインのジャケットもあったのです。 70年代にキング・レコードから 国内盤L.P.がリリースされたときには、このように かなり忠実に復刻されてました(この写真は キング盤 )。

わたし    「キスを交わしている ハンコック夫妻のシルエットも素敵なジャケットね 」
マスター   「では 今日は、ジャケット・デザインが 恋人たちの熱烈なキスを交わしている表紙のレコードを聴くことにしましょう! 」
スケルツォ倶楽部_バレンタインのLOVE♡ジャケット特集 ドサッ! 

わたし    「・・・って、マスター、ヤケくそ みたいね 」
マスター   「はい、そのとおりです。もうぼく ヤケ く○チョコ も一緒なんすから 」
わたし    「きたないなー 」
マスター   「ジャズもロックもJ-POPもサントラも前衛も一緒なんすから 」

Nelson Riddle Love Tide _Capitol ST-1571
ネルソン・リドル Nelson Riddle
「愛の満潮 」 Love Tide
収録曲:Bali Ha'i、Ill Wind、East Of The Sun、Till The End Of Time、Caravan、Sweet Leilani、Take Me In Your Arms、Solitude、Santana、Honeysuckle Rose、Hold Me, Thrill Me, Kiss Me、Love Tide
音 盤:L.P. Capitol Records ST-1571
録 音:1961年



Jackie Gleason Champagne、Candlelight Kisses_Capitol W-1830
ジャッキー・グリーソン Jackie Gleason
「シャンペン、キャンドル・ライト、そして キス」Champagne, Candlelight & Kisses
収録曲:Theme From Bus Stop、Undecided、I Double Dare You、A Pretty Girl Is Like A Melodie、A Littel Love A Littel Kiss、All By Myself、Keepin Out Of Mischief Now、It's Been A Long Long Time、That's A Plenty、Everything Happens To Me、Just You, Just Me、Fascinating Rhythm
音 盤:L.P. Capitol Records W-1830
録 音:1963年



Martini Time_Art Van Damme Quintet (SRCS-7156, Martini Time_Art Van Damme Quintet_4 SELECTIONS COLUMBIA RECORDS 45 EP
「コラ そこ、ナニやってる! 」
アート・ヴァン・ダム Art Van Damme Quintet
マティーニ・タイム Martini Time
収録曲:Adios、Blue Lou、Cheek To Cheek、Let Yourself Down、My Kinda Love、I Hear Music、If I Could Be With You、I Didn't Know What Time It Was、The Surrey With The Fringe On Top、Tenderly、It's Easy To Remember、Madame Van Damme
アート・ヴァン・ダム(アコルディオン )Art Van Damme
チャーリー・カルツァレッタ(ヴィブラフォン )Charlie Calzaretta
ルイス・スカリンダー(ベース )Lewis Skalinder
マックス・マリアッシュ(ドラムス ) Max Mariash
フレッド・ランドキスト(ギター ) Fred Rundquist
録 音:不記載(1950年代 )
音 盤:COLUMBIA (CL-630 )原盤(Sony Records SRCS-7156 )

右の写真は “4 SELECTIONS COLUMBIA RECORDS(45 EP )”
 ウィーク・エンドの語らいにと新しいボトルをオープン、氷がグラスに当たる快い音もS.E.(サウンド・エフェクト )に、とても気持ちよく酔えるナイト・ラウンジ風ジャズとでも名づけますか、カクテル・コンボとでも呼びますか、トゥーツ・シールマンスが在籍していた頃のジョージ・シアリングのコンボ演奏をさらに耳当たり良くしたような小洒落た一枚、実は 以前から大好きでした。まさかコレがCD化されて しかも国内盤まで出ようとは・・・

 
John Lennon Yoko Ono_Double Fantasy John Lennon Yoko Ono_Double Fantasy_Stripped Down
ジョン・レノン & 小野洋子
ダブル・ファンタジー 《ストリップト・ダウン 》 - Limited Edition -
音 盤:EMIミュージック・ジャパン(TOCP-70907 )
録 音:1980年

 ジョン・レノンが 生前最後に完成させたアルバム「ダブル・ファンタジー 」を、生誕70年となる記念年2010年に再リリース。趣向としては、オリジナ・アルバムに加えて 新たにリミックスされた“Stripped Down”ヴァージョンとの2枚組です。
 リミックス・ヴァージョンは、ビートルズアンソロジーの一部や「レット・イット・ビーネイキッドに近い印象でした。オリジナル・アルバムは スタジオで録音された音源にコーラスを加え さらに楽器や効果音を重ねるなど 様々な加工の手を施された上で完成しているわけですが、後から塗り重ねられたこれら付加音を拭い去ったおかげで、オリジナル・アルバムでは聞こえなかった ジョンの微妙な息遣いを聴くことができるのが、この“Stripped Down”ヴァージョンの大きな魅力です。「クリーン・ナップ・タイム 」のいろいろな声の表情、「ウォッチング・ザ・ホイールズ 」のシンプルであるがゆえの豊かなニュアンス、そして名曲「ウーマン 」のアコースティック・ギターの心地良いサウンドに コーラス抜きでひとりジョンが歌うメインのメロディラインなどを 新鮮に味わいました。
John Lennon Yoko Ono
 除去された音がある一方で、(やはり? )新たにさりげなく付加された音もありました。それは、スタジオ内での会話やカウントを数える声、特にジョンの言葉などを 巧みに曲間に差し挟むという試みで、若干の作為性は感じるものの でも 必ずしも悪くない臨場感でした。
 ・・・それにしても - 一度 手に取って ご覧ください - ショーン君が手がけたという この オリジナル・アルバム・ジャケットを トレースしただけの まるで中学生が描いたようなイラストのセンス(特に裏ジャケの筆致 )には、ノー・コメント(タメイキ )です。 かつて「ビューティフル・ボーイ 」だったショーン君は、今 もう何歳になったのでしょうか?


ジョン・ケイルKISS-EAT Andy Warhol
ジョン・ケイル John Cale
アンディ・ウォーホルの映画EAT / KISS のための音楽
ジョン・ケイル・オーケストラ ( 弦楽四重奏、二人のヴォイス、パーカッション、ペダル・スチール・ギター、キーボードの9人編成 )
録 音:1997年 フランス、リール セバストポール劇場における実況
音 盤:HNCD-1407

 アンディ・ウォーホル Andy Warhol(1928 – 1987 上、写真右 )は、ポップアートの旗手として知られるアメリカの芸術家ですが、1960年代には多くの映画も手掛けました。それらはいずれも 長時間 固定カメラを据えて撮った、何も殆ど起こらない風景を上映するという点が特徴的な共通項で、たとえば「Sleep スリープ(1963年 ) 」という映画は、眠っている男を長々と8時間にわたって映し続けるだけというものです。
 このディスクで聴くことができるジョン・ケイルが作曲した伴奏音楽の元の映画「KISS キス(1963年 ) 」も口づけを交わすカップルを延々と映すというもの、そして「EAT 食事(1964年 ) 」も同趣向のアヴァンギャルドな作風です。ケイルは1994年ピッツバーグのウォーホル・ミュージアムで 実際にこれら映画の上映に合わせてオリジナル曲を演奏するというパフォーマンスを成功させており、このディスクは それを再演したライヴです。
そんな、何も起こらない長尺の風景に対して 撮影カメラを回し続けたウォーホルの映画について、西村智弘氏などは「むしろその徹底した無作為性において、逆説的に映画や表現のあり方を照らしだしている 」と鋭く指摘なさっています( ⇒ キノ・バラージュ KINO BALÁZS「ウォーホルのミニマリズム映画 」


The First Kiss_Fairground Attraction_BMG Eddi Reader
フェアーグラウンド・アトラクション Fairground Attraction
ファースト・キッスThe First Kiss Of A Million Kisses
収録曲:Smile In A Whisper 愛の微笑み、Perfect パーフェクト、Moon On The Rain ムーン・オン・ザ・レイン、Find My Love ファインド・マイ・ラヴ、Fairground Attraction フェアーグラウンド・アトラクション、Wind Knows My Name 風が知ってる私の名前、Clare クレアー、Comedy Waltz コメディ・ワルツ、Moon Is Mine ムーン・イズ・マイン、Station Street 駅前通りの子、Whispers ウィスパーズ、Allelujah ハレルヤ、Falling Backwards フォーリング・バックワーズ、Mythology ミソロジー
音 盤:BVCM-34440
発 売:2008/10/22

 エディ・リーダー Eddi Reader (上の写真右 )を世に出すことになった フェアーグラウンド・アトラクションの、最初で最後のオリジナル・アルバムとして知られる魅力的な一枚。有名なジャケットは、1950年代の写真家エリオット・アーウィットによる“The First Kiss Of A Million Kisses ”です。キスを撮影しようとすると、なぜかモノクロームが似合うようですね。
© Elliott ErwittMagnum Photos
▲ Elliott Erwitt
 ・・・ それにしてもヴォーカルのエディの弾(はじ )ける声の凄さを語り出せばきりがありません。「ムーン・イズ・マイン 」で Skim a stone across the river,Throw all my money in the wishing well ! と嬌声が混ざるところ、奔放に弾(はじ )けているようにも聞こえますが、結構 冷静に計算した上でのコントロールされた炸裂ではないかと疑えば、その自由自在な歌唱に感慨も一層深くなります。
 そしてアルバムの中でも出色の一曲と感じる「クレアー 」 - 薄い壁一枚隔てた隣の部屋で、主人公の女性は 彼女の恋人がクレアーという名の少女と愛を交し合っている声を聴かされ、I hear them making love ! という歌詞を繰り返しながら 猛烈な嫉妬の炎に身悶えするという歌 - しかし、そのクレアーという「あばずれ 」少女は「ニューオリンズ生まれ 」で「バーボンストリート育ち 」だと、そう、まさしくジャズのメタファーなのです。隣の部屋で 彼女の恋人がメイク・ラヴしている相手とは 実は人間ではない存在、たとえば 即興演奏に乗りまくっている ひとりのジャズ・ミュージシャンが 自分の楽器 - クラリネットとか サックスか何か - を 忘我の極致で ブロウイングしている・・・というような 音楽の情景を この歌は イメージしているのではないでしょうか?


Red Light Company_First Fascination (Lavolta )
レッド・ライト・カンパニー Red Light Company
ファイン・ファッシネイション Fine Fascination
収録曲:Words Of Spectacular、Scheme Eugene、Arts & Crafts、First We Land、With Lights Out、New Jersey Television、The Architect、Meccano、When Everybody Is Everybody Else、The Alamo
音 盤:UK-Sony Lavolta Records(Lavolta-023 )
発 売:2009年 5月

マスター  「ありそうでなかった、ちょっとショッキングなジャケットでしょ 」
わたし   「うーん・・・このジャケットを見ていたら、わたしが高校1年生だった 7月の放課後、両親が留守だという先輩の家に連れ込まれちゃった、ある夏の日の記憶を思い出して、なんか 顔が赤くなっちゃうなー  」
マスター  「16歳だった頃の奥さんって・・・ 」
わたし   「んもー、ナニを 想像してんのよ 」
マスター  「で、“先輩”の家で、そのあと どうなったんですか? 」
わたし   「・・・教えない ! 」
マスター  「その“先輩”って、今のご主人 - “スケルツォ倶楽部”発起人さんじゃないんですよね 」
わたし   「うふっ・・・絶対に教えない ! 」
 ・・・レッド・ライト・カンパニーは、リーダーのヴォーカル/ギター担当の リチャード・フレノー Richard Frenneaux によって集められたメンバーで、2007年ロンドンで結成されたバンドでした。
 推進力ある勢いも魅力的な音響は、XTC等の影響を感じさせるグループでしたが、このデビュー・アルバムをリリースしてから間もなく V フェスティヴァル 2009におけるファイナル・ショーをもって解散したことをリチャード・フレノー自身が発表したとのこと、せっかく応援しようと思っていたのに。
 詳しくは知りませんが、彼は その後 Anothers Blood という新しいバンドをスタートさせたそうな(未聴 )。


大滝詠一 ファースト (Bellwood )
大瀧詠一:大瀧詠一
収録曲:おもい、それはぼくぢゃないよ、指切り、びんぼう、五月雨、ウララカ、あつさのせい、朝寝坊、水彩画の町、乱れ髪、恋の汽車ポッポ第二部、いかすぜ! この恋
発 売:1972年11月
音 盤:Bellwood(キングKICS-2557 )
 
 はっぴいえんど在籍中に発表された、大瀧詠一自身の名を冠した最初のソロ・アルバム。ジャケットのイラストは、音盤の中身とはあまり関係ない、ちょっとかけ離れた都会的な印象です。
 冒頭の「おもい 」では すでに大瀧氏独特のヨーデル風の裏発声、「うららか 」では アメリカン・ポップスからの好ましい影響とその昇華、「乱れ髪 」では 後年のナイアガラ・サウンドの萌芽などが それぞれ聴けるばかりか、何よりラスト曲「いかすぜ! この恋 」における 歌詞の驚異的な発想力には、もう脱帽です(ネタバレ自粛 )。
 
 そういえば、1997年に突然シングル リリースされた 味わい深い名曲「幸せな結末 」のジャケットにも 大瀧詠一氏は ファースト・アルバムのデザインを使っていましたよね。
幸せな結末_大瀧詠一_Niagara
髪をほどいた 君の仕草が
泣いているようで 胸が騒ぐよ
振り返るのは 終わりにしよう
他の誰でもなく
今夜 君は僕のもの

あふれる想い 抑えきれない
幸せな結末 きっと見つける
今なら言える 素直になれる
いつまでも 愛してる
今夜 君は僕のもの

Baby you're mine
Baby you're mine
          (多幸福


大滝詠一 Talks About Niagara 2014年4月1日 レコード・コレクターズ4月増刊号
▲ 大滝詠一 Talks About Niagara (2014年 4月 1日 レコード・コレクターズ 4月増刊号 )

松任谷由実_Surf Snow(CA-32-1136 )
松任谷由実:サーフ・アンド・スノー Surf & Snow
発 売:1980年12月
音 盤:L.P. 東芝EMIエキスプレス(ETP-90034 )
Side-A:彼から手をひいて、灼けたアイドル、人魚になりたい、まぶしい草野球、ワゴンに乗ってでかけよう
Side-B:恋人がサンタクロース、シーズンオフの心には、サーフ天国・スキー天国、恋人と来ないで、雪だより
 
 夏の葉山、冬の苗場と、毎年のリゾート・コンサートを成功させてきたユーミンの名盤。やはり「ダイアモンドダストが消えぬまに ~ 」以前の作品は、L.P.レコードで聴きたいものです。概ねA面がサマ-・サイド、B面がウィンター・サイドといった 実にわかりやすい構成と配曲で、この効果だけはCDでは出せません(どうしてもやろうとすれば ディスクを2枚に分けるしかないでしょう )。
 「恋人がサンタクロース」、「サーフ天国・スキー天国 」と有名なヒット曲がずらりと並び、どれもポップで 解りやすい歌作りが とても親しみやすいです。楽しい佳曲「まぶしい草野球 」の臨場感あふれるS.E.は アート・ガーファンクルの「ハート・イン・ニューヨーク 」のアイディアと同じ発想。個性的な一曲「恋人と来ないで 」は、主人公と(おそらく)年上の男性との別れの情景で、そこで交わされる静かな会話が そのままデュエットになっているという興味深いもの。相手役に起用された男声歌手は、俳優の岡田真澄(! )でした。


Jungle Smile「 16歳 」
Jungle Smile ジャングル・スマイル: 16歳
発売:2000年 (C/Wは メルヘン )
音盤:ビクター(シングル VICL-35206 )

 冒頭、イ調のケルト音楽風イントロが16小節後、突然 ハ長調へと転調するのですが、そこには あたかも氷が一瞬で溶けたかのような 暖かい「ほっこり 」感があります。
 ジャングル・スマイル(ファンは「ジャンスマ 」と呼ぶらしい )のシングルであれば この「16歳 」より 名曲「おなじ星 」の歌詞のほうが、このジャケット写真のイメージにより合っていると思ってます。その「おなじ星 」は、性を超越した 斬新な発想がとても印象深い歌詞でした。
 詳しく知りませんが、2002年以来 活動を停止しているらしいです。たいへん惜しいですね。
 

Supermarket Fantasy_ (TFCC-86292 )
Mr.Children ミスター・チルドレン:
スーパーマーケット・ファンタジー Supermarket Fantasy
収録曲:終末のコンフィデンス・ソング、HANABI、エソラ、声、少年、旅立ちの唄、口がすべって、水上バス、東京、ロックンロール、羊 吠える、風と星とメビウスの輪、GIFT、花の匂い
発 売:2009年
音 盤:TFCC-86292
 
 このグループについての予備知識は、ぼくは 実は殆ど持ち併せておらず、初めて聴いたくせに 語る資格などありませんが、すべての作詞作曲を手がけている リーダー桜井君の豊かな才能を とりわけ深く感じたのは、このアルバムのラストに収められた2曲 - GIFT、花の匂い - でした。この2つの作品は、人が真心を贈る気持ちと それ(物に限らない )を確かに受け取った心がどうしても相手に感謝を伝えたくなるという衝動を普遍的な形で表現した音楽で、まるで光が溢れ出るように好ましいです。


チャットモンチー_YOU MORE(2)_Kioonチャットモンチー_YOU MORE_Kioon
チャットモンチー;YOU MORE(ユーモア )
収録曲:バースデーケーキの上を歩いて帰った、レディナビゲーション、謹賀新年、草原に立つ二本の木のように、涙の行方、Boyfriend、桜前線、Last Kiss、少年のジャンプ、拳銃、余韻
発 売:2011年4月
音 盤:Ki/oon Records KSCL-1760

 今回は ジャケットだけで選んだため、ぼく(カフェ ソッ・ピーナのマスター )は チャットモンチーというグループを、このディスクだけでしか知らず、しかも初めて聴いただけの感想であることを どうかお許しください。すみません。
 良い意味で 学生ガールズ・バンドの延長線上にある 若々しい彼女らの演奏には ブリティッシュ・ロックのルーツを感じさせます。ビートルズ、ストーンズ・・・しかし、それらは直接の影響ではなく、これらに感化された 別の日本のバンドからの第三世代的影響を受け継いでいるのではないでしょうか。たとえば「涙の行方 」という曲ではレゲエを演(や )っているのですが、おそらく彼女らは ボブ・マーレイ等を聴かずに レゲエのリズムを生かしたポリスに影響を受けた、さらに別の若いバンドからの影響を受けているように思えます。
 とてもわかりやすい「謹賀新年 」の歌詞は ビートルズWhen I’m Sixty-Four の日本的オマージュであり、「余韻 」は おそらく恋人と愛し合った後の少女が 交歓の音やリズム、二人で交し合った言葉などに こと寄せながら、深い充足感に浸るという佳曲です。
 しかしアルバムを最後まで聴き通して感じたことは、作詞に関しては やはり限界 (設定の大部分が 常に「わたし 」と「アナタ 」の世界に留まっているところなど )が見えてしまうものの、「少年のジャンプ 」というナンバーの歌詞の独創性とドラムスが炸裂するエネルギーには 少なからず可能性を見ました。かわいいグループ名とともに とても好意は感じてます、どうか頑張ってくださいね。


エルトン・ジョン 映画「フレンズ 」サウンド・トラック(1971 )
エルトン・ジョン
映画「フレンズ Friends 〜 ポールとミシェル 」オリジナル・サウンドトラック
発 売:1971年、イギリス
音 盤:L.P. / Paramount
収録曲:Friends、Honey Roll、Variation On Friends、 Theme Seasons ( The First Kiss )、Variation On Michelle's Song ( A Day In The Country )、Can I Put You On、Michelle's Song、I Meant To Do My Work Today (A Day In The Country )、 Four Moods、Seasons Reprise

 ルイス・ギルバート監督、アニセー・アルヴィナ Anicee Alvina、ショーン・バリー Sean Bury主演。
 しばしば同時期のイギリス映画「小さな恋のメロディ 」と併せて語られることが多い作品ですが、こちらは少年と少女の成長を描く、決して「甘くない 」ストーリーで ぼくたちに来たるべき人生の厳しさを教えました。


映画「男と女 」_フランシス・レイ(SLCS-5030 )
フランシス・レイ Francis Lai(ピエール・バルー Pierre Barouh )
映画「男と女 un homme et une femme 」オリジナル・サウンドトラック
公 開:1966年

 監督クロード・ルルーシュ Claude Lelouch によるアヌーク・エーメ Anouk Aimee とジャン=ルイ・トランティニアン Jean-Louis Trintignant 主演、1966年のカンヌ映画祭グランプリ、アカデミー賞、ゴールデン・グローブ賞で数々の受賞を受けた名作です。


映画「マイ・ブルーベリー・ナイツ」オリジナルサウンド・トラック
映画「マイ・ブルーベリー・ナイツ 」オリジナル・サウンドトラック
公開:2007年

 ノラ・ジョーンズ Norah Jonesが ウォン・カーウァイ監督に起用され、映画に初出演(しかも主演 )した作品で、サウンド・トラックに関しても 自身による一曲「ザ・ストーリー 」を提供、その他 使用楽曲の選曲に関わっています。カフェ ソッ・ピーナのマスターである、ぼく個人的なおススメは、やはりカサンドラ・ウィルソンによるニール・ヤングの「ハーヴェスト・ムーン 」のカヴァーです、このサントラ盤がオリジナル・リリースではありませんが。


Endless Love
ライオネル・リッチー & ダイアナ・ロス
「エンドレス・ラヴ 」Endless Love 
公開:1981年

 映画のタイトルと同名の主題歌が、ダイアナ・ロスとライオネル・リッチーという大物シンガーによるデュエットで話題となり、アカデミー賞主題歌賞にノミネートされました。
 映画は、名匠フランコ・ゼフィレッリFranco Zeffirelli (1923~ )監督によるもの、主人公で15歳の美少女ジェードをブルック・シールズが主演、原作はスコット・スペンサーの小説で、その破滅型のプロットが「八百屋お七 」に似ていることでも知られます。
 トリヴィア的な話題ですが、ほんの少し顔を出す程度(しかも悪役 )ながら トム・クルーズの初出演作としても知られますね。

 ・・・でもフランコ・ゼフィレッリ監督と言えば、やはり「ロミオとジュリエット 」を忘れるわけにはいきません。ニーノ・ロータ Nino Rota(1911 – 1979 )の音楽も記憶に残る畢生の名作です。
映画「ロミオ ジュリエット 」

 でも、オリジナル・サントラ(EMI )は、なぜか収録されている楽曲が少ないので、こちらを・・・
ニーノ・ロータ作曲_映画音楽「ロミオとジュリエット (Silva_SSD-1140)
 ニーノ・ロータゼフィレッリの映画のために作曲した全てをコンプリートに聴くのであれば、このフィルム・スコアによる再演ヴァージョンをお勧めします。
 但し、シェイクスピアの「ロミオとジュリエット 」につけられた音楽については、近々 奥さんのご主人 - “スケルツォ倶楽部発起人 - さまがとりあげてくださる予定だそうですので、ここでは深く触れないことにします。

「ロメオとジュリエット 」アバド指揮 ベルリンフィル(D.G.) プロコフィエフ、チャイコフスキー「ロメオとジュリエット 」ガッティ ロイヤル・フィル(ソニー BVCO-31002) サロネン_ベルリン・フィル(Sony )抜粋盤
(左から )アバド(DG )盤、ガッティ(BMG )盤、サロネン(Sony )盤

ショルティ盤 プロコフィエフ_「ロメオとジュリエット )」 マゼール盤はベルリオーズの劇的交響曲G_0012
(左から )デュトワ盤はプロコフィエフマゼール盤はベルリオーズ ですが、ニーノ・ロータ盤(上記 )と同じ絵画を使用してますね。

Bernstein_Wagner_Tristan und Isolde_Phlips 映画「トリスタンとイゾルデ 」GNCE-3062 (PLC )
(左から )「トリスタンとイゾルデ 」 、左はワーグナーの有名な楽劇の バーンスタイン(PHLIPS )盤、右は ワーグナーの設定とは まったく無縁の映画サントラです。

The Romantic PhildelPhia Strings
 これは、オーマンディ / フィラデルフィア・オーケストラ弦セクションによる名曲集(Columbia-Sony復刻 )、ジャケット写真には 実は元ネタがあるのですが、これについても また後日にさせて頂きましょう・・・

あなただけを サザンオールスターズ ヴェルディ 愛のデュエット集2 ゲオルギュー(S)アラーニャ(t) 映画「タイタニック 」サウンド・トラック (2012アニヴァーサリー・エディション )

Barbra Streisand_Evergreen Phil Collins Against All Odds single cover Classic Love at the Movies Movie (Decca_2011)
 本当は まだまだ他にも たくさんあったのですが ― さらに 映画サントラ・ジャケット まで 細かくフォローしていくと もはや 限(きり )がありませんから ―  このくらいにして、最後は やっぱりモダン・ジャズのおススメ名盤を 一枚 ご紹介して 今日は お開きとしましょう。

こちら ▼ スケルツォ倶楽部が 推薦します 
Now Is The Hour_Charlie Haden-Quartet West_Gitanes(Verve )
チャーリー・ヘイデン Charlie Haden's Quartet West
Now Is the Hour
収録曲:Here's Looking at You、The Left Hand of God、Requiem~Back Home Blues、There in a Dream、All Through the Night、Detour Ahead、Blue Pearl、When Tomorrow Comes、Palo Alto、Marables's Parable、Now Is the Hour
録 音:1995年7月18~20日 フランス、パリ
音 盤:Gitanes Jazz(France-Verve 529-827-2 )
チャーリー・ヘイデン(ベース )Charlie Haden
アーニー・ワッツ(テナーサックス )Ernie Watts
アラン・ブロードベント(ピアノ、ストリング・オーケストラ編曲/指揮 )Alan Broadbent
ローレンス・マラブル(ドラムス )Larance Marable

 ヴィクター・ジョー・ジェンセン撮影の タイムズスクェアにおける対日戦勝利の「終戦祝賀のキス( 8月14日、1945年 ) 」として知られる 有名な写真がジャケットに使われています。
 中身も実に素晴らしいもので、もはや多くを語る体力は尽きましたが、とにかく傑作です。まるでジュゼッペ・トルナトーレ監督の映画のサウンドトラックを思わせる(・・・って、それは、モリコーネということになってしまいますが、そう思ってくださっても結構です )独特のヨーロッパの映像的詩情が伝わってきます。
 高音ではアルト・サックスかと聞き間違うほど美しく柔らかい音を駆使するアーニー・ワッツのテナー・サックス、アラン・ブロードベントによる モダンな苦(にが )みを醸し出す弦楽オーケストラのバッキングの秀逸さ、そしてオーネット・コールマンやパット・メセニーとの共演以来 ジャズ界で独自の地位を築いている優秀なリーダー、チャーリー・ヘイデン・・・。

わたし    「じゃ マスター、今日はこの辺で 」
マスター   「義理チョコ、ありがとうございました、奥さん 」
わたし    「チョコレート 食べたら、きちんと歯を磨くんだよー 」

(3)和解 ?

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