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「気分がふさいでいるときは、いつも 新しいレコードを何枚か買うことにしてるんだよ 」
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ミンコフスキシューベルト 交響曲全集
シューベルトの肖像画 ミンコフスキ シューベルト 
シューベルト:交響曲全集
  CD1
  第3番 ニ長調 D200、第1番 ニ長調 D82、第2番 変ロ長調 D125
  CD2
  第5番 変ロ長調 D485、第4番 ハ短調 D417「悲劇的 」
  CD3
  第7(8 )番 ロ短調 D759「未完成 」、第6番 ハ長調 D589
  CD4
  第8(9 )番 ハ長調 D944「ザ・グレート 」
マルク・ミンコフスキ Marc Minkowski 指揮
レ・ミュジシャン・デュ・ルーヴル Les Musiciens du Louvre-Grenoble
録 音:2012年 3月、ウィーン、コンツェルトハウス
音 盤:海外盤 Naïve V-5299(4枚組 )
 

 忘れもしません、あの素晴らしかった ハイドンの「ロンドン・セットで トコトン楽しませてくれた「ミンコ 」が率いる ルーヴル宮音楽隊による、今度は 待望のシューベルトです。2012年3月、ウィーンコンツェルトハウスにおける 交響曲全曲演奏会のライヴ録音。
 4枚のディスクをすっきり収めた 板紙製ボックス(コンパクトな省スペースがウレシイ )を 囲む帯にプリントされている情報によれば、彼らは年明け(2013年 )2月に来日するようですね。 2月22日(金 )には 東京オペラシティ コンサートホールで、プログラムはこのシューベルト第7(8 )番 ロ短調「未完成 」、モーツァルトミサ曲ハ短調K.427(ソリスト、合唱団の情報なし )、2月25日(月 )は 東京文化会館大ホール シューベルト「未完成 」第8(9 )番ハ長調「ザ・グレート 」、そして 2月26日(火 )には石川県へ飛び、県立音楽堂で22日と同じ曲目(「未完成 」とモーツァルトのK.427 )が予定されています。

ミンコフスキ シューベルト交響曲全集 Naive

 実は 買ってきてから まだ一度しか全曲通して聴いておりませんが、覚え書き程度に ざーっと感想を書き記してまいりますと、「ミンコ 」のテンポは概して速めながら 決してエキセントリックなほど急ぐことはありません。常に余裕を持った速さでアンサンブルの統制をこそ重視し、楽曲のクライマックス(たとえば第2番 終楽章における付点のギャロップに乗せて 弦セクションが激しく一斉にリズムを刻むところ、「ザ・グレート 」の やはり終楽章で 同様に弦が1小節の中の4分音符を 思い切り伸ばし気味に4つずつ繰り返し、乱暴に刻むところなど - )で 聴者が相当荒々しく感じる箇所であっても 実は 冷静に統制を取りつつ計算ずくで行っていることは、言うまでもありません。
 そして いかにも「ミンコ 」らしい 身軽なオーケストラの気持ち良い音響が セット1枚目の巻頭に収録された第3番の冒頭から炸裂、木管の音色は 透きとおるような美しさ、両翼配置のヴァイオリンも心地よく左右に広がってゆきます。コロコロと打音が目の前を転がってゆくティンパニの音色の心地よさ。第4番終楽章では オーケストラから突出するフルートの響きの意外な効果を狙った新鮮さ・・・ そうですね、「ミンコ 」の特徴は やはり音響そのものにあると思います。
 特に低音弦のぐーんと豊かに膨らむような弾力は特筆もので、それは基本的なリズムの個性にもつながっています。一小節ごとに血の通った拍動がたしかに脈打ち、そこからは 音の末端にまで 新鮮な酸素を送り込もうとする 力強いエネルギーさえ感じるのです。
 それにしても シューベルトの 全交響曲の中でも やはり最高傑作は - 言うまでもなく - 第7(8 )番 ロ短調「未完成 」ですね、今回 あらためて、つくづく感じ入りました、この曲の 別格の美しさを です。一体 この時のシューベルトに何があったのでしょうか。これについては いつか また スケルツォ倶楽部で 考察してみたいです。
 ミンコフスキによる「未完成 」の素晴らしさ・・・それは、ちょっと月並みな表現になってしまいますが、本当に すべての楽器が透きとおって「見える 」ようなのです。聴いて頂ければ きっとお判りになるものと思います、まるで骨格も筋肉も 実に均等にバランスが取れ、見事な調和を保っている世界です。そして、第8(9 )番ハ長調と並んで、活躍するホルンの響き の突出した美しさには 恍惚とします。
 全曲を通して特に感じたことは、ルーヴル宮音楽隊の弦・木管・金管、そしてティンパニという各楽器セクションが明瞭に分離して響きながら(それは 好ましい鮮明な録音のせいもあるのでしょうが )、決して 隣り合った音同士がぶつかったり 汚く濁ったりすることはなく、各音色それぞれが 整然とした音の調和の共同体で一体となる、さらにそれを見事にコントロールしている「ミンコ 」のタクトの巧みさです。

 うーん、“スケルツォ倶楽部” 発起人、この全集には 完全に満足しました。これほどの感銘深さは 思い出してみると・・・ そう、ブリュッヘン(Philips )盤を聴いて以来のことではないでしょうか。
 さて 今一度、「未完成 」交響曲を 聴かずには もう今夜は眠れませんね。

シューベルティアーデ  
☆ 関連する記事 ⇒ 架空のシューベルティアーデ

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