本記事は、9月22日「注目記事ジャズ ランキング 」で 第1位となりました。
皆さまのおかげです、これからも 何卒よろしくお願い申し上げます。


Getz Children Of The World (CBSソニー 25AP-1696 ) スケルツォ倶楽部 ⇒ 全記事 一覧は こちら
午後のジャズ喫茶 「カフェ ソッ・ピーナ」から
  ⇒ メニュー画面は こちら


敢えて ウェイン・ショーターの
スタンダード・ナンバーが聴きたい。

最近の Wayne Shorter ザヴィヌルと ウェイン・ショーター
 こんにちは、スケルツォ倶楽部“発起人” 妻 のコーナーです。
 自宅から 徒歩10分ほどの距離、公園そばに建つオレンジ色の雑居ビル2階にある、わたしがお気に入りのジャズ喫茶 「カフェ ソッ・ピーナ 」。
 壁一面ガラス張りの明るい内装は - いまだに残暑の直射日光が眩しい この時期は さすがに日除けスクリーンを降ろしてますが - さりげなく「普通の喫茶店 」を装っているものの、店内でかかる趣味の良いB.G.M.は、実は どれも音楽オタクで独身の二代目マスターが 自分勝手に選ぶジャズ や ジャズ周辺 の ディスクばかり( 例外的に 昨年の大みそかには 村上春樹 の新刊を読みながら 小澤征爾クラシックCDが 半日かかっていましたが ⇒ こちら )。
 もとい。先代のオーナーから譲り受けた自慢の巨大オーディオ・セットで、音楽を大音量で鳴らしてくれるのを 香り高いコーヒーとともに楽しめる一時(ひととき )は わたしにとって 何ものにも代えがたい、自由時間なのです。
 ・・・但し、それは マスターが衝動的に炸裂させる音楽ウンチク談議に 我慢して耳を傾けてあげれば、という条件付きではありますが(笑 )。

 さーてと、今日は店内では どんな音楽がかかっているのかしら - と、小さな胸をわくわくさせながら 階段を駆け登って、お店の入口の重い防音ドアを よいしょっと押し開ければ そこに吊られているカウベルも いつものようにがららんと鳴り響き、それに一瞬 マーラーの6番「白馬亭 」を 勝手に連想するのも、毎度のこと。
 ・・・あ、渋いテナー・サックスの音が聴こえてきた。すぐにそれとわかる 有名なメロディは、クルト・ワイル作曲の「マック・ザ・ナイフ 」。んー、でもソニー・ロリンズの「モリタート 」ではないようね。キーだけは 同じB♭のようだけれど、このテナー・サックスの音は ロリンズほど太くないし、フレーズも全然違うし、テンポもずっと速い。さらに ニュアンスが豊かで、巧(うま )い。

わたし   「ね、マスター、このテナー って 誰が吹いてるのかしら 」
マスター  「あ、いらっしゃいませ、奥さん。うーん、さすが“モリタート”なら 何でも“サキソフォン・コロッサス”だと思い込むような人とは 目のつけどころが違いますね 」
わたし   「当たり前じゃない。って言うか、いないでしょ そんな人。はやくL.P.ジャケットを 見せて頂戴。 」
マスター  「高飛車ですね、相変わらず。ちゃんとカウンターに飾ってありますよ 」
わたし   「あら 意外、ウェイン・ショーターだったのね。このジャケ写真のショーターったら、若ーい! 」

Introducing Wayne Shorter
「マック・ザ・ナイフ Mack The Knife(作曲 クルト・ワイル ) 」
Introducing Wayne Shorter イントロデューシング・ウェイン・ショーター
 ウェイン・ショーター (テナー・サックス )Wayne Shorter
 リー・モーガン (トランペット )Lee Morgan
 ウィントン・ケリー (ピアノ )Wynton Kelly
 ポールチェンバース (ベース )Paul Chambers
 ジミー・コブ (ドラムス )Jimmy Cobb
録音:1959年11月10日 ニューヨーク
原盤:Vee Jay

マスター  「これは ウェイン・ショーター 初のリーダーセッション。名演として知られる“ブルース・ア・ラ・カルト Blues à la Carte ”を筆頭に 全6曲のうち 5曲が ショーター自身による優れたオリジナル・ナンバーであるためか、唯一のスタンダード・ナンバー演奏であるこの曲は レコードではB面最後という埋草的な位置にある短い演奏ということだけが理由ではないと思いますが、不当に無視され続け、いつも殆ど話題にも上らない演奏の最右翼です 」
わたし   「へえー、こんな録音があることすら わたし知らなかったわ 」
マスター  「偶然にも これが録音されたのは あのマイルス・デイヴィスの歴史的銘品『カインド・オブ・ブルー 』と同年 - 1959年 - であったことに、どこか象徴的なものを感じてしまうんです。しかも ホラ、このメンバーの名前をご覧ください。ウィントン・ケリー、ポールチェンバース、ジミー・コブ・・・ 」
わたし   「あ、まさに『カインド・オブ・ブルー 』A面2曲目、『フレディ・フリーローダー 』のリズム・セクションが そっくりそのまま! 」
マスター  「さすが お気づきですね、奥さん。フロントのコルトレーン、キャノンボールを抜いた代わりにショーターを入れ、これを 離れた場所でマイルスが聴いているという図をご想像ください 」
わたし   「爽快なテンポの中に、シーツ・オブ・サウンドコルトレーンを思わせる 怒涛の16分音符 噴出フレーズが 気持ちいいわね 」
マスター  「後半、ショーターとの4ヴァース交換で 堅実な名手ジミー・コブが叩き出す凄みのあるドラミングにも注目です 」
わたし   「ね マスター、いつもオリジナル曲しか演(や )ってくれないイメージさえある ウェイン・ショーターだからこそ、敢えて 彼がスタンダード・ナンバーでソロをとってる演奏を、もっと わたし 聴いてみたい気がしてきちゃったなー 」
マスター  「うーん、ショーターオリジナリティって、おっしゃるとおり まさに彼のオリジナル・ナンバーの演奏にこそ 顕著に表れるわけで、スタンダード・ナンバー を 演(や )ってる録音って、実は あんまり多くない筈なんですよね。 ・・・でも 棚から ちょっと探してみましょう 」
わたし   「じゃ その間、わたし アイス・ココア飲んでるね 」
マスター  「オーダー、ありがとうございます 」
わたし   「ホイップ・クリーム、多めにお願いします 」
マスター  「ムッ・・・ 」


Blue Note 4029
「ペイパー・ムーン It’s Only Paper Moon(作曲 ハロルド・アーレン ) 」
The Big Beat アートブレイキー & ザ・ジャズ・メッセンジャーズ
 リー・モーガン (トランペット )Lee Morgan
 ウェイン・ショーター (テナー・サックス )Wayne Shorter
 ボビー・ティモンズ (ピアノ )Bobby Timmons
 ジミー・メリット (ベース )Jimie Merritt
 アート・ブレイキー (ドラムス )Art Blakey
録音:1960年3月6日 ニューヨーク
原盤:Blue Note 4029


Blue Note 4245
「ライク・サムワン・イン・ラヴ Like Someone In Love (作曲 ジミー・ヴァン・ヒューゼン ) 」
Like Someone In Love アートブレイキー & ザ・ジャズ・メッセンジャーズ
 リー・モーガン (トランペット )Lee Morgan
 ウェイン・ショーター (テナー・サックス )Wayne Shorter
 ボビー・ティモンズ (ピアノ )Bobby Timmons
 ジミー・メリット (ベース )Jimie Merritt
 アート・ブレイキー (ドラムス )Art Blakey
録音:1960年8月14日 ニューヨーク
原盤:Blue Note 4245


Blue Note 4104
「ムーン・リヴァー Moon River(作曲 ヘンリー・マンシーニ ) 」
Buhaina’s Delight アートブレイキー & ザ・ジャズ・メッセンジャーズ
 フレディ・ハバード (トランペット )Freddie Hubbard
 ウェイン・ショーター (テナー・サックス )Wayne Shorter
 カーティス・フラー(トロンボーン )Curtis Fuller
 シダー・ウォルトン (ピアノ )Cedar Walton
 ジミー・メリット (ベース )Jimie Merritt
 アート・ブレイキー (ドラムス )Art Blakey
録音:1961年11月28日、12月18日 ニューヨーク
原盤:Blue Note 4104


Caravan_art_blakey[1]
「キャラヴァン Caravan(作曲 デューク・エリントン=ファン・ティゾール ) 」
「スカイラーク Skylark (作曲 ホーギー・カーマイケル ) 」
Caravan アートブレイキー & ザ・ジャズ・メッセンジャーズ
フレディ・ハバード (トランペット )Freddie Hubbard
ウェイン・ショーター (テナー・サックス )Wayne Shorter
カーティス・フラー(トロンボーン )Curtis Fuller
シダー・ウォルトン (ピアノ )Cedar Walton
レジー・ワークマン (ベース )Reggie Workman
アート・ブレイキー (ドラムス )Art Blakey
録音:1962年10月23日、24日 ニューヨーク
原盤:Riverside


Miles In Berlin
「枯葉 Autumn Leaves(作曲 ジョゼフ・コズマ )
Miles In Berlin マイルス・デイヴィス
 マイルス・デイヴィス (トランペット )Miles Davis
 ウェイン・ショーター (テナー・サックス )Wayne Shorter
 ハービーハンコック(ピアノ )Herbie Hancock
 ロン・カーター (ベース )Ron Carter
 トニー・ウィリアムス (ドラムス )Tony Williams
録音:1964年9月25日 ライヴ・イン・ベルリン
原盤:CBS Columbia


1965年12月22日、1st セット
「イフ・アイ・ワー・ア・ベル If I Were A Bell(作曲 フランク・レッサー ) 」
「星影のステラ Stella By Starlight (作曲 ヴィクター・ヤング )
「アイ・フォール・イン・ラヴ・トゥ・イージリー I Fall In Love Too Easily (作曲 ジュール・スタイン )
At Plugged Nickel - 1965年12月22日、1st セット
 マイルス・デイヴィス (トランペット )Miles Davis
 ウェイン・ショーター (テナー・サックス )Wayne Shorter
 ハービーハンコック(ピアノ )Herbie Hancock
 ロン・カーター (ベース )Ron Carter
 トニー・ウィリアムス (ドラムス )Tony Williams
録音:1965年12月22日 ライヴ・アット・プラグド・ニッケル シカゴ
原盤:CBS Sony Complete Live At Plugged Nickel - 1965


1965年12月22日、2ndセット
「マイ・ファニー・ヴァレンタイン My Funny Valentine(作曲 リチャード・ロジャース ) 」
「ホエン・アイ・フォール・イン・ラヴ When I Fall In Love(作曲 ヴィクター・ヤング ) 」
「ラウンド・アバウト・ミッドナイト Round About Midnight(作曲 セロニアス・モンク ) 」
At Plugged Nickel - 1965年12月22日、2ndセット
 マイルス・デイヴィス (トランペット )Miles Davis
 ウェイン・ショーター (テナー・サックス )Wayne Shorter
 ハービーハンコック(ピアノ )Herbie Hancock
 ロン・カーター (ベース )Ron Carter
 トニー・ウィリアムス (ドラムス )Tony Williams
録音:1965年12月22日 ライヴ・アット・プラグド・ニッケル シカゴ
原盤:CBS Sony Complete Live At Plugged Nickel - 1965


1965年12月22日、3rdセット
「オール・オブ・ユー All Of You (作曲 コール・ポーター ) 」
「アイ・フォール・イン・ラヴ・トゥ・イージリー I Fall In Love Too Easily (作曲 ジュール・スタイン ) 」
「アイ・ソウト・アバウト・ユー I Thought About You(作曲 ジミー・ヴァン・ヒューゼン ) 」
At Plugged Nickel - 1965年12月22日、3rdセット
 マイルス・デイヴィス (トランペット )Miles Davis
 ウェイン・ショーター (テナー・サックス )Wayne Shorter
 ハービーハンコック(ピアノ )Herbie Hancock
 ロン・カーター (ベース )Ron Carter
 トニー・ウィリアムス (ドラムス )Tony Williams
録音:1965年12月22日 ライヴ・アット・プラグド・ニッケル シカゴ
原盤:CBS Sony Complete Live At Plugged Nickel - 1965


1965年12月23日、1st セット
「イフ・アイ・ワー・ア・ベル If I Were A Bell(作曲 フランク・レッサー ) 」
「星影のステラ Stella By Starlight (作曲 ヴィクター・ヤング )
「アイ・フォール・イン・ラヴ・トゥ・イージリー I Fall In Love Too Easily (作曲 ジュール・スタイン )
At Plugged Nickel - 1965年12月23日、1st セット
 マイルス・デイヴィス (トランペット )Miles Davis
 ウェイン・ショーター (テナー・サックス )Wayne Shorter
 ハービーハンコック(ピアノ )Herbie Hancock
 ロン・カーター (ベース )Ron Carter
 トニー・ウィリアムス (ドラムス )Tony Williams
録音:1965年12月23日 ライヴ・アット・プラグド・ニッケル シカゴ
原盤:CBS Sony Complete Live At Plugged Nickel - 1965


1965年12月23日、2ndセット
「オール・オブ・ユー All Of You (作曲 コール・ポーター ) 」
「マイ・ファニー・ヴァレンタイン My Funny Valentine(作曲 リチャード・ロジャース ) 」
「オン・グリーン・ドルフィン・ストリート (作曲 ブロニスロウ・ケイパー ) 」
At Plugged Nickel - 1965年12月23日、2ndセット
 マイルス・デイヴィス (トランペット )Miles Davis
 ウェイン・ショーター (テナー・サックス )Wayne Shorter
 ハービーハンコック(ピアノ )Herbie Hancock
 ロン・カーター (ベース )Ron Carter
 トニー・ウィリアムス (ドラムス )Tony Williams
録音:1965年12月23日 ライヴ・アット・プラグド・ニッケル シカゴ
原盤:CBS Sony Complete Live At Plugged Nickel - 1965


1965年12月23日、3rdセット
「ホエン・アイ・フォール・イン・ラヴ When I Fall In Love(作曲 ヴィクター・ヤング ) 」
「枯葉 Autumn Leaves(作曲 ジョゼフ・コズマ )」
「アイ・フォール・イン・ラヴ・トゥ・イージリー I Fall In Love Too Easily (作曲 ジュール・スタイン )
At Plugged Nickel - 1965年12月23日、3rdセット
 マイルス・デイヴィス (トランペット )Miles Davis
 ウェイン・ショーター (テナー・サックス )Wayne Shorter
 ハービーハンコック(ピアノ )Herbie Hancock
 ロン・カーター (ベース )Ron Carter
 トニー・ウィリアムス (ドラムス )Tony Williams
録音:1965年12月23日 ライヴ・アット・プラグド・ニッケル シカゴ
原盤:CBS Sony Complete Live At Plugged Nickel - 1965


1965年12月23日、4thセット
「星影のステラ Stella By Starlight (作曲 ヴィクター・ヤング ) 」
「イエスタデイズ Yesterdays (作曲 ジェローム・カーン )」
At Plugged Nickel - 1965年12月23日、4thセット
 マイルス・デイヴィス (トランペット )Miles Davis
 ウェイン・ショーター (テナー・サックス )Wayne Shorter
 ハービーハンコック(ピアノ )Herbie Hancock
 ロン・カーター (ベース )Ron Carter
 トニー・ウィリアムス (ドラムス )Tony Williams
録音:1965年12月23日 ライヴ・アット・プラグド・ニッケル シカゴ
原盤:CBS Sony Complete Live At Plugged Nickel - 1965


Blue Note 4029
「イエスタデイ Yesterday(作曲 ポール・マッカートニー )
DelightfuLee Morgan リー・モーガン
 リー・モーガン (トランペット )Lee Morgan
 ウェイン・ショーター (テナー・サックス )Wayne Shorter
 マッコイ・タイナー(ピアノ )McCoy Tyner
 ボブ・クランショウ (ベース )Bob Cranshaw
 フィリー・ジョー・ジョーンズ (ドラムス )“Philly”Joe Jones
 With オリヴァー・ネルソン編曲によるホーン・アンサンブル
録音:1966年4月8日 ニューヨーク
原盤:Blue Note 4029

 ウェイン・ショータービートルズ・ナンバーですよ? 結構イケテます !

Weather Report 830 WEATHER REPORT Forecast Tomorrow
「サンクス・フォー・ザ・メモリー Thanks For The Memory (作曲 レオ・ロビン = ラルフ・レンジャー ) 」
Weather Report 08:30
 ウェイン・ショーター (テナー・サックス、ソロ )Wayne Shorter
録音:1978年 8月~11月 ライヴ・フロム・コンサート

マスター  「最盛期のジャコ・パストリアスがベース担当だった、ユニットとしての志向性も揺るぎなく一致 - って、それも 今にして思えば 一瞬の光芒だったわけですが - 盤石の結束を誇った時期の W.R.の貴重なライヴを とらえた実況録音の名盤、エイト:サーティ! 当時 ショーターが、ステージで ジョゼフ・ザヴィヌルの弾くピアノとシンセサイザーに合わせ、しばしばデューク・エリントンの“ソフィスティケイテッド・レディ”や ガーシュウィン・ナンバーなどを取り上げ、デュオ(二重奏 )で聴かせるコーナーを 設けていたことは、マイナー・レーベルから膨大にリリースされている非正規盤ライヴによって確かめることが出来ますが、この“ 8:30 ” における ウェイン・ショーターの パフォーマンスは、大胆にも 完全な無伴奏ソロ演奏、しかも意外な選曲 - それは ある一定年齢以上のアメリカ人なら 誰しも郷愁を誘われる、ボブ・ホープテーマ・ソングサンクス・フォー・ザ・メモリー(想い出よ、ありがとう )”でした。オムニバス盤 Forecast:Tomorrow では 1978年、ドイツ、オッフェンバッハにおけるライヴ映像で ひとり サンクス・フォー~ を ステージで熱く吹きまくる 動くショーターが観れます! 」

V.S.O.P. The Quintet Live Under The Sky
「星影のステラ Stella By Starlight (作曲 ヴィクター・ヤング ) 」~
「オン・グリーン・ドルフィン・ストリート (作曲 ブロニスロウ・ケイパー ) 」
V.S.O.P. The Quintet Live Under The Sky
 ウェイン・ショーター (テナー・サックス )Wayne Shorter
 ハービーハンコック(ピアノ )Herbie Hancock
録音:1979年7月26日 ライヴ・アット・田園コロシアム 東京
原盤:CBS Sony

マスター  「マイルス・クインテットを再現する目的で企画された“ワン・タイム・パフォーマンス”も プロデュース側が 金になると悟った瞬間から 継続的に繰り返されました。それでも一回一回鮮度を失わない、演奏家のレヴェルの高さには 参ります。本当に凄いグループでした。その頂点を記録した1977年豪雨の中の東京ライヴの実況録音が これです。脱線話をひとつ - 。鳴り止まぬ熱狂的な喝采に、ショーターハンコックの二人が ステージに戻る直前 バックステージでアンコール曲目の打ち合わせをしています『(ショーター )アンコール、何を演(や )ろうかなー 』、『(ハンコック )じゃ、意表を突いて 久しぶりに マイルス時代の思い出の一曲 グリーン・ドルフィン、どうだ 』、『(ショーター )いいね。よし、わかった 』。しかし ハンコックによる即興のピアノ・イントロに合わせて ショーターが吹いた最初のフレーズは、なんと “ステラ・バイ・スターライト”でしたとさ。『(ショーター、吹きながら )あっ、しまった。勝手に指が動いて 打ち合わせと違う曲のフレーズで始めちゃったぁ・・・ 』、『(ハンコックウェインのヤツったら 仕方ないなー、でも いいよ、これで 合わせてやるから・・・ 』 - って、実話です。 それでいて この高いクォリティ、呼吸(いき )もぴったり。なにしろ この偉大な二人、それまで積み重ねてきた共演経験の 量も質も そのレベルが 違います。もし ジャズという音楽の本質 - 即興性 - を 実際に耳で確かめることができる 歴史的なベスト録音を選ぶとしたら、確実に 5本の指に入ると思われる、このアンコール演奏の凄さは、聴く人が聴けば、震えが来るほどの素晴らしさを 追体験できるものと思います 」

Conrad Silvert Presents Jazz At The Opera House Conrad Silvert Presents Jazz At The Opera House left
「'ラウンド・ミッドナイト 'Round Midnight (作曲 セロニアス・モンク ) 」
Conrad Silvert Presents Jazz At The Opera House
 ウェイン・ショーター (テナー・サックス )Wayne Shorter
 ハービーハンコック(ピアノ )Herbie Hancock
録音:1982年2月22日 At War Memorial Opera House サンフランシスコ
原盤:CBS Sony

マスター  「白血病に侵された名ジャーナリスト、コンラッド・シルヴァートが生涯最期にプロデュースした有名なジャズ・コンサートの実況録音盤です。ソニーから出ている素晴らしい2枚組は 実は不完全な編集で、いずれ ソニー・ロリンズ、パット・メセニージャコ・パストリアスなど 契約上の都合で 収められていない演奏も含めた、コンプリート盤がリリースされるであろう その日を待っている一人ですが、やはりハイライトのひとつは この日の5日前に亡くなったセロニアス・モンクを偲んで、テナー・サックスを片手に 衝動的にステージに上がったウェイン・ショーターが ここでも ハンコックのピアノと即興的なデュオを繰り広げた 'ラウンド・ミッドナイトでしょう 」

Herbie Hancock _Gershwin’s World
「ザ・マン・アイ・ラヴ The Man I Love (作曲 ジョージ・ガーシュウィン )
「サマータイム Summertime(作曲 ジョージ・ガーシュウィン )
Herbie Hancock : Gershwin’s World
 ジョニ・ミッチェル (ヴォーカル )Joni Mitchel
 ウェイン・ショーター (テナー・サックス、ソプラノ・サックス )Wayne Shorter
 ハービーハンコック(ピアノ )Herbie Hancock
 アイラ・コールマン(ベース )Ira Coleman
 テリ・ライン・キャリントン(ドラムス ) Terri Lyne Carrington
 スティーヴィ・ワンダー(ハーモニカ / サマータイムのみ )
録音:1998年
音盤:Verve (POCJ-1421 )

マスター  「ウェイン・ショーターが参加の2曲とも、いずれもジョニ・ミッチェルの表情豊かな『ジャズ・ 』ヴォーカルに驚いてしまいます - などと言っては失礼に当たるでしょうが、その発声・発音からは、立派なスタンダード解釈が聴かれるので、70年代のジョニのイメージを引きずっている ぼくのようなリスナーにとっては、意外(! )としか 言葉が見つかりません。ショーターは、ザ・マン・アイ・ラヴではテナーサマータイムではソプラノによる、いずれも音数こそ抑えつつ 空気のような存在感でソロを披露します。ちなみに アルバム中では もう一曲、エリントンのリフ・ナンバー『コットン・テイル 』にもショーターは参加しており、そこでは 急速な4ビートを演奏するアコースティックな楽器編成のハンコック・トリオに乗せて、どちらかというと とても控えめなソロを展開しています 」

わたし   「あー、楽しかった。ウェイン・ショーターって言えば、やっぱり一個のジャズ・ミュージシャンとしては 最強の即興演奏家じゃない? マイルス(共演 )時代、ウェザー・リポートV.S.O.P.時代から 今日の『ソロ - 大御所 』時代と、大ざっぱに分類しても 一貫して その個性は 一瞬一瞬に自己を完全燃焼させるインプロヴァイザーとしての存在に高い評価が与えられてきたと思うの 」
マスター  「そうですね。ジャズにおいては スタンダード曲を演奏することによって、むしろ即興演奏家としての個性が際立つ場面が多いことを、ショーター自身が 彼の決して多いとは言えない録音によって 証明している - とも言い得ると思うのです 」
わたし   「だから、1997年にVerveから ショーターハンコックのピアノとによる完全なデュオ・アルバム1+1 )がリリースされた当時、それこそ速攻で購入、食事もせずに続けて5回 繰り返し聴いた後で、それは とても美しく素晴らしい演奏ではあったんだけど、でも やっぱり わたし、正直言って 少しがっかりしたの。わたしの期待していたものとは 違っていたから。かつて彼ら - 若き日のショーターハンコック - が 共に研鑽を重ねていたに違いない60年代のマイルス・デイヴィス・グループ時代に イヤというほど演奏を重ね、彼らの血となり肉となっている筈の スタンダード・ナンバーが、そこでは 一曲も取り上げられていなかったから。自分勝手な意見だっていうことは よく判っていますけど、わたしは ショーター『今の 』解釈による ステラ・バイ・スターライトを、グリーン・ドルフィンを、ラウンド・ミッドナイトを 聴きたかったわけ。わたしの嗜好って、ちょっとズレてるかしら? 」
ハービー・ハンコック  ウェイン・ショーター / 1+1 (ワン・プラス・ワン )
マスター  「うーん、実は ぼくも奥さんの感想に賛成する部分が、ないわけじゃありません ( って、二重否定の肯定文です )。でも Verve『1+1 』は、とても評価の高いアルバムでしたから、きっと続編がリリースされるだろうなーって 期待しているわけです。その時には きっと スタンダード楽曲が取り上げられるんじゃないかなーって、それを ぼくは ずっと待ってるわけです 」
わたし   「(舌打ち )ふふん、当たり障りのない意見ね、マスターったら。でも 考えてよ、1997年録音の 『1+1 』から もう15年も経つんだよー。本当に待ってるの? 今でも? そうだとしたら、もー、とことん気が長いわねー(笑 ) 」
マスター  「あ、そうだ! これにロン・カーターを加えて 『1+1+1 』っていう 新しい企画 どうでしょう? 」
わたし   「はー、そうね そろそろ お暇(いとま )しよーかなー 」

レコードをかけるスヌーピー
また次回は いつになることやら・・・

メニュー画面は こちら

     
 ↓ 清き一票を
にほんブログ村 音楽ブログ ジャズへ
にほんブログ村
にほんブログ村 クラシックブログ クラシック音楽鑑賞へ
にほんブログ村
blogram投票ボタン
人気ブログランキングへ
Club Scherzo, since 2010.1.30.

関連記事
スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿

トラックバック

トラックバック URL
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)