本記事は 2011年11月16日に 一度投稿した記事でしたが、
本日 2012年 7月14日、訂正・追加した上、更新させて頂いたものです、何卒 ご了承ください。


スケルツォ倶楽部 Club Scherzo
☆ 「なぜ ビートルズは こんなにもオモシロイのか 」    メニュー は  ⇒ こちらから 
アビイ・ロード Abbey Road 」の横断歩道が
 文化遺産に指定

The Beatles Abbey Road ジャケットに使われたアビイ・ロード (Wikipedeiaより )
 今晩は、“スケルツォ倶楽部” 発起人です。
 もう一年半も前の 古いニュースで 恐縮です。ビートルズのラスト・アルバム「アビイ・ロード Abbey Road 」のジャケットで有名な アビイ・ロード・スタジオ前の「横断歩道 」が、一昨年(2010年 )12月、その「文化的背景から景観保存が検討 」された結果 イギリス政府によって 何と「イギリスの文化的・歴史的遺産 」の指定を受けていたというニュース、実は最近になって 初めて知りました。対象が建築物などでなく「横断歩道 」が指定されるのは 異例のことだそうです。
Abbey Road Out Take-4
 でも 確かに この名盤の 有名なジャケット写真から わたしたちが受ける 不思議なほどの安定感や古典的な印象の強さって、それは独特のもの。ビートルズの偉大さに敬意を表しつつ この「アビイ・ロード 」を下敷きにしたレコード、CD、書籍等のパロディ・デザインが 今も後を絶たないのも頷(うなづ )ける気がします。

 そんな中でも 過去 最も話題になったパロディ・ジャケット作品と言えば、ビートルズのメンバーとしてジョン・レノンと共にリード・ヴォーカルを務めていたポール・マッカートニー自身の1993年のワールド・ツアーのベスト・テイクを収録したライヴ・アルバム「ポール・イズ・ライヴ Paul Is Live ! 」 の表紙ではないでしょうか。
Paul Is Live_Abbey Road 
ポール・イズ・ライヴ Paul Is Live !  
収録曲 : Drive My Car、Let Me Roll It、Looking for Changes、Peace in the Neighbourhood、All My Loving、Good Rocking Tonight、We Can Work It Out、Hope of Deliverance、Michelle、Biker Like an Icon、Here, There and Everywhere、My Love、Magical Mystery Tour、C'mon People、Lady Madonna、Paperback Writer、Penny Lane、Live and Let Die、Kansas City、Hotel in Benidorm、I Wanna Be Your Man、A Fine Day 
録 音 : 1993年

 1969年、「アビイ・ロード 」がイギリス国内でリリースされた秋以降、心血を注いできたビートルズの「解散 」という辛い事態を遂に受け容れなければならなくなったポール・マッカートニーは、スコットランドのキンタイア岬の自宅農場に引きこもって 初のソロ・アルバム「マッカートニー 」制作の準備を進めていました。
 急に姿を見せなくなったポール・マッカートニーが 「実は死んでいるのではないか 」 という 「ポール死亡説(Paul Is Dead ) 」なる風評(? )が 突然浮上し、ロンドン中を騒然とさせていました。その希薄な根拠となっていたのが、まさにリリース直後だった このアルバム「アビイ・ロード 」のジャケット写真で、それは -
(1 )ポールは左利きにもかかわらず 右手にタバコを持っていることに 何らかの意味がある、
(2 )ジャケットに写っている 路上駐車のフォルクスワーゲンのナンバー・プレートに「28-IF 」であるが、それは「もし(IFポールが生きていれば28歳だった 」ということを意味する(でも実際には まだ27歳だったそうです・・・ )、
(3 )ジャケット・デザインは埋葬の行列であり、白いスーツに髭のジョン・レノンは「神父 」、黒いスーツのリンゴ・スターは「葬儀屋 」、上下デニムのジョージ・ハリスンは「墓堀人夫 」を表し、そして ひとりだけ裸足で目を閉じているポールが 実は すでに死んでいることを表している - などというものでした ( ・・・感心?)。
 そんな騒動から20年以上も経って、上掲のアルバム・タイトル「ポール・イズ・ライヴ Paul Is Live ! 」は、ポール・マッカートニーのコンサート実況(Live ! )盤であるということと同時に、申すまでもなく かつての「ポール死亡説(Paul Is Dead ) 」に対する「ポールは生きている! 」という意味のパロディになっています。
Paul is live!
 でも、これが もしリアルタイム(1969~1970年 )で 彼の最初のソロ・アルバム「マッカートニー 」のタイトル(ジャケットも )に用いられていたとしたら、その印象や世間に与えたであろうインパクトは さぞや強烈だったでしょうね。


■ クラシカル系 ビートルズ
 ビートルズの音楽をクラシカルなスタイルで巧みに演奏する試みの企画は 昔から数多いですが、その中でも「アビイ・ロード 」ジャケットを基にしたディスク表紙デザインには、以下のような作品がありました。

 もしベートーヴェンが「イエロー・サブマリン 」を 弾いたとしたら・・・
 そんな あり得ない夢想も ベルギーのピアニスト フランソワ・グロリュー Francois Glorieux(ピアノ )の想像力と腕にかかれば、実際に耳にすることが可能に(? )。これは 古今の大作曲家のスタイルによる ビートルズ楽曲演奏の 先駆的な試みとして 発表された当時 たいへん話題になりましたね。
Francois Glorieux_Abbey Road
 ショパン風の「イエスタデイ 」とか、シューマンっぽい「ヘルプ! 」、モーツァルトみたいな「オブ・ラ・ディ、オブ・ラ・ダ 」、バッハの作品のようにフガートな「ヘイ・ジュード 」、グリーグ風の「サムシング 」・・・ 中でも傑作なのが やはりフランス印象派風の衣装をまとった演奏 - ドビュッシー(「イン・マイ・ライフ 」 )、ラヴェル( 「ミッシェル 」 )の素晴らしさ、果ては エリック・サティ風「ハロー・グッドバイ 」の可笑しさったら!

 こちらは イギリスのジョン・バイレス John Bayless (ピアノ )による バッハのスタイルで統一された ビートルズ楽曲の演奏です。
Bach Meets the Beatles John Bayless
Intersound 5758(2004年 )
 バイレスのパロディ演奏の素材となった ビートルズの楽曲は、「ペニー・レーン 」、「イエスタデイ 」、「キャン'ト・バイ・ミー・ラヴ 」、「レット・イット・ビー 」、「恋におちたら 」、「イマジン(ジョン・レノン ) 」、「抱きしめたい 」、「ミッシェル 」、「ア・ハード・デイズ・ナイト 」、「アンド・アイ・ラヴ・ハー 」、「レディ・マドンナ 」 といった有名曲揃い 。まるで「イギリス組曲 」の舞踏楽章を思わせる「エリナー・リグビー 」 その優れた再構築には、このピアニストの高い力量を感じます。


■ ジャズ系
ジョージ・ベンソン George Benson
アビイ・ロード Other Side of Abbey Road(CTI / A&M )

Other Side of Abbey Road(CTI  AM )
 ギターを抱えて道路を横断するベンソンの後ろ脇に 初老の婦人も渡っているのが見えますが、オリジナルL.P.は 実はダブル・ジャケットになっていて、広げるとさらにその後から もうひとりのおばさんが歩いているのが写っていました。
 ビートルズのオリジナル・アルバムが録音されたのは1969年 4月20日~ 8月18日でしたが、イギリス国内盤のリリースは同年 9月26日、そしてアメリカ盤が10月1日。しかしジョージ・ベンソンによる ジャズ・アレンジ(ドン・セベスキー )の施された このOther Side of Abbey Road がCTIから発売されたのは、なんと驚くべきことに 同年1969年11月のこと(! )だった と伝えられています。速成にもかかわらず この優れた完成度。
 オリジナル・アルバムに収録されている主要な曲はすべて取り上げられていますが、個人的には ジョージハリスンの名曲 Here Comes The Sun を思い切り崩しながら歌うジョージ・ベンソンの背後で、自由自在にテンションをどんどん重ねてゆくハービー・ハンコックのアコースティック・ピアノのバッキング・プレイの素晴らしさに発熱します。
主要な参加メンバー :
ジョージ・ベンソン George Benson (ギター、ヴォーカル )
ハービー・ハンコックHerbie Hancock(ピアノ、キーボード )
ボブ・ジェイムス Bob James(キーボード )
ロン・カーター Ron Carter(ベース )
アイドリス・ムハンマドIdris Muhammad (ドラムス )
レイ・バレット Ray Barretto (パーカッション )
ソニー・フォーチュンSonny Fortune (アルト・サックス )
フレディ・ハバード Freddie Hubbard (トランペット、フリューゲルホーン )、
ヒューバート・ロウズ Hubert Laws (フルート ) + 弦楽アンサンブル
録 音:1969年10月、11月
収録曲:1. Golden Slumbers / You Never Give Me Your Money、2. Because / Come Together、3. Oh! Darling、4. Here Comes The Sun / I Want You (She's So Heavy )、5. Something / Octopus's Garden / The End



■ ロック系
オアシスOasis
モーニング・グローリー What's the Story : Morning Glory

Oasis_(Whats The Story) Morning Glory
 1992年に結成された マンチェスター出身のオアシス Oasisがその3年後に発表した セカンド・アルバムのジャケット。これは 道路を「横断 」するのではなく、彼らがその中央を「縦断 」(! )している - という大胆にして危険な構図です。
 アルバムは彼らの出世作にして最高傑作(? )。全曲素晴らしいですけど、有名なイントロが印象的なピアノ連打から始まる ビートルズっぽい Don't Look Back in Anger には - ジョン・オズボーンの戯曲「怒りを込めて振り返れ 」の原題と同じ - いつ聴いても 胸が熱くなりますね。
収録曲:1. Hello、2. Roll with It、3. Wonderwall、4. Don't Look Back in Anger、5. Hey Now !  6. Some Might Say、7. Cast No Shadow、8. She's Electric、9. Morning Glory、10. Champagne Supernova


■ それから・・・

映画「けいおん!」から
先頭を歩く リズム・ギター担当 梓(あずにゃん ) に続いて、ポール・マッカートニーと同じ 左利きのベーシスト 澪(みお )、リードギターの 唯(ゆい )、キーボードの 紬(むぎちゃん ) 、そして ひとり愛想よく手を振る ドラマーの 律(りっちゃん ) - の順に、アビイ・ロード横断歩道を渡る場面。
映画「けいおん 」のアビイ・ロードの横断歩道を渡るシーン
 ストーリーの主人公である 3年生の 4名は 高校卒業を間近に控え、すでに全員同じ大学進学が決まっているという時期です。彼女らは 後輩である梓(あずにゃん )を 連れて(連れられて? ) 卒業記念旅行へと出発するのですが、映画の舞台となるのが、その旅行先 ロンドン です。
 ウェストミンスター宮殿の時計塔ビッグベンカムデンタウン、タワーブリッジ、コヴェントガーデン、ロンドンアイなど、有名な観光スポットが次々と描写され、丁寧に作られたアニメーションを観ていると まるで放課後ティータイムのメンバーと一緒に 駆け足でロンドン市内を 走リ回っているような気持になれますよ。
 この映画「けいおん!」は、2011年12月公開後、たった2日間で23万人もの観客動員数と3億1,600万円を超える興行収入を記録する大ヒット作となりました。
映画館で 映画「けいおん! 」を観る 放課後ティータイムのメンバー
 ところで、この 「けいおん! 」に流れている独特の空気感 - それこそ この作品の 個性的な 魅力なのですが - を説明することは 少し難しいです。要するに それは「何も起こらない 」アンチ・ドラマティックで 良い意味で「空虚な 」ムードにこそあると思ってます。
 一昔前の学園ものアニメだったら ドラマの必須条件だったに違いない、たとえばメンバー間の 感情的な対立とか 挫折、恋愛関係といったような、いわゆる劇的な要素や 汗くささといったものを この「けいおん! 」というコミックが、まったく排除している (! )ということに気づいた時、 “一昔前の世代 ”に属する 私 “スケルツォ倶楽部発起人は 大きなショックを 受けました。
 しかし それこそが この「けいおん! 」という作品の 注目すべき新しい特徴だと思うのです。映画では 開幕間もなく 「目指す 音楽性の方向が 変わってきたメンバー同士で起きる 感情的な不協和音 」ごっこ(! ) を 装い 演じては 可愛らしく笑い転げる女子高生たちの “一昔前の世代”のアニメ / ドラマだったら 絶対あり得ないような設定に 好意を感じるのです。これについては、もし 別に語れる機会があれば またぜひ。
秋山澪_けいおん ! 放課後ティータイム


Snoopy's Classiks : Beatles On Toys
Snoopy Abbey Road
Snoopy's Classiks : Beatles On Toys
(Lightyear Entertainment ISMN#1-56896-097-2 54148-2 )
収録曲 : 1. Do You Want to Know a Secret、2. Blackbird、3. Yesterday、4. When I'm Sixty Four、5. Here Comes the Sun、6. She Loves You、7. Lucy in the Sky with Diamonds、8. Help ! 9. A Hard Day's Night、10. Yellow Submarine

 
 ビートルズの「アビイ・ロード 」のジャケットでは一列に並んで歩く4人のメンバーのうち ポール・マッカ-トニーひとりだけ 撮影の時 なぜか靴を脱いで裸足でいたことはよく知られていますが、ピーナッツの仲間たちも3番目を歩いているスヌーピー靴を履いていないところ(あ、当然? )が、ポールとの共通点です。そう考えると、なかなか味わい深いジャケットです。
 中身のディスクは、子どもたちのヴォーカルが入っているのは 1,6,7,10の4曲のみ。他はシンセサイザーと おもちゃ楽器のサンプラー音源によるものと思われるインストゥルメンタル演奏で それなりに可愛らしいですが、残念ながら 原作者であるチャールス M.シュルツ氏の一切関与していない製作企画に過ぎず、また音楽的にも いささか食い足りません。
 このディスクは 「大人の視点から見た子どもの世界 」であるようなので、本来の ピーナッツ・シリーズの本質、シュルツ氏の理念 からは かなり乖離した、的外れな企画だったと言わざるを得ません。
 参考に  ⇒ なぜ シュローダーが弾くトイ・ピアノからは 本物の スタインウェイの響きがするのか

マッド・アマノ
マッド アマノ氏 
 音盤のジャケットではありませんが、1980年にジョン・レノンが非業の死を遂げた直後、マッド・アマノ氏によって巧みにコラージュされた「アビイ・ロード 」です。
 「パロディ 」作品というと、その言葉も含め、特にわが国などでは 対象をおとしめているか 馬鹿にしているものである といった先入観がついてまわるので、アマノ氏も 大変なご苦労をされてきたように思いますが、リアルタイムでこの「作品 」に出会った時 わたしにはアマノ氏のレノンを深く追悼する とても真摯な感情が伝わり、深く感動したことを記憶してます。

・・・あ、ついでに 比較的最近のクラシックCDで こんなのも見つけました。

スケルツォ倶楽部 スケルツォ倶楽部_0001
モーツァルト ヴァイオリン・ソナタ集
第32番 ヘ長調 K.376、第25番 ト長調 K.301、第28番 ホ短調 K.304、第42番 イ長調 K.526
ヒラリー・ハーン(ヴァイオリン )
ナタリー・シュウ(ピアノ )
録 音:2004年 ニューヨーク
音 盤:D.G.(00289 477 5572 )

 実は、ジャケットの「表紙 」ではないんですけどね・・・
 注目の才媛ヒラリー・ハーンによる 比較的珍しい室内楽レコーディングです。
 この二人は、ジュニア・ハイスクール時代から 共演を重ねてきた仲だったとか。

Alexander Zemlinsky  String Quartet
ツェムリンスキー作曲
弦楽四重奏曲 第2番 Op.15-2、同第4番 Op.25-4
弦楽四重奏のための二つの楽章
ツェムリンスキー弦楽四重奏団
録 音 : 2011年4月
音 盤 : Praga
DSD-250277
 意図的か、単なる偶然か・・・?

■ 素敵なアビイ・ロード T.シャツ!
アビイロード Tシャツ!
ジャズ カフェ・ソッピーナにて Tシャツ特集の回は ⇒ こちら  


■ 1969年 8月 8日 - 興味深い アウト・テイク写真
Abbey Road Outtake 
イアン・マクミラン(カメラマン )   「はい、すみませーん、もう一回 撮り直しまーす 」
スコットランド ヤードの警官   「今度こそ決めてくださいよ。もうこれ以上 アビイ・ロードを 車両通行止めには出来ませんからねっ 」
リンゴ・スター   「もー くたびれたなー。 足にマメができたよ 」
ジョン・レノン   「ほーら、さっさと 横断歩道を渡れよ、そして皆で並んで戻ってくるところを 撮られるんだ 」
ジョージ・ハリスン   「歩けっていうんなら歩くよ、お前らの言うとおりにするよ 」
ポール・マッカートニー   「暑くて やってられないや。足がムレるから、靴もソックスも脱いでしまえっ 」

ビートルズ アビーロード_アウトテイク (3) ビートルズ. アビーロード_アウトテイク
 
■ 待機するビートルたちのアウト・テイク
ビートルズ アビーロード_アウトテイク

ビートルズ アビーロード_アウトテイク (8)  ビートルズ アビーロード_アウトテイク (2)  ビートルズ アビーロード_アウトテイク (5)

■ 横断歩道を渡ろうとする 4人のアウト・テイク
Abbey Road Out Take-1 Abbey Road Out Take-5 ≪ よし行くぞ! 

■ 横断歩道を渡る4人を 上からとらえた 興味深いショット
Abbey Road Out Take-4
以上、貴重な写真のソース(出所 )は
 ⇒ こちら  から お借りしました with a grateful heart !


The Beatles Abbey Road 


■ さらに おまけ
 パンダの群れが ロンドンの横断歩道を ぞろぞろ渡る ・・・ の図

パンダの大群、 横断歩道を渡る
 追加の話題は、かなり脱線。
 ロンドントラファルガー広場に2012年 7月 4日朝、108体もの着ぐるみパンダが 突如現れ、太極拳のような不思議な踊りを披露しながら パンダの保護を訴えた(AFPBB News より )というニュースをみつけました。
 ゆるキャラ特有の かわいさに ・・・脱力。 

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