スケルツォ倶楽部 Club Scherzo
「アフター・シュトラウス & “ バイ・シュトラウス ”」
After-Strauss & “By Strauss”
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(6)1905年 スコット・ジョプリン
   「ビンクス・ワルツ

Sponhaltz ‐ The Southland Stingers (EMI)
ラルフ・グリエソン(ピアノ )
チャック・ドマニコ(ベース )
シェリー・マン(ドラムス ) を含む、ザ・サウスランド・スティンガーズ
ジョージ・スポンハルツ 指揮
録音:1974年6月 ハリウッド、キャピトル・レコード・スタジオ
EMI ( 輸入盤 CDC-7 47193 2 )
 


 スコット・ジョプリン ( Scott Joplin 1868年~1917年)の ラグ・タイムの多くが、もともとそうであったように、この曲も 当初は ピアノ独奏用に書かれました。他の作曲家のワルツには聴かれない、独特のシンコペーションを持った旋律が特徴的で、ジョプリンの個性が表れた佳曲です。ラグ・スタイルのワルツは、あまり多く残されていないようで、この他には「ベシーナ Bethena」が知られている程度です。
 ジョプリン作曲のピアノによるラグ・タイム小オーケストラ用にアレンジした楽譜集「ザ・レッド・バック・ブック」1972年に発見され、これを 同年5月 ボストンの音楽フェステイバルで演奏したところ、たいへんな反響を呼びました。早速、その小オーケストラ編成による楽譜から すべての演奏がレコードに録音され、ベストセラーを記録することになりますが、それが この上記ディスクで聴かれる 素朴でリラックスした名演なのです。
 ラグ・タイムは、半世紀ぶりに復活を遂げ、ひとつの音楽ジャンルとしても その人気を確立したわけです。
 
Scot Joplin(Dover) 

 このレコードは、前述の1972年に発見された小オーケストラ・アレンジ楽譜を元に、ジョージ・スポンハルツに召集されたアメリカ西海岸のスタジオ・ミュージシャンによる演奏で、“ ジョプリン・リバイバル ”の真っ最中 1974年の録音です。
 中心となるピアニストは、後に ディズニー・アニメ 「ファンタジア2000」 で、ジェイムス・レヴァインが指揮する「ラプソディ・イン・ブルー」のソリストを務めることになるラルフ・グリエソン(ガンサー・シュラーらと同時期の 同名のジャズ批評家とは別人)、さらにモダン・ジャズの愛好家ならお馴染みのチャック・ドマニコ(ベース)や コンテンポラリーでのアンドレ・プレヴィンとの共演で名高い シェリー・マン(ドラムス)といったウエスト・コーストの 堅実な名手らも顔を揃え、実にリラックスした好演が聴けます。
 
 それまで ジョプリンラグ・タイムなど「過去の忘れられた、一流行音楽」に過ぎなかったわけですが これを契機に 翌1973年製作の ラストの大どんでん返しが忘れられない詐欺師たちの物語を描いた 映画「スティング(ジョージ・ロイ・ヒル監督、ポール・ニューマン、ロバート・レッドフォード主演)」 の中で 傑作曲「エンターテイナー」や 熱い涙が出るほどまでに郷愁を誘われる名曲「Solace」などが 実に効果的に使われて人気を博し、ジョプリンの音楽を満載したサウンド・トラック・レコードも 大ヒットするのでした。
The Sting(MCA) 

 1990年代のピアソラ・ブームに 勝るとも劣らぬほど 「復活したジョプリン」ブームが、たしかに1970年代に あったことを示す、その当時のレコードは 名盤に 枚挙の暇(いとま)もありませんが、やはり アンドレ・プレヴィン(ピアノ)が イツァーク・パールマン(ヴァイオリン)と共演した「イージー・ウィナーズThe Easy Winners (EMI) 」が、アレンジの巧みさ、演奏の洗練さ、楽しさ などを味わうには もう格別の素晴らしさを誇るディスクです。ただひとつ、この中でのワルツ「ベシーナ Bethena」の演奏だけは、さすがにちょっと 気位が高すぎるテンポ設定じゃないかなーって・・・。
Itzhak Perlman  Andre Previn(EMI)
ヴァイオリンとピアノによる 空前の名演。でも、もっと羽目を外してもよかったのになあ
 
 ・・・不遇の極みのうちに亡くなったスコット・ジョプリンが、もし東京ディズニーランドのワールド・バザールで こんにち 自分のラグタイムが 毎日 盛んに演奏されている様子を観たら、一体どんな顔をするでしょうか。
 

1906年  サンフランシスコ大地震。
      エジソン、蓄音機と映写機を組み合わせ 映画の原型を発明。
      ガンジー、インド人差別に抗議「非暴力闘争」を提唱。
      ショスタコーヴィチ、生まれる。

1907年 オスカー・シュトラウス、喜歌劇「ワルツの夢」 に続く・・・
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