クラヲタに捧ぐ、ジャズ=フュージョンの名盤 ランダム辞典
スケルツォ倶楽部、
スティーヴ・ガッド Steve Gadd を讃える。
   
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Steve Gadd (1981 日本コロムビア) Van McCoy Disco Baby(the Hustle)VICP‐2041

ハッスル The Hustle (ヴァン・マッコイ )


The Hustle「ザ・ハッスル 」1975年(Avco → H & L = Victor)
Van McCoy & The Soul City Symphony
ヴァン・マッコイ & ザ・ソウル・シティ・シンフォニー(スタイリスティック・オーケストラ )


 こんにちは。ここは 発起人(妻のほう )の コーナーになります。
 遠い昔・・・わたしが 幼稚園の年少組の頃、5~6歳ほど年上だった従兄弟が、なぜかシングル・レコードの「ハッスル The Hustle 」(70年代のディスコ・ブーム最初期のヒット曲 )を持っていて、繰り返しポータブル・プレーヤーでかけていたことを 鮮明に覚えています。
ポータブル・プレーヤー(by Charles M. Schulz)
ちょうど こんなイメージです。
 
 「ハッスル 」冒頭コーラスの音響だけを 初めて聴いた時には、何か不吉なものが始まるような恐怖感に襲われた 幼稚園生だったわたし、思わず「こわい。その音楽、消してよ! 」と泣きそうになっちゃった という どうでもいいことまで記憶しています。が、すぐにコーラス隊の「Do The “ Hustle!” 」と叫ぶのを合図に 躍動する 明るく快適なダンス・ビートが胎動を始めると、今度は 何だか どうしようもなく楽しくなってきちゃったことまでも よく覚えてます。
 特に新鮮だったのは、フルートの音色です。
 この木管楽器が ポップス楽曲の中で これほど効果的に活躍した例って、あまり多くないんじゃないかなーって思います・・・ ビートルズジョン・レノン)の「悲しみをぶっ飛ばせYou ' ve Got To Hide Your Love Away) 」とか、ムーディ・ブルースの「サテンの夜The Night In White Satin ) 」などという、フルートの低音域を生かした とても渋い名曲もありますが、この「ハッスルthe Hustle 」の場合、独特のシンコペーションを刻む あの有名なリズミック・フレーズは 高音域で単純に延々と繰り返されるだけ という、独特な使われ方。
 「こんな、ただ繰り返すだけの音楽があって許されるのかしら? 」と 子供心に心配になったりしたものです(・・・尤も 「ただ繰り返すだけの音楽 」と言うのなら、世の中には もっと凄い楽曲が 存在することも、当時は まだ知る由もありません。それは、また別の話 )。
 で、かつて聴いたことのないほど躍動的なリズムが、とにかく新鮮で、そのうち じっとしていられなくなり、従兄弟と一緒になって レコードをかけているシングル・プレーヤーの周りをぐるぐると(本人たちは踊っているつもり )跳ね回るものだから、ドーナツ盤の上で針も飛びまくり、レコードは傷だらけになってしまったものです。

 ただ踊っているだけだと(? )聞き逃してしまいがちですが、この フルートのシンコペーションのリズムと 対になって流れる対旋律を縁(ふち )取るように、(それはまるで コルンゴルトのように! )グロッケン・シュピールが煌(きらめ )いてます。70年代のディスコティックの天井で回転するミラー・ボールが、キラッキラッと光を放つような効果さえあり、実は 意外に丁寧に作られている楽曲でもある と思うのです。
 その作曲者は、ヴァン・マッコイVan McCoy、ワシントン出身 1940年~1979年)という才人で、10代の頃からドゥー・ワップのグループに参加してレコーディング経験を積んでいます。1960年代には 自分で演奏するためばかりでなく、他のグループへ作曲を提供するようになり、それが高じて1970年代には プロデューサーとして本格的な活動を続けるようになりました。
Van McCoy 1940~1979 http vanmccoymusic.comvanhome.htm ヴァン・マッコイ(1940~1979)

 彼が 自身の名義で この大ヒット曲「ハッスルthe Hustle 」を発表するのは 1975年のこと。全米チャート一位全世界でのレコード売上1000万枚の大ヒットを記録、グラミー賞でも最優秀ポップ・インストゥルメンタル賞を受賞することになるのでした。
 ここで 作曲者でプロデューサーでもある ヴァン・マッコイが起用した、腕利きのスタジオ・ミュージシャン達こそが The Soul City Symphony( 笑 )と名付けられた 以下のような 錚々たるメンバーです。

 ピアノ ヴァン・マッコイ McCoy、ベース ゴードン・エドワース Gordon Edwards、ドラムス スティーヴ・ガッドリック・マロッタ Steve Gadd and Rick Marotta、キーボード リチャード・ティー Richard Tee、ギター エリック・ゲイルジョン・トロペイ Eric Gale and John Tropea、編曲( Orchestra leader ) ジーン・オルロフ Gene Orloff ・・・
 
 もうお気づきですね・・・そうなんです! 
 この「ハッスル 」の録音に携わったスタジオ・メンバーのうち、ゴードン・エドワーズ、リチャード・ティー、エリック・ゲイル、そしてスティーヴ・ガッド の四人が 中核となって、ヴァン・マッコイのプロデュースのもと、後に超有名なフュージョン・バンド “ スタッフ Stuff ” が結成されるわけです。
 グループのリーダーは ゴードン・エドワーズ(ベース奏者 Gordon Edwards )です、そしてメンバーは コーネル・デュプリー(ギター奏者 Cornell Dupree )、エリック・ゲイル(ギター奏者 Eric Gale )、リチャード・ティー(キーボード奏者 Richard Tee )、スティーヴ・ガッドの5人に、もうひとり 若いドラムス奏者 クリス・パーカー(Chris Parker )を加えることによって、ガッドがリズム・キープから解放され、ソロの自由度を高める というメリットがあったのだと思います。
 それは かつて シューベルトが ピアノ五重奏曲の傑作「ます 」の編成で、よく歌うチェロの比重を高めるために、わざわざ低音を支えるコントラバスを加えてチェリストの負担を軽くしたようなもの(? )でしょうか。もとい、ドラマーとギタリストが 2人ずついることが このバンドの際立った特徴となります。
 これは そのマッコイがプロデュースした“ スタッフ ”の名盤「More Stuff(1977年 ) 」の写真。彼らの 2枚目のアルバムになります。
More Stuff  (WPCP‐3542) Stuff “ More Stuff ”(WPCP-3542 )
 
 この中の Love Of Mine が わたしの大のお気に入り。真夜中に 突然 あのゴードン個性的なヴォーカル太いベースの音リチャード・ティーピアノの音が たまらなく聴きたくなってしまい、この一曲を聴きたいがために わざわざ ベッドから起きてきてしまうことさえ あるほど 好きな曲なのです。



 ・・・ そんなヴァン・マッコイは 「ハッスル 」から4年後の1979年、僅か39歳の若さで夭折してしまいます。彼の死を惜しんだ“ スタッフ ” のメンバーは、「The Real McCoy 」という曲を 彼に捧げています。この力強い不屈の楽想を持つ名曲「リアル・マッコイ 」は、“ スタッフ ”の 「 Live from New York(1980年 ) 」 の中で 聴くことが出来ます。“ スタッフ ”は このライヴ・アルバム自体も 彼らを引き合わせた恩人でもある作曲家に、敬意を込めて デディケートしています。
Stuff Live in NewYork(WPCP‐3544) Stuff “ Live from New York " (WPCP-3544)

 ・・・もとい。
 フュージョン・ブームが到来する前夜、全米では 麻薬のように猛烈なディスコ・ブームでした。その最初の名曲でもあった「ハッスル the Hustle 」。
 わたしにとって 幼稚園の頃から耳タコの名曲、そのリズムは1拍ずつキックするバス・ドラの単調な4ビート、8分音符を刻みながらオフ・ビートでオープンするハイハット(ツッパー・チッパー、ツッパー・チッパー・・・)、そして偶数拍に撃ち込まれるスネアの組み合わせ という、シンプルで典型的なディスコ・ビートです。
Van McCoy Disco Baby(the Hustle)VICP‐2041
▲ ここで リズムを 叩いていたスティーヴ・ガッドが、ディスコ・リズムの創始者だったかも、という説を、個人的には支持したくなります。転がるタムを激しく打ち据える迫力も、やはりガッド独特のもの。やっぱりガッドは ド偉い人だ。先駆者だ。神( “ ガッド ” )さまだ!

リチャード・ティー「ストローキン 」に続く・・・

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コメント

かえる さま!

お便り どうもありがとうございます、発起人(妻 )です!
そういえば  わたし 「Love Of Mine 」のライヴ・ヴァージョンが聴ける この「Live Stuff 」(1978年11月20日、郵便貯金ホール実況録音盤 )を、最近 紙ジャケ・SHM-CD で 入手、懐かしく聴いてます。
それは、初出時 国内LPジャケット装丁、解説はもちろん オビまでちゃんと再現された、青春の思い出(笑 )も満点の好企画なのですが、それなら いっそのこと 当日の未発表音源(エリック・ゲイル作曲 “デ・ラビット De Rabbit ” を含む )もすべて徹底発掘して リマスター「完全盤 」にするくらいの気概を見せてほしかったなー、などと 個人的には思っています!
あ、そうそう 先日 かえるさま に教えて頂いた リチャード・ティーの貴重なライヴ盤 http://frog-music.paslog.jp/article/2456420.html、ついにゲットしましたよー。 オススメのとおり もう 近年にないほどの 興奮と感激をもって聴いてます。その感想は、久しぶりに 文章にしようと思ってますので、現在執筆中の「タイタニック http://scherzo111.blog122.fc2.com/archives.html#all13 」が一段落したら、アップしますね (有言実行なるか? ) !

URL | “スケルツォ倶楽部” 発起人 ID:-

私も好きです

こんにちは、お邪魔しています。
私も「Love Of Mine 」大好きです。いわゆる”へたうま!”ゴードンの渋い歌声とベース、リチャードのピアノ、スティーブのドラム!オリジナルも最高ですが、LIVE STUFFのライブ・ヴァージョンは鳥肌ものです。本当にすごいバンドでした。

URL | かえる ID:-

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