訃報・追悼
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 シャンソン歌手、芦野 宏 さん 死去
 
 世界的なシャンソン歌手、芦野 宏(あしの・ひろし、本名・羽鳥 広 = はとり・ひろし )さんが4日、間質性肺炎のため 東京都中央区の聖路加国際病院で死去した。87歳だった。
 昭和27年、東京芸大声楽科卒。
 翌年、NHKラジオ「虹のしらべ 」でデビュー、昭和30年からNHK紅白歌合戦に10回連続で出場し、昭和31年には 日本人として初めて フランス、パリのオランピア劇場に出演した。
 平成 7年、世界初のシャンソン・ミュージアム「日本シャンソン館 」を 群馬県渋川市に開館、館長に就任。日本シャンソン協会会長も歴任した。平成 2年、紫綬褒章、平成 8年に 勲四等旭日小授章を受章。平成16年には 仏芸術文化勲章オフィシエも受章した。

 以上、産経ニュースの記事  2012.2.7 12:09  より

 
 芦野 宏さんの ダンディな肖像写真 「私のピアノ」(2008年 )
(左 )芦野宏さん 肖像写真、 (右 ) ラスト(? )アルバム 「私のピアノ 」(2008年 )

・・・驚きました。
つい数年前まで 毎年恒例の「パリ祭 」などにおいて ピアノを弾きながら まだまだお元気に歌っておられたような気がしていましたから、訃報を見て 一瞬 わが目を 疑いました。
かつて 芦野宏さんが 今日(こんにち )の「朝のワイドショー 」の原型になったともいわれる NHK「くらしの窓 」の司会者を 務めておられたり、NHK 紅白歌合戦の常連でいらっしゃって ある年などは そのステージ上で 谷啓さんと コミカルなワルツまで踊ってみせたり、また 初代「コメットさん (言うまでもなく、大場久美子ではなく 九重佑三子が主演していたほう ) 」の 大学教授の「お父さん 」役で出演されていたり・・・ と、テレビで大活躍されていた当時を 私 "スケルツォ倶楽部" 発起人は お茶の間で リアルタイムでは観ていない世代に属しておりますが、しかし 私の実母が 実は シャンソン好き で、私は 幼い頃から芦野宏さんの歌声を ずっとレコードで 聴かされながら育ちましたので、「パリのミュージック・ホール 」、「オー、シャンゼリーゼ 」、「パパと(ワルツ )踊ろうよ 」、「サラダのうた 」、「わたしの回転木馬 」、「ラ・メール 」、「カナダ旅行 」、「枯葉 」、「ばら色の人生 」、「アマポーラ 」、「ワルソーのピアニスト 」など、挙げれば限(きり )がないほど、自分の音楽の好みに 少なからぬ影響を 受けたものと思っています。
何より わが国の 一般的な音楽愛好家に、ある意味 最も良い時代の フランスのシャンソンを紹介し、幅広く普及させた最大の功労者のひとり だった - と 言えるのではないでしょうか。本当に、立派なお仕事をされ、とても とても大きな功績を遺されましたね、心より ご冥福を お祈り申し上げます。

その 芦野宏さん  - たいへん多才な方で、絵画の分野でも活躍されていたそうです。
これは、「ピギャール 」 ( 二科展 第65回記念賞受賞作 )と題された作品。二科展には 昭和49年以後、8年連続で入選していたそうです。
 「ピギャール 」(芦野 宏 )
その他、水彩画 や イラストレーションも・・・
多くが、音楽芦野宏さんが 心から愛してやまなかった パリの風景などを その題材に選ばれています。
 芦野 宏の水彩画 芦野 宏のイラストレーション(シャンソン歌手 ) (1)
                  ( 東芝EMI 「芦野宏のすべて 」解説書より掲載 )

かつて 銀座 7丁目にあった有名なシャンソン喫茶「銀巴里 」が 1990年に閉店するに際し これを惜しんで、翌年 2月にパルコ劇場で開催された お別れコンサートさらば銀巴里 」にもトリで出演、これは その時の オムニバス実況録音盤でした。
 パルコ劇場ライヴ「さらば銀巴里 」(東芝EMI )
「さらば銀巴里 ~ なかにし礼 シャンソン詩集 」
芦野宏 歌唱曲 )パリに抱かれて、君を愛す、指揮者は恋している、旅芸人のバラード、囚人の唄、チャオ・ベラ、オレンジ泥棒、浜辺の娘、詩人が死んだ時、一週間あったら、世界の子供たち、愉快な人生
(共演 ミュージカル・アカデミー )
録 音 : 1991年 2月16~20日
音 盤 : 東芝EMI(TOCT-6101~05 )



簡潔なタイトルが その価値の大きさを 自ら物語る「芦野宏のすべて
 芦野 宏のすべて(東芝EMI)
なにしろ SP録音の時代ながら 若々しい最初期 - 1955年 - の貴重な歌声から、最盛期の時代(1960年代の NHK出演時代から 上記「さらば銀巴里 」ライヴ音源の一部までをも含む )、そして 1993年の 活動40周年記念ライヴの様子まで 一気に聴ける、東芝EMI時代芦野宏さん 不朽の業績の集成 5枚組(1955年から1993年 )です。
個人的にオススメなのが 1967年録音 すぎやまこういちの編曲による「パリ野郎 」のオーケストレーションです。ステージに現れる歌手を 盛り立てる、今にも噴出しそうな若々しいエネルギーたるや圧倒的、スゴイです。パリの喧騒を描きつつ 騒音まで交錯する イントロダクションのアレンジなど まるで「ペトルーシュカ(ストラヴィンスキー ) 」を 聴かされているかのよう(! )。

収録曲 : モンパリ、マドロスの唄、パリの空の下、モア・モア、ラ・メール、蛙、星を夢みて、パリは花束、ナポリの山賊、枯葉、カヌーを漕いで、カナダ旅行、花祭り、カミニート、サンファン娘、アマポーラ、キエレメ・ムーチョ、マリネラ、パリの夜、プンプン・ポルカ、絵描と詩人、東京の雨、東京の空の下 隅田は流れる、東京のブルース、叱られて、故郷、ゴンドリエ、アネマ・エ・コーレ、コメプリマ、急流、バンビーノ、ルナ・ロッサ、レトロ、ヴォラーレ、夜のヴァイオリン、アリヴェルチ・ローマ、チャオ・ベラ、夜空のトランペット、ロマンティカ、オールド・ブラック・ジョー、ローレライ、谷間のともしび、野ばら、花、浜千鳥、故郷の空、朧月夜、雪のふるまちを、出舟、赤とんぼ、夏の想い出、ペチカ、幸福を売る男、パリ野郎、詩人の魂、ワルソーのピアニスト、空と太陽と海、役者たち、パパと踊ろうよ、バラの花咲く時、水門のまわりで、ラ・モンターニュ、待ちましょう、私の心はヴァイオリン、プティ・パパ・ノエル、遥かなる国から来た男、メ・マン、旅芸人のバラード、君を待つ、パリに抱かれて、君を愛す、雪が降る、指揮者は恋してる、オレンジ泥棒、浜辺の娘、愉快な人生、パリのミュージックホール、小雨降る径、パリのセレナーデ、パリ祭、パリはシャンパンだ、ア・パリ、街角、枯葉、サラダのうた、ラ・メール、モナムール、いつの日かパリに、私の回転木馬、恋心、黙ってないで、愛は燃えている、メケ・メケ、風船売り、ドミノ、バラ色の人生、世界の子供たち、小さなしあわせ、パリの踊り場、セ・ラ・ロマンス、不思議な庭、パリの空の下、オー・シャンゼリゼ、まわり道、夜の雨にぬれて、あんずの春、バラの実、バースデイワルツ、白い街角、想い出のワイングラス、歌から歌へ、カミニート、ジーラ・ジーラ、チャオチャオ・バンビーナ、巴里の屋根の下、小雨降る径、小さなひなげしのように、十字架、枯葉、セ・シ・ボン、カナダ旅行、ブン、わが若かりし頃、パパの子守唄、真夜中のバレリーナ、エルザの瞳、冬のバラ、黒い瞳のナタリー、知りすぎたのね、いつの日かパリに
録 音 : 1955年~1993年
音 盤 : 東芝EMI(TOCT-8341~45 )


そして 近年の傑作だったと言える、これは 意欲的な一枚でした。
夏に聴くと とても涼しい 「コートダジュールからの風 」 
「コートダジュールからの風 」(2006年 )
ボサ・ノヴァのリズムも斬新、耳なじんだはずの名曲が 新しいアレンジで よみがえります・・・
バック・バンドも上手(うま )いです、 - と言いますか、芦野宏さん のお声が、そのバンドのサウンドの中に 必要以上に埋もれてしまい気味なのが、いささか 気になったものでしたが。
収録曲 : ラ・メール、さくらんぼの実る頃、小鳥がさえずる、街角、バラ色の人生、ブン、エスポワール、詩人の魂、奥さま お手をどうぞ、セシボン、さくらんぼとりんごの花、枯葉、ラルム
録 音 : 2006年
音 盤 : キングレコード(KICD-38 )

若き芦野宏氏芦野 宏のイラストレーション(シャンソン歌手 ) (2)
  ・・・わたしどもの商売は 倖せを売る商売
  夏も秋もいつの日も 歩き回る仕事
  あなたがたが 夢や愛や 笑うことを忘れたとき
  このわたしを呼び止めれば 悩みなどは消えて笑顔

  ・・・いかがですか、笑い声は
  あなたがたが喜ぶなら お代など要りませんよ

        (  「 幸福を売る男 」より /
           原詩 J.ブルーソル 和訳 薩摩 忠 )



▲ ファンファーレ に続いて 始まります。

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コメント

カズコリーヌ さま!

芦野宏さんが 戦後の日本に蒔(ま )いた「シャンソンを愛する心 」の種は、今 力強くしっかりと根を張って、多くの音楽愛好家に感動という花を開かせている、って そんな気がしてます。

kazkoline さまは、「シャンソン愛好者の為のフランス語教室 」の講師を お務めで、 Blog 「シャンソンとフレンチポップスとフランス語の日々 」 http://chansonzanmai.blog27.fc2.com/ の Author でいらっしゃいます!
これは フランス語と シャンソンを愛する人々にとって たいへん興味深い 素晴らしいサイトですね、そんな カズコリーヌさまから 嬉しい励ましのお言葉を賜り 発起人、心より感謝申し上げます!!

URL | "スケルツォ倶楽部" 発起人 ID:-

初めまして

初めまして、立派のブログですね。
芦野宏さんを検索して来ました。
ご高齢とはいえ残念です。
想像以上に多才で偉大な方だったんですね。
私はシャンソン初心者なのでこの記事はとても参考になりました。
ありがとうございました。

ポチして帰ります。
また、お邪魔します。

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