本記事は、4月28日「 人気記事ランキング クラシック音楽鑑賞 」で 第1位 となりました。
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スケルツォ倶楽部 Club Scherzo
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スヌーピーの “イースター・ビーグル ” は、
ベートーヴェンの 交響曲第7番で 卵を配る。


 昨日の日曜日は、キリスト教の重要な祝日 イースター(復活祭 )でした。
 過去から未来 そして世界中、あらゆる人々の贖(あがな )いのため、ひとり身代わりとなって十字架上で亡くなったキリストが その死の三日目に「復活 」を遂げた、と伝わる記念日です。それは 「春分の日の直後の満月の後の最初の日曜日 」と決まっているため、毎年日程の異なるのが特徴で、今年2011年は 昨日 - 24日だったわけです。

ITS THE EASTER BEAGLE(2.卵を配るスヌーピー) ITS THE EASTER BEAGLE, CHARLIE BROWN (番組冒頭、タイトル )
(左 )イースター・ビーグルに卵を貰うシュローダー
(右 )「チャーリー・ブラウンのイースター It’s The Easter Beagle, Charlie Brown 」タイトル

 
 復活祭は、アメリカでは 一般にもポピュラーな祭日なのでしょうか。 
 CBS-TVが1974年4月放映のために製作した「チャーリー・ブラウンのイースター It’s The Easter Beagle, Charlie Brown 」では、ルーシーペパーミント・パティら子どもたちが ゆで卵に彩色(しようと )し、これらを室内や庭に隠して互いに探し合う情景が背景に楽しく描かれています。
 と同様、うさぎもイースターのシンボルとして扱われ、特にスヌーピーうさぎたちと可愛らしくダンスするシーンは、出色です。
ITS THE EASTER BEAGLE, CHARLIE BROWN(うさぎと踊るスヌーピー1.) ITS THE EASTER BEAGLE, CHARLIE BROWN(うさぎと踊るスヌーピー2.)
架空のうさぎたちと踊るスヌーピー

 このシーンで使われた緩やかなワルツは、番組の冒頭タイトルに流れていた音楽と同じものですが、ヴィンス・ガラルディのタッチではありません。下降してくる その温かいメロディ・ラインは、ジョン・スコット・トロッターによるオリジナル作品と思われるものの、イースターに因(ちな )むアメリカ童謡という可能性もあり、いずれにせよ 確証はありません。

■ クラシック音楽が流れる 名場面の数々

 その他、クラシック音楽が使われた いくつかの場面は、いずれも“スケルツォ倶楽部”発起人が大好きなシーンです。

 まずタイトル「チャーリー・ブラウンのイースター It’s The Easter Beagle, Charlie Brown 」から切り替わって最初の場面、ピアノの稽古に励むシュローダー ルーシーが絡むという、毎度おなじみの設定。
 イースターとはどういう意味を持った日であるか、まず二人のちぐはぐな会話がユーモラスに教えてくれます。ルーシーは何につけプレゼントをもらおうという魂胆があからさまで、シュローダーのひんしゅくを買うありさま。
ITS THE EASTER BEAGLE, CHARLIE BROWN(シュローダーとルーシー )

 ここでシュローダーが稽古していた楽曲は、一部しか聴くことは出来ませんが、彼が尊敬するベートーヴェンピアノ・ソナタ、第3番作品2の3 ハ長調 第1楽章です。
 演奏をルーシーに遮(さえぎ )られ フラストレーションがたまってしまったので、ここでリヒテルの端正な演奏で 同曲を聴き直すことにしました。
 これは巨匠リヒテルが遺した名演をCD10枚に集成したボックスセット。入手困難盤も含み、ピアノ音楽を愛する者にとって理想的な名演集です。
リヒテル・コレクション BOX(Victor )
ベートーヴェン : ピアノ・ソナタ第3番 ハ長調
演 奏:スヴャトスラフ・リヒテル(ピアノ )
録 音:1985年4月 ウィーン

併録曲:バッハ 平均律クラヴィーア曲集 第1巻、第2巻、ベートーヴェン ピアノ・ソナタ第4番 変ホ長調、同第27番 ホ短調、6つの変奏曲 ヘ長調、「トルコ行進曲 」の主題による6つの変奏曲、「エロイカ 」の主題による15の変奏曲とフーガ 変ホ長調、ブラームス 間奏曲第1番 イ短調、バラード第3番 ト短調、間奏曲第6番 変ホ短調、シューマン 色とりどりの小品、交響的練習曲、シューベルト ピアノ・ソナタ第9番 ロ長調、同第11番ヘ短調、同第13番イ長調、同第14番 イ短調、同第19番ハ短調、同第21番 変ロ長調、即興曲から3曲、楽興の時から3曲、
音 盤:ビクターエンタテインメント(VICC-60351~60 )


 途中スヌーピーウッドストックの巣箱を買ってあげる目的でお店にやってくるというユーモラスなエピソードも 巧みにストーリーの中に差し挟まれますが、ここは イースターづくりを繰り返し失敗し続けるマーシーに 苛(いら )立ちをおぼえつつ やはり一緒に食材を買出しにやってくるペパーミント・パティたちの場面も、大好きです。 
 二人は、おもちゃ売り場のオルゴールのねじを次々と巻きながら そのメロディに合わせてスヌーピーとダンスを始めます。この素晴らしい場面におけるスヌーピーの存在は、構成上 前半の うさぎとの踊り と 対を成す位置づけです。
ITS THE EASTER BEAGLE (1.オルゴールのダンス ) ITS THE EASTER BEAGLE (2.オルゴールのダンス )
オルゴールに合わせてスヌーピーと踊る ペパーミントパティマーシー 

 ここでの繊細な音楽の原曲は、J.S.バッハの作品とされる「アンナ・マグダレーナのための音楽帖 」から、実に愛らしい「メヌエットト長調 BWV Anh.116 (Nr.7 ) 」です。レオンハルトのチェンバロで聴きましょう。
アンナ・マグダレーナの音楽帳(レオンハルト)DHM.
グスタフ・レオンハルト(チェンバロ )
エリー・アメリング(ソプラノ )、ハンス=マルティン・リンデ(バリトン )、テルツ少年合唱団、ヨハネス・コッホ(ヴィオラ・ダ・ガンバ )、アンゲリカ・マイ(チェロ )、ルドルフ・エヴァーハルト(ポジティーフ・オルガン )
録 音:1966年
 
併録曲:ポロネーズト短調BWV Anh.119 (Nr.10 )、マーチ変ホ長調BWV Anh.127 (Nr.23 )、メヌエットト長調 / ト短調BWV Anh.114/115 (Nr.4 / 5 )、ジョヴァンニーニのアリア「あなたの心を下さるのなら 」変ホ長調BWV518 (Nr.37 )、ロンド変ロ長調BWV Anh.183 (Nr.6 )、アリア「御身がそばにあるならば 」変ホ長調BWV508 (Nr.25 )、クラヴィーアのためのアリアト長調BWV988, I (Nr.26 )、アリア「喫煙者の教訓 」ト短調BWV515a (Nr.20b )、マーチト長調BWV Anh.124 (Nr.18 )、アルマンドニ短調BWV812, I (Nr.30, I )、 コラール「汝に向って、ヤハウェよ、私は歌おう 」変ロ長調BWV299 (Nr.39b )、 前奏曲ハ長調BWV846, I (Nr.29 )、マーチニ長調BWV Anh.122 (Nr.16 )、ミュゼットニ長調BWv Anh.126 (Nr.22 )、レチタティーヴォ「私は満ち足りている 」とアリア「眠れ、疲れし眼よ 」BWV82, 2 / 3 (Nr.34 )、コラール「ただ神の御心に委ねる者は 」イ短調BWV691 (Nr.11 )、コラール「おお永遠よ、汝おそろしき言葉 」ヘ長調BWV513 (Nr.42 )
音 盤:BMGビクター BVCD-1841


 イースター(復活祭 )の朝、再三ゆで卵づくりに失敗して とうとうイースター・エッグを完成させることが出来ず、代わりに鍋一杯に たまごスープを作ってしまったペパーミント・パティマーシー、すっかり落ち込んでいます。
ITS THE EASTER BEAGLE (落ち込む P.パティとマーシー )

 こちらはライナスサリー、「復活祭の朝にはイースター・ビーグルが来てくれて 皆にたまごを配ってくれるんだから イースターの準備なんかする必要はない 」と主張していたライナスの言葉を信用して、何もしていなかったサリー、「うそつき、イースタービーグルなんか 来ないじゃないのよー 」と ぷんすか 怒りだしてしまいます。
ITS THE EASTER BEAGLE (サリーに責められるライナス )
 彼女は かつてライナスの畑に「かぼちゃ大王 」が来る(結局来ない )という言葉を信じてハローウィンの夜を無駄にしてしまった恨みがあるので「また、だまされたんだわ 」と もーカンカンです。返す言葉もないライナス。

 そして孤独なチャーリー・ブラウン・・・
 ITS THE EASTER BEAGLE(落ち込むチャーリー・ブラウン )
 これら沈んだ場面で使われている音楽の原曲は、ベートーヴェン交響曲第7番第2楽章イ短調 アレグレット・・・
 
 そこへ 遂に、喜ばしい春の到来を告げるがごとく バスケット一杯に 色鮮やかな ゆでたまごを抱え、踊りながらやってくるのは イースター・ビーグル(スヌーピー)です!
THE EASTER BEAGLE ITS THE EASTER BEAGLE(卵を配るスヌーピー) 

 待望のイースター・ビーグルの登場、高揚感を胸いっぱいに感じる演出を助けているのは、やはり音楽です。
 その原曲も 同じくベートーヴェン交響曲第7番、今度は第1楽章、執拗に繰り返されながら 誰もがわくわくする、あの 付点 たーん と、とん! 」 のリズムです。

 うーん、やはり 大好きな カルロス・クライバー盤を 聴きましょう。
カルロス ベートーヴェン「第7」(Orfeo )
ベートーヴェン:交響曲第7番イ長調Op.92
カルロス・クライバー (指揮 )
バイエルン国立管弦楽団
録 音:1982年5月3日 バイエルン国立歌劇場 ライヴ
音 盤:独オルフェオ(C700051B )
 
 1975~76年にかけウィーンフィルハーモニーと録音された D.G.スタジオ盤も傑作でしたが、こちらの実況録音における物凄い疾走感は格別。もー言うことありませんね。なお、注目の第2楽章の末尾では、弦セクションのピッツィカートを最後までとうとうアルコに戻させないカルロス独自のやり方、スタジオ盤と同じです。

■ なぜ イースター・エピソードに ベートーヴェン「第7 」を?
 
 アニメ「チャーリー・ブラウンのイースター 」の中では その効果が大いに生かされた 絶妙な選曲だったとは 思いますが、しかし なぜイースターで 「第7 」だったのでしょうね?
 発起人の調べてみたところ、確たる理由こそ見当たりませんでしたが、関連のある逸話をひとつ見つけました、それは 以下のとおりです。
 ・・・この 躍動感に満ちたシンフォニーの初演は 公式には 1813年12月の傷病兵のためのチャリティコンサートの場であったことはよく知られていますが、実は これに先立つ 8か月前、ベートーヴェンのパトロンのひとり ウィーンのルドルフ大公の邸宅において 交響曲第8番 と一緒に この第7交響曲は、非公式ながら すでに初演されていた(! )のでした。 それは 春の到来を告げる 4月20日、この年のイースター - 24日 - を すぐ週明けの日曜に控えた水曜日の午後のこと。敬虔なキリスト教徒も多い ドイツ、オーストリア圏のこと、喜ばしい復活祭を日曜日に控え、聴衆の心も このエネルギッシュな音楽に きっと沸き立ったことは想像に難くありません。大成功であった と伝えられています。 

 ところで イースター・ビーグルゆで卵、期待しながら 最後に手を出していたチャーリーブラウンには 残念! 行き渡らなかったようですね。「売り切れです 」だって・・・かわいそうなチャーリー
 でも なんと このエピソード、原作者 チャールス・M.シュルツ氏の 少年時代の思い出を素材にした 実話だったとか・・・
ITS THE EASTER BEAGLE「すみません、売り切れでした」

■ ルーシーとスヌーピーの確執(? )

 イースター・ビーグルの正体がスヌーピーであることを鋭く見破ったのはルーシーひとり。でも それも当然。なぜってスヌーピーが配っていた卵とは 全部ルーシーが用意して隠しておいたイースター・エッグだったから(! )です。
ITS THE EASTER BEAGLEルーシーに握手するスヌーピー ITS THE EASTER BEAGLEあれは私の卵よ!
 
 握手してみせたって ごまかされませんよね。仕舞いに スヌーピーに怒り出すルーシー、さて スヌーピーは一体 どんな決着をつけたのでしょうか?
 ・・・おっと、ここから先は ≪ ネタバレ自粛 ≫ です。

「1970年代コレクション
 ワーナーホームビデオ( DLV-Y26503 )2枚組
 併録作品 : 「恋のかけひき 」、「選挙活動 」、「恋はおあずけ 」、「感謝祭 」、「名探偵 」
 

 1970年代に放映されたスヌーピーの6作品が 一気に見られる「1970年代コレクション 」などで、気になる その結末を ご覧になってはいかがでしょうか、おススメいたします。

■ 書く必要もなかった 余計な一行
 ・・・いやはや。
 本日 - 実は 24日(イースターの当日 ) - 中に 本記事は 投稿させることが 出来ませんでした。それは ついつい TBSドラマ「 JIN ~ 仁 ~ 」を観はじめてしまったせいでもありますが - おかげで 今日 は「明日 」になってしまい、今(午前 1時 )本文中の「今日 」という部分は すべて「昨日 」と いちいち 打ち直さなければならなくなりました・・・ ≪ sigh ≫ 
 はあー 終わったー、・・・寝よ。

 ありがとうございました。
 次回は、 シュローダーが ベートーヴェンを 弾きまくります!

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