スケルツォ倶楽部 
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「サンタクロース物語」(5)
 
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 ↑ 今宵の一枚 ( 2枚とも 中身は 同一音源 )
 「古代クリスマスの典礼( 聖地のクリスマス)音楽 」(Archiv)
 
 このアルバムは、聖地エルサレムの現地録音によって イエス・キリストの生誕に由来する聖歌が収録されています。西方のローマ・カトリック教会東方教会諸派による聖歌が 一堂に集められ、アルバムの最初と最後には ベツレヘム生誕教会の鐘の音 を 加えた稀少な音源集です。
 原始キリスト教時代 いにしえのクリスマスに想いを馳せ、何より この企画・制作者のエネルギーには 圧倒されます。

ベツレヘム生誕教会の鐘」 ベツレヘム、ギリシャ正教会礼拝堂にて収録
ローマ・カトリック教会の聖歌 」 シスター・マルシア指揮/シオン修道院聖歌隊、
ギリシャ正教会の聖歌 」と「マタイ福音書 第1章からの朗読(古代ギリシャ語) 」 チェザリウス修道院長 と 神学校聖歌隊、
エチオピア教会の聖歌 」と「ルカ福音書 第2章からの朗読(ゲエズ語) 」 マルゲタ・アムダ・ミカエル(独唱)、修道院聖歌隊、アンバ・ヨゼフ教父、
ギリシャ・カトリック教会の聖歌 」と「ガラテア書 第4章からの朗読(アラビア語)」 ニコラス(独唱)、ナタマエル・シャハーデ修道院長 と 聖歌隊、
アルメニア教会の聖歌 」 エルサレム、アルメニア教会聖歌隊
コプト教会の聖歌 」と「ヨハネ福音書 第1章の朗読(アラビア語) 」 バジリウス教父 と 少年聖歌隊・修道院聖歌隊
古代シリア教会の聖歌 」と「ルカ福音書 第2章からの朗読(アラム語) 」 シリア教会聖歌隊、アブナ・ヤクープ司祭 と 独唱者、
マロナイト教会の聖歌 」 ジャック・ラード司教 と エティエンヌ・クリ(独唱)

録音:1967年9月 エルサレム
Archiv = ポリグラム(POCG-9832)


・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

「サンタクロース物語」
(5)不覚! 出遅れたニコラウス
 

 さて翌日の朝、ニコラウスは 仕上げた木製のおもちゃを ひとつずつ大きな袋につめ込みながら、博士たちのもとへ出かける準備をしていましたが、ふと 入口のドアの足元を見下ろすと、その隙間に いつのまにか 一通の手紙が 外から差し込まれていることに気づきました。
「おや?」
その差出人は、東方の三博士でした。
どれどれ - とニコラウスが支度の手を休めながら 掌ほどの羊皮紙を広げた瞬間、文面に「大至急 出発」、「独りで目的地へ」などと書かれた文字が目に飛び込んできました。
「なに?」
彼は 思わず直立不動の姿勢のまま 手紙を読み始めます。

「   前略 ニコラウス殿
   
   遂に 今日の明け方、“メシアの星 ”が止まったことを確認した。
   今宵、“御子”が お生まれになるのだ。
   われら三人は 星の終着地点を特定し、その方角へ向けて
   大至急 出発しなければならなくなったことを
   まず この書面をもって お知らせする。

   そこで 誠に申し訳ないことだが、
   ニコラウス殿は 独りで “メシアの星 ”の位置を頼りに
   本日の夜までに 目的地へ向かってほしい。
   われらの計算間違いでなければ その場所は
   エルサレムの都ではなく、意外なことに
   そこから さらに7㎞ほど南に下った ベツレヘム という村らしい。

   エルサレムの都を通り過ぎてしまうことになるので、
   われらは 途中 ヘロデ王の宮殿へ 挨拶に立ち寄るつもりだ。
   ( ・・・それは、もしや 神の御子についての情報を
     王宮がつかんでいるのではないか と期待してのこと。 )

   万一、われらと すれ違って合流できなかったとしても、
   その時には どうか 「東の国の王から」だと言って、
   あなたが彫った 素晴らしい芸術品を 御子へ手渡してもらいたい。

   神のご加護があらんことを 心より祈る。        草々

                カスパール、メルヒオール、バルタザール  」

 慌ててニコラウスが この手紙の日付を検(あらた)めると、何と それは 彼が三人の博士たちを訪問した すぐ翌日の朝に書かれたことになっています。
 彼は愕然としました。
 一心不乱におもちゃ作りに没頭していたニコラウスは、使者の訪問があった(らしい)ことに まったく気づかなかったのです。使いの者の立場になれば、室内から応答がなければ留守と判断して 手紙をドアに差し込んで帰ってしまうのも当然でしょう。
「落ち着いて、落ち着いて 」
彼は、あせって混乱した頭の中を 必死に整理しながら、考えました。
 今 手にしている手紙の文章は すでに七日前の情報ということになります。
 ここ エリコからエルサレムの都までは 徒歩で半日の行程、もし博士たち一行がヘロデ王の宮殿に立ち寄ったとしても そのエルサレムから目的地ベツレヘムまでは 数時間あれば着いてしまうほどの近距離なのです。途中ですれ違えるどころか、 三人の博士らは おそらく この手紙を書いたその夜のうちに 目的を達し、すでに東方への帰路にあることは 間違いないでしょう。
 ニコラウスは、ため息と一緒に 両膝も 床につきました。そして そのまま数秒間ほど放心していましたが、しかし 次の瞬間、全部のおもちゃをどっさり入れた大きな袋を どっこいしょと肩に担ぐやいなや、明るい戸外へと飛び出していきました。
 ニコラウスには、もはやベツレヘムへ急行するしか選択肢はないのです。
 彼は駆けました、「神の御子」のもとへ! それは とりもなおさず マルタとカルロスのもとへ!

・・・ 次回、 (6) 「 ヘロデ王 」 へ 続く

    キリスト時代のパレスチナ地図
  キリストの時代のパレスチナ ( 国際ギデオン協会の 新約聖書に掲載 )

文章:“ スケルツォ倶楽部 ”発起人

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